県議会報告

平成25年11月定例会質問

  1. 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについて

平成25年9月議会質問

  1. 全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果をどう活かすかについて

平成25年6月議会質問

  1. 沖島の振興について
  2. 農事用電力料金の値上げと土地改良区の運営について
  3. 道州制について

平成25年11月定例会質問

質問内容

  1. 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについて

議事録

 平成25年11月定例会(第25号~第31号)-12月11日-06
まず、2番有村國俊議員の発言を許します。
◆2番(有村國俊議員) (登壇、拍手)今年度の全国学力・学習状況調査において、本県が46位という結果を受け、さきの9月定例会で、教育長は以下、述べられました。「市、町、教育委員会、学校、そして、家庭教育を預かる保護者の方々と力を合わせ、また、子供自身の頑張る力を引き出すことで、全国一の教育を目指し、毎年確実に向上するよう着実に粘り強く教育を進めてまいります」と、はね返るばねのごとく答弁をいただきました。なるほど、全国一の教育とは、実に晴れ晴れしい決断に、議場は拍手喝采でありました。
 今定例会では次のフェーズ、すなわち、全国学力・学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについて一般質問いたします。
 11月29日付で、文科省事務次官から、平成26年度全国学力・学習状況調査の実施について通知が出されました。宛先は、各都道府県教育委員会、各指定都市教育委員会、各都道府県知事、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長、附属学校を置く各国立大学法人学長であります。
 来年、平成26年4月22日火曜日に行われる全国学力・学習状況調査の実施要領にて、市町の教育委員会において独自の判断で学校ごとの結果を公表できるように、県教育委員会においては、市町教育委員会の同意を得た場合には、市長名、または市町教育委員会が設置する学校名を明らかにした調査結果の公表を行うことが可能であると、これまでの方針を文科省が転換いたしました。公表する際は、結果に対する分析や改善の方策などを一緒に発表するように求めています。
 文科省が、これまで、市町別や学校別の結果公表を禁じてきたのは、過度な競争や序列化を防ぐとの理由でありました。しかし、調査は、授業内容が身についているか否か、基本的な学力を見るのが狙いであり、心配は杞憂なことと、私は長らく考えてまいりました。というのも、自治体の判断で市町村や学校の成績を公表した大阪府や秋田県、佐賀県武雄市などで、いずれも過度な競争は報告されていないことが、その裏づけの理由でもