県議会報告

平成26年11月定例会

  1. 滋賀県基本構想(原案)について
  2. 国民体育大会開催に向けた施設面での課題について
  3. 平成27年度当初予算編成方針について
  4. 水源林保全のための仕組みづくりについて
  5. 地域における医療・介護サービスの提供体制の改革について
  6. 企業誘致について
  7. 農地中間管理事業にかかる機構集積協力金の財源確保について
  8. 土砂災害防止対策の推進について
  9. 特別支援教育について

平成26年9月定例会

  1. 這い上がるしかない滋賀の学力向上について
  2. 農業生産を支える土地改良区の運営について

平成26年2月定例会

  1. 水道施設の耐震対策及び更新と経営資源活用の考え方について
  2. 知事就任二期目の退職手当について

平成26年11月定例会質問

質問内容

  1. 滋賀県基本構想(原案)について
  2. 国民体育大会開催に向けた施設面での課題について
  3. 平成27年度当初予算編成方針について
  4. 水源林保全のための仕組みづくりについて
  5. 地域における医療・介護サービスの提供体制の改革について
  6. 企業誘致について
  7. 農地中間管理事業にかかる機構集積協力金の財源確保について
  8. 土砂災害防止対策の推進について
  9. 特別支援教育について

議事録

平成26年11月定例会議(第18号~第22号)-12月01日-02号
3番有村國俊議員の発言を許します。
◆3番(有村國俊議員) (登壇、拍手)自由民主党滋賀県議会議員団を代表して、質問を行います。よろしくお願いいたします。
 最初に、11月22日に発生した長野県神城断層地震によって被害を受けられた皆様に、衷心よりお見舞いを申し上げます。また、緊急の対応に当たっていただいた皆様に、心より感謝を申し上げます。
 さて、第47回衆議院議員総選挙がいよいよあす公示されます。知事は、さきに行われた私たち自由民主党議員団との政策懇談会の席上で、また、11月26日に行われた定例記者会見で、今回の選挙へのかかわり方について、「知事として中立」と発言をされました。一方で、「政治は理念と政策、人と人とのつき合い、つながり」とも発言されました。しかしながら、昨日の新聞報道によると、知事は民主党立候補予定者の事務所開きに出席され、「アベノミクス、この道しかないというのは違うのではないか」と安倍政権を批判、100人の参加者に、「○○さんの応援を申し上げる」とのことでありました。
 一方、先ごろ、知事の個人事務所から後援会の会員さんへ封書が送られました。筆書きの文面はかなりの達筆であったと認識しておりますが、冒頭に、「ともに歩んでくださる皆様へ」と書かれていました。内容云々は申し上げませんが、滋賀県政に当たる私たち県議会も滋賀県民も、ある意味、知事とともに歩んでいるはずですので、政策懇談会で、あるいは記者会見で「選挙は中立」とも知事は発言されてきたわけですから、決して県民から誤解されなきようお願いいたします。御自身の信念であろう発言には、責任を貫いていただければ幸いであります。
 ところで、今回の衆議院選をめぐっては、解散以前から、大義なき解散、あるいは大義なき選挙という言葉が至るところで目につきます。このように、大義なきという言葉が取り沙汰された選挙は記憶になく、困惑を禁じ得ないとの報道もありました。
 そこで、改めて大義の意味を確認しました。大義とは、人間として踏み行うべき最も大切な道、特に国家、君主に対して国民のとるべき道とあります。そもそも、日本国憲法下で解散をせず任期満了で衆議院選を行ったのは、昭和51年当時の三木武夫首相だけです。それ以外のあまたの選挙は、果たして人間の最も大切な道、国家、君主に対してとるべき道として実践されたものでしょうか。首相の専権事項である解散権を行使した安倍首相に、大義がないと詰め寄ること自体、これまでの解散に対して、どのような姿勢で臨み、どのような批判をしてきたのか、どのような大義が実現していると信じてこられたのか、私も一度問いたいところであります。
 経済政策において最も重要な指標、それは、いかなる国においても雇用であり、賃金であります。政権交代後、この2年間で雇用は100万人増加しました。有効求人倍率は22年ぶりの高水準で、47都道府県全てで上がり、平均2%以上給料がアップし、過去15年間で最高となりました。企業の収入がふえ、雇用が拡大し、賃金が上昇し、消費が拡大する経済の好循環の流れが、本県においても着実に生まれようとしています。
 御承知のとおり、前政権の民主党は、内政、外交を通じて、公約が破綻して失政を重ね、そして国民の信を失いました。二度と、あの暗く混迷したときに決して後戻りさせるわけにはいきません。ようやく動き出した経済の好循環を、今とめるわけにはいきません。今の政策をしっかり進めることによって、賃金は間違いなくアップし、県民生活は豊かになると大きな期待を膨らませています。
 景気回復、この道しかありません。私たち自由民主党議員団は、引き続き、丁寧に、そして着実に、本県においてもアベノミクスを進め、夢と希望の持てる滋賀を県民の皆様とともにつくって歩んでまいります。
 それでは、順次、知事と教育長に答弁を求めます。
 まず、滋賀県基本構想原案について、知事に伺います。
 今定例会議において、次期基本構想原案の策定状況が報告されたところであります。時代の潮流と課題では、「本格的な人口減少社会の到来と少子高齢化の進行、東日本大震災等を契機とした大規模な地震災害とエネルギー政策などへの不安の高まり、これまでに経験したことのない異常気象による水害・土砂災害の恐れ、経済・社会のグローバル化の進行など、本県を取り巻く情勢は大きく変化しており、時代の大きな転換期を迎えている」としています。
 特に、時代の大きな転換期の要因の一つとなっている人口減少問題について、我が自由民主党では、急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本を維持していくため、まち・ひと・しごと創生に全力で取り組んでいるところであります。
 本県でも、さきの11月1日現在の人口推計で、48年ぶりに前年の人口を下回り、本格的な人口減少局面に入ったと推測されております。人口減少以外にも、異常気象による災害への対応など課題が山積する中では、国の動きに歩調を合わせるとともに、市町や地域の現状を踏まえながら、しっかりと連携し、この大きな転換期を乗り越えていかなければなりません。このような中、基本構想原案に知事の思いをどのように反映させ、重点的に取り組まれようとしているのか、伺います。
 次に、同じく時代の課題と潮流の中で、「原発に依存しない、新しいエネルギー社会をできる限り早く実現することが求められている」としています。一方で、「2030年において、本県の温室効果ガス排出量が1990年比で50%削減された社会の実現を目指して、低炭素社会づくりに引き続き取り組むことが求められている」としています。
 我が会派は、再生可能エネルギーなどの新エネルギーが、火力発電や原発にかわる基幹エネルギーとして技術的にもコスト的にも可能になれば、いずれは原発をなくすべきと考えています。しかしながら、太陽光発電は電力の安定供給に不向きなことや、地域における送電線が整っていない問題があるなど、現時点では技術的にもコスト的にも難しいのが現状です。
 原発の稼働停止により電気の二酸化炭素の排出係数が上昇する中では、原発に依存しない新しいエネルギー社会と温室効果ガス50%削減の社会、両方の実現は難しいと考えますが、温室効果ガス50%削減を引き続き堅持されるのか、伺います。
 これまでも知事が答弁されたように、エネルギー政策は国が責任を持つべき政策であります。国では、世界で一番厳しい安全基準である新規制基準に適合した原発の再稼働はやむを得ないと判断し、川内原発や高浜原発が再稼働に向けて準備が進められています。
 電気料金の値上げが相次ぎ、家計や企業の経営を圧迫している現状や、再生可能エネルギーが基幹エネルギーとなるには現時点では難しいこと、エネルギー政策について県として責任をとれないことを鑑みれば、原発に依存しないという文言は、やや無責任な記述であると考えます。
 エネルギーをめぐる社会情勢の変化は一定理解できますが、原発に依存しないを掲げるのであれば、具体的な目標年次を含めた行程表を示す必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、重点政策編における4年後の目標とする指標について伺います。
 2040年の目指す姿を実現するためには、目標値をしっかりと設定し、事業の進捗状況を把握するとともに、事業効果を検証し、目標に対して効果的な施策を打ち出す必要があります。このため、目標値の設定は重要であると認識しているところであります。どのような考え方で目標値を設定されたのか、伺います。
 知事は、基本理念として、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」を高らかにうたっておられます。まち・ひと・しごと創生法でも、基本理念で、「国民が潤いのある豊かな生活を営めるよう、環境を整備する」としており、人口減少社会が到来する中で、豊かさの創生は重要であると認識しております。
 しかしながら、豊かさの概念は幅が広く、これまでも議論があったように、物の豊かさ、心の豊かさなど、時代によっても人によっても、重視する豊かさが違います。このような中、知事の目指す豊かさとはどのような豊かさなのか、伺います。
 次に、国民体育大会開催に向けた施設面での課題について、知事に伺います。
 まず、県立スポーツ施設の整備に向けた検討状況についてであります。
 我が会派は、7月の代表質問において、老朽化が進む滋賀のスポーツ施設の現状に鑑み、滋賀国体を契機に、後の世代に資産として残すことのできる施設整備をしっかり行うべきであるという観点から、知事の所見を伺いました。
 知事からは、「将来に負担を残さない国体開催を目指しつつ、同時に、将来の滋賀の財産となる投資は必要である」との答弁をいただいたところです。国体を契機に、老若男女、障害のあるなしを問わず、多様な人が使いやすい健康づくりの拠点ともなる施設の整備を進め、十分とは言えない本県のスポーツ環境が一新されることを、スポーツ関係者のみならず、県民が期待していると考えます。
 施設整備は国体開催に間に合えばよいというものではなく、競技力向上等の拠点としての活用も考慮すると、可能な限り早期に整備を進める必要があると考えます。県当局におかれては、速やかに施設整備の全体像を提示されることを期待するものです。
 さて、施設の中で最も大規模となる主会場である彦根総合運動場の整備については、(仮称)彦根総合運動公園整備計画検討懇話会が設置され、整備基本構想、基本計画の策定へ向けた本格的な作業が開始されました。
 11月27日に開催された第2回の懇話会は、公園施設の種類、規模、配置等の検討が行われたと仄聞しておりますが、審議会の議論は県民が注目しているところであります。主会場整備に向けた現時点での検討状況について伺います。
 また、主会場以外の県立社会体育施設の整備に向けては、「競技会場としての活用はもとより、将来に向けた持続的な維持が可能か否かの検討を開始した」との御答弁でありましたが、その後、どのような検討を進めておられるのでしょうか、伺います。
 次に、市町の行う施設整備に対する支援方策についてであります。
 県内各地で開催される各競技会場地の選定については、11月末に市町、各競技団体に対し開催希望調査を行われ、年明けよりマッチング作業を行う予定と伺っています。国体開催に向け全県的な機運醸成を図る意味からも、できるだけ早期にそれぞれの競技会場地が決まり、市町における準備が進むよう、県として責任ある調整を期待するものです。
 また、かねてより強く要望がなされていた市町が行う施設整備に対する支援策について、開催希望調査開始のタイミングで示されたことは一定評価するものです。ただ、その内容をお聞きしたところ、体育館等の一般的な競技施設の改修について、国庫補助金等を除いた残額に対し、補助率2分の1、1施設当たりの限度額1億円で支援するとのことですが、市町の関心や期待の高い施設の新設等に対する支援策は提示されておらず、追って検討するとされたところです。
 市町にとって、国体を契機に体育施設をどのように整備するか、そこに県の支援は期待できるかなど、大きな課題です。新設や建てかえに対する支援策についても、早急に県としての姿勢を提示すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、平成27年度予算編成方針について、知事に伺います。
 近畿財務局発表の10月末の管内経済情勢報告によれば、県内景気は一部に弱い動きがあるものの、緩やかに持ち直しているとされており、個人消費や生産活動、雇用情勢など、個別項目においても改善傾向が見られるとされています。先行きについても、海外景気の影響懸念はあるものの、各種政策効果などを背景に、回復に向かうことが期待されるとの判断であります。平成27年度の予算編成作業は、当然、こうした先行きの見通しのもとに進められていると承知をしております。
 さきの9月定例会議の我が会派の代表質問においても指摘しましたが、財政とは、国および地方公共団体による収入、支出の一連の経済活動と定義されています。そこで、まず、現下の県政をどのように認識し、平成27年度当初予算編成に当たり、結果として実現されるどのような本県の姿を描いておられるのか、伺います。
 さて、財政が経済活動である以上、投資という視点が欠かせません。行政として一定の投資は、将来の社会資本の整備や行政サービスの提供としての使命であります。このような観点から現状を鑑みれば、本県財政がここ数年その使命を果たしてきたのか、甚だ疑問であります。
 ところで、東日本大震災からの復興や東京五輪の招致決定などにより、全国的な傾向ではありますが、労務単価や材料費が急騰し、入札不調が相次いだり、落札額が高騰するなど、事業計画に支障が出たり、財政を圧迫する事態が生じています。
 これまでから、我が会派は、事業者や技術者の育成、確保の観点からも、必要な公共事業は着実に実施されるよう指摘してきたところでありますが、単にもったいないを合い言葉に各種事業の凍結や見直しが相次いだ結果、多くの事業者が撤退し、技術の継承もままならない事態となりました。これは、投資を軽視した、もったいない県政の負の影響は明らかだと考えますが、認識を伺います。
 次に、財源の確保についてであります。
 次期行政経営方針のもとにおいても、財源不足が見込まれています。一方、国体開催へ向けた施設整備や公共施設の老朽化対策、ふえ続ける社会保障関係費などを考えますと、今後も厳しい財政運営が予測されていますが、どのように財源を確保されるのか。具体的な手法とその目標額をお示しください。
 なお、政策提案集には、「企業誘致や女性、若者などの雇用拡大による税収増加の積極的推進により、財政健全化を進める」とあります。その見通しについてもお示しください。
 次に、歳出の質の向上について伺います。
 さきに、財政運営においては投資という視点が重要であると述べましたが、限られた財源の中、投資財源を生み出すには、いかにして義務的経費を削減し、投資的経費へ充当できるかが問われます。
 そこで、義務的経費の大部分を占める職員の人件費でありますが、平成24年度決算において、財政力指数が0.717である大阪府職員の平均給与が699万円であるところ、本県は、財政力指数が0.515でありながら、平均給与が705万円であります。財政力指数から見れば、本県財政における人件費の負担はこれでよいのでしょうか。県民から見れば過大であると考えますが、知事の認識はいかがでしょうか。人件費の削減を実行されない場合、どのようにして投資的経費を確保されるのか。県民が納得できる答弁を求めます。
 また、関連して、時間外勤務の縮減について伺います。
 「今年度においては、毎月1時間、額にして9,000万円の削減を目標としている」と、本年2月定例会において答弁されています。平成24年2月定例会の代表質問において、知事部局の職員が1週間に1時間削減すれば、7億6,000万円の削減となると指摘しているところでもありますが、平成27年度に向けて縮減の目標はいかほどか、また、どのようにして達成するのか、伺います。
 加えて、事務の効率化についてでありますが、義務的経費の削減は全国自治体共通の課題であり、さまざまな先駆的な取り組みがなされているところです。総務事務や庁舎管理、物品調達、研修業務などのアウトソーシングや、業務ごとに混在する各種システムの統合や他の都道府県や県内市町との共同開発など、まだまだ改善の余地があると考えますが、認識と今後の取り組む姿勢を伺います。
 予算編成における県民への説明責任、透明化についてでありますが、予算の提案権が知事に限られているとおり、予算編成に関しては知事に絶大な権限が与えられています。そして、改めて指摘するまでもなく、権限には責任が伴います。例えば、県民の皆さんがみずから予算編成過程を知りたいときに、どのような手段や情報を用意されるのか、議会に対してのみならず、県民の皆さんに対してどのように説明責任を果たすのか、明確な答弁を求めます。
 次に、水源林保全のための仕組みづくりについて、知事に伺います。
 県土の2分の1を占める本県の森林は、琵琶湖の水源であり、生命の源である水を蓄え、県土を保全して私たちの暮らしを守ってくれます。また、琵琶湖は近畿1,450万人の命の水源であり、それを取り巻く本県の森林は、本県はもとより、下流域の人々のためにも、森林を適切に管理しながら、次の世代につなげていく必要があります。
 本県では、平成16年に琵琶湖森林づくり条例を制定し、滋賀の森林の多面的機能が持続的に発揮されるようにするために、さまざまな取り組みを行ってきました。しかし、近年は、集中豪雨や昨年9月の台風18号などにより、県内においても土砂災害や山林崩壊などの被害が発生しました。災害による被害を減らすという観点からも、森林の保全のあり方について、改めて注目を集めているところであります。
 こうした中、現在、本県では水源林保全のための仕組みづくりとして、森林審議会からの答申を受けて、水源林としての森林をいかに守るかということについて検討されているところであります。改めて、水源林保全のための仕組みづくりについて検討されたその必要性について伺います。
 森林地域が琵琶湖の水源としての機能を高度に発揮させるためには、森林の管理は不可欠であり、放置された森林は保水力が低下し、土石流などの災害を招きやすいと言われております。しかしながら、林業の採算性の悪化による森林への関心の低下などにより、本県でも、適切な手入れがなされていない森林が目立つようになってきました。適切な手入れをすることにより、琵琶湖の水源涵養、県土の保全など、森林の有する公益的機能が持続的に発揮できるものとして、公益的機能が高度に発揮される森林づくりのための施策を推進する財源を確保するため、琵琶湖森林づくり県民税を県民からいただいて、森林の管理などを行ってきたところであります。
 水源林である森林を適切に管理し、森林の公益的機能の持続的発揮を目指すという観点からは、間伐を推進することは非常に大切であります。間伐は、搬出を条件とする利用間伐にこだわらず、地形が急であったり林道が整備されていない場所では、切り捨て間伐も公益的機能の維持のためには有効かつ必要な事業であります。切り捨て間伐も含め、間伐をさらに推進していくべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、適正な森林の管理を行うには、その森林の境界が明確であることが必要であります。境界明確化は、森林所有者の権利と管理範囲を明確にすることはもちろんのこと、現在の補助制度のもとでの施業計画と集約化には必要不可欠の作業であります。
 森林の所有者は高齢化が進んでいる一方、次世代への引き継ぎが円滑に進んでいないと言われ、また、相続時に登記手続がなされていないことなどによって、所有者を把握することができなくなる森林が増加しており、2050年には、全国で所有者不明森林面積は、本県総面積を上回る47万ヘクタールに上るとの報道もあります。本県では、地籍調査の進捗も十分ではなく、森林に至っては1%台と極めて低い状況にあります。
 ただ、森林の公益的機能の持続的発揮のためには、森林の管理を推進することが何よりも大切であり、境界の確定、地籍調査が進むことを待っていては、森林の管理に支障が出ることは疑いもありません。こうしたことから、森林の境界の明確化と森林の管理について、どのように取り組まれるか、伺います。
 また、本県の森林のうち約9割が、会社、社寺、集落などを含めた民有林であり、その土地が私有されていることから、土地利用に当たって、健全な森林として管理されない所有者に所有権が移転することも考えられます。これら水源森林地域の公益的機能維持増進のための方策について、お考えを伺います。
 最後に、今後50年、100年先を見据えた滋賀の森林への思いを伺います。
 次に、地域における医療・介護サービスの提供体制の改革について、知事に伺います。
 我が国は、2025年に、いわゆる団塊世代が75歳以上となり、3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となる超高齢社会を迎えます。今後、高齢化が進むと、医療や介護を必要とする方がますます増加しますが、現在の我が国の医療・介護サービスの提供体制のままでは十分に対応できないのではないかと懸念されます。
 例えば医療については、入院患者がふえると、救急での受け入れを断られる事例がふえるのではないか、退院して家に帰りたいが、往診してくれる医師が見つからないのではないかなどといった不安があります。
 また、介護については、介護度が重度になり、ひとり暮らしや老夫婦だけでも安心して暮らすことができるか、在宅で暮らすことができなくなったときの施設が十分にあるか、認知症になっても地域で暮らし続けていくことができるかなどといった不安があります。
 このため、国では、高度な急性期医療が必要な患者は、質の高い医療や手厚い看護が受けられ、リハビリが必要な患者は身近な地域でリハビリが受けられるようにする必要があるとしています。同時に、退院後の生活を支える在宅医療や介護サービスを充実し、早期に在宅復帰や社会復帰ができるようにするとともに、生活支援や介護予防を充実させ、住みなれた地域で長く暮らすことができるようにする必要があるとしています。
 こうしたことから、国においては2025年を見据え、限られた医療・介護資源を有効に活用し、必要なサービスを確保していくため、いわゆる地域医療介護総合確保推進法を制定し、病床機能報告制度や地域医療構想の策定、消費税増税分を財源とする医療・介護サービス提供体制改革推進のための新たな財政支援制度の創設などを柱とする、医療・介護制度改革を進めていくこととしています。
 本県においても、これにおくれることなく、積極的な取り組みが必要と考えますが、まず、今回の医療・介護制度改革の意義について、どのように認識されているか、伺います。
 今回の制度改革の中で、都道府県は、2025年の地域の医療需要を推計し、目指す医療提供体制を描く地域医療ビジョンを策定することとし、これを実現するための新たな財政支援制度として、地域医療介護総合確保基金が創設されました。本定例会議においても、基金条例案と基金活用事業に係る補正予算案が上程されています。
 そこで、この新たな財政支援制度を活用して、本県はどのような姿を目指していくのか、伺います。
 次に、今回の基金活用に当たっては、現場の理解、協力が不可欠というのが国の考えと聞いておりますが、事業案の検討に現場や関係者の意見は反映されているのか、伺います。
 最後に、今回の基金事業は、相当な事業数、予算額となっています。意気込みは理解できるものですが、事業執行においていささか危惧します。どのように進めていくのか、伺います。
 次に、企業誘致について、知事に伺います。
 本県は、恵まれた地理的条件、広域交通基盤の整備を背景に、高度な先端技術を有し、グローバルに活躍するさまざまな分野の大企業が多数立地し、近年では、研究開発機能を併設したり、マザー工場化が進んでいます。県内中小企業にとっても、これらの企業と連携することにより新たな成長市場に参入するなど、本県のものづくり産業の競争力強化にとって大きな強みとなっています。
 しかし、今後、人口減少社会による国内市場の縮小に伴い、生産拠点集約化が進む一方、グローバル展開する成長企業の設備投資の動きも見られ、地域経済の発展に貢献する成長企業の誘致は、他地域のみならず、海外との競争が激しさを増していると言えます。県内経済の発展に必要な企業誘致、既存立地企業のさらなる設備投資を促進するためには、本県の立地環境の優位性をアピールすると同時に、立地助成金などの優遇制度を維持することによって、他地域のみならず、海外との競争に打ち勝つ必要があると考えます。
 このような状況の中で、全国的に見た優遇制度の現状について、さらに、これまでの県の優遇制度の現状と効果を踏まえて、その評価について伺います。
 また、企業誘致において他地域や海外との競争に打ち勝つためには、企業が立地する受け皿である企業用地が必要となることは言うまでもないことです。県の土地開発公社が、去る11月6日に滋賀竜王工業団地の公募を開始したと聞いています。これは面積約30ヘクタールの大規模なもので、竜王インターから5分の交通至便の地であり、今後、県経済を牽引する企業が多く立地することが望まれ、大いに期待するところですが、滋賀竜王工業団地に係る企業誘致の取り組み状況を伺います。
 あわせて、滋賀竜王工業団地以外の企業用地の現状と、今後の対応策についても伺います。
 また、企業誘致は県庁だけが取り組んでいるものではなく、当然、県内の市町もそれぞれに熱心に取り組んでおられます。しかしながら、全国各地の優遇制度に対抗していこうとするならば、各自治体が別々に取り組んでいても、企業側から見れば決して魅力的には思えず、「労多くして功少なし」が懸念されるところです。
 そこで、県内各地を地域ごとに区分して、各域内の市町を県がコーディネートして、圏域で企業誘致に取り組むような仕組みを構築することも必要と考えます。現状の市町との連携について伺います。
 そして、今日までの企業誘致の優遇制度は、いずれの自治体においても補助金が中心で、日本全国各地で補助金額の競争が展開されています。しかしながら、全国一律で同じような施策が展開されるならば、本県が特に優位であるはずもなく、本県ならではの誘致に関する支援制度が求められるのではないでしょうか。企業が進出を決める理由には、こうした補助金以外にどのようなものがあるとお考えか、伺います。
 また、企業は地域に対して補助金以外のどのような支援を求めているとお考えか、伺います。
 今後、県内経済を一層活性化し、幸せや豊かさを実感できる滋賀の実現を目指すために、知事としてどのような思いを持ち、企業誘致に取り組まれるのか、伺います。
 次に、農地中間管理事業に係る機構集積協力金の財源確保について、1点に絞って知事に伺います。
 国は、平成26年度から農業を成長産業とするための4つの改革を開始しました。その一つである農地中間管理事業では、農地の有効活用の継続や農業経営の効率化を進め、担い手への農地利用の集積、集約化の加速化を目指しています。
 この農地中間管理事業を推進するため、国は機構集積協力金総額253億円を措置し、この事業を通じて、担い手への農地集積を図る地域や農地の出し手に対する支援策を打ち出しました。その内容は、担い手への農地集積を図る地域には、地域の農地面積に対する貸し付け割合に応じて、10アール当たり2万円から3万6,000円、農地の出し手には、一定の交付要件を満たせば1戸当たり30万円から70万円が交付されます。
 本県では、機構集積協力金を担い手への農地集積を図る重要な手段として積極的に活用する方針のもと、行政機関およびJAが連携して働きかけを行ってこられました。
 しかしながら、平成26年度の農地中間管理機構への農地の貸し付け申し出期限である9月末において、機構集積協力金の交付見込み額が11億3,400万円となり、国からの予算配分額4億2,900万円を大幅に超過する状況となっています。このことは、現状では次年度以降に交付が先送りできない経営転換協力金5億3,100万円と、耕作者集積協力金1,600万円すら全額賄えない状況にあるばかりでなく、地域集積協力金5億8,700万円に至っては全く確保されない状況となることを意味しています。
 国においては予算確保に対する具体的な説明はありませんが、万一、地域集積協力金が交付されない状況になれば、地域農業が混乱し、農地中間管理事業を通じた農地集積に対する農業者の信頼は失墜することは明らかです。
 また、これまで時間をいとわずに政策推進のために努力してこられた集落営農組織の役員の皆さんや、市町等関係団体、JAの役職員の落胆は殊のほか大きく、関係者にとって到底納得できるものではありません。また、本県のように農地中間管理機構を通じて担い手への農地利用の集積、集約を積極的に進めている県ほど不公平になります。
 こうした中、11月7日には、知事を先頭に、農林水産大臣等関係機関に緊急要望を行っていただいたところです。そこで、その結果等を踏まえて、今後、本県としてはどのような対策を講じていくのか、伺います。
 次に、土砂災害防止対策の推進について、知事に伺います。
 近年、台風や異常気象による記録的な集中豪雨が全国各地で頻発しており、本県においても、一昨年8月の大津市南部豪雨災害、昨年9月の台風18号災害、そして本年8月の台風や大雨で県内各地に被害が続出し、広島市においては、土砂災害で死者74人、被災家屋400戸以上の甚大な被害が発生しました。
 そのような状況の中、土木交通部では、災害に強い県土づくり、地域の活力を支える県土基盤づくり、社会インフラの戦略的維持管理などを柱として重点的に取り組み、土砂災害の防止については、ハード対策とソフト対策を車の両輪として一体的に推進しています。
 そのハード対策として、土石流を防ぐための砂防堰堤、急傾斜地崩壊対策の擁壁や法面防護枠などの砂防施設の整備をうたわれていて、整備に当たっては、災害時要援護者関連施設のある箇所、近年に土砂災害が発生した箇所を優先的に進めていくとされています。一気に進めば問題はないと思いますが、財政をはじめ、設計や施工などの課題もあり、段階的に進めなければならないと考えます。
 そこで、整備に対して優先順位をどのようにつけるのか。また、整備の早いところはいいですが、遅いところはどのように対応されるのか、伺います。
 続いて、土砂災害防止のもう一方のソフト対策について伺います。
 広島の土砂災害を大きくした要因として、被害を受けた方々がみずから住んでいるところが危険であることを知らなかったことや、知らせるための土砂災害警戒区域の指定がなされていなかったことが明らかになりました。そのことから、いつ発生するかわからない土砂災害に備え、国民の命を守るため、土砂災害の危険性のある区域を明示し、避難体制を充実強化する必要があり、土砂災害防止法の一部を改正する法律が11月19日に公布されました。
 その主な内容は、土砂災害警戒区域を指定するための基礎調査が終わった段階での結果公表と、市町が避難勧告を命令する基準となる土砂災害警戒情報の関係市町への通知、住民への周知を都道府県に義務づけられます。
 現在、県内の土砂災害危険箇所は4,910カ所であり、そのうち、土砂災害警戒区域の指定済み箇所は3,615カ所で、指定状況は73.6%であります。本県の課題は、都市部における地域指定による住民の資産価値低下への懸念であり、特に大津市においては区域指定率が47%と低い状況にあります。
 そのようなことから、関係市町と緊密に連携して区域指定を進め、避難体制の充実強化、住民意識の向上や危険個所への新規住宅の立地抑制などを進めていかなければなりません。危険個所の早期指定に向けての基礎調査や建築制限等への支援について、どのようにされるのか。また、指定完了の目標年次を2年前倒しして平成30年度末に改められましたが、計画どおり推進できるのか、その内容について伺います。
 次に、特別支援教育について、知事と教育長に伺います。
 本年1月、我が国は障害者の権利に関する条約を批准し、2月には、この条約が発効いたしました。また、この条約の批准に先立ち、去る平成23年8月には障害者基本法が改正され、その第16条において、「国および地方公共団体は、障害者が、その年齢および能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り、障害者である児童および生徒が障害者でない児童生徒とともに教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容および方法の改善および充実を図る等、必要な施策を講じなければならない」と、新たに規定されたところです。
 また、中央教育審議会においても、平成24年7月の共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進と題した報告書の中で、「障害のある子供が、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立し、社会参加していけるよう、教育の充実を図ることは大変重要」また、「障害のある子供が地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、地域の同世代の子供や人々の交流等を通して、地域での生活基盤を形成することが求められていることから、可能な限り、ともに学ぶことができるよう配慮することが重要である」と報告しています。
 一方、本県でも、本年3月に策定した第2期滋賀県教育振興基本計画において、共生社会に向けた多様なニーズに対応する教育の推進として、「インクルーシブ教育システムの構築に向けて、可能な限り障害のある子供が障害のない子供とともに教育を受けられるよう配慮します」と今後の方針を示しています。
 知事は、かねてより、「障害のある人もない人も尊重され、ともに暮らし、ともに学び、ともに働く環境づくりを推進する」と発言してこられました。この知事のともに学びという言葉は、ただいま申し上げてきたインクルーシブ教育と同じものと考えてよいかどうか、伺います。
 また、インクルーシブ教育をどう捉え、今後どのように進めようとお考えなのか。インクルーシブ教育を進めるには、市町の協力と理解を欠かすことができないものから、見解を伺うものであります。
 最後に、全て教育長に伺います。
 平成24年の11月定例会における我が会派の代表質問において、教育長は、障害児の増加に対する特別支援学校の問題に関し、「インクルーシブ教育システムの観点などを踏まえ、本県として、これからの特別支援教育のあり方など、抜本的な検討が必要と考えており、平成25年度には事務局内で課題整理に着手し、引き続き有識者による検討を行う」と答えておられます。とすれば、今年度は有識者による検討が行われているものと思いますが、まず、有識者による検討がどのように行われているのか。また、有識者による検討は、何を目途に、具体にどのような内容について検討されているのか、伺います。
 次いで、会議の進捗状況と各委員からどのような意見が出されているのか。主なものについてお尋ねします。
 また、今回のこの有識者による検討を踏まえ、今後、本県の特別支援教育のあり方について、どのように検討を進めていかれるのか伺い、代表質問を終わります。(拍手)
○議長(赤堀義次) 3番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)有村議員初め会派の皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。
 きょうから12月、年の瀬です。ことしも、大雨、土砂災害、噴火、地震等、自然災害で被災される方が多くいらっしゃいました。私の立場からもお見舞いを申し上げますとともに、まずは、滋賀県、また知事として、災害に遭われた方々の復旧に努めるとともに、防災対策にも万全を期すことを誓い合いたいと存じます。
 代表質問にお答えをいたします。
 まず、第1問の滋賀県基本構想案について、5点いただきました。
 1点目の基本構想案にどのように思いを反映し、重点的に取り組もうとしているのかということについてでありますが、本格的な人口減少社会の到来など、時代の大きな転換期を迎え、経済社会が成熟し、かつてのような経済成長が望めなくなる中、価値観があらゆる面で多様化し、ともすると、将来に対する不安感や閉塞感が広がっているようにも思います。
 このため、将来に対する不安を安心に変え、県民の皆様が夢や希望を抱くことができる豊かな社会を築いていくためには、これまでの生き方や価値観を見直し、滋賀の強みを生かし、次世代のことも考えた新しい豊かさを県民の皆様とともに追求していくことが必要であるというふうに考えております。こうした考えを新たな基本構想案に反映させ、基本理念として、「夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀」を掲げさせていただいております。
 また、基本構想の策定に当たりましては、県民の皆様と直接対話をいたします「こんにちは!三日月です」において意見交換を行ったり、例えば福祉の担い手の方々と懇談するなど、できるだけ現場の生の声をお聞きし、多くの県民の皆様から御意見をいただくことを心がけております。
 そのような中で、これからの4年間で先駆的かつ重点的に取り組む7つの重点政策については、部局横断的に協議をし、具体的な実施計画を策定した上で、着実に推進してまいりたいと考えております。
 次に、温室効果ガス50%削減を引き続き堅持するのかという御質問でございますが、原発停止による火力発電の増加を主な原因といたしまして、本県の2012年度――平成24年度の温室効果ガス排出量は、1990年度――平成2年度比で、2002年度――平成14年度以降としては初めてプラスに転じ、6.0%の増加となりました。
 一方で、国連のIPCC――気候変動に関する政府間パネルの報告書では、平均気温の上昇を2度C未満に抑えるためには、今後、数十年にわたり温室効果ガスの排出量を大幅に削減することが必要とされております。
 また、国が昨年11月に発表いたしました攻めの地球温暖化外交戦略においても、2050年までに80%削減を引き続き掲げているところであります。来年12月のCOP21――気候変動枠組条約締約国会議に向けて、今後、我が国のエネルギーミックスや長期的な温室効果ガスの削減目標などが策定される見込みであり、これらの動きも注視する必要がございます。
 そうした中にあって、本県の50%削減目標は、持続可能な社会の実現のための必要な目標として設定したものであり、既に温暖化の影響が琵琶湖にもあらわれ始めていることや、IPCCの報告からも、50%削減目標達成の必要性はこれまで以上に高まっているものと認識いたしております。
 温室効果ガス排出量の削減と、できるだけ早く原発に依存しない新しいエネルギー社会をつくっていくことは、どちらも重要な課題であり、本県としても、省エネ、節エネの推進や再生可能エネルギーの導入促進、関連産業の振興などのさまざまな施策を加速化してまいりたいと考えております。
 3点目の原発に依存しない新しいエネルギー社会に向けた行程表についてでございますが、福島第一原発事故の教訓や使用済み核燃料の処理、廃炉など、いわゆる静脈の未整備といった深刻な課題を踏まえますと、一日も早く原発に依存しない新しいエネルギー社会を実現していくことが求められているというふうに認識いたしております。
 このため、基本構想にその考えを盛り込んだ上、新年度に向けて組織体制を整備し、新しいエネルギー社会に向けた道筋について、具体的に検討を進めていきたいと考えております。この中では、国のエネルギーミックスの方針や温室効果ガスの削減目標策定の動向などを注視し、さまざまな御意見もお聞きしながら検討を進めていくことが必要と認識いたしております。
 原子力発電を含むエネルギー政策自体は国の所管事項であることから、県だけでできることには限界があるものの、省エネ、節電の推進や再生可能エネルギーの導入促進、関連産業の振興など、エネルギーの地産地消や地域内経済循環のさらなる推進に向けて、県として取り組むべき施策について具体的な内容を検討していきたいと考えております。
 あわせて、国に対しましても、原発の新設が難しく、既設原発の老朽化が進行するという現実の中で、将来を見据えた安全で安心なエネルギー供給体制の確立や廃炉の検討など、国民的議論を喚起しながら、国全体で原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けた道筋をつくっていくことを強く求めていきたいと考えております。
 4点目の目標値設定の考え方についてでありますが、基本構想審議会で御議論いただく中で、県として取り組む施策が成果としてつながってくるもので、県民の皆様にわかりやすく、実際に毎年度の進行管理が可能であるものを指標として設定いたしております。いずれの目標値も、現状と課題、県政世論調査等で明らかになった県民の皆様の思い、目指す方向などを踏まえ、あるべき姿を描く中で重点的な取り組みを進めることにより、初めて達成可能となるものだと考えております。
 5点目の目指す豊かさについてでありますが、経済社会が成熟し、将来に対する不安感や閉塞感が広がっている状況を背景に、国民総幸福量が大切であるとされているブータンへの共感や、希望と社会との関係を考える希望学が注目されてまいりました。こうした中、誰もが夢や希望を抱き、幸せや豊かさを実感できる滋賀を実現するためには、これまでの生き方や価値観を改めて見直し、新しい豊かさを追求していくことが必要であるというふうに考えております。
 新しい豊かさとは、自分の豊かさだけでなく、今の豊かさだけでなく、ものの豊かさだけでもない、みんなが将来も持続的に実感できる心の豊かさであり、それぞれの豊かさがつながり調和していくものであると捉えております。この新しい豊かさを県民一人一人が考え行動することが、夢や希望に満ちた豊かさを実感できる滋賀を実現していくことになるというふうに考えております。
 次に、第2問の国民体育大会開催に向けました施設面での課題について、3点、御質問をいただきました。
 まず、1点目の県立スポーツ施設の整備に向けました検討状況のうち、主会場整備に向けた現時点での検討状況についてでありますが、県立彦根総合運動場の再整備に向け設置いたしました検討懇話会を、先月末までに2回開催をいたしまして、公園整備の基本方針や施設の種類、規模、配置などについて、施設利用や景観などの専門的見地から検討をいただいているところであります。
 懇話会では、彦根総合運動場を県民のスポーツ拠点として機能を強化するとともに、世代を超えて人々に長く愛着を持って利用される、多様な機能を備えた公園として再整備することが重要であるなどの御意見をいただいております。
 こうした御意見を踏まえまして、隣接する約8ヘクタールを加え、全体として約22ヘクタールまで拡張いたしまして、芝生席を含めて2万人を収容する第一種陸上競技場を新設し、存置する野球場に加え、庭球場等の施設や緑地、駐車場などの公園機能を再整備したいと考えております。
 なお、拡張可能な敷地に限りがあること、運動施設の面積率、建蔽率の制限や施設の利用状況等を勘案した結果、プールの公園敷地内での設置は困難であると判断しており、これへの対応を検討する必要があると認識いたしております。
 懇話会での検討とあわせまして、公園整備や敷地拡張の考え方について地元の皆様にも丁寧に説明をし、さらに県民の皆様からの御意見もお聞きいたしまして、年度内に公園整備の基本構想を策定、来年6月末までには基本計画を策定してまいりたいというふうに考えております。
 2点目の主会場以外の県立社会体育施設における現時点での検討状況についてでありますが、県立社会体育施設の効率的、効果的な運営管理と、今後必要となる施設整備の基礎資料とするため、現在、教育委員会において各施設の状況を整理し、あわせて、平成36年の国体で活用する場合の課題や留意点について取りまとめているところであります。
 各施設の状況につきましては、全体的に雨漏れが発生するなど建物の劣化が進んでおり、また、老朽化を指摘されている施設も多うございます。国体競技会場としての活用を想定した場合、駐車場の確保、施設基準の点で課題のある施設もあり、こうした点も踏まえながら必要な検討を行い、県立社会体育施設の改修や最適な管理を進める必要があると認識いたしております。
 引き続き、年度末を目途に各施設の改修や維持管理経費のシミュレーションを行うこととしており、この結果を踏まえ、各施設の運営および維持管理の方針を、来年度できるだけ早い段階で示してまいりたいと考えております。
 なお、設置から40年以上が経過しております県立体育館や県立琵琶湖漕艇場では、大規模な改修等の検討が必要であると考えております。
 3点目に、市町の行う体育施設の新設や建てかえに対する支援についての所見でございますが、国体開催に向けまして市町が行います施設改修に対する支援策については、去る11月20日に開催されました市町担当者連絡会の場で提示、説明を行ったところです。
 施設の新設、建てかえ等に対する支援策につきましては、現在進めております開催希望調査およびその内容をヒアリングする過程で、各市町の整備に向けた動向やその内容を見きわめ、判断してまいりたいというふうに考えております。整備に要する期間や事業着手のタイミング等を考慮いたしますと、来年度中には一定の方針をお示しする必要があると認識しております。
 3問目の平成27年度当初予算編成方針に関する御質問について。
 まず、1点目の現下の県政をどのように認識し、平成27年度予算編成に当たり、どのような本県の姿を描いているのかという御質問についてでございますが、議員は近畿財務局発表の10月末管内経済情勢報告を御紹介いただきましたけれども、平成26年11月時点におきます県内経済情勢につきましては、先月28日に発表いたしました経済指標から見る県経済の動向において、県内景気は持ち直しの動きが弱まっているとしたところであります。
 県では、経済情勢が全体としてうまく回復基調に乗っていけるよう、公共事業の早期執行や中小企業対策等を行ってまいりましたが、年末に向けた厳しい情勢についても、丁寧かつ迅速に把握、注視しながら、各種施策を実行してまいりたいと考えております。
 こうした中、現在策定中の次期基本構想案では、滋賀の強みを生かし、新たな強みを生み出す滋賀発の産業の創造など7つの重点政策を掲げており、平成27年度に向けた施策の構築では、これらの重点政策を推進するために、予算上の重点化特別枠を設け、具体的施策の方向性について議論をいたしました。本格的な人口減少社会の到来など、時代の大きな転換期を迎える中、誰もが将来への夢や希望を持ち、新しい価値観のもとに豊かさを実感できる社会の実現を目指していく所存です。
 2点目の投資を軽視したもったいない県政の負の影響は明らかではないかとの御指摘でございますけれども、経済情勢の悪化や国の三位一体改革等による財源不足への対応のため、これまで数次にわたり財政構造改革の取り組みを行い、その中で投資的経費については、事業の重点化や効率化を行うこととあわせて、緊急性や必要性を見きわめながら、必要に応じた進度調整など行ってきたところです。
 その結果、投資的経費については一定規模が縮小したところでありますが、そのような中においても、できるだけ県内事業者の受注機会の増加に努め、厳しい雇用、経済情勢への対応に努めるとともに、若年層の新規入職者の促進、イメージアップのための現場見学会、処遇改善のための社会保険加入促進など、建設事業者や技術者の育成、確保に取り組んできたと認識いたしております。
 現在策定中の基本構想の重点政策においても、人やものが行き交う活力ある県土づくりと安全・安心社会の実現を掲げているところでありまして、新年度予算編成に当たりましては、議員御指摘の趣旨も十分踏まえながら、必要な予算については措置してまいりたいと考えております。
 3点目の今後における財源確保の具体的な手法と目標額についてでありますが、現在策定中の行政経営方針においてお示ししているとおり、財政は行政経営を支える土台であることから、将来にわたり持続可能な行政基盤を確立すべく、財務マネジメントに取り組むこととしたいと考えております。
 その中で、財源確保の取り組み項目といたしまして、地域経済の活性化などによる県税収入の安定確保、未利用地の貸し付けや売却などによる収入確保対策の推進、地方交付税総額の確保充実や地方税制度の見直しなど、地方税財源の充実強化に向けた国への要請などを挙げているところです。それぞれの取り組みを具体的にどのように進めるかについては、現在検討中の実施計画で明らかにしてまいりたいと考えております。
 また、財務マネジメントの取り組みといたしまして、財政運営上の目標数値を設定することといたしておりますが、来年度における地方税制や地方財政対策等の状況はこれから明らかになってくることなどから、これらの状況を見きわめつつ、今後、目標額を検討してまいりたいと考えております。
 4点目の企業誘致や女性、若者などの雇用拡大による税収増加の積極的推進の見通しについてでございますが、企業誘致につきましては、本県の立地環境やものづくり産業の集積といった強みを生かし、付加価値の高いものづくり産業に重点を置いて、本社や研究開発拠点、マザー工場など、定着性の高い拠点の重点的かつ戦略的な誘致を図ってまいりたいと考えております。
 また、若者の雇用につきましては、おうみ若者未来サポートセンターでの企業と若年求職者とのマッチングや相談支援の充実に努めるとともに、新たに首都圏や中部圏からのUターン、Iターンを促進するため、県内中小企業の魅力の発信や企業説明会を行ってまいります。
 さらに、女性の雇用につきましては、滋賀マザーズジョブステーションにおいてきめ細やかな支援を行うことにより、就職促進に努めてまいります。
 このような施策により、新たな企業の進出による法人の県民税や事業税の増収や、雇用の増加による個人県民税の増収等につながるものと考えております。
 5点目、財政力指数から見た本県財政における人件費の負担および6点目、人件費の負担が過大ではないかという御質問についてでございますが、議員御指摘の本県と大阪府の職員の平均給与の違いは、年齢構成や全職員に占める教職員の割合の違いなどが影響しているものと考えております。
 職員数につきましては、本県では、人口1万人当たりの一般行政部門では低いほうから16位、警察部門は低いほうから4位であり、全体としてスリムな体制のもとで職務を行っており、これに係る経費は必要な歳出と認識いたしております。
 今後とも、業務とのバランスを考慮した適正な定員管理を行うとともに、人事委員会勧告を基本に、国家公務員の給与水準等を踏まえて必要な見直しを行い、適正な給与管理を行うことを通じて、しっかりと人件費の抑制に努めてまいる所存であります。
 7点目の人件費を削減しない場合における投資的経費の確保についてでございますが、議員御指摘のとおり、柔軟な財政運営を行っていくためには義務的経費をいかに抑えるかが重要となってくることから、これまでの財政構造改革においては、人件費の削減や内部事務経費の削減、県債残高の縮小に努めてきたところです。
 現在策定中の行政経営方針においてお示ししているとおり、今後とも、適正な定員管理や給与管理を通じて人件費の抑制に努めるとともに、スクラップ・アンド・ビルドの徹底や効率的な予算執行により、持続可能な財政基盤の確立に努めてまいる所存であります。
 投資的経費につきましては、経済情勢や地方財政対策等歳入の状況を十分勘案するとともに、事業の緊急性や必要性を十分見きわめ、選択と集中の徹底を図りながら、必要なものについては、優先的な予算配分について意を用いてまいりたいと考えております。
 8点目、平成27年度の時間外勤務の縮減目標と達成方法についてでありますが、時間外勤務の縮減については、職員の健康管理や公務能率の向上の観点から非常に重要であると考えております。
 知事部局において、平成26年度は、国の経済対策や災害対応業務を除き、一人当たり月平均15時間を目標としており、10月までの実績で14.8時間となっております。時間外勤務の縮減に向けては、かねてから朝礼、終礼の実施や勤務時間の割り振り変更の徹底などに取り組んでおり、今年度から毎週水曜日に、管理職員等による退庁時の執務室の施錠など、新たな取り組みも実施しているところです。
 平成27年度は新しい基本構想に基づく新規事業に取り組むこととなりますが、これまでの時間外勤務の縮減の取り組みを継続することにより、今年度を上回らない時間数となるよう努めてまいります。
 9点目の事務の効率化による義務的経費の削減についてでありますが、最小の経費で最大の効果を上げるために、簡素で効率的な行政運営に常に取り組む必要があると認識いたしております。
 御指摘のアウトソーシングについては、これまでからも、窓口業務や文書収発業務、守衛業務などで導入しているところでありますが、今後も、免状交付事務など新たに導入できる業務がないかどうか、不断の見直しに取り組んでまいります。
 また、各種システムの統合についても、平成24年度からの5年間で、庁内28システムのサーバー92台を32台に順次集約化し、管理の一元化を進めるなど、経費削減のための取り組みを進めているところです。
 現在策定作業を進めております次期行政経営方針においても、民間活力の活用や業務の整理、合理化に取り組むこととしており、今後も一層の事務の効率化に積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
 10点目の県民の皆さんに対する説明責任についてでありますが、予算編成に入る前に、次年度に向け政策課題協議を実施しているところでありますが、その際の施策構築の方針や協議結果については、県民の皆様に広く知っていただけるよう公表してきており、今年度も、去る11月21日にホームページで公表いたしました。
 予算編成に当たりましても、知事査定の状況や予算案については、ホームページでの公表のみならず、マスコミの皆さんへの丁寧な説明に心がけることにより、報道を通じて県民の皆さんに知っていただけるよう努めてきたところです。
 また、より予算編成の過程を知っていただけるよう、予算措置の状況や査定理由についても平成23年度予算から公表を行ってきたほか、予算編成システムの導入に伴い、今年度予算からは全細目事業についてホームページ上で公表を行っているところであり、来年度予算編成に当たりましては、全細目事業の見積もり状況の公表も考えていきたいというふうに思います。
 県民の皆様から負託された権限です。権限に伴います説明責任を果たしていけるよう、今後とも周知方法に工夫を凝らすことはもちろんのこと、さまざまな機会を通じて、私を初め職員がしっかりと予算の必要性や効果等を説明できるよう、県民の皆様への説明責任を果たしてまいりたいと思います。
 4点目、水源林保全のための仕組みづくりについて御質問をいただきました。
 まず、1点目のその仕組みづくりの必要性についてでありますが、本県の森林は、琵琶湖に注ぐ水を育み、県民の健康で文化的な生活の確保に寄与しております。こうしたかけがえのない滋賀の森林を健全な姿で未来に引き継いでいくため、平成16年に琵琶湖森林づくり条例を制定し、環境に配慮した森林づくりを推進してきたところです。
 しかし、近年では、他県に見られるような目的不明の林地取得やニホンジカ被害の増加、巨樹、巨木の保護、森林所有者の高齢化などにより林地境界が不明確となっていることなど、新たな課題が生じてきております。こうした喫緊の課題に対応するため、水源林保全のための実効ある仕組みについて検討を進めているところです。
 間伐の推進についてでありますが、御指摘のとおり、森林の公益的機能の維持増進および森林資源の循環利用を進めるため、間伐の推進は特に重要であることから、琵琶湖森林づくり条例に間伐の推進を規定し、森林整備に取り組んでまいりました。
 具体的には、資源の利用が可能な森林については、国の補助制度を活用して施業の集約化に重点を置いて利用間伐を進めており、平成25年度においては約3万立米の間伐材を生産し、5年前の約8,000立米に比べ大幅に増加しているところです。
 また、地形条件等により利用間伐が困難な森林については、琵琶湖森林づくり県民税を活用いたしました環境林整備事業により、平成25年度までの8年間で1,500ヘクタール余りの切り捨て間伐を実施してきたところです。
 今後も、県産材の需要に応えるべく積極的に利用間伐を推進するとともに、9月22日の県森林審議会からの答申にある水源林保全巡視員制度の導入を検討するなど、間伐対象森林の一層の把握に努め、手入れ不足森林の解消を図ってまいりたいと思います。
 3点目に、森林の境界の明確化と森林の管理について御質問をいただきました。
 平成23年度から、琵琶湖森林づくり県民税を活用した事業により、境界の明確化を推進しております。この事業は、森林組合が集約化施業をするに当たり、おおむね3カ年で森林所有者の特定から境界測量までを実施するもので、当事業により、平成25年度末で約670ヘクタールの境界明確化が完了しております。
 さらに、境界明確化は森林経営だけでなく、災害時における早期の復旧等、地域の安全、安心の確保にも資する重要な基礎情報の整備につながるものであることから、森林組合の取り組みに加えて、市町を中心とした森林の境界情報の収集、整理を強化することが重要であります。
 このため、現在検討しております琵琶湖森林づくり条例の改正におきまして、境界明確化について新たに規定をいたしまして、集約化施業や地籍調査の促進につながります取り組みの検討を行い、健全な森林の維持管理を進めてまいります。
 また、境界確定には多くの時間や労力を要することから、森林境界が不明確であっても早急に整備が必要な森林につきましては、地域の合意形成をもとに、整備を一体的に進めている県内外の取り組み事例も参考にしながら、地域の実情に応じた整備を進めてまいります。
 4点目の水源森林地域の公益的機能を維持増進するための方策でありますが、林野庁が調査いたしました居住地が海外にある外国法人等による森林買収の状況などを見ますと、平成25年までの8年間に、全国で79件、980ヘクタールの森林取引があったとされております。こういった取引は本県では今のところ確認されていないものの、琵琶湖の水源林である本県の森林が公益的機能を発揮するために、琵琶湖森林づくり条例の改正とあわせて、新たに水源森林地域を保全する条例を制定し、森林の土地取引の際に、森林所有者から事前に届け出をしていただく制度の導入を検討しております。
 これにより、森林の売買等に当たって、適正な土地利用が図られるよう県が必要に応じて助言、指導することで、琵琶湖の水源である森林の公益的機能の維持増進に努めてまいります。
 最後に、50年、100年先を見据えた滋賀の森林への思いについてでございますが、本県は、琵琶湖を中心に、これを取り囲む田園、まち、そして周囲の森林などが一つのまとまりを形成しており、山から琵琶湖までのつながりの中で豊かな生態系を育んでまいりました。
 とりわけ、滋賀の森林は、生命の源である清らかな水を琵琶湖に供給し、県土を保全して洪水などから私たちの暮らしを守るとともに、多様な動植物の生息の場を提供するなど、さまざまな役割を果たしてまいりました。この滋賀の森林を健全な形で未来に引き継ぐため、県森林審議会からいただきました水源林保全のための仕組みづくりの答申を踏まえまして、琵琶湖森林づくり条例の改正等を平成27年2月定例会議に提案したいと考えております。
 琵琶湖の水源である森林は、世代を超えて共有すべきかけがえのない財産であります。県民みんなが将来にわたって、水源涵養、地球温暖化防止、木材生産など森林からの恵みを享受できるよう、健全で活力ある森林づくりに全力で取り組んでまいる所存であります。
 地域における医療・介護サービスの提供体制の改革に関する4点の御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の今回の医療・介護制度改革の意義についてでございますが、国では、利用者の視点に立った切れ目のない医療および介護の提供体制を構築し、一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していくため、議員御指摘のとおり、地域医療総合確保推進法を制定し、新たな財政支援制度の創設などを柱とする医療・介護制度改革を進めているところです。
 私といたしましても、この改革において、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となる西暦2025年に向けて、誰もができるだけ長く健康を保つこと、そのための施策を充実させることが重要であると考えております。その上で、医療や介護が必要な状態となっても、できる限り住みなれた地域で安心して家族とともに暮らし続け、自宅で最期を迎えられることに意義があると考えており、そのための環境整備を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
 2点目の新たな財政支援制度を活用して本県はどのような姿を目指していくのかということでございますが、本県においても、今後、高齢者人口の増加率が著しく高まると予測される中、医療・介護サービスに対する需要がますます増大するとともに、多様化していくものと推察されます。
 そこで、今回設置する基金を最大限活用し、患者の状況に応じて、例えば、病気を発症し早急に治療が必要な患者には急性期医療を、在宅での生活に向かう患者には回復期あるいは維持期の医療を適切に提供できるよう、病床の機能分化と連携を進めるとともに、在宅で歯科や薬剤を含めた訪問診療などが受けられるよう、在宅医療・介護サービスを推進してまいります。また、医師、看護師、リハビリテーション専門職等の医療従事者の確保、養成に取り組んでまいります。
 こうした取り組みを通じて、地域における医療・介護提供体制の基盤強化や地域包括ケアシステムの構築を図り、誰もができるだけ長く健康を保ち、最期まで充実した人生を送れる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
 3点目の基金事業案の検討に現場や関係者の意見は反映されているのかという御質問についてでございますが、まず、基金事業案の検討に当たりましては、病院、医療関係団体、市町等に対し2回にわたり説明会を開催し、制度の趣旨などを周知した上で、広く医療関係者から現場の実態を踏まえた事業の御提案をいただきました。
 この御提案をもとに、関係者を交え、事業の重要度や優先度を一緒に議論しながら調整を進め、その上で、医療提供者だけでなく、幅広い関係者で構成いたします滋賀県医療審議会において御意見をいただき、さらに、国のヒアリングにも関係団体と臨んでまとめた事業案となっており、関係者とともにつくり上げたものだと認識しております。事業の実施に当たりましても、現場の御意見をしっかりと聞きながら、工夫して取り組んでまいります。
 4点目の今回の基金事業の事業執行をどう進めるつもりかということについてでありますが、基金事業の検討、推進については、私自身、指示をいたしまして、年度途中に発生した事務事業に適切に対応できるよう、健康医療福祉部内に課の枠を超えた横断的な推進検討チームを設置し、また、関係課の間で柔軟に職員を配置するなど、体制を整えているところです。
 こうした体制整備を進めた上で、事業実施に当たりましては、推進検討チームにおいて実績の検証や効果の把握をしっかりと行った上で、外部の専門家、関係機関等の御意見も反映しながら、継続的な事業展開に努めてまいります。
 続きまして、企業誘致について、8問、御質問をいただきました。
 まず、全国的に見た優遇制度の現状についてでございますが、立地助成金などの優遇制度は東京都を除く全ての道府県で制度化されており、激しい誘致競争が展開されております。
 一方、県内の市町についても、15市町が賦課される固定資産税の全部または一部を一定期間助成するなどの優遇制度を持っており、県は市町と連携して企業誘致に取り組んでおります。
 次に、県の優遇制度の現状および効果を踏まえたその評価についてでございますが、平成15年度に助成金制度を設けて、平成21年度から3年間、助成金制度を持たない空白期間はありましたけれども、平成24年度には、滋賀でモノづくり企業応援助成金をまた創設し、経年分も含めまして、今年度は約12億8,000万の助成を予定しており、環境、医療、健康といった成長分野を中心とした高付加価値型企業とともに、食品などの内需型企業の誘致に特に力を入れてきたところであります。
 この結果、創設以来、159億円の助成金の採択により67社を誘致し、地元で2,717人の新規雇用が生まれ、助成対象の設備投資だけでも2,140億円が見込まれるなど、大きな効果があったと認識しております。
 これらの優遇制度に対する評価でありますが、市長会をはじめ多くの市町から、県の優遇制度の継続、拡充の要望がなされており、また、立地企業からも、優遇制度は立地選定における不可欠の要件であり、企業誘致にとって有効、重要な手段であるとのお声も伺っており、企業誘致の実現に大きく寄与しているものと考えております。
 滋賀竜王工業団地に係る企業誘致の取り組みについてでありますが、県土地開発公社や地元の竜王町と連携いたしまして、企業からの問い合わせ情報を共有するなど、一体となった誘致活動を展開しております。
 その一例といたしまして、11月6日に私も参加をいたしまして東京で、同20日には副知事が参加して福岡で立地フォーラムを開催し、両会場で合計81社に御参加いただき、当団地の魅力をアピールしたところであります。
 今後は、12月3日の大阪でのフォーラムに私も参加をいたしまして、トップセールスを行う予定であります。あわせて、後日、フォーラム来場者の企業を訪問するなど、積極的な誘致活動を展開してまいりたいと思います。加えまして、県土地開発公社により新聞の全国紙への広告掲載や、東京駅、新大阪駅、伊丹空港などに広告看板を設置するなど、大都市圏でマスメディアを活用した誘致活動を行っているところです。
 こうした企業用地の現状と今後の対応策についてでありますが、企業用地の現状につきましては、本年11月末現在の県内の紹介可能な工業団地は3区画、4.3ヘクタールで、新たな企業用地の確保が課題となっております。
 そこで、これまで民間不動産業者の物件情報の収集により、小規模な用地を中心に、83カ所、122ヘクタールの用地を確保し、企業誘致を図ってきたところであり、今後も引き続き情報把握に努めてまいります。
 また、県内の幾つかの市町で検討されております新たな工業団地の開発につきましては、開発手法等の情報提供や県関係部局との調整など積極的に支援し、企業用地の確保につなげてまいります。
 市町との連携についてでありますが、県と市町および経済団体など関係団体が連携いたしまして企業誘致に取り組むことを目的に、滋賀県産業立地推進協議会を設置いたしまして、東京、大阪での立地フォーラムの開催や展示会出展など、本県への企業誘致に一体となって取り組んでおります。
 特に、県、市町の連携につきましては、誘致対象となる企業の用地条件等に対して、市町と情報交換しながら、まず県で広域的な用地情報を提案し、候補地が絞られてきた段階で、当該市町と一緒になって企業訪問や現地案内等の誘致活動を展開しております。
 また、地域経済の自立的発展基盤の強化を目的といたしました企業立地促進法に基づきまして、大津、草津地域や湖東圏域といった圏域のほか4つの市町で、地域の産業集積を促進する基本計画を市町と県で共同で策定し、地域による主体的かつ計画的な企業立地のための取り組みを支援しているところです。
 企業が進出を決める理由に、補助金以外にどのようなものがあるのかという御質問もいただきました。
 国の外郭団体であります日本立地センターが企業に対して行った調査によりますと、企業の立地選定の重視要件といたしまして、上位から順に、用地価格、交通条件、既存拠点と近接、労働力、取引先、市場と近接、優遇制度などとなっております。本県の立地企業からも調査結果と同様の御意見をいただいており、これらの要件一つ一つが重要なものと認識しております。
 ならば、企業は地域に対して補助金以外にどのような支援を求めているのかということについてでございますが、先ほどと同じ日本立地センターの調査によりますと、企業が地方自治体等に求める立地条件の強化対策は、上位から、税制、補助金等の優遇策、人材確保、育成、交通アクセスの向上となっております。
 また、私も必ず参加しておりますけれども、県内企業と行政等が意見交換を行います近江金石会におきましても、求める人材が確保できないといった御意見や、高校生のキャリア教育が不十分である、または、交通量の多い幹線道路の整備と信号の設置をといった御意見、御要望を多く聞いております。
 特に、交通アクセスにつきましては、本県は日本の真ん中に位置し、高速道路網が発達していることから、産業活動を行う上で好立地であるとの評価を受けており、この強みを一層生かしていくために、スマートインターチェンジの増設や幹線道路の交通事情の改善など、立地環境の向上に一層努めてまいりたいと考えております。
 最後に、企業誘致に取り組みます思いについてでありますが、議員御指摘のとおり、国内市場の縮小や生産性向上のため、国内製造拠点の統廃合の動きがあり、古くからの量産工場が多数立地している本県では、生産拠点の海外移転や県外工場への集約の懸念がございます。
 このような状況の中で、県内経済をさらに活性化し滋賀を豊かにするためには、付加価値の高いものづくり産業に重点を置いて、本社や研究開発拠点あるいはマザー工場など、定着性の高い拠点を重点的かつ戦略的に誘致するとともに、県内既存企業の海外移転や県外への集約を防止し、再投資を促す必要があると考えております。
 他府県との激しい競争の中で誘致を実現するため、現在の立地助成金等の優遇制度を効率的かつ効果的に運用していくとともに、滋賀の強みを生かしました支援措置の充実や立地環境の整備により、立地企業のさまざまなニーズに応えていく所存です。
 また、さまざまな機会を捉えトップセールスを行うとともに、近江金石会などの取り組みを通じまして、県内に立地されます企業の再投資を促すことに加えまして、これが大事だと思うんですけれども、今後、新たな起業や創業、立地企業と既存県内企業との取引の増進のための環境改善に、私自身、先頭に立って精いっぱい取り組んでまいる所存であります。
 7問目に、農地中間管理事業に係る機構集積協力金の財源確保について御質問をいただきました。
 今後の対策についてでありますが、本年度に創設されました農地中間管理機構では、8月から9月末までの農地の貸し付け、借り受けの申し出受付が行われたところです。その結果、議員御指摘のとおり、農地の出し手や地域に交付される機構集積協力金の見込み額は、国から県への配分額を大きく上回り、約7億円の不足が見込まれました。このため、去る11月7日、農林水産省や国会を訪問いたしまして、本県の状況説明を行いますとともに、確実にこの協力金が交付されるよう、十分な予算措置を緊急要望してきたところです。
 さらに、11月20日の政策提案におきましても、再度、同様の要望を行いました。
 現在のところ、国の補正予算による追加配分については不明でありますため、今年度は個人に交付される協力金を優先配分する考えである旨を市町へ連絡したところでありますが、私といたしましては、この事態と状況は滋賀県の農業にとって死活にかかわるとの認識に立ちまして、地域農業を守るため農地集積に大変な御努力をいただいた農業者や関係者の皆様の労に応えるためにも、また、次年度以降も地域の担い手へ農地を円滑に集積するためにも、今年度の協力金については早急かつ絶対に確保する必要があると考えており、引き続き関係者とともに国への働きかけを行ってまいります。
 砂防設備整備の優先順位のつけ方でございますが、砂防設備の整備につきましては、特に、災害時要援護者関連施設や避難施設のある箇所、近年に土砂災害が発生した箇所で優先的に整備を進めております。
 さらに、土砂災害警戒区域の指定状況や、その区域内の特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンの割合、区域内の人家の戸数などについて総合的に判断し、より危険な箇所を優先することといたしております。
 なお、事業の実施に当たりましては、地元や市町要望を踏まえ、地域間のバランスも考慮して、実施箇所を選定しております。
 整備の遅いところへの対応についてでございますが、滋賀県内に土砂災害危険箇所は4,910カ所ございます。人家5戸以上や災害時要援護者関連施設などがある箇所を優先して対策を講ずべき要対策箇所としており、その数は2,532カ所となっております。この要対策箇所に対しまして、平成25年度末の整備済み箇所は507カ所でありまして、整備率は約20%となっております。まだまだ十分な整備水準でないため、引き続き整備推進をしているところです。
 しかしながら、砂防設備の整備には時間を要することから、ハードとソフトの両面から対策を一体的に推進することが必要であると思います。ソフト対策につきましては、土砂災害の危険性のある区域を土砂災害警戒区域として指定し、警戒避難体制の充実強化や危険箇所への新規住宅の立地抑制などを、県民の皆様、関係者の皆様と協力しながら進めているところです。
 基礎調査の実施や建築制限等への支援についてでありますが、県内に4,910カ所ある土砂災害危険箇所のうち、土砂災害警戒区域等の指定完了は、議員御指摘のとおり、現在3,615カ所で、指定率は73.6%であります。
 また、指定をするための基礎調査につきましては、4,128カ所、割合では84.1%が完了しております。今後、平成30年度の指定完了に向けまして、調査を計画的に進めてまいります。
 次に、土砂災害特別警戒区域での建築制限でありますが、特別警戒区域内で居室を有する建築物を建築するときは、想定される土砂災害に対して安全な構造であるかどうか、建築確認がされることになります。また、土砂災害時に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれのある建築物の所有者に対しては、移転等の勧告がされる場合があります。その際、区域外への移転に対して、住宅を除去する費用と区域外に新たに住宅を建築する費用に対して、国の支援制度がございます。
 指定を計画どおり進めるための取り組みについてでございますが、土砂災害警戒区域等の指定につきましては、昨年の台風18号災害を受けまして、平成32年度末の指定完了の目標年次を2年前倒しして、平成30年度末に完了するよう取り組みを強化したところです。
 今回の土砂災害防止法の改正で、これまで区域指定するまで公表されなかった土砂災害リスクを、基礎調査が終わった段階でその結果を公表することを県に対して義務づけられることとなりました。このことにより、早い段階で地域の土砂災害リスクが明らかとなり、土砂災害に対する住民の意識が向上し、ひいては区域指定の促進が期待できます。
 また、平成24年8月の大津南部豪雨の際には、土砂災害警戒区域に指定していた大津市石山外畑地区において土石流が発生いたしましたが、発生前に住民の皆様が自主避難され、大きな人的被害はありませんでした。こうした警戒区域指定の貢献事例等も十分説明いたしまして、地域の御理解を得てまいりたいと存じます。
 土砂災害から命を守るため、今後も体制の充実を図り、関係市町と緊密に連携しながら、土砂災害警戒区域の指定を着実に推進してまいります。
 最後に、特別支援教育について御質問をいただきました。2点お答えをいたします。
 1点目のともに学びという言葉についてでございますが、私は、人は人の中で人となると考えております。つまり、子供たちそれぞれがお互いを尊重し、認め合い、助け合う中で学びを深めることこそ、人が人と生きる力を身につけていくことができると考えております。
 そういう意味で、私の言うともに学ぶとは、常々申し上げておりますとおり、障害のある人もない人も尊重され、ともに暮らし、ともに学び、ともに働く共生社会づくりを目指すものであり、議員御指摘のインクルーシブ教育と同じものと考えております。
 そのインクルーシブ教育をどう考え、どのように進めていくのかということについてでありますが、障害のある子供と障害のない子供がともに学ぶ中で、子供たちの持っている能力が育ち成長する。そのことで、障害のある子もない子も互いに尊重し、支え合いながら生きる共生社会の担い手として育ってくれるものと考えております。このことから、できるだけ同じ学校、同じ地域で一緒に学ぶことで、同世代の子供たちとの関係を築き、自立と社会参加に向けた力を身につけてくれると期待しております。
 こうした取り組みを進めるためには、子供たちが暮らしている各市町の御協力と御理解が欠かせず、そのためにも、まずは市町教育委員会と考え方や方向性、また課題となる事柄等を丁寧に整理するとともに、県として市町に対してどういった支援ができるか考えていく必要があります。
 今後、県教育委員会と市町教育委員会とが協力して、インクルーシブ教育システムの構築に向け一緒に取り組んでいってほしいと考えておりますし、県としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵) (登壇)特別支援教育に関する5つの御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の今年度行っている有識者会議についてですが、本年5月に、委員20名による滋賀の特別支援教育のあり方検討懇話会を設置いたしました。この懇話会では、大学教授等の学識経験者に加え、市町の教育長や小・中・高・特別支援学校の校長、PTAの代表役員、医療、福祉、労働、経済団体など、各界からの出席を得て、本県特別支援教育について抜本的な検討、意見交換を行っていただいているところであります。
 次に、2点目の有識者による検討の目的とその具体の検討内容についてでありますが、懇話会では、インクルーシブ教育システムを構築することなど、本県の現状と課題、今後の方向性について検討していただいております。
 具体的には、障害のある子とない子がともに学ぶインクルーシブ教育や、就学相談、就学支援といった指導等のあり方、また、特別支援学校卒業生の就労問題や通学支援のあり方、特別支援学校などの児童生徒の在籍増の問題など、5つの観点を中心に検討していただいているところであります。
 次に、3点目の会議の進捗状況でありますが、懇話会では4回の会議を予定しており、現在までに3回の会議を終えたところであります。
 第1回目と第2回目では、先ほど申し上げました5つの観点について、本県の現状等をデータをもとに検討していただきました。去る11月に開催した3回目の会議では、これまでの御意見を踏まえ、今後の方向性について御協議をいただいたところであります。最終となる4回目の懇話会では、各委員の御意見を集約し、懇話会意見として取りまとめていただきたいと考えております。
 次に、4点目の各委員から出された主な御意見でありますが、大きく分けて2つの事柄で御意見をいただいております。
 まず1つ目は、インクルーシブ教育に関わるものであり、例えば、「障害のある子が地域の学校で学ぶことやともに学ぶことの意義を知ってもらうことが大事」との意見や、「インクルーシブ教育を進めるためには教員の専門性の向上が必要」などの御意見をいただきました。
 2つ目は、個別の課題にかかわる意見であり、「適切な就学相談や就学指導のための指標をつくることが必要である」や、「生徒の就労実現に向けた指導と支援を充実させることが必要ではないか」などの御意見をいただいたところであります。
 最後に、5点目の今後の進め方についてでございますが、まずは懇話会意見のまとめをいただき、その上で、県教育委員会として、インクルーシブ教育システムの構築や社会的、職業的自立と社会参加を目指した就労指導や支援等のあり方を整理してまいります。
 あわせて、市町教育委員会等の御意見をお伺いしながら、年度末を目途に、県教育委員会としての考え方を取りまとめていきたいと考えております。
○議長(赤堀義次) しばらく休憩いたします。
  午前11時46分 休憩
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  午後1時 開議
○議長(赤堀義次) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(赤堀義次) この際、諸般の報告をいたします。
 選挙管理委員会伊藤正明委員長が、都合により本日の午後の会議に欠席する旨の届け出がありましたので、御了承を願います。
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○議長(赤堀義次) 次に、17番柴田智恵美議員の発言を許します。
◆17番(柴田智恵美議員) (登壇、拍手)チームしが県議団を結成し、初めての代表質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 11月22日、長野県北部を震源地といたしました地震によりまして被災されました多くの皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧を願います。また、阿蘇山の噴火により、周辺の地域では火山灰による農業被害が出ているようですが、これ以上の大きな被害にならないことを祈ります。
 さて、安倍首相が大義のない衆議院解散をし、年末選挙になり、国民生活にも影響が出てきました。国政は、国民一人一人が夢や希望を持ち、豊かな生活を安心して営めるよう、国内外に信頼されるものでなくてはならないと考えます。少子高齢社会が現実になりつつあるだけではなく、格差拡大社会が懸念される中、次代を担う子供たちにも貧困化が忍び寄っています。
 また、強行採決を行った特定秘密保護法、夏の知事選挙での滋賀ショックの発端となったと言われています集団的自衛権の閣議決定など、国民は大きな疑念を持っています。これらの不安を解消し、平和憲法のもとで人権がとうとばれる国、そして全ての人に居場所と出番がある共生社会となるよう、この総選挙は極めて重要と考えます。
 さて、平成27年度の予算については、三日月知事にとって初めての予算編成となるわけですが、国の経済予測として、当初は、消費税が4月に3%上がって8%になっても、夏ごろから回復し、景気がよくなると言われておりました。ところが、11月17日に発表されました2014年7月から9月の国民総生産――GDPは、マイナス1.6%でありました。前期もマイナス値でありましたので、2期連続のマイナスとなったことで、現政府の経済再生には疑問が残ることとなりました。
 安倍首相は、株価も1万7,500円まで上がり、円安も116円まで進み、デフレを脱却し、雇用が拡大、賃金が上昇して消費が拡大していくと言われておりましたが、本県の実体経済は、10月に来て、3月までの駆け込みの反動や消費税増税の影響、そして夏の天候不順が重なり、個人消費が大幅に停滞しており、賃上げも物価上昇に追いついておらず、実質賃金はマイナスの状況であります。雇用も全国で約100万人増加と言われますが、実際のところ、非正規雇用が160万人ふえている現状と、正規雇用が60万人減っている現状であります。
 それでは、まず初めに、平成27年度予算編成について、知事に伺います。
 11月5日に、本県がまとめた人口の推計値について新聞報道されておりました。本県の11月1日時点の人口の推計値が前年同月比で452人減少したことは、年ごとの基準値としている10月時点の比較で見ると48年ぶりの減少とありました。滋賀県は全国の中でも数少ない人口増加県でありましたが、この推計値から、県は人口減少の局面に入ったと見解を示されておりました。これは、本県においても人口減少社会の到来が現実味を帯びてきたと言えます。
 今後は、県民の皆さんが不安を感じることのない県政運営が求められることになると考えます。そして、あるべき滋賀の将来の姿を見据えての取り組みが重要となります。現状は、景気は回復どころか、さらに悪化しており、アベノミクスの成果は私たちの生活実感からは大きくかけ離れていると言わざるを得ません。
 そこで、まず、本県経済の動向をどのように分析され、評価されているのか、伺います。
 予算編成に当たっては、「入るをはかりて出を制す」の故事にありますように、歳入歳出の財政均衡を図ることは言うまでもありません。去る10月20日から27日にかけて開催された決算特別委員会で平成25年度の決算が認定されましたが、審査の過程の意見、指摘をどのように捉えて、今後の施策と平成27年度予算にどう反映しようとされているのか、伺います。
 また、国においては、経済財政運営と改革の基本方針2014で示された方針に従って、法人実効税率の引き下げを平成27年度から開始すると言われております。平成24年、25年と増加してまいりました本県の法人二税について、このような国の動きが今後及ぼす影響と歳入の見通しについて伺います。
 また、知事みずから地域の現場に出向き、県民の皆さんと意見交換を重ねてつくられた政策提案集は、知事として取り組むべき県政課題でもありますが、来年度予算の中に具体的にどのように盛り込んで、県民の皆さんにメッセージを出そうとしているのか、伺います。
 平成27年度の予算編成では、新たな基本構想と行政経営方針に沿った取り組みを、2つの基本方針と7つの重点テーマを含めた6つの予算編成方針ポイントを持って進めていくとされています。
 さらに、重点テーマを具体化するために重点化特別枠を設定されていますが、これらの予算確保の見通しについて伺います。
 10月に滋賀県行政経営方針(原案)が打ち出されております。これまでの行政改革の取り組みの成果、県行政を取り巻く現状や課題を踏まえた今後の方針の位置づけ、行政経営の基本的な考え方が示されていますが、その中の経営理念に3つの視点、攻めの視点、見えるの視点、前向きの視点があります。この3つの視点をどのように新年度予算編成に生かそうとしているのか、伺います。
 先般、財務省は、財政制度等審議会における社会保障予算や文教科学技術予算に関して審議状況を公表しました。それによりますと、小学校1年生の35人学級をわずか3年間実施しただけで取りやめようとしており、さらに、国立大学への運営交付金を成果による配分にしようとしていることのことです。
 義務教育の初めの段階から後期高等教育に至るまでの人づくりの場で、効率や成果が求められることにより、優位のものはより優位に、強いものはより強くなる一方で、弱いものや低いものへの支援が減額され、一段と格差が拡大する環境のもとで、夢を育み、個性豊かな人材を育てることができるのか、大いに懸念されます。このような政府の動きに対する知事の見解を伺い、次の質問に移ります。
 次に、地方分権のあり方について、知事に伺います。
 平成5年6月、衆参両院による地方分権の推進に関する決議から20年が経過しました。最初のころ、地方にとっての新しい次代の展開に不安もありましたが、夢があり、地方の時代とも言われ、その改革に大きな期待をずっと持ち続けてきたのではなかったかと思うのですが、知事は、過去20年の地方分権改革をどのように評価されますか、伺います。
 分権改革は、地方主導の地域主権獲得が本筋のはずです。そして、その上で獲得した権限をいかに地域の福祉や発展に生かすかが問われるものと考えますが、県は、今日までの改革への取り組みをどのように総括されますか、伺います。
 自民党は、前回の衆議院選のとき、早期に道州制の基本法を成立させるとしていましたが、いまだ法案は出されていません。こうした道州制の問題をはじめ、さきの地方公務員給与削減要請や地方交付税、復興予算、防災予算等、国と地方の議論がもっと必要なはずです。
 民主党政権時、国と地方の協議の場の法制化がなされましたが、対等な議論がなされていないと仄聞しています。そこで、国と地方の協議の状況と、協議の場に対する知事の考えを伺います。
 第4次一括法がさきの通常国会で成立しました。国では、地方分権改革有識者会議を立ち上げ、個性を生かし自立した地方をつくるとして、地方に対する権限移譲、規制緩和の提案を募る提案募集方式の開始、権限移譲に当たり手挙げ方式等が提案され、導入されました。
 特に、本年5月から始めた提案募集方式についてですが、提案の主体は地方公共団体だが、広く各層の声を反映する観点から、経済団体、NPO、職員グループほか、各種団体等からの意見を提案に反映するように努めるとあります。自治の主体である県民を置き去りにしたままで空中戦の印象が強かった地方分権改革が、これを機に、地に足のついた提案、議論になるなどの声もあります。
 一方で、自治の主体は県民自身であります。県民参加の手法や制度は導入しても、思うように県民からの提案が得られなかったり、提案者が一部の県民に固定されたりするなどの問題があります。県民提案をいかに引き出し、どのように政策に生かすか。県民提案への取り組みについての考えを伺います。
 また、提案募集方式では、本年5月20日から7月15日までの間、提案が募られ、953件が提案されたものの、現時点で約8割が困難、拒否という回答になり、中央省庁の壁の高さや画一的な考えを改めて感じさせられたとの声があったようです。県と関西広域連合は、この提案募集にいかに対応されたのか、手挙げ方式への対応見通しとともに伺います。
 衆議院の解散の直前に、まち・ひと・しごと創生法が慌ただしく可決、成立しました。そのバックには、2040年時点での消滅可能性の高い523市町村名の公表に対する危機感があったのではと推測します。地方創生では、地方に自由度の高い権限と財源をしっかりと与えることが重要との有力な意見があります。
 最近、地方創生に熱心になった安倍首相は、「使い勝手のいい仕組みを構築し、地方と二人三脚で進む」と地方創生交付金の創設を言っていますが、もともと、自治体の自主的な選択を生かせる一括交付金制度を民主党政権が創設していました。それを政権交代で廃止し、このたび、一転して地方創生交付金の創設です。地方には戸惑いがあるようです。
 また、地方交付税制度についても、問題を指摘されながら続いている臨時財政対策債や、今後の人口減少社会の到来に向けた施策を地方がしっかりと取り組むだけの財源措置がされておらず、地方の活性化のためには、さらなる地方交付税の確保が必要であると考えます。交付税や地方交付税を政策誘導に使うのではなく、地方が実情に応じて、みずからの判断で事業ができるようにすることが大切であると考えます。そこで、安倍政権が進める地方創生に対する評価と、現行の地方交付税制度への考えを伺います。
 分権改革も地方の知恵、アイデアに主眼を置いた方向に切りかわり、地方は国の指示待ちから卒業し、自立への道が求められます。県や市町の政策創造力が強く問われる時代になっているわけですが、いまだ、分権になったらどうなるのかという質問など、制約がなくなったことに困惑し、他に依存を強める自治体の実態が少なからずあると聞きます。
 人口減少、超高齢化、グローバル化の中で、滋賀県が今後継続的発展を確保するために何が必要か、知事の所見を伺い、次の質問に移ります。
 次に、医療福祉について、知事に伺います。
 介護保険制度が2015年モデルとして大きく変わります。さきの国会において、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる医療介護総合確保推進法が成立し、2015年4月の施行が決まっています。介護保険制度の大規模な改正としては、2006年、2012年に続き3回目となるわけですが、とりわけ今回の改正は、2025年問題を意識した大きな転換となるものです。
 県では、今回の法成立の具体化の一つとして、消費税増収分を活用した新たな基金のメニューを発表されたところでもあります。今回の法成立では、社会保障と税の一体改革の流れの中で、医療と介護との連携が強化されることが特徴です。
 同時に、医療から介護へ、そして病院や施設から地域、在宅へという流れをつくっていこうとしているわけですが、まず、医療から介護への部分について、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保について見解を伺います。
 医療と介護との連携が強化されるという中でも、特に在宅医療を中心に連携が進められることになります。団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えて、要介護状態になっても住みなれた地域で自分らしい暮らしができるように、医療、介護、予防、生活支援、住まいが一体的に提供される体制を目指すとしたものです。地域包括ケアシステムの構築が今後の医療と介護の大きなテーマとなります。地域包括ケアシステムの構築を目指して、市町への支援、さまざまな医療介護従事者の人材確保、連携について、今後、在宅医療をどのように推進していくのか、見解を伺います。
 また、医療機関と介護サービスとの連携についての見解を伺います。
 昨年の夏に提出された社会保障制度改革国民会議の報告書は、今回の医療介護総合確保推進法に大きく反映されています。その冒頭における表現で、今までの社会保障については、「正規雇用、終身雇用と専業主婦を前提とし、年金、医療、介護を中心とした1970年代モデル」と記述し、これからの社会保障を述べるに当たっては、「全ての世代を支援の対象として、その能力に応じて支え合う、全世代型の社会保障としての2025年モデル」への展開を図っていくとしています。
 今までのように経済成長を前提として、その成長分の中から社会保障に配分すると考えてきた従来型の社会保障のあり方では、これからの時代においては十分に機能しない。そこから脱却し、地域包括ケアシステムの構築によって、経済と医療福祉を統合して、社会保障の給付が地域の雇用や経済活性化を生み出す2025年モデルへ転換しようとするものです。地域包括ケアシステムの構築による経済と医療福祉の統合について、知事の考えを伺います。
 また、報告書提出から後の動向から見ても、非正規労働の拡大や相対的貧困率の上昇に見られる格差拡大、人口減少の本格化、生産年齢人口の縮小、少子高齢化のさらなる進展と単身世帯の急増など、日本社会が前提としてきた社会保障を取り巻く社会情勢はますます深刻化しています。
 これらは、この間のアベノミクスに象徴されるような市場主義に基づいた成長戦略では何ら解決されるものではないばかりか、むしろ拡大さえしてきています。前提としてきた生活様式の変化等、社会保障を取り巻く環境変化と社会保障のあり方について、知事の考えを伺います。
 次に、県内の中小企業、小規模事業者の現状と対策について、知事に伺います。
 滋賀県の中小企業や小規模事業者は、日本一のものづくり県である本県の基盤を支え、地域の商業、サービス業などと連動しながら県民の暮らしを守り、地域づくりの大きな力となっております。
 平成25年度に施行された中小企業活性化条例について、県内の中小企業、小規模事業者の方々にお聞きしていると、条例ができてどのように変わったのか、実感が湧かないとの声がありますが、県はどのように認識されているか。また、こうした中小企業、小規模事業者の皆さんの声にどのように対応しようとしているのか、伺います。
 滋賀県は、工業技術センターや大学、企業が集積しており、それらの能力を最大限に生かし、産官学が連携しながら、新しい商品開発に積極的に取り組むべきと考えております。そして、ものづくりの技術力を生かし、オンリーワン企業を成長戦略の一つとして、予算と人材を投入すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 県内86%ある小規模事業者は、新事業創出や設備投資を検討する場合、県や市町の助成金や金融機関の協力が必要です。それには、県も市町と連携しながら、今求められている施策や融資制度がありますが、小規模事業者が望んでいる借りやすい制度融資を今後検討すべきだと考えます。そこで、若者や女性が新しく企業を創出するためにも、創業支援と融資制度を充実すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 国において、ことし6月20日に、地域を根底で支えている小規模企業にしっかりと焦点を当てた施策で、小規模企業に特化した小規模企業振興基本法が成立しました。これにより、小規模事業者に対して、地域活性化の観点からどのようなメリットがあり、県の役割として何を求められているのか、伺います。
 次に、雇用情勢について伺います。
 県内の有効求人倍率は、平成26年5月に1.04倍となったものの、それ以降は0.9倍台を推移しており、10月には0.96となりました。全国平均は、5月以降、常に1.1前後を維持しています。この全国平均より低い原因については、どのように分析され、今後、どのような対策をされるのか、伺います。
 一方で、人手不足という企業もあり、若い方もすぐに退職するという問題も抱えております。その改善策はどのように考え、県内出身の学生が県内企業に就職をしてもらうために、どのような施策を検討されているのか伺い、次の質問に移ります。
 次に、海外戦略と情報の受発信について、知事に伺います。
 先月12日から16日にかけて、知事はベトナムのホーチミン市を訪問されました。現在、ベトナムでは、国土交通省のベトナム国クアンニン省における下水道普及方策検討業務、JICAの草の根技術協力事業のカットバ島の水環境改善に向けた協同体制づくりの協力支援などで、滋賀県や滋賀県企業がかかわりを持つようになっています。
 今回の訪問では、ホーチミン市政府やホーチミン市商工会、ベトナムに進出している日系企業との交流、サイゴンハイテクパーク、県内企業12社が出展されたベトウオーター、イオンモールの視察などをされましたが、知事は、これら一連の訪問を通じて、ベトナムにおける滋賀県の可能性をどのように感じられたのでしょうか、伺います。
 ベトナムは、経済成長を続ける新興国の中でも、国民の平均年齢が27.4歳と若年層が多く、少子高齢化が進む日本にとって、人的交流も欠かせない要素ではないでしょうか。隣の京都府では昨年11月1日に、京都銀行、京都大学、京都府が産学官一体となり国際交流を進める覚書を締結し、留学生の受け入れや現地情報の提供などで連携されております。
 ベトナムの政治的、経済的状況をはじめとした諸般の事情に鑑みますと、5年、10年先を見据えた戦略が必要と考えますが、今回、ホーチミン市と経済連携に関する覚書を交わされ、今後、ベトナムでの海外戦略をどのようにしていこうとされるのか、伺います。
 さて、滋賀県は昨年12月に、台湾の台南市とも、環境保全産業をはじめとする経済、産業の交流を推進するとともに、相互の理解とさらなる交流を進めるべく、覚書を交わしています。台南市は、半導体を中心とした工業地帯の環境保全、改善が大きな課題ですが、この1年でどのような関係を築き、見えてきたことは何なのか、今後どのように台湾での海外戦略を進めていかれるのか、伺います。
 海外においては、今回のような経済交流をはじめ、近畿中部圏、関西広域連合での観光トッププロモーションなどをされています。世界と滋賀県がつながっていくためには、県の経済交流員だけでなく、大学、企業などと連携した人的ネットワークの構築、情報の受発信が欠かせません。そこで、全体として滋賀県の海外戦略をどのように進めて、滋賀県企業のビジネスチャンスを創出し、県内経済への効果をもたらしていこうとされるのか、伺います。
 滋賀県はこれまでも、特に環境分野で行政、大学による世界への発信、交流をしてきたところですが、先ほど述べましたように、観光プロモーション、経済交流に関しても、世界に滋賀県を紹介する機会が増えています。その時々において滋賀県の存在、魅力を効果的に発信することが、世界における滋賀県のブランド力向上について欠かせないことは言うまでもありません。
 琵琶湖とそれを取り巻く環境、豊かな風土、特に新興国と滋賀県、中小企業がかかわっていくことは、ともに手を携え、良好に発展的関係を構築していく近江商人の心得である三方よしの精神、これらなどをしっかりアピールしていくことが、滋賀県への興味、信頼を高めていくことになるのではないでしょうか。
 そこで、県職員のプレゼンテーション能力の向上を図ることが必要と考えますが、海外向けの人材育成についてどのように考えているのか伺い、次の質問に移ります。
 次に、農地集積について、知事に伺います。
 農は国の基と呼ばれて久しく、本県農業を取り巻く環境は、最近、TPPの行方や米価下落をはじめ、国の動向に大きく左右されているのが現状です。昨年の9月、自公政権のもと閣議決定されました日本再興戦略において、日本農業が10年後に目指す姿として、次の3点が示されました。
 1つには、担い手が利用する農地面積を現行の5割から8割に拡大すること。1つには、新規に就農定着される農業者を倍増すること。とりわけ、40代以下の農業従事者を現状20万人から40万人に拡大すること。さらにもう一つには、法人経営体を現状の1万2,000法人から5万法人に拡大することが示され、これらを推進するための農地中間管理機構が安倍政権の肝いりでできたのです。
 そして、47都道府県に一つずつ設置された機構により、農地集積を強力に推進することが可能となり、面的集積と規模拡大を同時進行的にできる農地中間管理事業が本年3月から稼働。機構が出し手と受け手の仲介をすることで、まとまった形で農地の整理、集約化ができ、耕作放棄地の解消にもつながると、本県でも多くの農業従事者からの期待が寄せられました。
 この間、農業者は、申請、交付作業や膨大な添付資料の策定等、煩雑な事務作業にも我慢し、市町は行政事務処理コストの上昇にも耐えてきました。農地の出し手に対しての支援として、交付要件を満たしていれば地域や個人に確実に交付される、国の機構集積協力が本県農業を好転してくれるものと皆が信じていました。
 しかし、10月末現在で、本県の機構集積協力金見込み額11億3,468万8,000円に対し、県予算は4億2,929万9,000円と、実にその差7億538万9,000円の多額の不足額が出たことがわかりました。そこで、まず、なぜ国から本県への配分額がこれほどまでに少なくなったのか、その原因を伺います。
 我が会派は、知事が国に責任を持って予算措置をしてもらえるよう、本県選出の国会議員ともども、農水省はじめ関係各省庁に再度、追加配分要請を強くスピード感を持って行うべきと考えますが、所見を伺います。
 一方、今回、不足額がこれほど多額に発生した背景には、滋賀県としての見込みの甘さが指摘されており、弁明のしようもありません。農家や農業関係者にとっては死活問題で、あってはならないことです。本来、現政府が行っている政策、農地中間管理機構とその事業は、関連予算を伴って行われてしかるべきものです。農地を面的にまとめて借りてこそ、担い手に直接的なメリットをもたらすはずだったのです。
 これまで、現政権を信じて、農協の全面的なバックアップ体制に頼り、人・農地プランの策定に努めてきた地域や集落営農者、農家の皆さんを生活苦に陥れ、ハイリスクを負わせては決してなりません。機構集積協力金の受け皿を確実に構築してこそ、さらに、日本型直接支払い制度の滋賀県版を実効性のあるものにするためにも、ぜひとも農地中間管理機構の組織そのものを洗い直し、国、都道府県、市町の果たすべき役割と制度を本県農業の現状と照らし合わせ、しっかり検証しなければならないと私たちは考えます。そうした経緯を踏まえた上で、県としてきっちり国に物申し、迅速に対応していただくことを強く求めるところです。
 そこで、もし、機構集積協力金が要望どおり平成26年度追加配分されなかった場合、本県から市町や地域、農家、個人に対しどんな対処をされるおつもりなのか。26年度から27年度への優先配分の仕方も含めて、具体的な対処方法を伺い、次の質問に移ります。
 次に、流域治水対策の推進について、知事に伺います。
 平成25年台風18号では、福井県、滋賀県、京都府の3府県に初めて大雨特別警報が発表され、桂川、由良川の氾濫に見舞われた京都府を中心に、大きな被害が発生しました。我が滋賀県でも、河川の堤防決壊や土砂災害で甚大な被害を受け、瀬田川洗堰の全閉操作などによる農地被害も出ました。
 今後も、地球規模での気候変動に伴う台風の巨大化や短時間豪雨の増加傾向によって、淀川等の大河川での想定を超える洪水被害、紀伊半島など山間部での大規模な土砂災害、大阪湾沿岸域での海抜ゼロメートル地帯での高潮災害などにより、大きな被害が発生することが懸念されています。私たちが居住区域を越えて居合わせた先で遭遇するかもしれない災害に対して、ふだんから情報を得ておくことは大切なことだと言えます。
 まず、琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会について伺います。
 関西広域連合では、大規模で広範囲にわたる風水害発生時に、関西全体で円滑に応援、受援を行えるよう準備を進めるとともに、関係機関の連携による防災、減災力の底上げに取り組まれる中、関西では最大の琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会が設置され、これまで3回の会議が行われたと仄聞いたしております。この研究会では、どのような趣旨で議論が行われているのか、今後どのようなことが期待されるのか、伺います。
 次に、流域治水におけるソフト対策等の推進について伺います。
 滋賀県では、流域治水推進条例を制定し、河川管理者として河川整備を計画的に推進することはもとより、近年のいつどこで、急に、かつ局地的に発生するかもしれない集中豪雨などに際しても、生命を守ることを最優先に、川の中の「ながす」対策と同時に、川の外の「ためる」「とどめる」「そなえる」ことを旨として施策が展開されつつあります。
 まず、より安全な地域や住まいに関しての認識を一人一人が確かに持つこと、それが避難行動に結びつくようにすることが肝要だと思いますが、流域治水のソフト面ではどのように進展していますか。
 また、洪水の被害に遭った現場からは、山林や上流からの流木被害が指摘され、森林整備の必要性や耕作放棄水田の増加問題が共通として挙げられていますが、このような対策をどのようにされているのか、伺います。
 次に、大戸川沿川の流域治水対策について伺います。
 昨年、水害や土砂災害をこうむられた地域では、ことしも雨が降る度に、周辺地域の皆さんにこれまで以上の大きな不安をもたらしました。中でも大戸川に関しては、8月の大雨では、昨年決壊寸前まで堤防が損壊した石居地先において、再び土のうが崩落し、堤防に亀裂が生じて通行どめが続くなど、予断を許さない状況に至りました。県が一日も早く治水安全度を高める河川改修工事を進められるよう強く望むところです。
 また一方、国土交通省近畿地方整備局における大戸川ダム検証について、その作業を円滑にされるよう求めていくと知事は答弁されましたが、その後、どうなっていますか。
 大戸川ダム事業は、大雨が降ったときに一時的に洪水を貯留し、大戸川、宇治川、淀川の洪水被害を低減することを目的とされていますが、昨年の台風18号による被害は、ダム予定地よりも上流の甲賀市域でも甚大な被害で、例えダムを建設しても流域全体として被害削減効果が出るか、つまびらかな検証が重要であります。
 国も平成22年に、ダムに頼らない治水政策へ方針転換をされており、検証が進むまで時間を要すると思われることから、今後、関係住民の皆さんに、流域治水対策についてどのように理解を求めていかれるのか、伺います。
 この項の最後に、流域治水の考え方は、県外においてどのように評価されているのか伺い、次の質問に移ります。
 次に、教育問題について、知事ならびに教育長に伺います。
 まず初めに、少人数学級編制について伺います。
 これまでの少人数学級編制に向けた流れに逆行する唐突な動きで、小学1年生を40人学級編制に戻すという、教育条件を後退させる財務省の動きについてです。
 本県では、小中学校の全ての学年で少人数学級編制をと、着実な積み上げをしているさなかの財務省のこの動きは、容易な予算削減と断じざるを得ません。
 小学1年生の35人学級を40人学級にすれば、教員を約4,000人減らすことになり、財務省は国の負担を約86億円減らせると試算しています。財務省の考えは、子供が減っているから教員も減らすことが妥当であり、加えて、いじめや暴力行為において、小学1年生の件数が35人学級導入前と導入後において明らかな効果が認められないということを、その理由に挙げています。
 しかし、いじめや暴力行為の件数だけに着目して教育効果を求めることや、35人学級の教育効果を試行わずか3年で判断することは早計にすぎます。ましてや近年は、貧困による教育格差などが顕在化することにより、学級運営は困難を増しています。特別支援を必要とする子供もふえています。加えて、そのことに伴う保護者対応も増大しています。
 ですから、教職員にかかる負担も考えると、財務省が主張する小学1年生の40人学級復活は、机上の空論でしかないと考えます。こうした財務省の動きをどのように受けとめますか。滋賀県における少人数学級編制の考え方とあわせて、知事に伺います。
 次に、学力向上に向けた取り組みについて伺います。
 さきの9月議会では、全国学力・学習状況調査の結果を受けて、滋賀の子供たちに必要な学ぶ力についての知事の考えを伺いました。教育は国家百年の大計と言われます。その意味で、知事の考えに共感するところが大きかったと振り返っています。
 このたびの補正予算で、学ぶ力パワーアップ事業が提案されていますが、この事業の対象は、小学5年生と中学2年生に限定したものとなっております。そこで、さきの9月議会における知事答弁を踏まえ、このたびの補正予算に上げられた学ぶ力パワーアップ事業の狙い等について、教育長に伺います。
 学ぶ力をパワーアップするには、これまでより読解力をつけていくことの重要性が共有されてきています。算数、数学の問題を解くに当たっても、問題の意味を読み取る力があってこそというわけです。折しも、第3次滋賀県子ども読書活動推進計画(案)に対する意見、情報の募集結果が取りまとめられたところです。本県のこれまでの読書活動にはどんな課題があり、今後、滋賀の子供たちに読解力を身につけさせていく上で、どのような対策が必要であるという認識に至っていますか。教育長に伺います。
 最後に、児童生徒の暴力行為の現状について伺います。
 県内の公立小中学校および県立高等学校における暴力行為の発生件数については、ここ3年ですが、平成23年度の348件、平成24年度の490件、そして平成25年度の695件と、その数字を見る限りにおいて大幅な増加を示しています。全国の暴力行為の発生件数の増加の割合よりも高いことから、気がかりな滋賀県の現状と考えます。
 また、児童生徒の暴力行為に係る本県の現状には、どんな今日的な特徴があり、そこにどんな背景があると認識されているのか。また、どのような対応を考えておられるのか、教育長に伺います。
 暴力を生まない教育環境を整えねばならないことは申すまでもありませんが、年端もない子供は、その思いや願いの表現をときに暴言や暴力で示すことがあります。大切なことは、そんな暴言や暴力で自分を表現しようとした子供の心のうちに迫るかです。そして、その子のその後の成長にどう生かす指導をしていくかであると考えますが、教育長の考えを伺い、質問を終わります。(拍手)
○議長(赤堀義次) 17番柴田智恵美議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)どうぞよろしくお願いいたします。
 1問目の平成27年度予算編成について、7問、御質問いただきました。
 1点目の本県経済の動向をどのように分析し、評価しているのかということについてでありますが、直近の11月28日に公表しました9月の各種経済指標から見ました本県経済の動向といたしましては、乗用車新規登録台数が2カ月連続で前年を下回り、新設住宅着工戸数も3カ月連続で前年を下回るなど、幾つかの指標で弱い動きが見られたことから、前月の判断から下方修正いたしまして、県内景気は持ち直しの動きが弱まっていると分析、判断したところであります。
 私自身といたしましても、円安のマイナス面での副作用でありますとか、消費税増税前の駆け込み需要からの反動減に苦しまれる中小・小規模事業者のお声をお聞きしており、その現状が経済指標にもあらわれてきていると感じているところです。
 決算特別委員会における意見や指摘を今後の施策と平成27年度予算にどう反映しようとしているのかということについてでございますが、今定例会議初日の決算特別委員会の委員長報告にもありましたとおり、決算特別委員会においては、例えば、行財政改革については県債残高が依然として減少していないこと、また、琵琶湖の保全については、水質改善の一方で生態系の変化などの現象が見られることから、これまでの取り組みを総括し新たな課題解消に向け取り組むこと、さらには、学力向上につきましては、さまざまな取り組みをしているが、保護者と連携しながら、家庭とともに学力向上に当たることが大切であることなど、多くの御意見をいただいたところです。
 平成27年度の予算編成に当たりましては、決算審議等でいただきましたさまざまな御意見等を踏まえまして、委員長報告の最後でも述べられましたとおり、平成25年度決算をしっかり検証し、施策構築を図ってまいりたいと存じます。
 3点目に、法人実効税率引き上げの動きが本県の法人二税に今後及ぼす影響と歳入の見通しについてでありますが、仮に国税の法人税率が1%引き下げられた場合、本県では、法人税額を課税標準とする法人県民税が、平成25年度決算ベースで2.4億円程度減収すると試算をいたしております。
 地方税収の多くを占める法人課税の見直しは地方財政に深刻な影響を与えることから、減収となる法人実効税率の見直しとあわせて、法人税における課税ベースの拡大や法人事業税における外形標準課税の拡大等により、地方税財源を確保することが必要不可欠と認識いたしております。
 経済財政運営と改革の基本方針2014では、法人実効税率の引き下げとあわせて、課税ベースの拡大等による恒久財源の確保をすることとし、年末に向けて議論を進め具体案を得ることとされていることから、今後の税制改正の議論を注視し、適切に対応してまいります。
 4点目の政策提案集の来年度予算への反映と県民の皆様方へのメッセージについてでありますが、知事選挙で訴えました政策提案集、これもみんなでつくった政策提案集でありますけれども、その内容をベースに、さらに県民の皆様と直接対話する「こんにちは!三日月です」などでいただきました多くの御意見を踏まえながら、新たな基本構想案を取りまとめ、これからの4年間で先駆的かつ重点的に取り組む7つの重点政策を位置づけたところです。
 この7つの重点政策については、来年度に向けた施策構築に当たっての重点テーマとして、予算上の重点化特別枠を設けて、先駆的かつ重点的に対応することといたしております。
 今まさに、本格的な人口減少社会の到来や災害への備えなど不可避の課題に対応しながら、県民の誰もが夢や希望に満ちた豊かさ実感・滋賀を実現していくため、みんなでつくろう!新しい豊かさをメッセージに、県民の皆様とともにさまざまな政策を展開してまいりたいと考えております。
 5点目に、重点テーマを具体化するための予算確保の見通しについて御質問いただきました。
 予算編成に当たりましては、現在策定中の新たな基本構想における7つの重点テーマに沿った施策の着実な推進を図るため、各部局の予算要求枠とは別に重点化特別枠を設けたところです。
 政策課題協議の中で一定の必要性を認めたものについて重点化特別枠を配分したものでありますが、今後、予算編成過程において、改めて事業の必要性や事業規模の精査を行うとともに、全体事業を見渡した上で、施策の緊急度、優先度等を総合的に勘案したいと考えております。
 6点目に、行政経営方針について御質問をいただきました。
 攻め、見える、前向きの3つの視点をどのように新年度予算編成に生かしていくのかということについてでございますが、まず、攻めの視点では、高いコスト意識を持って、限られた財源を県民生活や滋賀の将来にとって必要な事業に投資すること、その際にも、滋賀ならでは、滋賀から、滋賀のためにをしっかり意識してまいりたい。
 また、見えるの視点では、予算編成過程の透明化や編成内容の丁寧な説明を心がけ、新年度の県政の方向性等について、県民の皆さんとの共有を図ってまいりたい。
 さらに、前向きの視点では、前例踏襲ではなく、チャレンジ精神や創意工夫を大いに発揮しながら、県政の諸課題に果敢に立ち向かうという気概を持って、新たな基本構想の実現に向けた施策立案等に取り組んでまいりたいと考えております。
 引き続き持続可能な財政運営が行えるよう、選択と集中を図りながら、攻め、見える、前向きの視点で、新たな基本構想の第一歩を踏み出す節目の予算をしっかりつくり上げてまいりたいと考えております。
 7点目に、政府の動きに対する見解について御質問をいただきました。
 私は、教育において大切なことは、子供たち一人一人の能力を伸ばし、個性を生かすことで、人生そのものが豊かになり、子供たちが充実感、達成感を感じられるよう導いていくことにあると考えております。
 こうした教育を進めるに当たりましては、誰もが能力に応じて平等に教育を受けられる環境を整備することが何よりも求められるものと考えておりまして、現在の財政制度等審議会の動き等について、私も憂慮しているところであります。
 学力や不登校、発達障害、経済状況など、さまざまな課題を抱える子供を含め、全ての子供にきめ細かく目を注ぎ、心を注ぎ、可能性を最大限に引き出して、夢と生きる力を育む教育を進めてまいりたいと考えております。
 2問目に、地方分権のあり方について御質問をいただきました。
 過去20年の地方分権改革の評価についてでありますが、御質問にもありました地方分権改革の起点となりました衆参両院の地方分権の推進に関する決議から20年が経過し、第1次、第2次地方分権改革が進められてまいりました。
 大きな権限移譲につながります国出先機関改革については、その展開が見込めない状況ではあるものの、これまで、機関委任事務制度の廃止や国の関与に係る基本ルールの確立が行われるとともに、地方に対する事務・権限の移譲、義務づけ・枠づけの見直し、国と地方の協議の場の設置など、数多くの法制面での整備が行われてまいりました。その結果、地方の自主自立性が高まり、地方分権を進めるための条件が整えられてきたと評価しているところです。
 本県における改革の取り組みの総括でありますが、地方分権一括法の施行に伴い、住民に身近な市町村において地域課題の解決を完結して行えるよう、市町村との協議のもとに、平成12年9月には権限移譲実施計画を、平成18年2月には、さらなる権限移譲基本計画を策定して、市町村への権限移譲を進めてきたところです。
 また、義務づけ、枠づけの見直しを実りのあるものとするためには、各地域の実情を反映し、独自の基準を定め、運用していくことが必要となっております。
 このため、本県では、関係団体や学識経験者等への意見聴取や県民政策コメント等も実施しながら、本県の実情等を勘案した独自基準について検討し、条例により規定してきたところであります。
 例えば、県北部地域では、冬期の積雪時等に立ち往生する車両により通行に支障を来すことがあるため、道路法に基づく県道の構造に関する技術的基準を定める条例により、車道の縦断勾配について、積雪寒冷地域では5%以下にしているというような例もございます。
 今後も、住民に最も身近な市町をしっかり応援しながら、地域の実情に合った行政運営が行えるよう、地方分権改革の一層の取り組みを進めてまいる所存であります。
 3点目に、国、地方協議の状況と、その協議の場に対する考えでありますが、平成23年5月に国と地方の協議の場が法制化されてから、平成23年度は臨時会合や分科会も含めて11回もの協議の場が開催されておりましたけれども、平成24年度は4回、平成25年度は3回、今年度は現在まで2回の開催となっております。
 議題については、設置当初は、子ども手当て、社会保障・税一体改革等について重ねて協議が行われておりました。しかし、この2年は、予算編成方針や骨太の方針など、国が行政施策を説明し、地方が要望を伝える場となっていることも多く、形骸化が懸念されているところです。
 地方分権改革を推進し、直面している諸課題に適切に対処するためには、国と地方が真に対等な立場で協議を重ねることが不可欠であるというふうに考えております。このため、地方交付税等の地方行財政に係る重要案件については、企画立案段階から分科会が積極的に活用されるようにするなど、国と地方の協議の場の実効性が確保されるよう国に訴えてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の県民提案の取り組みについてでありますが、議員も御指摘のとおり、地方分権改革は住民自治を進めるもの、すなわち自治の主体である住民のために行うべきものであり、住民を置き去りにするような改革であってはならないと、私もそう思います。
 このため、県民の皆さんと直接対話する「こんにちは!三日月です」や県民政策コメント制度、県政世論調査、県政モニターなどにより、県民の皆さんのお声や提案を県政にしっかり反映させることが重要であると考えております。
 現在策定中の次期基本構想や来年度に向けた施策構築などにおいても、これらの制度や調査を活用し、県政への反映に努めているところです。
 一方、住民自治を進めるためには、将来の豊かな滋賀について、県民の皆様一人一人が考え行動してもらうことが重要だと考えております。そのため、私や職員がこれまで以上に現場に足を運び、県民の皆さんの県政への関心が高まるよう、対話を重ね、共感を広げ、協働し、県民が主役の県政を進めてまいりたいと考えております。
 5点目に、県と関西広域連合の提案募集への対応および手挙げ方式への対応見通しについて御質問をいただきました。
 今年度の提案募集に対して、7月に、本県からは3件、関西広域連合からは8件の提案を行いました。現在、国の地方分権改革有識者会議等で提案の実現に向けて調整が行われているところでありますが、中間取りまとめにおいては、本県から提案いたしました保育士修学資金貸付事業の貸し付け対象の住所要件の撤廃が、また関西広域連合からの提案では、広域連合が国に移譲を要請できる事務の範囲の拡大が、実現に向けて引き続き調整していくこととされております。
 今後も、提案募集方式などの手法を使うことにより、地方主導による分権改革が進むよう努めてまいりたいと考えております。
 また、権限移譲、規制緩和等の実施の際、手挙げ方式が選択された事項については、本県の実情に照らして検討を行い、受け入れ可能な事項について、積極的に手を挙げてまいりたいと思います。
 6点目に、安倍政権が進めます地方創生の評価と現行の地方交付税制度への考えについてでありますが、地方創生こそ日本再生につながる、地方創生で日本を元気にする、その視点や切り口は同感です。
 ただし、地方創生に係る交付金を創設しようとする一方で、地域自主戦略交付金を廃止したり、地方交付税を削減し交付金の財源に充てようとする動きがあるなど、中央集権的な地方創生の流れがあることには違和感を抱いているところです。
 地方交付税については、財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されることが経済効果を地域の隅々に波及させるために必要であり、その総額を確保するとともに、法定率の引き上げを含めた抜本的な見直しを行い、臨時財政対策債など特例措置に依存しない持続可能な地方財政制度を確立すべきであると考えております。
 また、人口減少社会における豊かな地域づくりには、議員御指摘のとおり、地域が必要に応じ必要な施策をみずからの責任と判断により、しっかりと行うことができる財源が必要であると考えているところです。
 そのためには、地方創生や人口減少の克服のための歳出を地方財政計画にしっかりと計上し、地方交付税の充実が図られるとともに、その算定につきましては、客観的で適切な指標が用いられることが重要であると認識しております。
 7点目に、我が県が今後持続的に発展するために何が必要かということについての所見でございますが、本格的な人口減少社会の到来など、時代の大きな転換期を迎え、将来に対する不安が高まっています。このため、将来に対する不安を安心に変えて、夢や希望を抱くことができる豊かな社会を築くことが求められています。
 このような中で、滋賀には、これまでから時代とともに変化するさまざまな課題に向き合いながら、次世代のために美しい琵琶湖を守り続けてきた先人たちの歴史と伝統があります。この歴史と伝統に学びながら、滋賀の強みを生かし、次世代のことも考えた新しい豊かさというものを追求してまいりたいと思います。
 知恵は現場にこそあります。環境や福祉の分野を中心に、県民の皆さんと一緒になって、先駆けた政策構想を展開してきた進取の気風があります。草の根自治があります。その中で環境と経済を両立させながら培ってきたものづくり力など、滋賀の知恵と力にこそ、未曽有で不可避の変化の中でさまざまな課題を克服していく糸口があると私は考えております。
 3点目の医療福祉について。
 まずは、1点目、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保についてでありますが、これまで本県では、県全域の3次保健医療圏においては高度専門医療を、そして7つの2次保健医療圏においては一般医療を、そしてさらには、市町や日常生活圏域においては在宅医療など、それぞれの医療ニーズに対応した体制整備に努めてきたところです。
 この基本的な枠組みは今後も変わらぬものと考えておりますが、まずは、医療に頼らない健康づくりに取り組み、あわせて、病院完結型の医療から地域完結型の医療への転換を進めるために、各医療機関のより明確な機能分担と円滑な連携体制の構築が重要であると考えております。
 具体的には、急性期から回復期、慢性期までの病院、病棟の役割を明確にするとともに、退院患者の受け皿となる在宅医療の充実が喫緊の課題であります。このため、来年4月施行の改正医療法に基づき策定を進める地域医療構想において、限りある医療資源を適切に配分しながら、地域にとって最適な医療を提供する姿を描き、来るべき2025年に向けて、関係者とともに取り組みを進めてまいります。
 2点目に、地域包括ケアシステムの構築を目指して、今後、在宅医療をどのように推進していくのかについて御質問をいただきました。
 まず、市町への支援についてでありますが、今般、医療介護総合確保推進法が成立したことに伴い、今後、市町において、介護に加え在宅医療の推進に取り組んでいく必要があることから、これまで以上に県と市町が連携協力していかなければならないと考えております。
 そのため、医療・介護サービス資源の把握、健康づくりの取り組みや在宅での療養みとりについての地域住民への普及啓発など、在宅医療の推進に積極的に取り組む市町にこれまで補助してきたところであり、引き続き、その成果を情報提供するなど、広域性、専門性を生かして市町を支援してまいります。
 次に、さまざまな医療介護従事者の人材確保、連携についてでありますが、県医師会と共催で、在宅医療に携わる医師の増加を目指したセミナーの開催でありますとか、市町ごとの在宅療養を多職種で支える地域リーダー養成などを実施し、多職種連携の仕組みづくりに引き続き取り組んでまいります。これらさまざまな取り組みにより、今後とも在宅医療が着実に推進するよう、県としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
 3点目に、医療機関と介護サービスの連携について御質問いただきました。
 まずは、住みなれた自宅で暮らし続けるために、健康を保つための取り組みとともに、介護サービス提供体制の一層の整備が必要だと考えております。特に、訪問介護と訪問看護が密接に連携して、日中、夜間を通じた対応を行う定期巡回型のサービスをはじめ、医療ニーズが高い人にも対応できる在宅介護サービスの実施を、市町、介護サービス事業者等に働きかけていく必要があります。
 また、たんの吸引など医療的ケアが実施できる介護職員を継続的に育成をして、医療ニーズの高い人を受け入れることができる事業所をふやしていくほか、介護老人保健施設の在宅復帰支援機能の一層の充実を図るなど、既存の介護施設の受け入れ体制も強化してまいります。
 さらに、在宅介護サービスを提供するためのケアプランを作成する介護支援専門員と医療機関の連携を強化する必要があります。このため、病院から介護支援専門員への着実な引き継ぎが行われるよう、退院支援のルールづくりや退院支援担当者の育成に取り組んでまいります。
 こうした取り組みを通じまして、医療機関と介護サービスの連携を強化することで、できるだけ健康長寿を保つとともに、医療から介護への流れを着実につくり上げ、各市町における地域包括ケアシステムの構築を支援してまいります。
 4点目に、経済と医療福祉の統合について御質問、御提案をいただきました。
 少子高齢化が急激に進行し、社会を取り巻く状況は大きく変わってまいりました。今般の医療、介護に係る制度改正も、こうした状況を踏まえ、持続可能な社会保障制度の確立を図ることを目的としていると承知しております。
 地域包括ケアシステムは、市町が中心となり日常生活圏域を基本に、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供できる体制であり、議員御指摘のとおり、単に医療・介護サービスの提供という側面だけでなく、そこから生まれる雇用や産業、さらにはまちづくりなど、多面的に捉えることが必要であるというふうに考えております。
 女性や若者、高齢者や障害者等あらゆる人を介護や生活支援などの担い手として育成し、それぞれの能力や経験等を生かした雇用の場の創出や起業を促進することで、身近な地域内での人、もの、資金の循環を図り、地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 5点目に、社会保障を取り巻く環境変化と社会保障のあり方について御質問いただきました。
 私は、今日の長寿社会を実現できたのは、皆保険、皆年金という世界トップレベルの充実した社会保障制度のおかげであると認識いたしております。このすぐれた社会保障制度をまずは次世代に受け継いでいくことが大切であり、そのためには、制度も社会の環境変化に対応していくことが必要ではないかと考えております。
 こうしたことから、議員御指摘の社会保障制度改革国民会議報告書において示された、子育て、医療、介護等の国民リスクに対応するための社会保障の機能強化と、これまでの高齢者中心から、子育て支援も含めた全世代を対象とした社会保障への転換という2点の改革のポイントを進める必要があると考えております。
 御指摘のとおり、市場主義だけで制度が構築されるものではないと考えております。県といたしましても、県民の皆様のニーズを国へ届けるとともに、県民が望む社会保障を構築すべく、県の役割をしっかりと果たしてまいります。
 次に、中小企業、小規模事業者の現状と対策について、7点、御質問をいただきました。
 まず1点目、条例ができても実感が湧かないという声に対する県の認識についてでございますが、条例施行後、職員による企業訪問などに積極的に取り組む中で、事業者の皆さんからは、県の施策情報をよりわかりやすく伝えてほしいといった御意見を多数いただいてきたところです。こうした声を踏まえ、今年度、実施計画に掲載している施策について、わかりやすく説明した冊子を作成し、施策情報の周知に努めております。
 中小企業、小規模事業者の皆さんの声にどのように対応するかであるが、商工会議所や商工会等の会合などの中で、私も参加しながら、多様な御意見をお聞きするとともに、フォーラム等でのアンケート調査を実施するなど、さまざまな機会を捉えて、中小企業、小規模事業者の皆様から直接御意見をお聞きいたしております。しかし、もっともっと広く、そして強く、意義と内容をお知らせする必要があると私も認識いたしております。
 今後も引き続き、皆様の生のお声をしっかりと把握しながら、中小企業活性化施策を見直して、着実に推進してまいります。
 ものづくりの技術力を生かした予算と人材の投入についてでありますが、本格的な人口減少社会に突入し、国内市場の縮小が予測されるとともに、新興国の成長など海外との競争が一層激化する中で、県内中小企業のオンリーワンを目指した技術開発を促進し、ものづくりの競争力強化を図っていくことが必要であると認識いたしております。
 これまでから、本県においては、医学・理工系大学や大企業の研究所、マザー工場の集積、中小企業の有する高度な技術力といった強みを生かしつつ、産学官連携による研究開発のプロジェクト構築に向けた支援や、工業技術センターによる技術支援などを通じて、県内中小企業の独自の技術開発を促進してきたところです。
 現在策定を進めております滋賀県産業振興ビジョン案においても、本県産業の強化を図る3つの企業力といたしまして、サービス・販売力、発信・連携力とともに、付加価値を生み出す技術力を柱として位置づけているところであり、今後とも引き続き、県内中小企業の技術開発を重点的に支援することにより、オンリーワン企業の一層の育成、発展につなげてまいりたいと存じます。
 3点目に、若者や女性への創業支援と融資制度の充実について御質問をいただきました。
 開業率が廃業率を下回っている中で、若者や女性の創業を促進するためには、私も創業支援や融資制度の充実が大変重要であると考えております。
 このため、県では、創業者に対し、SOHOビジネスオフィス等における活動拠点の提供をはじめ、去る10月には、滋賀の女性起業家の挑戦というテーマで女性経営者フォーラムを開催するなど、創業に向けた機運の醸成を図るとともに、先月、国に対しましても、創業・第二創業促進補助金の継続および拡充を提案してきたところでございます。
 また、制度融資においては、女性の起業を積極的に支援するため、開業資金に新たに女性創業枠を設けたところ、10月末時点の利用件数は、対前年比較で男性の伸び率を上回り、約1.8倍に増加しており、女性の起業促進に一定の効果を上げております。
 今後とも、若者や女性の創業、起業支援や融資制度のさらなる充実により一層努めてまいります。
 小規模企業振興基本法のメリットと県の役割について御質問いただきました。
 小規模企業振興基本法は、地域で雇用を維持して頑張る小規模事業者を正面から支援するため、中小企業基本法の基本理念である成長発展のみならず、事業の持続的発展を小規模事業者の振興の基本原則と位置づけられたところです。
 小規模事業者にとっては、基本法に基づく基本計画の中で一貫かつ継続した方針のもと、地域の特色を生かした特産品開発、販路開拓への支援などの施策を重点的かつ効果的に実行するとされたところが、大きなメリットであると考えております。
 また、地域活性化の観点からの県の役割についてでありますが、国と連携し、地域の特性に応じた施策を実施するとともに、小規模事業者が地域社会に貢献されていることを県民の皆さんに向け発信することが求められており、地域経済の活性化につながるよう、小規模事業者の振興に努めてまいります。
 5点目に、有効求人倍率について御質問いただきました。
 議員御指摘のとおり、本県の10月における有効求人倍率は0.96倍となっており、全国第29位、近畿2府4県では第4位となっております。また、正社員の有効求人倍率、これ、現数値でありますけれども、につきましては、全国が0.70倍であるのに対して、本県は0.53倍となっております。
 本県10月の雇用情勢について、滋賀労働局では、消費増税前の駆け込み需要の反動の長期化による消費回復のおくれや、円安の進行による原材料費、燃料費の高騰の影響によって、製造業の業績回復に足踏みが見られると見ております。本県の産業構造は製造業の比率が極めて高いことから、そのことが有効求人倍率に大きく影響していると考えております。
 なお、従来から公表されてきた有効求人倍率は求人申し込みの受理地別に集計されたものであり、大企業の本社を多く有する府県の数値が高くなる傾向がございます。これに対しまして、本県は大企業の事業所や研究所が多く立地しており、有効求人倍率が総体的に低い値を示すことにもなります。
 就業地別に集計した有効求人倍率で見ますと、本県の場合、1.11倍となり、受理地別の0.96倍を0.15ポイント、全国平均の1.10倍を0.01ポイント上回っており、就業地別では近畿2府4県の中で第1位となっております。
 いずれにいたしましても、本県の雇用情勢は改善の動きが弱まっていることから、おうみ若者未来サポートセンターや滋賀マザーズジョブステーション等を通じて、求職者に対して、きめ細かな就労支援を労働局とも協力しながら引き続き行ってまいります。
 企業における人手不足および若者の早期離職に対する改善策についてでありますが、今年度実施いたしました県内中小企業へのアンケートによりますと、課題として人材不足が多く挙げられております。また、民間企業の調査によりますと、大企業と中小企業における大卒求人倍率には8倍以上の差があると言われております。
 そこで、県では、滋賀の“三方よし”人づくり事業を実施いたしまして、若年求職者と県内中小企業とのきめ細やかなマッチングを行い、人材確保に取り組んでおります。
 また、県内企業の魅力を発信する就職支援サイト「WORKしが」を今年度リニューアルいたしまして、11月末には約220社、今年度末には約600社の企業情報の掲載を予定しております。
 若者の早期離職についてでありますが、新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は、大学卒業者で約3割と高水準であり、若者の職場定着は一つの課題であると思います。
 そこで、今年度から、若手従業員向けのカウンセリングや集合研修を実施するとともに、企業向けの従業員意識調査やコンサルティングを開始いたしました。こうした取り組みを引き続き行っていくことで、県内中小企業の人材確保や若者の定着に向けて努めてまいる所存です。
 7点目に、県内出身の学生が県内企業に就職してもらうために、どのような施策を検討しているのかということでありますが、先ほど答弁いたしました“三方よし”人づくり事業や「WORKしが」の取り組みのほか、今年度、新たに若年求職者と県内中小企業が一堂に会する企業説明会を開催いたしまして、県内企業が持つ強みや魅力を発信することといたしております。
 また、12月4日に青山学院大学において開催されますU・Iターンセミナーにブースを出展するなど、中部圏や首都圏の大学にも担当者が直接足を運び、学生に県内企業が持つ強みや魅力を発信することで、Uターン、Iターン就職を促進してまいる所存であります。
 次に、海外戦略と情報の受発信についての5点、御質問をいただきました。
 ベトナムにおける滋賀県の可能性についてでありますが、ベトナムを含みます新興国においては社会制度や法整備が発展途上であり、中小企業が円滑に進出するためには許認可等において現地政府の協力を得ることが不可欠であることから、今回、県がホーチミン市と経済分野等の協力に関する覚書を締結するための訪問をいたしたところです。
 まず、覚書を締結したホーチミン市人民委員会委員長との会談や、議員も御紹介いただきましたベトウオーター、ジャパンフェスティバル等、現地の視察を通じまして、ベトナムは非常に親日的で、若い国であり、経済の発展も含め大きな可能性を秘めた国であると感じました。
 また、水や緑も豊富であり、環境保全と経済成長とを両立させていくことに強い関心があることを伺いました。また、滋賀県ゆかりの企業を訪問いたしまして、海外展開への企業の情熱や感性に触れ、敬服もした次第でございます。
 この訪問を通じまして、日越の友好関係を礎に、今後、滋賀の技術と経験を生かした協力関係を築き、高い技術と志を持っておられる県内企業の海外展開を総合的に支援することで、本県経済の活性化につながる可能性も感じたところであります。
 今後、ベトナムでの海外戦略をどのようにしていくのかということについてでありますが、県内中小企業のベトナムへの進出支援につきましては、当面は、今回締結をいたしましたホーチミン市との覚書に基づきまして、同市ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク等への事業展開を積極的に支援してまいります。そのためには、ホーチミン市政府や同市の経済界との間で相互訪問やビジネスマッチングにより、人と人とのつながり、ネットワークを深め、ビジネス機会の創出を図っていきたいと考えております。
 また、県内中小企業のベトナム進出に際しましては、スタッフとして活躍するベトナムの方の人材育成が重要な課題となることから、これについても県として関係者と協力するよう努めてまいります。
 水環境ビジネスにつきましては、議員も御紹介いただきましたカットバ島での草の根技術協力事業をはじめ、各種事業をベトナムで実施してまいります。産学官民に蓄積された技術、ノウハウに基づきます琵琶湖モデルにより、ベトナムの水環境課題の解決に貢献できるので、今後もこれらの事業を積極的に推進してまいります。
 さらに、国際観光につきましては、日越友好40周年を記念して昨年度から始まったジャパンフェスティバルへ、他府県と連携して参加をしております。今後も個人所得の伸びが期待できるベトナムからの誘客の推進に努めてまいります。
 次に、台湾での海外戦略についてでありますが、昨年12月に台南市と覚書を交わした後、現地に本拠地を置く中核的な企業とも連携と協力に関する覚書を交わしたほか、サポートデスクの設置を行いました。
 こうした覚書に基づきまして、3月からは県の支援により県内NPO法人が現地に駐在し、政府機関や大学等との交流を行う中、さまざまな課題の発掘や情報の収集をし、それをしが水環境ビジネス推進フォーラム参加企業で検討を行い、課題解決の提案につなげております。
 こうしたことを踏まえ、10月には台南市の工業団地で環境フォーラムを開催するとともに、現地企業や市関係機関との技術交流、情報交換を行いました。一連の取り組みを通じまして、現地のニーズやビジネス展開の可能性も見えてきたと認識しております。
 また、びわ湖環境ビジネスメッセとして、台北での国際展示会に出展いたしましたほか、台湾政府機関である環境保護署に接触するなど、台南市以外にも展開を図っているところです。
 一方、観光誘客につきましては、これまで事業者等とともに、台北等を中心に、誘客活動や教育旅行誘致に取り組んでまいりました。ことしは、台南市で開催されます国際旅行博にも出展する予定です。
 今後、水環境分野のほか、観光なども含め、経済産業分野の交流を台湾全体を視野に入れ展開してまいりたいと考えております。
 滋賀県の海外戦略の進め方についてでありますが、本県の海外展開については、中小企業活性化条例などに位置づけ、私のトッププロモーションをはじめ、さまざまな活動を通じてネットワークを広げ、戦略的に進めているところです。
 具体的には、県内中小企業の海外展開支援や水環境ビジネスについては産官学金の連携が不可欠であると考えるため、滋賀銀行さんとの間の地域密着連携協定や県内産業界とも連携しながら取り組みを進めており、さらに、国やJETRO、JICA等との連携も重要と認識しております。
 観光分野では、政府観光局や関西、中部、北陸と連携し、現地のキーパーソンや訪日旅行者へ積極的にPRを行うとともに、受け入れ環境を整備してまいりたいと考えております。
 今後も、本県企業の技術と経験を生かしたものづくり、水環境ビジネスの海外展開や滋賀の魅力を発信することにより、本県企業の売り上げの増加や雇用の確保などにつなげてまいりたいと考えております。
 5点目のプレゼンテーション能力の向上と海外向けの人材の育成について、お答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、海外において、滋賀県の魅力や県内企業の技術等を紹介する機会はふえております。いかに効果的な発信を行い本県の魅力を相手に印象づけるかという点において、私自身を含めまして、職員のプレゼンテーション能力の向上を図ることは大変重要であると認識いたしております。
 海外において本県の魅力を発信する場合には、語学力だけでなく、本県の魅力を熟知し、相手の感覚や感性を踏まえた上で印象づけることができるような、高いプレゼンテーション能力が求められます。このため、私自身を含めた県職員が、海外においても通用するプレゼンテーション能力を身につけられるよう、効果的な研修を工夫するなど、本県の魅力を効果的にPRすることができる人材の育成に努めてまいりたいと思います。
 続いて、農地集積について御質問をいただきました。
 まず、1点目の国からの本県への機構集積協力金の配分額が少なかった原因についてでありますが、今年度の国の予算配分は、今後10年間で全農地面積の8割を担い手に集積させるため、国において、各県に対し年間集積目標面積を示すとともに、協力金が配分されました。
 しかしながら、目標面積に対し、その配分額が少なかったことから、今回、機構に貸し付け申し出があった面積が国の目標面積を下回ったにもかかわらず、協力金が不足する状況となりました。
 再度追加配分要請を行うことについてでございますが、9月末に農地中間管理機構の受付が終了し、協力金の見込み額を集計したところ、議員も御指摘のとおり、7億円余りの不足が見込まれたところです。このため、11月7日に、国会、農林水産省に緊急要望を行うとともに、あわせて、県選出の国会議員に状況を説明し、国への要請について協力を求めたところです。さらには、11月20日にも、国への政策提案において再度要望を行ったところです。
 3点目に、追加配分されなかった場合、具体的な対処方法についてでありますが、機構集積協力金のうち、機構に農地を貸し付けた個人に交付される経営転換協力金と耕作者集積協力金については、機構が受け手に貸し付けた年度にしか交付対象とならないことから、優先して対応したいと考えております。
 また、地域集積協力金につきましては、今年度貸し付け分も含めて次年度も交付申請ができることから、次年度において交付対象となる全ての地域を対象に、新たな農地集積、集約化の増加率が高い地域から、予算の範囲内で優先配分を行いたいと考えております。
 今回の機構集積協力金の不足は、担い手に農地の集積を進めようとしている農政の根幹を揺るがす事態であると考えております。また、集落営農が進み、担い手が頑張ろうとしている本県の農業にとっては死活問題であると認識いたしております。
 現時点で、追加配分について正式な返事は国からいただいておりませんが、まずは、今年度の協力金は交付要件を満たした対象者に確実に交付されなければならないと考えており、地域で農地の集積に御尽力いただいた方々の労を無にすることがないよう、引き続き関係者とともに粘り強く要望してまいりたいと存じます。
 次に、琵琶湖・淀川流域対策に係る研究会について御質問いただきました。
 この研究会は、昨年、台風18号による記録的な豪雨の発生を契機といたしまして、琵琶湖淀川流域の主要な府、県、市を包含いたします関西広域連合がイニシアチブをとり、流域構成団体はもとより、近畿地方整備局や他の流域団体などの協力も得ながら、流域が抱えるさまざまな課題を整理し、流域自治体の認識共有を図るとともに、今後の取り組みの方向性等を検討しております。
 研究会の趣旨といたしまして、中川座長からは、「琵琶湖淀川水系で考えると、琵琶湖が下流淀川全体に及ぼす影響は決定的である、下流は好きに水を使って垂れ流しているだけでいいわけではなく、琵琶湖の保全、再生に役立てる何かが要るわけで、広域連合に参加する各自治体がそれに向かって結束するという認識がないとだめだと思う。進んでよいことを取り上げて、どんどん普及させることによって、新しい防災文化が育っていくと思う」との御発言があったところです。
 今年度は、琵琶湖淀川流域の治水上の課題をテーマといたしております。この中で、本県としての大きな課題は、琵琶湖で洪水を貯留し、下流の水害の防止や軽減に役立っていること、その一方で、琵琶湖沿岸では浸水被害が発生することであります。昨年の台風18号の際に、41年ぶりに瀬田川洗堰の全閉操作が行われたことで、このような琵琶湖淀川流域に特有の課題が浮き彫りとなりました。
 今後、この研究会におきまして、これらの課題について議論を深めていただき、中間取りまとめが行われ、連合委員会に報告いただくこととなります。連合委員会におきましても、これらの課題を共有し、課題の解決に向けた議論が行われるよう、私も努力をしてまいります。
 流域治水のソフト面での対策の進展についてでありますが、条例制定後、自治会、学校、企業を対象に精力的に出前講座を実施しております。その出前講座におきまして、地先の安全度マップをもとに、その地域の水害リスクを共有し、避難場所や避難経路の確認など、確実な避難行動に結びつく取り組みを進めております。
 また、県内各地で地先の安全度マップを反映いたしました洪水ハザードマップの作成についても取り組んでいただいているところです。
 甲賀市黄瀬地区、米原市村居田地区では、水害に強い地域づくりモデル地区として、避難行動のみならず、安全な住まい方の検討として、地元の方と一緒に現地調査を行うなど、住民の皆様とともに議論を始めたところです。
 東近江市葛巻地区では、防災ファイルを作成し、タイムラインに基づいた実践的な避難訓練や訓練の検証作業などを継続的に実施されておられます。
 草津市では、洪水の発生時に周辺住民や通行者の方々が逃げおくれた場合に命を守るために一時的に待避できる避難所の確保のために、ことし10月に、ホテルなどの建物の施設所有者と、浸水時における緊急時避難協力施設としての一時使用に関する協定を締結されたところです。
 また、流域治水条例第29条の宅地または建物の売買等における情報提供をことし9月1日より施行いたしまして、宅建業者が地先の安全度マップ等の水害リスク情報を顧客に説明することを、宅地建物取引協会等関係団体と協力して進めているところです。
 県内各地での実際の取引において、宅建業者の各営業所から説明方法の確認などの問い合わせが数多くありまして、水害リスク情報の提供が着実に進められているところだと承知いたしております。このように、多様な場面でソフト面での取り組みが進展しております。
 森林や農地等における対策についてでありますが、流域治水推進に関する条例第10条では、森林と農地における雨水貯留浸透機能の確保を規定いたしております。森林に係る対策といたしましては、琵琶湖森林づくり条例の基本理念にのっとり、間伐等の森林整備を推進することで、その適正な保全および整備を図り、水源涵養や土砂流出防止など森林の多面的機能の向上に努めているところです。
 特に、山腹崩壊等のおそれのある箇所については治山事業を積極的に推進し、災害に強い森林づくりを進めているところです。
 耕作放棄水田の増加への対策については、集落の農地は集落みんなで守るという集落営農の育成や、中山間地域等直接支払交付金による農業生産活動の継続を支援し、耕作放棄地の発生を防止しているところであります。
 また、条例第11条では公園等における雨水貯留浸透機能の確保を規定しており、来年2月に開催予定の第8回流域治水シンポジウムで、公園やグラウンドを利用して流域に雨水をためる取り組みを推進する方法について、県民の皆さんと一緒に考えていくことといたしております。
 大戸川沿川の流域治水対策についてでありますが、大戸川沿川の住民の皆様の理解を得るために、ハードとソフト両面で、着実に目に見える形で対策を実施しているところです。ハード対策の推進に当たりましては、滋賀県河川整備5カ年計画を策定し、河川の改修や維持管理を着実に進めることといたしております。
 大戸川の下流については、おおむね10年に1回程度の降雨により予想される洪水を安全に流下できるよう、平成30年度には堂村橋付近までの改修を進めることといたしております。
 上流の甲賀市域についても、現状の河道の流下能力を確保するために、竹木伐開や、竹や木の伐開でありますとか、堆積土砂除去などを重点的に維持管理に取り組むことといたしております。
 ソフト対策といたしましては、避難計画や浸水警戒区域指定の検討も含めた水害に強い地域づくり計画の策定を、甲賀市信楽町黄瀬地区をモデル地区として、地域住民の方の協力のもとに、市と連携して重点的に取り組んでいるところであります。
 こうした流域治水の考え方の県外の評価についても御質問をいただきました。
 国土交通省所管の気候変動に適応した治水対策検討小委員会では、平成26年7月28日に、今後さらに取り組むべき水災害分野の気候変動適応策案を出されました。この中では、何としても人命を守ること、被害を最小化することを目標に、ハード、ソフトの施策を柔軟に組み合わせた多重防護の考え方が示されております。
 また、津波対策におきましては、津波防災地域づくりに関する法律によりまして、新たに津波災害特別警戒区域等の土地利用規制が創設され、土砂災害対策としては、土砂災害警戒区域等の土地利用規制が既に設けられ、それぞれ取り組みが進められております。
 洪水対策におきましても、津波や土砂災害と同様に、引き続き、災害危険区域等の既存の土地利用規制の制度の積極的な活用の促進を図ることが示されております。この考え方は、まさに滋賀県の流域治水の考え方と合致しております。
 また、これまで奈良県や岡崎市の行政担当者をはじめ、大阪大学、京都造形大学、九州大学、日本大学の研究者などから要請を受け、治水の先進的な取り組みとして、滋賀の流域治水条例の導入経緯や地先の安全度マップの内容について、意見交換を行っているところです。
 ことし9月16日のNHK「おはよう日本」では、全国に先駆けて実施しております水害履歴調査の取り組みが住民の水害意識を向上させ、的確な避難行動にも役立っていることを評価いただき、放映されたところです。
 本年9月に開催されました全国いい川・いい川づくりワークショップでは、住民の視点から捉えた地先の安全度マップを活用した本県の流域治水の取り組みが評価され、広松伝賞を受賞いたしました。広松伝さんは、埋め立て寸前であった福岡県の柳川の堀割りを復活再生した功労者としても有名な方であります。
 このように、さまざまな場面、さまざまな機会で本県の流域治水の取り組みが高く評価され始めていると認識いたしております。
 最後に、教育問題について御質問をいただきました。
 少人数学級編制についてお答えをいたします。
 学校を取り巻く環境が複雑化、困難化し、きめ細かな指導が教員に求められる中で、子供たちの学ぶ力を育てるための環境を整えるべきときに、40人学級に戻すとの財務省の主張は、本県で少人数学級編制を進めてきた考え方とは相いれないものであると認識し、憂慮しております。
 こうした中、先月末に教育委員会に対しまして、35人学級編制についての効果の検証をお願いいたしましたところ、平成25年度から中学校2年生と3年生に35人学級編制を拡充した学校では、次の4点について効果が認められたとの報告を受けました。
 1点目は、全国学力・学習状況調査の平均正答率が県平均を2.5ポイント上回り、学力面での効果があったこと。2点目は、不登校在籍率が県平均を0.06ポイント下回り、不登校状況が改善されたこと。3点目は、いじめの認知増加率が県平均を1.66ポイント上回り、いじめの早期発見につながったこと。4点目は、暴力行為の増加率が県平均を0.08ポイント下回り、暴力の発生が抑制されたこと。
 こうした効果について、先般、文部科学省にもお伝えしながら、小中学校の全学年において、国の学級編制の標準を35人以下にするよう政策提案をしてきたところです。
 いずれにいたしましても、一人一人の子供に教員の方々をはじめ多くの方の目と心が振り向けられる、35人学級編制を目指していくべきと考えております。
◎教育長(河原恵) (登壇)教育問題についての5点の御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目のこのたびの補正予算に計上した学ぶ力パワーアップ事業の狙い等についてでありますが、子供たちの夢と生きる力を育むためには、繰り返し努力したことを認め能力や可能性を引き出すことや、授業を改善し、学習意欲や興味関心を持って主体的に学ぶことにより、一人一人の学ぶ力を育てることが必要であります。
 このことから、基礎的な学びや読書など通して読む力や書く力をつけていくこと、また、つまずいた点を学び直していくことで学ぶ喜びを知り、子供たちがみずから意欲的に取り組むようになることを狙いとして事業を組み立てました。
 学び直しを図る事業としましては、既に小学校3年生から小学校5年生までと、中学校1年生、2年生を対象に、つまずき診断テストや学び直しプリントによる取り組みを進めているところでありますが、特に小学校5年生、中学校2年生は、学習内容が増加し、内容も深くなり、つまずきが顕著になる学年であることから、学ぶ力パワーアップ事業を計上させていただいたところであります。
 これらの学年の特徴は、小学校5年生では、物語の文章量がふえたり、割合や数の関係など、抽象的な思考への転換が求められております。また、中学校2年生では、国語で扱うテーマが日常的なものから社会的なものに広がり、数学では図形の証明など、論理的な思考が本格的に扱われるようになります。
 そのため、本事業により、少人数指導やチームティーチングなどによって、個々の子供に目と心を行き届かせ、子供たち一人一人の学ぶ力を高めていきたいと考えております。
 次に、2点目の読書活動の課題と子供たちに読解力を身につけさせるための対策についてお答えをいたします。
 議員御指摘のとおり、子供たちの学ぶ力を向上させるためには、読解力を身につけることが極めて重要であります。著者の意図を深く読み解くには、繰り返し読むことで思考力、判断力を高め、論理的に、また批判的に読むことが重要です。
 また、読解力は、家庭での学習時間など、学習意欲や学習習慣、生活習慣とも関係しているとも言われます。そのため、本に親しみ、自分から読書する習慣を身につけるとともに、文章を繰り返し読んだり、声に出して読んだりすることが大切です。
 また、目的や課題に応じて、さまざまな文章、資料を読み、読んだことを根拠にして考えを述べたり書いたりすることが必要です。
 こうしたことから、現在策定作業中の第3次滋賀県子ども読書活動推進計画(案)では、学校における読書活動の推進を重点取り組み事項に位置づけております。特に、学校では各教科の授業で読んだり書いたりする活動をふやすことで、読解力を身につけるとともに、子供たちの自発的、主体的な読書活動を推進することが重要であることから、学校図書館をより使いやすくし、図書館を活用した読書活動、学習活動が充実できるよう、支援に努めてまいりたいと考えております。
 また、家庭内においても、子供と大人が一緒になって本や文字に親しむことが大切であり、家庭に向けて読書啓発する取り組みなどを引き続き行っていきたいと考えております。
 このような取り組みにより読解力や読書意欲を育み、学校、家庭、地域が一体となって、県全体で子供たちの学ぶ力の向上につなげていきたいと考えております。
 次に、児童生徒の暴力行為についての御質問にお答えをいたします。
 まず、3点目の本県の暴力行為の現状と特徴についてでありますが、小中学校における1,000人当たりの暴力発生件数は、全国平均と比較して低いものの、議員御指摘のとおり、平成23年度から25年度にかけて、小中学校ともに増加率が急に高くなっております。また、複数回暴力を振るうケースについては、3回以上の割合が、小学校で30%弱、中学校で15%弱となっております。
 その状況については、自分の思いどおりにならないときに、感情をコントロールできず、暴力行為に至ってしまうケースが多いなどの報告を市町から受けているところであります。
 次に、暴力行為を起こす背景につきましては、家庭や学校など子供を取り巻く環境の変化や、子供が経験するストレスの増大、感情を抑えられず、考えや気持ちを言葉でうまく伝える力や人の話を聞く力が低下していることなどがあると捉えております。
 4点目の暴力行為への対応についてでありますが、児童生徒の指導に当たっては、子供の状況を理解し子供の内面に迫る指導を行うことと、学級活動など集団づくりをきめ細かく行うことが重要です。
 特に、暴力を起こす子供には、相手の気持ちがわからない、自分の思いがうまく伝えられない、自分の感情が抑えられないなどの面が見られることがあります。このため、教員は日ごろから子供に寄り添い、子供との信頼関係の中で、子供を取り巻く状況や実態を知るとともに、どのように感じ、考えているかなどを理解することが大切です。
 また、よりよい集団づくりを進めることが重要であり、学級活動等を通して、互いのよさを認め合い、信頼やきずなを深め合えるような人間関係づくりを進めていくことが大切であると考えております。
 さらに、発達障害のある子供や愛着に課題を抱える子供、強いストレスのある子供については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど専門家の助言を求めることなどにより、早期対応を図ることも重要であると考えております。
 最後に、5点目の暴言や暴力で自分を表現しようとした子供のその後の成長にどう生かす指導をしていくかについてでありますが、暴力行為が発生した場合には、まず何よりも、暴力を受けた子供の立場に立って、毅然とした指導を行うことが重要なことは言うまでもありません。
 しかしながら、こうした指導だけでなく、暴力に及んだ子供に寄り添い、なぜそのような行為に至ったのかなど、子供の声にしっかりと耳を傾け、その背景に迫るとともに、発達の観点からも検討し、課題に向けて取り組んでいくことが重要であります。
 このように、学校教育のあらゆる場面で温かく粘り強く指導することで、人を思いやる心を芽生えさせ、共感的人間関係を育成することができ、その後の成長につながっていくものと考えております。
○議長(赤堀義次) しばらく休憩いたします。
  午後2時51分 休憩
   ────────────────
  午後3時10分 開議
○議長(赤堀義次) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 最後に、39番石田祐介議員の発言を許します。
◆39番(石田祐介議員) (登壇、拍手)自民党颯新の会から質問させていただきます。
 いよいよ、あした12月2日から第47回衆議院総選挙が行われるわけでございますが、この解散が決まったころから、多少、私も気になる議論がございました。と申しますのも、このたびの解散は大義がない、あるいは700億円という巨額の費用を使ってやる意味がない、そのようなことが、民主主義に対して若干御理解をいただけない方々を中心に議論が展開されているということに対しては、私自身は大変懸念をさせていただいているところでございます。
 総理大臣が閣議決定に諮った上で、天皇陛下に御助言を申し上げ、陛下の方から裁可をいただいた上で、衆議院で開催するのが能動的解散ではございますけれども、この憲法7条に立脚する法的根拠がありながら、選挙に対しては大義がないと言われるのはいかがなものかなというふうに懸念をしておったわけでございます。
 例えば、全世界におきましても、普通選挙が行われない、あるいは選挙が全く行われない、ましてや、お隣の香港でもつい今ごろまでも、普通選挙を行ってほしいという民衆のやはり怒りがうねっておったわけでございます。お仕着せの候補者を立てるんじゃなくて、我々市民が選んだしっかりとした候補者を立てた上で普通に選挙してほしいというのが、東南アジアやアフリカ、ヨーロッパその他、もろもろの国々でもそのような国々がまだまだ多いわけでございますけれども、我が国でも、そのような民衆の選挙に対する訴えが明治の開国以来行われてきて、我が国の大正デモクラシーから昭和、そしてこの平成にかけて、我々が勝ち取ったこの普通選挙において、我々自身が否定するのはいかがなものか。
 ましてや、民主主義というものに関しましては、大変なコストがかかるわけでございます。そのコストを我々自身がしっかりと血税で集めて、そのために積み立てているお金でございますので、ほかに転用するものでもございませんし、この選挙をしっかりと行った上で、国民、そして県民の皆様方に、我々議員みずからがやっぱり信を問うていくということが大切だと思っております。
 確かに、民主主義というものに関しては、大変のろまで、ぐずで、そしてコストがかかる。そのようなことは重々承知はしておるわけでございますけれども、かつて、イギリスの宰相であるウィストン・チャーチルが議会でも言っております。「民主主義というものは最悪の政治である。しかし、それ以外の過去の政治もろもろの全て以外を除いては」という、彼自身の風刺をきかせた言葉でございますが、人類はいまだ民主主義を超える最高の政治形態は発見していない以上、我々議員はやっぱり、そのような選挙を否定するのではなく、選挙をもって、選挙民、有権者、そして県民の皆様方にしっかりと訴えていく、そのような選挙をお互いが心がけたいというふうに考えております。
 選挙に意味がないというよりも、あした以降、我々は街頭に出て、やはりアベノミクスに対するこの2年間の評価、あるいは消費税が18カ月先送りになっているということに対して、あるいはTPPの参加の有無、あるいは農協改革、あるいは原発の再稼働の問題、あるいは医療や介護の診療報酬の問題、あるいはいろいろな問題が我々自身はこの選挙で争点として訴えられるわけでございますので、大義ということに関しましては、わかっていただけましたか。(「わかった、わかった」「そのとおり」)それでは、わかっていただけましたので、早速質問に入らせていただきます。
 通告に従いまして、県政の目指す方向について、知事に伺います。
 三日月知事が就任されて3度目の県議会定例会を迎えましたが、知事として最初となられる予算編成の時期を迎えておられます。議会においては、これまでの県政に対する予算配分の考え方をお聞きしていますと、知事は、限られた財源の中から政策を打っていくには、やはり取捨選択の考えを示されていると受け取りました。必要と思われる政策、重要課題にできるだけ優先順位をつけて、政策を前に進めていく方針と理解させていただいています。
 しかし、取捨選択のメニューをお尋ねする前に、知事の考えられている滋賀県の形についてお聞きしたいと思います。
 以前、国政においては、「この国のかたち」という議論がなされていました。文字どおり、日本をどのような国にしていくかという、これも、限られた財源とマンパワーから目指すべき国家像を模索していくという話でした。北欧のように高福祉化された国なのか、英仏独のように中福祉なのか、さらには、アメリカのように自己責任や市場原理を優先する国なのか。これからも日本がものづくりの国でいくのだという判断なら、個別の政策については、その政策が国内に製造業が残ることに利するのかという判断基準に沿って、取捨選択するべきでしょう。
 そうであるならば、円安への誘導や原発再稼働を含む安い電力の安定供給や、移民を含む単純労働者の海外からの受け入れ、FTAやTPPなど自由貿易政策などが優先順位の高い政策となり、製造業の負担を重くする環境規制の強化や、非正規社員の特別待遇や福祉の充実などは優先順位が低いと判断されます。
 逆に、日本がこれからは第3次産業に経済成長の力点を移していこうとするならば、判断基準は、サービス産業の国際競争力強化に資するかというものになるでしょう。この場合は、観光産業に役立つ国際ハブ空港の整備や格安航空会社の積極誘致、国民全体の語学力の向上などが優先順位の高い政策となります。ほかにも、金融や教育、ホスピタリティ産業を支援する政策も重視されることとなります。
 政治については、特に選挙の際には、政策論争が大切、マニフェストはという声が聞かれるところですが、残念なことは、増税か否か、農業の所得保障は是か非かといった個別政策への賛否ではありません。滋賀県においても、今後どのような県を目指すのかという目標の姿を上げていかなければならないと思っています。
 次に、その姿を実現するために、県民がよりどころにすべき判断基準が明確になり、最後に個別の政策がその基準により取捨選択されることとなります。この判断基準を持たないまま目の前にあらわれた政策を、この政策は大切か、必要かと個別検討していったら、全ての政策が大切だ、必要だ、予算をつけるべきだというものになってしまうのは見えています。
 健康福祉の医療予算も大切だし、子育て予算も防災も大切ですが、基準、この場合は知事の思い入れがなければ、総花的に借金してでも、財政赤字としてはどうなっても予算をつけようということになってしまいます。財政赤字は必要な予算の積み重ねからできたものであります。
 そこで、知事にお伺いいたしますが、これらのことを大項目として、滋賀をどのような県のあり方としてデザインしていこうとされているのでしょうか。さらには、平成27年度予算にはそれらをどう反映されていかれるのかをお尋ねいたします。
 次に、2番目で、財源確保についてでございます。
 県の財源確保については、この秋の決算特別委員会でも各委員から多く取り上げられました。その際、県税主要二税などは、県内の景気動向や商工政策の打ち方など複雑な要素も多くあり、ここでは議論といたしません。入ってくる財源としては地方交付税がすぐに頭に思い浮かびますが、ここでは、普通地方交付税についてを取り上げます。
 自治体、この場合は滋賀県となりますが、人口や面積に応じてサービス提供に必要な支出見込み額が決められ、そして、県の集めるであろう税金の75%をその支出見込み額から引いて、その不足分を地方交付税として国から受け取ります。しかし、滋賀県は、同規模程度の面積、人口の他県と幾つかを比べてみても、交付税額は50億円から100億円程度は見劣りがいたします。このギャップをどう解消していくのかを決算特別委員会で質問をしたら、「琵琶湖を面積算定要件に繰り入れてもらうよう提案していきたい」という答弁をもらいました。
 そこで、知事にお尋ねいたしますが、どのようにして国を納得させていくのか、そのプロセスをお願いいたします。
 3番目、今秋の米価下落と不作に対する対応について。
 米価の下落傾向に関しては、米作農家より、かねてから不安、心配の声が多数上がっておりました。その原因としては、8月以降の大雨や日照不足という記録的な天候不順が挙げられ、もちろん水稲だけではなく、野菜や果物など農作物全般に広く不作の影響が出ています。しかし、本県の農業産出額の約6割を米が占めていることを考えると、平成26年米価がこれまでになく下落していることを鑑み、県としては国の政策や対策を十分に引き入れて、県も連携を強化し、また独自の対策を講じる必要があると思慮いたします。
 よく物の値段を値切るときに、半値の8掛けでどうやなどと冗談まじりに交渉することがありますが、今秋の米価はまさにその状況であり、田んぼからとれるいわゆる収量は半分、米価は昨年の80%まで下がっていると、まさに値切られても応じることができないレベルまで来ています。米農家からは、このままでは正月を迎えられないという悲痛な訴えもあり、ここは政策の出番であります。
 この件は、さきの9月定例会でも議論いただいているわけですが、その際に、担い手を対象とした収入減少影響緩和対策、いわゆるならし対策では、下落分の20%を超える部分は補填の対象にならないが、どう県として対応していくのかという指摘がなされたところです。
 また、このような緊急事態により、北海道東北知事会は米価下落対策についての緊急要望をまとめ、山形県知事が直接農林大臣に要請を行われています。これに対して県答弁は、「再生産可能な収入水準を保障する制度に強化するよう国に政策提案をした。また、20%を超える減収が生じた場合、超える部分を追加で補填することができるよう国に要請します」とのことでしたが、内容はいかがだったでしょうか。
 また、県独自としては、既に茨城、岩手、山形など複数の県では、米価下落緊急対策経営安定資金などの名目で、無利子で融資制度の創設を決めており、これらの動きを見て、本県としての考え方を知事にお尋ねいたします。
 次の項に参ります。
 卒原発のプロセスについて。
 知事におかれては、前知事である嘉田由紀子氏の主張されている卒原発を推進するという立場を表明されているところです。ただ、我が国においては、原子力発電の是非について国民の関心事となっており、大変幅広い議論が展開されているところです。
 原発再稼働問題一つとっても、議論は白熱しています。原子力規制委員会は、ことし7月16日に、鹿児島県川内原発について、新規制基準を満たしていると発表しました。これを審査合格と受け取り、先月、鹿児島県議会は再稼働承認、鹿児島県知事は容認のコメントを発表したところです。ただ、ある新聞の取材には、「原発の半径30キロ圏にある全国155自治体の首長の45%が、再稼働を決める際、原発立地自治体だけではなく、周辺自治体の同意も必要と考える」と答えています。
 再稼働問題だけでも、合意形成のプロセスはかなり複雑なものとなっていることは確かです。ましてや、国のエネルギー政策を左右し、国民の生活に直結する原子力発電の是非は、途方もない課題が山積していることも事実でありますが、余りに議論の質、量ともにハードルがあり過ぎて、今まではお尋ねこそしていませんでしたが、秋以降、知事は、「卒原発について考えていく」という発言もされていることでしたから、あえてお伺いをしたいと思います。
 知事の理想とされる卒原発のプロセスをどう進めていかれるのか、その工程表はいかなるものかを知事にお伺いいたします。
 新琵琶湖博物館について。
 滋賀県立琵琶湖博物館は、言うまでもなく、草津市琵琶湖岸烏丸半島にある県立の博物館であり、淡水専門の水族館としては日本で最大規模であり、湖をテーマとした博物館としましても屈指、総事業費は約230億円、1996年10月に開館して現在に至っています。
 この秋、県より、この琵琶湖博物館をリニューアルの目的で大幅に改装する、新琵琶湖博物館創造と銘打った計画の説明を受けたところですが、大変期待しております。
 なぜ期待するかといえば、マザーレイク琵琶湖、我が国で最大の湖を有する本県としては、これまで、湖と人、水と自然との共生を、それこそ太古の昔より育んできた歴史、生活のあり方があり、後世に伝えていくべき淡水文化の粋が詰まっているからです。
 琵琶湖博物館の役割は、そのような湖と人間のかかわりを県の内外に発信し、共感から共鳴にまで高めていくことだと考えています。それだけに今回のリニューアルは関心が高まるわけですが、今後、どのような博物館を目指していくのか、コンセプトをお伺いいたします。
 常設展示や企画展示も当然のことながらされるわけですが、来館者にとって、1回だけではなく、何回も足を運びたいというような、ソフト面での工夫があれば御紹介ください。
 以上、全て知事に伺い、この項の質問を終わります。
 次に、健康医療福祉政策について伺います。
 今回策定される予定の滋賀県基本構想案においては、第1章に長期ビジョン、第2章において重点施策という形で構成され、それぞれの本県の目指すべき将来についてのその方向性を示されました。
 その中でも、特に県民にとっては身近な問題である子育てや保育教育、また医療福祉、高齢者の皆さんにとっては老後の人生設計を考えると、こうしたことについては大きな関心事であります。本県においても、保育士や保育所不足、医師、看護師の確保の問題、加えて、介護士、ヘルパーの充実や施設整備も含めた受け入れ体制が決して十分な状況ではないと言えるでしょう。
 そこで、まず、今後4年間で先駆的、重点的に取り組むとされた、重点施策において位置づけられた「子どもの生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現」についてですが、当然のことながら、具体的に施策が念頭にあってのことだと考えます。例えば、具体的にどのような施策を考えているのか、また、それによってどのような成果が期待されるのか、知事に伺います。
 次に、具体の施策について伺います。
 平成27年度より施行される子ども・子育て支援新制度において、さまざまな形態の子育て支援策がメニューとして示されました。従来からの幼稚園、保育園、加えて幼保を一体的に行う認定こども園、また少人数単位で零歳から2歳児を預かる地域型保育など、制度としては大変意義あることだと思います。しかしながら、利用者にとっては、この制度自体が非常にわかりにくいこと、また、自治体によっては何らかの違いが出てくることも予想されます。
 例えば大津では、公立園において、国の指針に基づき保育料の値上げを検討されていますが、従来と何ら大きなサービスの充実がないにもかかわらず、保育料だけが2倍近くになることから、保護者や現場の職員などから不満の声が多数上がっているのが現実です。
 もちろん、大津市は中核市でありますから、独自の判断で行われることは承知しておりますが、こうしたことを踏まえ、県として、どのような考えのもと、またどのようなスタンスで取り組まれるのか、知事に伺います。
 次に、「全ての人に居場所と出番があり、最後まで充実した人生を送れる社会の実現」と重点施策としてうたっておられます。
 我が会派メンバーの知り合いには、単身の高齢者が体を悪くされ病院に入院されましたが、退院しても障害が残ったことから通常の生活に支障を来すため、家を処分され、そのお金をもとに老健施設などの入所を希望されましたが、受け入れ先がなく、加えて、入院先の病院からも退院を通知されるなど、大変不安に思っておられる方がいらっしゃると聞きます。
 現状の体制が決して十分と言えない中、県として、県民ニーズをどのように捉えられ、また対応していかれるのか、知事に伺います。
 加えて、最後まで充実した人生と感じてもらえるものとは何か、一人一人の県民に思いをはせながら、知事の思いを伺います。
 次に、移植医療について伺います。
 私は、さまざまな医療における課題があることを踏まえた上で、この移植医療は本県の大きな課題の一つと考えています。移植医療におけるドナー登録の現状を伺います。
 例えば、人工透析をされている患者さんにとっては、週に2回、3回、長時間にわたり拘束され、大変大きな負担となっています。また、白血病や再生不良貧血などの患者さんにとっては生死にかかわることでもあります。このような移植を必要とされる患者さんにとって、ドナーの確保は切実なる思いであることは言うまでもありません。
 県は、このことについてどのような認識でおられるのか、ホームページを見ても、啓発について余り触れられていないようでありますし、団体などが行う啓発活動には参加しているようでありますが、本県として、今後、ドナー登録を促進するためにどのように取り組んでいかれるのか、その本気度を知事に伺います。
 さて、いよいよあしたから総選挙が始まります。そもそもが消費税の税率アップが発端のようでありますが、今回、18カ月、2%の税率アップが先送りされました。少なくとも、社会保障費が膨らむことから消費税増税を打ち出されたことを考えると、その財源について、今後どのように考えていくかは重要であります。
 例えば、先ほど申し上げました子育て支援も、今回の増税によって制度設計がされておりますし、また反面、生活保護などは正しく支給されているのかなど、給付の問題もあります。こうしたさまざまな課題とともに、その財源のあり方は本県の社会保障への取り組みに大きな影響があると考えますが、消費増税の先送りをどのように考え、また、今後、さまざまな課題に対し、どのように対応されるのか、知事の見解を伺います。
 この項の最後に、これまでからこうした社会保障政策については、受益者の置かれている立場によって捉え方が違います。子供や若者、高齢者、また男性、女性など、立場によって求めるものが違うのは当然です。その中での財布も中身も全ての人に十分納得してもらうのには不十分です。こうした現実社会においてより多くの県民に理解していただくために、しっかりと説明していくことは重要です。しかし、その前に、県民の声を聞くことが大切であることは言うまでもありません。
 最近、いろいろな方と話をしておりますと、自分たちの声が届かないと言われることがあり、我々議員も反省すべき点が多くあると実感しました。もちろん、県行政としても、さまざまな形で県民の声を聞く制度はあると思いますが、やはり声なき声に耳を傾けることが大切だと思います。
 さまざまな現場の第一線で働く皆さんは、伝えたくても伝えられないと感じておられるのではないでしょうか。ぜひ知事には、お膳立てされた対応ではなく、現場へ出向き、いろんな立場の皆さんと対話されることを望みますが、いかがでしょうか。
 次に、商工観光政策について伺います。
 県民の満足度をより向上させるためには、何より県民サービスの充実を図ることが重要であることは言うまでもありません。では、どうすれば県民サービスを充実させることができるのか。それは、県民要望を確実に実現していくこと、あわせて、施策実現のための財源を確保することにあると考えます。
 私は、商工観光政策のいかんによって、本県が発展するのか、また衰退するのか、いずれの道を歩むのも、今後5年間の取り組み方次第であると考えています。これまでから、「滋賀の強み」という言葉が商工観光政策を語る上で使われてきましたが、では、まず、「滋賀の強み」とは何か、また弱みとは何か、知事に伺います。
 次に、県の産業全体を見ますと、第1次産業、第2次産業、第3次産業、最近では第6次産業といった分類の中で、それぞれのなりわいが営まれております。こうしたさまざまな産業の育成が本県経済の足腰を強くするものと考えますが、現状では各部局においてそれぞれ所管されております。その旗振り役として商工観光労働部の役割は非常に大きいと思いますが、各部局との連携をどのように考えておられるのか、知事に伺います。
 次に、滋賀県産業振興ビジョン案についてであります。
 これは滋賀県基本構想に基づく部門別計画の一つとして、本県の産業振興の理念や施策の基本的な方向などを定め、あわせて、昨年度に策定された滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例における施策の展開とともに、本県経済の発展を目指すものです。
 言葉や文章だけでは産業は発展しません。もちろん企業側の努力も今まで以上に必要になってくると思いますが、どんな商いも需要と供給のバランスなのです。今後策定されるこのビジョンによって、どのように本県産業が飛躍するのか。これは数値として結果が出るものなのか、知事の思いと考えをお聞かせください。
 話は変わりますが、世間では近ごろ、ふるさと納税がブームとなっております。正式にはふるさと寄附金でありますが、これは寄附額によって、それぞれ寄附先の自治体の特産品が贈呈されるところもあります。ウェブ上や口コミで、どこどこの何々がよいとか、うちの自治体はいまいちだから、何々へふるさと納税したといった話がありますが、本県の現状をまずお聞かせください。
 私は、このふるさと納税について、3つの利点があると思います。
 まず1つ目に、直接全国の方から寄附が受けられること、2つ目に、県内の特産品やそれにかわるものがアピールできること、そして3つ目に、そうした特産や名所などが広がることによって、ビジネスチャンスが生まれることであります。よいことばかりでないにしても、次につながる何らかのヒントがあるはずです。このふるさと納税について、今後どのように考えられるのか、伺います。
 次に、観光についてであります。
 先日、我が会派メンバーが佐渡市、新潟でありますが、自転車とスポーツ観光の推進について調査に行ってまいりました。佐渡市では、御存じのように、トライアスロンを中心としたさまざまなスポーツイベントが開催されています。これは佐渡市と佐渡市スポーツ振興財団が主となって、大会の誘致または企画運営を行っており、特に財団は、体育協会と連携しながらスポーツイベントに特化して活動されております。
 4月にはトキマラソン、2,600名の参加、5月には佐渡ロングライド、7コースで3,500名の参加、7月にはオープンウオータースイミング、450名の参加、9月にはトライアスロン、3,000名の参加、そして締めくくりには、ツーデイウオークが10月に開催され、こちらには400名が参加されました。これは佐渡の人口の16%余りの人々が内外から参加されたことになります。
 そして、マラソン、ロングライド、スイミング、トライアスロン、4つの競技に参加すると表彰されるなど、この取り組みによって佐渡のイメージが上がり、シーズンにおいては、経済効果と知名度が大変上がったそうです。まねをせよと言うつもりはありませんが、やはり滋賀ならこれというブランドの構築は絶対不可欠です。琵琶湖も文化的遺産もただあるだけでは宝の持ち腐れと考えますが、改めて知事の考えを伺います。
 最後に、高校再編による統合新校についてお伺いをします。
 魅力と活力ある県立学校づくりを目指し、平成24年12月に滋賀県立高等学校再編計画が策定され、ほぼ2年が経過しました。既に本年度から再編実施計画に基づき、能登川高校の総合単位制高校への改編や長浜北星高校総合学科への福祉系列の設置、長浜北星高校定時制課程の統合学科への改編、また、工業高校、農業高校の学科改編などが実施されているところであります。また、平成28年度には、彦根・長浜統合新校が設置されることになっております。
 さきの9月議会における我が会派の代表質問において、高校再編に関して、教育長から、「新校をはじめ各校において、それぞれの特色を生かしながら、将来を担う生徒の資質と能力を最大限に伸ばせるよう、学校づくりに取り組む」との答弁をいただいております。
 しかし、平成28年度に設置予定の彦根、長浜における統合新校については、中学生や保護者から、統合の対象となる高校の学校説明会や体験入学等で説明は受けているが、具体的なイメージが持てないとか、入学してみないとわからないことへの不安があると聞き及んでおります。また、中学校の進路指導面でも、こうした生徒や保護者への質問に答える資料が欲しいといった意見もあると聞いております。
 特に、来年度、統合前のそれぞれの高校に入学する現中学校3年生の生徒やその保護者にとっては、3つの高校が一つになって高校生活を送ることになることへの不安、例えば部活動の練習場所や活動方法、学校行事のあり方などについて、また、平成28年度に設置される新校に入学する現中学校2年生の生徒や保護者にとって、新校がどのような特色を持つ学校となるのか、どういう位置づけの高校になるのか、これらの詳細な情報がいつごろ明らかにされていくのかが見えないということが、進路選択の不安要素の一つとして挙げられると考えます。
 そこで、再編計画を進める上で、こうした生徒や保護者、中学校の進路指導面での不安要素になっていることに対して、どのように対応されようとされているのか、教育長にお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(赤堀義次) 39番石田祐介議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)石田議員、どうぞよろしくお願いいたします。
 私自身は、平和、人権、民主主義、大切にしながら歩んでまいりたいと思いますし、選挙で大きな権限を負託された者として、謙虚に、恐れを持って、心してその行使に処してまいりたい、かように考えております。
 大きく7問の御質問をいただきました。
 まず、1点目の県政の目指す方向につきまして、2点の御質問のうち、1点目の県のあり方をどのようにデザインしていくのかということについてでございますが、今の状況は、大きな政府、小さな政府というものでありますとか、新自由主義、規制経済というものであるとか、資本主義または社会主義ということであるとか、ケインズ主義、新古典主義というような、一律に単純に分けられるようなそういう状況ではない、非常にある意味で難しい状況だというふうに思っております。
 地に足をつけた施策構築を皆様とともにつくってまいりたい。そういう意味で、現在策定中の次期基本構想案では、ほぼ一世代後となる平成52年――2040年ごろの滋賀の目指す姿を、5つの視点で書いていこうとしております。ちょうど我々が80歳前後、私たちの子供、現在10代の子供たちが今の私たちの世代になり子供を育てている時代に、どういう滋賀であってほしいのかということについて、大きく5点の視点で描いております。
 具体的には、1つ目、互いに支え合い、誰もがみずからの能力を発揮し活躍する、夢や希望に満ちた滋賀であること。2つ目、滋賀の力を伸ばし、生かす、誇りと活力に満ちた滋賀であること。3つ目、美しい琵琶湖を大切にする、豊かな自然と共生する滋賀であること。4つ目、暮らしと産業を支える基盤が整い、人やものが行き交う、元気な滋賀であること。そして5つ目、将来への不安を安心に変え、安全、安心に暮らせる滋賀であること、というような5つの視点を描きながら、長期ビジョン編として掲げさせていただいているところです。
 本格的な人口減少社会の到来など、時代の大きな転換期を迎える中、誰もが将来への夢や希望を持ち、新しい価値観のもとに、豊かさを実感できる社会の実現を目指していく所存であります。
 2点目の平成27年度予算への反映についてでございますが、次期基本構想案では、今ほどお答えいたしました滋賀の目指す姿を実現するために、子供の生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現など、7つの重点政策を掲げております。
 平成27年度に向けた施策構築では、これらの重点政策を推進するために、予算上の重点化特別枠を設けた上で、10月下旬から11月初旬にかけまして、部局間の横つなぎにより政策課題協議を実施いたしまして、具体的施策の方向性について議論をいたしました。今後、さらに予算編成を進める中で、次期基本構想の方向性をしっかりと入れ込んでまいる所存であります。
 大きく2つ目、財源確保について御質問をいただきました。
 琵琶湖に係る財政需要の必要性をどのようにして国に納得してもらうのか、そのプロセスはとの御質問でございますが、国家的財産である琵琶湖を擁する本県では、その水質保全や環境、景観保全、水源涵養などの取り組みを行っており、多額の財政需要が生じているところであり、平成26年度は、今年度は事業費で70億円程度、一般財源で20億円程度となっております。
 しかしながら、現在、普通交付税の算定におきまして、琵琶湖は湖沼として、原野などと同じ最も低い補正係数が用いられていることなどから、普通交付税における需要額としては10億円程度の算入しかなされていないため、適切な財政需要の算入が行われるよう、国へ制度改正の要請を行っているところです。
 どのように納得をしていただき、制度改善につなげるのかということについては、非常にある意味では困難も伴いますが、我が国の財産でもあるこの琵琶湖をしっかりと後世に残すためにも、私自身、国へさまざまな機会を通じ要請していきたいと考えておりますが、議員各位や本県選出の国会議員の皆様方のお力もぜひおかりし、本県の取り組みの必要性について、国へ粘り強く訴え続けてまいりたいと考えております。
 大きく3つ目に、この秋の米価下落と不作に対する対応について、2点、御質問いただきました。
 まず、1点目の国への要請内容についてでありますが、米価下落に係ります対策といたしまして、平成26年度産米で予想される2割以上の収入減少に対し、平成27年度予算において国費により補填すること、および国の主導によりまして、過剰米を主食用市場から隔離対策をすべきだということについて要請をいたしました。
 10月22日に、農林水産省ならびに衆参両議院の農林水産委員会に対し緊急要望を行いましたほか、11月7日にも、政府主催の全国都道府県知事会議の場において、農林水産省に対し同様の要望を行ったところでございます。
 また、11月20日には、農林水産省に対し、収入減少影響緩和対策について、農業者が再生産可能な収入を保障する制度に強化するよう政策提案を行い、あわせて、近畿ブロック知事会の代表として、緊急要望と同様の要望を行ったところであります。
 この米価下落に対する本県の考え方ですが、県といたしましても、議員御指摘のとおり、米価下落等に伴い、農業者の資金繰りへの影響を懸念しており、稲作中心の本県農業にとってまさに死活問題であると認識いたしております。
 このため、農協が農業者に新たに貸し付ける運転資金につきまして、農業団体と協調して利子に対する補助を実施することにより、農業経営の安定を支援していきたいと考えており、今議会で補正予算案を提案させていただいているところです。
 大きく4つ目、卒原発のプロセスについて御質問をいただき、1点目、そのプロセスをどのように進めていくのか、その工程表はいかなるものなのかということについてでございますが、福島第一原発事故の教訓や使用済み核燃料の処理、廃炉など、いわゆる静脈の未整備といった深刻な課題を踏まえますと、一日も早く、原発に依存しない新しいエネルギー社会を実現していくことが求められていると認識いたしております。
 このため、基本構想にその考えを盛り込んだ上、新年度に向けて組織体制を整備し、新しいエネルギー社会に向けた道筋について、具体的に検討を進めていきたいと考えております。この中では、国のエネルギーミックスの方針や、温室効果ガスの削減目標策定の動向などを注視し、さまざまな御意見もお聞きしながら検討を進めていくことが必要だと認識いたしております。
 原子力発電を含みますエネルギー政策自体は国の所管事項であることから、県だけでできることには限界があるものの、省エネ、節エネの推進や再生可能エネルギーの導入促進、関連産業の振興など、エネルギーの地産地消や地域内経済循環のさらなる推進に向けて、県として取り組むべき施策について、具体的な内容を検討してまいりたいと考えております。
 あわせて、国に対しましても、原発の新設が難しく、既設、既に設置されている原発の老朽化が進行するという現実の中で、将来を見据えた安全で安心なエネルギー供給体制の確立や廃炉の検討など、国民的議論を喚起しながら、国全体で原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けた道筋をつくっていくことを強く求めてまいりたいと存じます。
 大きな5つ目に、新しい琵琶湖博物館について御質問をいただきました。
 まず、リニューアルでどのような博物館を目指そうとしているのかということについてでありますが、湖と人間の望ましいあり方を考える琵琶湖博物館では、設立20周年を目前に控えまして、博物館に対します新しいニーズや期待に応えるべく、リニューアルのための新琵琶湖博物館創造基本計画を平成26年3月に策定をいたしました。この中で、博物館の果たす役割を次の3つに整理したところです。
 1つ目は、湖と人間のあり方を県民とともに考え、ともに行動する博物館、琵琶湖の大切さに気づき、主体的な行動を起こす人々を応援する役割を担っていくこと。
 2点目といたしまして、次代、次の時代を担う人が育つ拠点となる博物館。県民ニーズに応え、環境にかかわる課題や情報をわかりやすく伝え、体験や交流の機会を数多く提供していくこと。
 さらに、3点目といたしまして、地域活性化の核となる博物館。研究施設や環境学習施設、観光施設といった多面性を生かし、滋賀の誇りとなり、地域活性化の核となる施設を目指すこと。
 こうした3つの役割をしっかりと果たすことによって、来館者数の増加を図るとともに、湖と人間のかかわりを県の内外に発信し、滋賀、琵琶湖の象徴となる博物館を目指してまいりたいと考えております。
 何度も来たくなるようなソフト面での工夫についてお尋ねがございました。今回のリニューアルによって、発信力が高く、いつ来ても新鮮な展示や参加型、体験型の展示を充実させ、来るたびに新たな発見や学びが得られるよう、再構築を図ってまいります。
 具体的には、琵琶湖と人々の暮らしをテーマといたしますC展示室では、これまでに収集した数多くの標本を活用して、おもしろい形や美しい色彩の珍しい生き物を、定期的に更新しながら展示いたします。また、学芸員や環境保全団体等と来館者の交流スポットを随所に設けるなど、新しい発見や交流が得られるような工夫を施してまいります。
 水族、水の生き物、水族展示では、ヤナを再現いたしました水槽を設け、ジャンプする魚やダイナミックに産卵する魚の様子など、季節性に富んだ生態展示を試みる予定です。
 また、世界の古代湖を紹介するコーナーでは、琵琶湖博物館として初めて哺乳類となるバイカルアザラシを飼育展示し、新たなファン層の開拓につなげてまいります。
 さらに、マイクロアクアリウムを新設し、琵琶湖の生きたプランクトンを来館者みずからが顕微鏡で観察したり、季節ごとに変化する小さな生き物の多様な生態を、ライブで大映像で紹介するコーナーも設ける予定でございます。
 展示以外にも、館内外で多彩な体験プログラムを提供するほか、レストランやミュージアムショップの魅力向上、周辺施設と連携した誘客キャンペーンや県外での移動博物館の開催など、さまざまな取り組みによってリピーターの拡大を図ってまいりたいと考えております。
 健康医療福祉政策に関する6点の御質問にお答えをいたします。
 1点目、重点施策に対する具体的な施策や期待する成果についてでございますが、何よりも子供を第一に考える視点を大切に、子供を安心して産み育てるための切れ目のない支援に取り組んでまいります。具体的には、安全、安心な出産を迎えるために、NICU――新生児集中治療室病床の増床など、周産期医療体制の充実強化や、医療ケアを必要とする長期療養児が身近な医療機関で医療を受けられるようにしたい。
 子育てについては、認定こども園や保育所、放課後児童クラブなどの増設、保育人材の確保、研修、また一時預かりや子育て支援センターなど、多様なニーズに対応する地域の子育て支援の充実に取り組み、安心して子供を産み育てることができる環境をつくってまいりたいと考えております。
 児童虐待への対応につきましては、子ども家庭相談センターを増設いたしますとともに、市町や関係機関との積極的な連携を図りまして、子供の命を守り、安心、安全な育ちを確かなものとしてまいりたい。
 健康医療福祉政策だけではありませんけれども、これらの取り組みも通じまして、子供を安心して産み育て、子育ての喜びと幸せが実感できるようにしたいと存じます。「人は人の中で人になる」、子供たちが、さまざまな人々とのかかわりの中で生きていく力や主体性を身につけ、子供の最善の利益が尊重される社会、滋賀の実現を目指してまいりたいと考えております。
 2点目の新制度につきまして、どのようなスタンスで取り組むのかという御質問でございますが、子ども・子育て支援新制度につきましては、国の情報を迅速に市町に伝えるとともに、事業者へも説明をしまして、利用者への適切な案内がされるよう努めてきたところであり、今後も利用者の理解が得られるよう、県としても丁寧に対応してまいります。
 また、現在、来年度から施行されます子ども・子育て支援新制度に向けて、市町では、子育て家庭がどのようなニーズを持っているのかの調査結果を踏まえ、それぞれの市町で必要となるサービス量の確保を図るための子ども・子育て支援事業計画を策定しているところです。
 県といたしましては、この市町計画をしっかりと支援し、県内どこに住んでおられても、安心して子供を産み育てることができるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 3点目に、最後まで充実した人生を送れる社会の実現についてでありますが、平成24年に実施いたしました県民意識調査では、将来、介護が必要となったときに、介護を受けたい場所について、「自宅」が35.4%と最も多く、次いで「特別養護老人ホームなどの施設」が19.3%となっております。
 また、介護の現場を担っていただいている市町による調査におきましても、できる限り自宅で介護を受けたいという御希望が多うございます。
 このような県民ニーズを踏まえ、住みなれた自宅や地域でその人らしい生活を続けられるよう、健康を保つための行動を促し、できるだけ医療、介護を受けることがないように、健康づくりの施策を推進し、あわせて、在宅での介護サービスのさらなる充実を図ってまいります。
 一方で、在宅での生活が困難な方には、特別養護老人ホームなどの介護保険施設等の整備を、県介護保険事業支援計画に基づき支援をしてまいります。
 最後まで充実した人生と感じてもらえるために、お一人お一人が、老いていくことを重荷に感じるのではなく、年齢を重ねることが喜びであるということを多くの県民の皆さんに感じていただける滋賀にしていきたいと考えております。
 そのために、県といたしましても、さまざまな機会を通じて、高齢者の皆さんの願いをお伺いしながら、暮らしの場が自宅であるか施設であるかにかかわらず、さまざまな人の支え合いで安心して最後まで暮らせることができるよう、御本人を真ん中に置いたネットワークを市町や関係者の皆さんとともにつくってまいりたいと考えております。
 4点目に、移植医療について御質問をいただきました。
 まず、1つ目の移植医療におけるドナー登録の現状についてでございますが、移植医療のドナー登録につきましては、臓器提供と骨髄移植で方法が異なっております。臓器提供については、各個人が臓器提供意思表示カードを所持する形態となっており、骨髄移植については、あらかじめ血液を採取し、ドナー登録を行う方法となっております。
 全国の登録状況を比較いたしますと、本県ではまだまだ低い現状にあり、移植を望んでおられる方々のことを思うと、県民への働きかけを積極的に行う必要があるというふうに認識しております。
 今後、このドナー登録を促進するためにどのように取り組んでいくのかということでございますが、臓器移植については、各医療機関の臓器移植院内コーディネーター連絡会や臓器移植フォーラムの開催などを行っております。
 今後も、医療機関や関係団体と連携し、臓器移植に関する正しい知識と臓器提供意思表示カードの普及啓発をさらに一層進めてまいりたいと考えております。
 骨髄移植につきましては、血液センター、市町、保健所など関係機関との連携を図りまして、10月の骨髄移植推進月間には、骨髄バンク登録推進に向けた街頭啓発を、臓器移植普及推進キャンペーンとともに実施をしております。また、保健所に骨髄ドナー登録窓口を設置するとともに、ドナー登録の呼びかけを行っております。
 移植医療の推進のためには、継続的な普及啓発の必要性を強く認識しているところであり、一人一人の意思で救える命があること、つながる命があることを、私みずからも率先して啓発してまいりたいと思います。
 5点目の消費増税の先送りとさまざまな課題に対する対応についてでございますが、消費増税先送りについては、県の税収に与える影響を注意深く見ていく必要があります。
 こうした中、子育て支援につきましては、国において優先して進めるべきとの考えのもと、予定どおり、来年4月から新制度を実施すると聞いておりますが、他の医療や介護を含めて、その実施の裏打ちとなる財源確保が喫緊の課題であり、まずは国においてしっかりと手当てしていただけるよう働きかけてまいります。
 こうした状況にあっても、県民への健康医療福祉サービスが決して後退することのないよう、国の状況をしっかりと見きわめながら、県民ニーズに沿って重要度を勘案し、工夫しながら進める所存であります。
 6点目の現場に出向き、さまざまな立場の皆さんとの対話について御指摘をいただきました。
 議員御指摘のとおり、健康医療福祉政策の推進は、まさに現場の皆さんとの対話なくしてはかなうものではないと強く認識いたしております。こうしたことから、私みずから県民の皆さんとの直接に対話させていただくために、何回も言っていますけれども、「こんにちは!三日月です」を実施いたしまして、先日も赤十字奉仕団の皆さんと意見交換を行い、また、看護師養成校にも出向き、医療人材の現場の課題をお聞きいたしました。
 さらに、医療福祉・在宅看取りの地域創造会議のワーキングに参加をさせていただき、介護者や医療福祉関係者の皆さんから生のお声をお聞きいたしました。
 こうした現場主義に基づきまして、健康医療福祉部では、実践力向上勉強会を毎月、勤務時間外に開き、社会保障に携わっていただいている方を講師としてお招きし、お話を伺っているところです。
 議員御指摘のお膳立てされた機会だけではなくて、あらゆる機会を捉え、サービスを利用する皆さんや医療福祉関係事業者の皆さんのお話をお聞きし、積極的に対話をしてまいりたいと考えておりますし、この議会での御議論、御指摘もしっかりと承ってまいりたいと存じます。
 最後に、7点目、商工観光政策について、6点、御質問をいただきました。
 まず、滋賀の強み、弱みとは何かについてでありますが、本県には、ものをつくる力、交通と観光の力、文化とスポーツの力という3つの力がおかげさまであります。また、豊かな自然環境や歴史遺産、文化資産があり、地理的条件や交通利便性にも恵まれ、木地師や石工から始まるものづくりのわざや、近江商人の「三方よし」の経営理念を引き継いでもまいりました。さらに、琵琶湖を守るという県民や企業等の強い意思のもと、環境保全に取り組みながら経済発展を遂げてきた地でもあります。
 これらを背景に、グローバル市場で競争するものづくりなどの先端技術分野から、地場産業など地域に根差した産業まで多種多様な産業が集積し、産学官金民による連携の中から、すぐれた技術やノウハウが生み出され蓄積されてまいりました。こうしたものが産業振興を考える上での本県の強みとなるものだと認識しております。
 同時に、外需の影響を受けやすい、あるいはブランド力が希薄であるという点では、弱みであると言えます。産業振興審議会では、県や県民の皆さんがこうした資源の価値や魅力に十分気づいておらず、集客など地域経済活性化につながっていない面もあるといった指摘があったところです。
 滋賀の資源を産業振興にしっかりと生かし、弱みを克服し、強みを伸ばしていけるよう取り組んでまいる所存であります。
 2点目に、各部局間の連携について御質問、御指摘をいただきました。
 議員の御指摘のとおり、今後の産業振興に当たりましては、従来の第1次、第2次、第3次産業といった枠組みにとらわれない、さまざまな産業の連携がますます重要になってまいります。
 産業振興ビジョン案においても、多様な産業や技術等が集積する本県の強みを生かし、新たな価値や力を生み出す連携力の強化を図ることを施策の基本の一つに掲げております。
 部局連携については、現在、中小企業活性化施策を総合的かつ計画的に推進するための滋賀県中小企業活性化推進本部や、観光振興面では、滋賀県観光施策推進本部を庁内横断的に設置しているところであり、こうした本部をきっちりと活用してまいります。
 さらに、産業と環境の両立をはじめ、ものづくりと医療、健康、介護、観光などのサービス産業との連携、農商工の連携、産業と地域の文化的資源との連携など、異分野、異業種間の連携の促進や、産業のニーズに合った人材の育成やインフラの整備等を図るため、私自身が先頭に立って、各部局が有する専門性やネットワークを十分に生かしながら、全庁挙げて産業振興に取り組んでまいりたいと存じます。ぜひ、この議会においても、さまざまな御指摘、御提案を賜れればと存じます。
 3点目の産業振興ビジョン案についてでございます。
 このビジョン案では、人口減少やグローバル競争下にあっても、本県経済を牽引する産業といたしまして、1つ目、国内外の課題解決に貢献する成長産業、2つ目、地域の資源を活用した魅力創造産業、3つ目、暮らしの安全、安心を支える地域密着産業という、3つの産業の振興を基本にしたいと考えております。
 その実現に向け、本県の強みを生かしながら、水・エネルギー・環境、医療・健康・福祉、高度ものづくり、ふるさと魅力向上、商い・おもてなしといった5つのイノベーションの創出に重点的に取り組んでまいります。
 こうした取り組みにより、目指す姿といたしましては、たくましい経済の創造、地域経済の活性化、雇用の維持拡大、循環型経済の確立などを掲げ、本県産業を飛躍させてまいりたいと考えております。
 数値として結果が出るものなのかについてでありますが、ビジョンの推進に当たりましては、毎年度、モニタリングという形で、本県経済や産業の動向について、経済雇用の主な統計指標による数値とともに、県民の経済的な豊かさの主観的評価などを用いて分析、評価し、公表する考えであります。
 モニタリング結果をしっかりと活用し、目指す姿に近づいていけるよう、効果的かつ着実な施策展開を図ってまいりたいと考えております。
 4点目に、ふるさと納税の現状について御質問をいただきました。
 本県では、マザーレイク滋賀応援寄附条例に基づきまして、いただいた寄附金を、琵琶湖に関する事業と本県の豊かな歴史的、文化的資産に関する事業、この2つに活用させていただいております。
 このマザーレイク滋賀応援寄附については、平成25年度は66件、金額にして1,811万円余りの御寄附をいただいております。今年度、平成26年度については、10月末現在で38件、925万円余りの御寄附をいただいております。制度開始当初からこの10月まで、2億円余りの御寄附をいただいてきたところであり、感謝をしております。
 御寄附をいただいた方には、感謝の気持ちを込め、私自身のお礼状を送付いたしておるほか、5,000円以上の御寄附をいただいた方には、琵琶湖博物館と近代美術館の招待券、県の情報誌をあわせてお送りしております。
 また、いただいた寄附金をどのような事業に活用したのか。例えば、琵琶湖の外来生物を県民の皆様やNPO法人の方々などと協働で駆除する事業でありますとか、県所有の文化財を修理し公開展示する事業などについて、報告書にまとめ、御寄附をいただいた皆様に送付し、お知らせをさせていただいております。
 このふるさと納税の今後についてでございますが、昨今、ふるさと納税の取り組みの一つとして、特産品をはじめとしたお礼の品の贈呈が話題になっております。議員御指摘のとおり、こうした取り組みは県のPRにも大きな効果があると考えております。本県においては、県と市町の間で過度な競争とならないよう一定の配慮が必要であると考えており、特産品の贈呈などは行わないという姿勢を現在とっております。
 しかしながら、現在、国において、ふるさと納税制度の拡充について議論されていることもあり、今後、県にとってどのような制度のあり方が望ましいのか、県内産業の振興や県の魅力発信を含む幅広い観点から検討してまいりたいと考えております。
 6点目に、佐渡市の例を挙げていただきながら、滋賀の観光ブランドの構築について御質問をいただきました。
 本県には、琵琶湖を中心に広がる豊かな自然、神社仏閣などの歴史資産、自然と共生してきた人々の生活文化など、世界に発信できる魅力があります。
 そこで、観光ブランド「ビワイチ」の取り組みにおいて、これらの地域資源を磨き、滋賀の魅力を際立たせる上質な旅づくりを行い、滋賀に来てもらうための独自色を出すことに取り組んでおります。
 また、本県観光のセールスポイントは、豊かな自然や文化遺産を活用した体験型観光にあると考えており、中でも、スポーツイベントをはじめ、アウトドア型の観光に力を入れております。
 例えば、年々参加者のふえている琵琶湖一周ロングライド、全国屈指の評価の高いびわ湖大花火大会、ロックファンの熱気に包まれますイナズマロックフェス、空を飛ぶという人間の夢を実現させる鳥人間コンテストなどが各地で行われ、多くの参加者を得ています。こうしたイベントをどう盛り上げるのか、今後、ほかにどうつくっていくのか、県民の皆様とともに考えてまいりたい。
 また、今後とも、これらのイベントのみならず、さまざまな取り組みの芽を地域住民や観光事業者、市町等と協働しながら大切に育て上げていく中で、滋賀ならこれという観光ブランドを構築していけるよう、一緒に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
◎教育長(河原恵) (登壇)高校再編による統合新校についての御質問にお答えをいたします。
 長浜、彦根の統合新校においては、平成28年4月の開校に向けて、それぞれの開設準備室を中心に、統合移行期の部活動や学校行事等のあり方、および新校の具体的な教育内容や教育活動の検討を進めてきたところでございます。
 現在の中学3年生や保護者からの御質問に対しては、6月以降に開催された中学校の進路担当者会や中学校を訪問しての説明会、8月と11月の一日体験入学や学校説明会などにおいて説明してきたところでございます。
 また、部活動の活動場所や学校行事の内容等の詳細については、来年度の早い時期に決定していくこととしておりますことから、今後、そうした予定についてもお知らせをしていきたいと考えております。
 統合新校の1期生となる現在の中学2年生には、少しでも早い段階から進路指導ができるよう、今年度中に新校の教育課程の概要や部活動、主な行事予定などを掲載したリーフレットを全員に配布するとともに、新校のホームページを開設して、随時、情報を提供していきたいと考えております。
 今後も、中学生の皆さんが安心して進学先を選択し、希望を持って入学することができるよう、中学生や関係者に対し丁寧に説明しながら、新校開設の準備を進めてまいりたいと考えております。
○議長(赤堀義次) 以上で、会派代表による質疑ならびに質問を終わります。
 
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平成26年9月定例会質問

質問内容

  1. 這い上がるしかない滋賀の学力向上について
  2. 農業生産を支える土地改良区の運営について

議事録

平成26年 9月定例会議(第11号~第17号)-09月29日-04号
次に、3番有村國俊議員の発言を許します。
◆3番(有村國俊議員) (登壇、拍手)このたびの御嶽山の不測の事態により被災された方々に謹んで哀悼の意とお見舞いを申し上げます。多くの関係者におかれましては、今なお大変でしょうけれども、何とか踏ん張っていただきたいと念じております。
 先ほど別件で、三日月知事は、よわい40を超え、死を意識するときがあるという話を別件でおっしゃいましたが、私もよわい40を超えて、死を意識するときが何度かあります。これは、老若男女、年齢関係なしに、やっぱり毎日、日々一大事と心がけて、ど真剣に毎日を生きなきゃいけないなというふうに思わせていただきました。
 それでは、質問通告に従いまして質問のほうを始めさせていただきたいと思います。
 はい上がるしかない滋賀の学力向上について。
 児童生徒が学校へ通う主な目的は、確かな学力を身につけるためであると私は常々感じていますが、本県の学力の危機については、今に始まったことではなく、以前から認知していたはずであるのに、関係者は公に危機感をあらわにすることなく本気の対策を怠ってきたことはゆゆしき事態で、本県の教育界にとってまことに残念なことでありました。これまで学力向上について議会で幾度も質問をしてまいりました。前教育長の答弁を御確認いただければこれは明らかで、打てど響かず、まるで人ごとのような感じを受けました。しかしながら、知事は、当事者意識、役割意識が強く、使命感があるように感じましたので、先般、代表質問に答えられた事項について、幾つか確認のため、以下全て知事に質問をいたします。
 まず最初に、本県の児童生徒の学力を向上させる責任機関はどこでしょうか。
○副議長(山田和廣) 3番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)有村議員、どうぞよろしくお願いいたします。私も、有限の生を無常の世の中で皆様とともに精いっぱい生きていきたいというふうに思っております。
 まず、学力を向上させる責任機関との問いがございました。
 まず、現状認識としまして、はい上がるしかないという言葉を使って表現されました。そういう見方もあると思いますが、よくよく私、今回の結果については分析をしたいというふうに思っております。どういうところに課題があるのか、どういうところがよくてどういうところが足りないのか、また、4月22日一日、小学校6年生と中学校3年生、332校に対して行われたこの1日の調査でわかることとわからないことがあると思いますので、さりとて、やはりせっかくやった調査ですので、しっかりと細かく分析をして対策を講じてまいりたいというふうに思っております。
 その意味で、責任機関ということについて申し上げれば、一義的には県全体の正答率、また学習状況を把握をし、そして、それぞれの学校に、市町の教育委員会に改善策を示す責任は、県全体を見ることができる県の教育委員会にあると思っています。同時に、この教育の環境整備をする、教職員の方の人件費の捻出を含め予算をつくる、その環境整備をするという意味においては、県政、知事をあずかる私の責任もある。そして、具体的にそれぞれの市町でそれぞれの地域に応じた教育を実施、実行していくという意味においては、市町の教育委員会にある、市の行政にあるというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、そのあたりの責任というものの不明確さが、多くの市民、県民、国民の皆様方の教育に対する不安というものにつながってる面もあろうかということで今般の法改正が行われたと承知をいたしておりますので、より責任が明確となった教育行政を、教育委員会の皆さん、現場の皆さんとともに推進、展開していくことができるよう努めてまいりたいと存じます。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)私は、どんな回答が来るかなと思ったんですけれども、いろんな予算的なところでいうと、行政の県、あるいは市町の自治体、あるいは県の教育委員会、あるいは市町の教育委員会、ならびに学校長ならびに教職員の先生も責任機関の一つに入ってるわけで、ましてや当事者である生徒児童、これはもう責任機関の、自分自身の問題ですので。あわせて、よく地域だとか家庭というふうなところも責任機関に入るのかな、どうなのかなというふうに考えると、一義的には、やっぱり知事のおっしゃるように、我々というか、公的な機関のところが定かでないと、なかなかこの責任機関としての自負というか、当事者意識というのは生まれないなというふうに思っております。ですから、その辺のところで、地域とか家庭というのは今はおっしゃいませんでしたので、そこにはもう踏み込みませんけれども、責任機関としてはそういうふうな自負を持って臨まなきゃいけないなというふうなところであります。
 その責任機関なんですけども、どれほど本気になって本県の児童生徒の学力向上のために尽くしてきたかと、その機関がですね。それについて答弁をお願いします。全て知事に。
◎知事(三日月大造) どれほど本気になって学力向上のために尽くしてきたのか。難しい御質問だと思いますし、それぞれの方の主体で、それぞれの地域で、その時々で、皆さんが本気で子供たちに向かい合ったり、子供たちは子供たちで勉強に取り組んだりしてくれてると思いますが、この学力・学習状況調査において全国平均を下回るという、結果としてこういう状況になったということは、その本気度が結果につながっていないという、私はそういう印象を持っております。例えば、その学習状況調査を細かく見ていただくと、規範意識だとか自尊意識、人のために役立つ仕事をしたいということについては、小・中学校とも昨年度よりも高まっています。これは生徒の回答で。しかし、全国と比べて低いということでありますとか、いろんな要因があると思いますが、態度、落ちつき、こういうものについても、小学校は改善していますが、全国より低く、中学校については全国よりも低く、さらに昨年度よりも悪化をしているというような状況もあったり、また、校内外の研修というものに参加していますか、どう活用していますかということについても、小学校については昨年よりもふえてますが、全国よりも低い、中学校においては昨年から上がらず、全国から低いというような結果もあるもんですから、このあたりのことは、やはりそれぞれの本気度が結果に結びついていない面もあるのではないかという印象を有しております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)今のどれほど本気になってやってきたかというのと、次の目的を達成してきたと思われますかというところを、今、ダブルで答えていただいたと思うんで、もうそれは結構です。次へ行きます。4番に行きます。
 先週、知事の発言で、ことしじゅうに中長期的な対策を含めて検討して、子供たちの学習状況の改善のためにできることをまとめていくということで教育委員会と合意したと知事はおっしゃり、あわせて、計画的にスピード感を持って取り組んでいくとのことでありました。とても大切な意欲であると私は思っております。
 そこで伺いますが、中長期とはどれぐらいの目途をお考えでしょうか。お伺いします。
◎知事(三日月大造) 私は教育の専門家ではありませんので、知事として、また小学校、中学校、高校、3人の子を持つ一父親として、また一県民として、この滋賀県の教育というものに向き合ってまいりたい、そして、教育委員会の皆様方、専門家の皆様方ともよくよく連携しながら、とりわけ市町の教育委員会とも連携しながら、この滋賀県で学ぶ子供たちの学ぶ力を高めることに尽力をしてまいりたいというふうに考えております。
 多くの皆様方から、この学習状況および学力の調査結果についてのお声をいただいた、前議会でも大変多くの方の御示唆や御意見をいただいたということもあって、先般、教育委員会の皆さんと意見交換をさせていただき、これから継続的かつ定期的にこの意見交換をしながら、来年度から始まる教育行政の大きな転換期にどう備えていくのかということについて、しっかりと形づくってまいりたいというふうに考えております。
 中長期ということについて、私は、軽々にこれぐらいというスパンを申し上げるのは、逆に日々育つ子供たちにとっても適切ではないというふうにも思いますし、一日も早くできることから改善をしていく、よりよくしていくという努力が私は要ると思っています。そういうことを前提に、御質問ですので、ただ、中長期というのはどう考えるのかということについていえば、私が選挙でいただいた自分自身の任期は、一つの任期は4年というふうに考えておりますし、結果をしっかりと分析をし、予算を含め、人事の面を含め、組織体制の変革も含めて取り組んでいくということからすると、私は、2年を一つのスパンとしてPDCAのサイクルを回していくと、結果、やはり2サイクルで一つの中長期というスパンを自分なりには設定をし、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)任期中で、その半分の2年である程度の成果を求めていこうかなという、そのやる気、2年なんて初めて私は知事の言葉から聞いたんですけども、それは非常に大事なことであって、その意識が全県に及ぶことを私も期待していますし、やっていかなきゃいけないなというふうに思っておると。
 そんな中で、同じく先週、我々自民党議員団の山本議員の代表質問において、知事は、本県の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、小・中学校ともに全ての教科で全国の平均を下回っておりますと、改めて滋賀県の学力を向上させ、学習状況を改善させていかなければならないという重い使命感を感じておりますとお答えになられましたが、具体的には、まずは小・中学校全ての教科で全国平均を上回ることを目標とすべきとお考えなのかなというふうに受け取っておりますが、そのように捉えてよろしいでしょうか。
◎知事(三日月大造) 有村議員、全ての小・中学校、全ての教科で全国平均を上回ることを当面の目標とすべきか、そう考えていると捉えていいか、そのことについては、私は、誰にどのような目標を持っていただき、どのように取り組んでいただくかについては、もうちょっと時間をいただきたいと思っています。やはり午前中の質疑の中でも申し上げましたが、単に正答率だけを比べて子供たちの学力ということで捉えるのではなくて、小・中学校、市町のそれぞれもそうですけれども、どのような学習状況にあるのかということをもう少し精緻に教育委員会の皆さんと一緒に見ていく必要があると思っているんです。
 今回の調査のことだけでいえば、正答率のことだけではなくて、やはりそれぞれの教科、例えば、国語A・B、算数A・B、数学A・B、知識とその活用について問われた問題でありますけども、御指摘のとおり、全て全国の平均よりは下回っております。ただ、その根っこにあるのは、数学も算数も国語もそうなんですけれども、関心がありますか、おもしろいと思いますかという問いに対して、いずれも全国平均を下回る、そういう結果が出ております。おもしろいと思えないもの、興味関心が湧かないものにやはり意欲を持って取り組めるかというと、やっぱりなかなかそういう状況じゃない。それらを、じゃ、高めるために、どのようなも目標を設定すればいいのかということについては、少し現場の皆様方とも意見交換もしながら、かつ、去年からことし、いろいろと工夫改善をされながら正答率を上げてこられた、また学習状況を改善してこられた、そういう市町の取り組みもあるもんですから、そういうものもしっかり見ながら今後のあり方を考えてまいりたいと思いますし、むしろ議員各位からのさまざまな御提言も賜れればと存じます。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)知事がおっしゃる学ぶ力、いわゆるランクづけではなくて、学ぶ力が整えば自然と学力も上がるだろうという考え、僕もそうだと思います。ただ、そこに、ただというか、それを否定するわけじゃないんですが、学ぶ力を上げれば学力は自然と上がる、これも大事。だけども、学力を、知事がおっしゃるように、小・中学校ともに全ての教科で全国の平均を下回っておりますということに危機感と重い使命感を持っているんであれば、やっぱり2年と、2年が一つの次のステップなのかもわかんないけれども、平均以上はいきますと、滋賀県の学力を上げてみますということを知事として言っても、それは全然、心構え、姿勢なんで、それは非常に大事なことだと思います。そこに目標を持てば、おのずと学ぶ力、あるいは、いろんな豊かな心を育むだとか、そういった各アイテムは、その目標があれば各アイテムはそれぞれ相乗効果で底上げがなされると、そして最終的に学力は上がるということだと思うんで、目標は全国平均じゃなくて、さらにその上が目標だと思うんで、だから、そういう意味で、ぜひ知事、今までの知事、あるいは今までのいろんな議会答弁から見ると、非常に一歩踏み込んでいらっしゃると思うんで、ぜひリーダーシップを発揮してもらいたいなというふうに思っております。
 少なくとも、滋賀県の学力はこういうところに持っていきたいという成長シナリオ、ビジョンが必要だと思うんです。で、ビジョン計画とあわせて実行計画がないと絵に描いた餅で終わってしまいます。このビジョンを実現するためには、こういうプロジェクトをこういう責任体制で、こういう期間に限定して立ち向かって、その成果が上がらなかったときにはどういう責任をとるというぐらいの話まで含むのが企業における実行計画であると。今回は、学力向上については県民に見えるようにしないといけないというふうに思っていまして、では、実行計画って一体何だというときに、滋賀県の学力をこういう方向に持っていこうということが県民にぴんとくるようなマクロな構想力に満ちた話が伝わってこないといけないなというふうに思っております。
 それで、知事の会社員時代に関係するリニア中央新幹線の話で恐縮でございますけれども、13年後の2027年に首都圏から中京圏を完成させます。で、JR東海が自己ファイナンスで実行します。その後、2045年の予定で大阪市内までを開通させると。トータルプランとしては約9兆円、日本経済にとっても大きな変革を及ぼす巨大プロジェクトがいよいよ着工となります。これも、何と何と何のプロジェクトを何年までにどういう責任体制でやるのだという方向感、期待感を抱けば、このプロジェクトに自分も参加したいなと、あるいは、そういうプロジェクトに自分の力も投資したいなというような機運が、流れが生まれてくるというふうに思います。
 教育長がおっしゃった日本一の教育を目指すという本県であります。大きな構想力のプランが見えれば、県民も心が揺さぶられると思います。滋賀の子供たちの学力を上げる、その目標を定かにすれば、そうだよな、その夢に向かって頑張ろうじゃないかという機運が生まれるとなります。だから、知事の御自身の任期中に、できれば早い段階で、先ほど2年とおっしゃいましたけれども、滋賀の学力向上の成果をぜひとも県民と共有したいと私は考えております。知事、ほんと期待してるんで、私もこれまで長い間、結構質問をやってきたんですけど、ぜひ期待してよろしいですか。ちょっと答弁をいただきたいと思います。
◎知事(三日月大造) 有村議員、一緒にやりましょう。いや、これは本当に大事なことだと思うんです。実は、今御指摘もいただきましたが、確かにビジョン、目標も大事、それを達成するための実行実施計画も大事なんですけれども、ややもすると、その目的と手段が違うようになってしまって、何のための学力・学習状況調査であって、何のための教育なのかということがたがわないようにするということも大事だと思うんです。ですから、もう少し精緻に分析をさせていただき、多くの皆さんに御理解と共感を持っていただける、そういう目標づくりということについて、教育委員会の皆さんと現場の皆さんとよく議論したいと思うんです。
 例えば、現在、第2期の滋賀県教育振興計画が5年間で実施中だということを、立派なパンフレットをつくってるんですけども、余り皆さんに知られておりませんし、そういったこともぜひしっかりと検証しながらやりたいと思います。民間企業は、確かにビジョンをつくり、実行計画をつくり、その結果責任を問われるということがございますが、民間企業のそういうノウハウを学び、行政をやっていくということの大事さと、民間企業ではなかなか一緒にやっていけない、ある意味では取り残されてしまう、はじかれてしまう、でも、教育はそういうものも全て包含をしながら進めていかなければならない、逆にそのことに意義があるという、そういう面も私は持ちながら、この滋賀県の教育力、学ぶ力を高めるということに取り組んでまいりたいと存じます。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)考え方はそれでいいと思います。知事御自身のお考えなので、それは否定もできないし、尊重します。ただ、滋賀県の知事として、あるいは各都道府県知事として、例えば同じようなこんな案件があったときに、三日月知事のお考えみたいな知事もいらっしゃれば、いや、そうじゃないと、最下位になってしまった、ある教科は、来年以降見ててくださいと、何とか底上げをみんなで協力してやろうじゃないかと、各家庭にも協力をいただいて、あるいは地域にも協力いただいて、家庭でのしつけもしっかりやっていただいて、いろんなことを全部総合的に、そういった目標を掲げる知事もいらっしゃると思うんです。だから、滋賀県の学力を上げるというのは、私、これは今回の質問も今までもそうなんで、それが第一義の目的としてやってるんで、だから、滋賀県の学力を上げるためにどうなんだといったところの答弁をしていただけるとしたら、ぜひとも、先ほどの意見は尊重しますけれども、やっぱりがむしゃらに当事者意識を持ってやるんだというところ、あるいは、地域、家庭にも頼んでいくということであれば、家庭の中で11時以降はテレビをストップしてほしいとか言えません。言えないけれども、そういった協力を知事として発信して、あるいは地域にも、地域の協力って何なんだといったときに、そのことをきちっとしたある程度のサジェスチョンを与えないことには、なかなかこれは動かないことでありますので、ぜひ頑張っていただきたい、そのように思って、教育、学力向上についてはこれで終わりにさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、本県の農業生産を支える土地改良区の運営について、全て知事にお伺いします。
 琵琶湖を取り巻く本県の水田地帯では、稲刈り作業も終盤を迎えました。こうしたすばらしい風景が見られるのは、農家の皆様のたゆまない努力はもちろんのこと、稲の生育不良や品質低下を招かないよう、土地改良区が水田に安定した用水を供給されているからであります。また、農業用水は、防火用水や集落の生活用水として活用されるなど、多面的な機能を発揮しており、土地改良区の皆様の御尽力に感謝をしております。
 土地改良区は、農業用水を安定して供給することを使命とされていますが、その運営は、組合員、つまり農家の皆様からの賦課金で成り立っています。ところが、空前の低米価が農家を直撃している上に、8月の台風や日照不足等により、収量減、品質ともに農家の経営は大変厳しいものになっています。
 一方、土地改良区の運営については、昨年の30%を超える大幅な電力料の値上げや施設の老朽化に伴う施設管理費が増す中、この解決策として賦課金の値上げが考えられますが、厳しい農家経営の中では賦課金の値上げは大変困難で、土地改良区の運営が非常に厳しくなるのではという不安が生まれるわけです。こうした土地改良区の現状をどのように認識されているか、そして、土地改良区の運営は今後どうあるべきか、所見をお伺いします。
 次に、土地改良区の運営にかかわりが深い農家負担の軽減に向けた支援についてお伺いいたします。
 現在、土地改良区の維持管理費に対して支援する国庫補助事業として、国営造成施設管理体制整備促進事業と基幹水利施設管理事業があります。昨年度、電力料金の大幅な値上げにより土地改良区の運営が非常に厳しくなったわけですが、国や県の配慮により補正予算対応で支援をされたところであります。
 しかしながら、基幹水利施設管理事業については、平成8年度の開始時に比べ、平成22年度から県の財政構造改革プログラムにより補助率が30%から21%へ9%もカットをされました。土地改良区において、補助率カットは非常に困惑されたわけなんですけれども、泣く泣く仕方がないと苦渋の選択をされ、カット分は農家が負担することになったと聞いております。
 また、農業用の用排水路の老朽化対策等を実施できる農業基盤整備促進事業について、近畿管内では5%県費補助をしている府県があるにもかかわらず、本県では県の補助がなされておらず、国の補助残は農家が負担している状況です。
 先ほど申し上げましたように、農業情勢はますます厳しさを増している中、土地改良区や農家に対する支援が十分でない状況下では、今後、農業離れが進み、土地改良区の運営が立ち行かなくなるのではないかと不安に感じるわけであります。
 そこで、農家負担の軽減につながる県の支援が必要と考えますが、所見を伺います。
 最後に、農業水利施設の老朽化対策についてお伺いします。
 本県の農業水利施設は、琵琶湖総合開発により集中的に整備され、生産性の高い農業を支えているわけでありますが、施設の多くが施設整備後30年以上経過し、近年、老朽化が原因と見られる送水管の破損や、ポンプやバルブなどの機器類の故障が頻繁に発生しています。こうした状況は放置できません。先々月の総務部長の答弁によりますと、粗い試算ではあるが、農業水利施設については、今後10年間の計画として約490億円の費用が見込まれるとのことでありました。また、農業水利施設の老朽化は、道路や河川といった土木事業と違って農家の負担が伴うということなので、農業情勢の変化等を踏まえた対応が必要だと思います。
 そこで、農業水利施設の老朽化対策を進める上での基本的な考え方について伺います。
◎知事(三日月大造) 今週末、多くの農家の方々が稲刈りをされている様子を私も見ました。自然の中で恵みをいただくことというのは、先ほど御紹介いただきましたように、日照不足であるとか雨の影響だとか、大変難しいことなんだなということに感じ入りながら、御苦労にも思いをはせて、関係法人、組合、機関の皆様方にも私は敬意を表しながら、この農業政策をしっかりとつくってまいりたいと存じます。
 今おっしゃっていただきましたが、まず、土地改良区の現状認識と今後の運営についてであります。
 御案内のとおり、土地改良区は、土地改良法によりその設立を認められている法人でありまして、主に農家からの賦課金で運営されております。現在、土地改良区では、職員の皆さんの高齢化でありますとか、農業水利施設の老朽化、管理体制の弱体化、さらに米価の下落により、その賦課金の徴収が難しくなるなど多くの課題があるというふうに認識いたしております。特に、本県の農地面積の約4割が琵琶湖を水源とする逆水によるかんがい方式を採用していることから、昨年の電気料金の大幅な値上げというものが土地改良区の運営を直撃したというお声を私も伺っております。
 県といたしましても、国への要望を重ねながら、補正予算で支援を増額するとともに、本年度の予算についても、電気料金の値上げや消費税8%を見込んだ形で計上いたしましたが、やむを得ず賦課金を値上げされた土地改良区があることも承知いたしております。土地改良区におきましては、今後とも、土地改良施設の維持管理や用水の安定供給の役割に加え、多面的機能の発揮など、農業農村の振興に対する貢献を期待いたしております。こうしたことから、組織運営基盤の一層の強化を図り、安定的な運営がなされることが重要であるというふうに考えております。
 2点目にいただきました農家の負担の軽減につながるような県の支援の必要性についてでありますが、厳しい農業情勢の中、農家の皆さんに施設管理に御負担をいただいていることは十分認識いたしております。こうしたことから、現在、県では、再生可能エネルギーの活用や合理的な水利用のあり方の検討、施設更新時に節水型・省エネ型機器を導入するなど、土地改良区の運営経費の削減を図りながら農家負担の軽減につながる取り組みを推進しています。
 これらの取り組みに加えまして、今後は、農家のニーズでありますとか現状、さらには予算状況等を踏まえつつ、市町や土地改良区の皆さんと議論を重ね、どのような支援が、必要な事業を継続しながら施設の機能をしっかりと維持し、将来にわたって農家負担の軽減につながる有効なものになるのか、総合的に研究してまいりたいというふうに考えております。
 3点目に、とりわけ高度成長期、総合開発時に大規模かつ広範囲に農業水利施設が整備されましたが、その老朽化が、維持管理コストの増加や送水管の破損等による道路の陥没など、農業面だけではなく県民生活にも大きな影響を及ぼすことから、この老朽化対策は喫緊の課題であるというふうに認識いたしております。本年3月に、県、市町、土地改良区、滋賀県土地改良事業団体連合会で構成します推進協議会におきまして、情報を共有し、関係者の合意を図りながら、今後10カ年の県全体の計画として中長期計画が策定されました。今後は、この計画に基づき、これまでの壊れたら直す事後保全から、あらかじめ手を加え長寿命化を図ります予防保全に転換しつつ、コスト縮減を図りながら、効率的かつ計画的に老朽化対策を実施する構えでありまして、そのためにも必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)市町とか土地改良区の皆様と議論を重ねて総合的に研究されていくと、そしてまた、必要な予算を確保していきたいということであります。どのような状況でも、土地改良区が元気でいただかないと、本県の農業政策、農業は持続的なものになりませんので、農業水利施設のアセットマネジメントにつきましても、農家の皆様や土地改良区にとっても非常に重要な課題ですので、滋賀の目指すべき姿の実現のために御理解をいただけるような活動を、知事から御人脈のある農水省へ継続的に働きかけのほうをしていただきたいですし、戦略的にですね、それと、基幹水利施設管理事業、9%のカットを見直し、これは使命感を持って取り組んでいただけそうでしょうか。お伺いします。
◎知事(三日月大造) いずれにいたしましても、この水利施設の老朽化対策、そのためのアセットマネジメント、極めて重要な課題でありますし、県内各地の状況を伺っておりますと、漏水したり、また水が行かなかったりというようなことで、かなりいろんな対策が限界に来ているという、そういうお声もいただいているもんですから、しっかりと議論をし、国のさまざまな技術的・財政的支援も受けながら、現場の方々にも御協力をいただきながら取り組みを進めてまいりたいというふうに思います。
 先ほどおっしゃった9%のカット分については、これは議論の中で全体の基幹事業を維持しながらどうするのかということだと思うんです。そのためだけに、じゃ、措置できる財源があるのかというと、極めて難しい状況の中で、一定の議論の上、合意形成がなされ、今取り組みを進められているところでありますので、少しその厳しい財政の状況もしっかりと勘案しながら、さらに議論を重ねてまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)終わります。(拍手)
○副議長(山田和廣) 以上で、3番有村國俊議員の質問を終了いたします。
 
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平成26年2月定例会質問

質問内容

  1. 水道施設の耐震対策及び更新と経営資源活用の考え方について
  2. 知事就任二期目の退職手当について

議事録

平成26年 2月定例会(第1号~第9号)-02月27日-04号
2番有村國俊議員の発言を許します。
◆2番(有村國俊議員) (登壇、拍手)よろしくお願いします。
 1点目に、水道施設の耐震対策および更新と経営資源の活用の考え方について質問をいたします。
 阪神・淡路大震災や東日本大震災を経験した我が国において、電気、ガス、水道等のライフラインの耐震性の向上と早期復旧を可能にする災害適応能力の確保等は大変重要な課題であると考えております。とりわけ140万人の県民の命の水を提供する水道については、言わずもがなであります。
 この水道事業は、水道法においては原則として市町村が経営することになっていますが、水道事業者である県下の市町に水道用水を供給する立場にある水道用水供給事業者であります企業庁にも同様の課題があることは論をまたないところであります。
 そこで、企業庁が運営されている水道施設に焦点を当ててみますと、現在、上水道、工業用水道合わせて4つの浄水場と約300キロメートルに上る管路など膨大な施設を有し、上水道では県東南部の8市2町を合わせて、県民の約半数に上る約68万人の給水人口を抱える市町に、また工業用水では60社に水道用水を供給されています。
 これらの施設は、高度経済成長期の後半から末期にかけて、上水道が昭和48年から、工業用水道が昭和42年から整備が始まったものであり、管路では既に法定耐用年数の40年を経過した施設があることから、漏水事故も近年では増加傾向にあるなど、老朽化の進行が懸念され、今後、集中的に更新時期を迎えると聞いております。こうしたことも踏まえて、老朽施設の更新のために相当額の投資をしていかなければならないという、経営上の大変厳しい事情も垣間見えるわけであります。
 また、東日本大震災においては、多くの水道施設が被災して長期の断水を余儀なくされるなど、深刻な影響が出たところでもあり、先ほども申し上げましたが、水道施設も今後予見される琵琶湖西岸断層帯地震などに対して、耐震性を確保していくことが求められております。
 以上のように、今後耐震性の確保とあわせて計画的な施設整備の更新も図っていかなければならないという大変難しい課題を抱えることになります。こうした対策を企業経営の一環として取り組んでいかなければならないということは、管理者である企業庁長の手腕が試されることにもなりますが、財源の裏づけを勘案しながら、中長期的なアプローチで着実に進めていくことが肝要であると考えております。
 そこで、水道施設整備の耐震対策、更新需要への対応、経営資源活用の考え方などを、以下企業庁長にお尋ねいたします。
 まず、上水道施設ですが、東日本大震災においては、宮城県の石巻地方広域水道企業団の蛇田浄水場で大規模な液状化が起こり、浄水処理1系統が4カ月停止するなど、甚大な被害が発生したと聞いております。このことからも、浄水場の耐震対策は喫緊の課題であり、これまで吉川浄水場に液状化のおそれがあること、関連して近江八幡市の馬淵、あるいは水口浄水場の耐震診断を進めていることをお聞きしていますが、その結果はどうであったのか。またその結果を踏まえてどのように対策を打っていこうとお考えなのかお尋ねします。
 送水管路でありますが、老朽度の診断を進めているとのことでありましたが、その結果をどのように評価し、更新計画に反映しようとされているのか伺います。
 厚生労働省では、高度経済成長期等に急速に整備された水道施設の老朽化が進行し、大規模な更新需要期を迎えることから、水道事業におけるアセットマネジメントに関する手引きを策定して、更新対策を推進しているところであります。したがって、このアセットマネジメントの手法により、耐震対策や管路更新を進める必要があると考えますが、どのように取り組んでいかれるのか伺います。
 最後に、経営資源の活用についてでありますが、今後耐震対策や更新需要への対応などに巨額の投資が見込まれるところであります。こうした中で、平成24年度決算を見ますと、上水道と工業用水道を合わせて110億円を超える内部留保資金を確保、運用している一方で、企業債残高が140億円近くあるという内容であります。昨今の超低金利のもとで資金運用を行っている一方、企業債の償還金が多額に上っていることは、緊急の資金需要に対するリスク回避という点を考慮しても、アンバランスな印象を受けることは否めません。このような観点から、企業庁では今後どの程度の建設投資を見込んだ上で、建設改良事業を進めていくに当たり、貴重な経営資源である内部留保資金をどのように活用していこうとされるのか、お考えを伺います。
○副議長(山田和廣) 2番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎企業庁長(南史朗) (登壇)水道施設の耐震対策および更新と経営資源活用の考え方についての4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の浄水場における耐震診断の結果と対策でございますが、国の指針に基づき、浄水場の設置地点における最大規模の地震動に対して耐震診断を実施いたしました結果、吉川浄水場では琵琶湖西岸断層帯による想定地震動で解析いたしましたところ、液状化により沈殿池、池が2メートル、急速ろ過池、池が1.5メートル浮上するなど、甚大な被害が出る結果となりました。また、馬淵浄水場は直下型マグニチュード6.9の地震動で、水口浄水場は木津川断層帯による想定地震動で解析をいたしましたところ、液状化は起きず、軽微な被害にとどまる結果となりました。
 この結果から、まず吉川浄水場の耐震対策を優先し、現在の段階では各浄水場の間をつないでいる連絡管による水の融通や将来の水需要を勘案しつつ、新設による改良を含めて検討するとともに、馬淵および水口浄水場は現有施設を部分的に補強することで対応したいと考えているところでございます。
 次に、2点目の送水管路の診断結果と更新計画への反映でございますが、企業庁が有します送水管路約300キロメートルのうち、平成10年以降に布設いたしました耐震管路を除きます約215キロメートルが更新の対象でございます。
 老朽度調査の結果、幹線の送水管は肉厚も厚く、外面腐食の進行に余裕があり、おおむね60年から80年の耐用年数があることがわかりましたので、当初計画では平成27年度からおおむね25年程度をかけて更新することにいたしておりましたが、着手時期を1年ないし2年おくらせまして、おおむね30年から40年程度の更新計画とした上で、更新事業に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 次に、3点目のアセットマネジメントの取り組みでございますが、水道事業を持続可能なものとするためには、中長期的な更新需要と財政収支を見通した上で、計画的な施設の更新と資金の確保が必要不可欠でございます。このことから、アセットマネジメントの手法により、耐震対策や更新計画を策定しなければならないことは、議員の御指摘のとおりでございます。
 そこで、今年度は企業庁内にプロジェクトチームを立ち上げまして、先進事業体への訪問調査や将来の水需要調査などを実施いたしております。
 今後は、既に策定済みの個別の施設整備計画や維持管理計画をもとに、アセットマネジメントの主要な視点でございます施設の老朽度および重要度、そしてそれに基づく対策の優先度、緊急性などを総合に評価しまして、予算の平準化も図りながら、平成26年度から27年度にかけて更新計画を策定することといたしております。
 最後に、4点目の経営資源活用の考え方でございます。
 御質問では巨額という言葉をいただきましたが、企業庁では、耐震対策や更新需要への対応に今後必要な投資額を上水道だけでもおおむね1,000億円と見込んでいるところでございます。これらの建設投資に際しましては、財政収支の見通しも踏まえまして、アセットマネジメントの手法により、計画的に実施をしてまいります。
 しかしながら、この計画実施期間における経営環境は、御質問にもございましたように、厳しくなる材料はございましても、楽観できるものはまず見当たらないというのが現状でございます。厳しい経営環境が予測されます中、とりわけ中長期的に料金収入の増加が期待できない中で、金利の高率な借金と言えます企業債は、適切な残高管理をしながら、世代間負担の公平性の観点からも、将来的には減少させていくことが必要であると考えています。
 こうした考えに基づきまして、今後は建設投資の財源として建設改良積立金を活用し、企業債を充当する比率をできる限り低下させるなど、内部留保資金を積極的に活用してまいりたいと考えているところでございます。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)再質問いたします。
 答弁の中で、浄水場の耐震対策として吉川浄水場の改良を優先させることを明らかにされたというふうに私は受け取っているんですが、現有施設の補強ではなくて、恐らく敷地内に別の新規に建設される趣旨だというふうに思いますけれども、こういった判断に至った経緯、理由はいかなるものがあったのか、お伺いをさせていただきます。
◎企業庁長(南史朗) 浄水場の耐震対策でございますが、主質問でもお答えいたしましたように、耐震診断をいたしました結果、馬淵、水口は液状化をせず軽微な改修ということで、浄水機能は維持できると。ただし、吉川浄水場は甚大な被害ということで、これは液状化が起きるということで、恐らく浄水機能は維持できないということでございます。ということでございますので、吉川浄水場の耐震対策につきましては、現有施設で補強するにいたしましても、新設するにいたしましても、相当程度の投資が必要である、建設工費が必要であるという判断をいたしておりまして、そういうことから、まずは吉川浄水場の耐震対策から優先をしたいという判断でございます。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)ライフラインの課題の中でも、重要な水の運用なり供給というのは、最も大切なものだというふうに私は思っております。県下の水道事業者全体に共通する課題でもありますし、さらには技術者の退職による技術の継承問題も現実になってきている中で、こうした課題に対しては、水道行政全般を所管する健康福祉部との連携も密にしていただきながら、今後この課題を乗り越えていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 では、次の質問に移ります。
 次に、知事就任2期目の退職手当に質問をいたします。
 知事は、退職手当の返上を1期目のマニフェストでうたい当選され、その約束を守り、退職手当を1期目は全額返上されました。しかし、一昨年の我が会派の代表質問において、知事は以下述べられました。「知事の退職手当は、県の特別職の給与や退職手当について、県民の視点に立って、これまでも見直ししてまいりました。例えば、2006年から2010年の1期目の退職手当については全額返上させていただきました。2期目の現在は、厳しい財政状況にも鑑み、既に給料、期末手当について減額をしております。退職手当については、返上することは考えておりません」と答弁されました。いかにも妥当のように聞こえますが、退職手当は全額受け取りません、知事報酬についてもボーナスを含め2割削減いたしますとマニフェストで最初から約束されていたものであります。
 1期目の約束を2期目も引き続き実現することが嘉田県政の役割であって、それが本来県民からの付託であり、期待であると考えますので、以下4点知事に質問いたします。
 1点目に、平成26年度予算案に知事の退職手当が含まれております。金額をお聞かせください。
 2点目に、知事は退職手当を返上するとして選挙に臨まれ、初当選されました。そもそもなぜ退職手当を返上しようと最初考えられたのか。
 3点目に、2期目は返上しませんという姿勢は、県民の理解が果たして得られるとお考えでしょうか。
 4点目に、8年前を思い出していただきたいんですが、御自身の当時の姿勢、初心と比較すると、2期目の対応は矛盾していませんでしょうか。
 以上、4点お尋ねします。
○副議長(山田和廣) 答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)有村議員の知事就任2期目の退職手当についての4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の平成26年度予算案に計上している退職手当の金額は、4,435万2,000円であります。受け取り可能な額としては、所得税などを含めて控除額が1,880万余りで、見込みとしては2,547万と伺っております。
 次に、2点目のなぜ退職金を返上しようと考えたのかでございます。
 1期目の選挙に臨んだ当時、本県の財政は基金残高が減少していく一方、多額の県債残高を抱える中で、これ以上子や孫にツケを残さない県政運営を実現していくことが必要と考え、それに資するため、1期目の退職手当を受け取らないことを1期目のマニフェスト、知事退職金1期4年勤務で4,435万円は辞退ということで1期目のマニフェストに書かせていただきました。
 次に、3点目の県民の皆さんの理解についてであります。
 平成18年7月の知事就任以来、子や孫にツケを残さないよう、財政の健全化を進めたいとの思いで、1期目の退職手当の返上も含め、公共事業の各種の見直しなどに加え、さまざまな財政構造改革の取り組みを進めてまいりました。2期目においては、行財政改革方針を策定し、事業費や人件費の見直しを行う中で、私自身の給与についても見直し、給料および期末手当、4年間で約1,950万円の減額で対応することといたしました。
 こうした取り組みにより、例えば臨時財政対策債を除く県債残高については、平成26年度末には平成18年度末に比べ887億円の縮減ができました。また、来年度当初予算案では、6年振りにプライマリーバランス、基礎的財政収支をプラスとすることができたほか、財政運営の指針として設けました基金残高150億円、あるいは県債残高6,600億円以下の目標値についてもほぼ達成できるなど、これまでの取り組みの成果があらわれてきたものと考えております。
 こうした取り組みや成果については、県民の皆様にも一定評価をしていただけるものと考えており、2期目の退職手当は返上しないことも御理解いただけるものと考えております。
 次に、4点目の2期目の対応は1期目と矛盾していないかとの御質問でございます。
 先ほど申し上げましたように、1期目の退職手当の返上は、子や孫にツケを残さない健全な財政運営を進めたいという思いから、その実現のための方策の一つとして訴え、実施したものでございます。2期目も厳しい財政状況に対し、健全な財政運営を進める観点から、私自身の給与について、給料、期末手当を減額することで対応することとしたものであり、当初の姿勢と何ら変わりはないものと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)まあいろいろと御答弁をいただきましたけれども、結局2期目の退職手当は翻って受け取るということを、言葉巧みにるる御説明いただいたものと推察をいたします。
 知事は国家公務員の退職手当減額に伴い、本県の一般職員等の退職手当を平成25年1月から段階的に減額され、ことしの7月までに1人当たり約400万円減額することとされていますが、本来、これに対応しなければならない知事の退職手当はどのようになっているのでしょうか。
 知事は、職員の士気にかかわるとして、11年継続された独自給与カットをこのたび解消すると主張されています。であるならば、退職手当の減額も大きく職員の士気を低下させるものであります。滋賀の指導者であるならば「隗より始めよ」ではなかったのでしょうか。一般職員の下げ幅を、知事退職手当に率換算すると600万ぐらいだと思われますが、知事の御所見をお伺いします。
 当時のマニフェスト、嘉田知事の初めての選挙のマニフェストが手元にコピーがありますので紹介します。
 (資料掲示)「知事の退職金は全額受け取りません。知事報酬についても、ボーナスを含め2割削減いたします」。退職手当は全額受け取りません、知事報酬についてもボーナスを含め2割削減いたします、ここに期限が書いてあるんですね。「2006年度7月から実施」。期限という項目に対して、2006年7月から実施、普通期限というのは始まりと終わりがあります。今まで知事が提案してきた議案でも、その期間というのが明記されているものがあります。ほとんどだと思います。ただ、このマニフェスト、県民との約束の期限が2006年度7月から実施ということですから、知事の答弁は矛盾した回答になるのであります。「初心忘るべからず」を大辞林で調べましたら、このようにありました。大辞林という辞書が三省堂であるんですが、「謙虚で緊張した気持ちを失うな、最初の志を忘れてはならない」とうたわれています。知事もこのことわざを、この議場において発言を過去にされています。幾つかあるんですけれども、平成19年5月、臨時議会で「私も初心を忘れることなく、滋賀の未来を見据え云々、全力を尽くしてまいりたいと考えております」、さらにその4年後、平成23年5月、臨時議会でも平成19年と全く同じフレーズを使っておられます。「武士に二言なし」のことわざは、信義と面目を重んじるもので、約束を破るようなことはしない、だから信頼関係がとても大切であることを言ったのであります。
 知事の初心、つまり退職手当は返上するとした県民との約束以上に、自分との約束、御自身の本懐を遂げる意思に偽りがあってはならないのであります。みずから律し、自分の言ったことは責任を持ってやり切ることを心がけないといけません。いかがでしょうか。
◎知事(嘉田由紀子) お答えいたします。
 マニフェストの期限についてでございますけれども、1期目の2006年7月からのマニフェストの内容を、まさか2期目まで想定して、ここでお約束するものではございません。2期目は2期目、それが県民の皆さんからのそれぞれの4年、4年の負託であると考えております。
 財政債権については、先ほど申し上げましたように公共事業の見直し、そしてここについては多くの皆様の御協力をいただきました。また、行財政改革の中で、人件費の見直しなど、事業費の見直しなども含め、880億を超える債務を減らし、そして基金残高などの確保をし、財政再建という初心は忘れることなく追求をし、成果を出させていただいたものと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)1期目のマニフェストにうたって、2期目にはマニフェスト、退職手当は返上するとかいうのは書いていないわけですね。1期目の約束、県民との約束を2期目も当然続けて実現していくというのが、やっぱり初めて県政に臨んだときの姿勢というのは、2期目は変わることなくやっていかないと、何のための滋賀県政なのかということになります。1期目のマニフェストにうたって、2期目に書いていようが書いていまいが、初心を貫徹する意思がなければ、なかなか成就しないというふうに思っております。
 そんなことで、知事の退職手当、これは正規の手当として認められているものなんですよ。正規の手当として、知事の退職手当は認められております。私は知事が退職手当をいただかれることを否定していません、一切。当然の権利だからです。それを8年前にみずから覆して、そしてほかならぬ知事御自身がですね、退職手当を返上すると言って選挙に臨んだんじゃないんですか。御自身の言葉で言われたんじゃないんですか。違いますか。
◎知事(嘉田由紀子) お答えいたします。
 私自身の手でマニフェストもつくり、4年間のお約束を1期目させていただきました。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)知事御自身でマニフェストを書かせていただきましたと。それが事実であるならばなおさら、なおさら自己矛盾ということになります。自分で書いたんですね。人が書いたんじゃなくて自分が書いたということであれば、なおさらそれをきちっと守らないと、県民に対する理解は得られないし、何よりも自分自身の面目、自分自身の、自分に偽りを持ってはいけないということであります。みずからが指導者として、滋賀県のリーダーシップをとるということであれば、滋賀県民はそういう立派なリーダーのもとで、滋賀県民であることに誇りを持ちたいと思います。そういう意味では、嘉田知事のきょうおっしゃった、1期目は返上したけれども2期目はいただくというような趣旨は到底理解ができないというふうに思っております。しっかり自分に向き合っていただければ、おのずと答えは出せるというふうに思いますので、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(山田和廣) 以上で、2番有村國俊議員の質問を終了いたします。
 
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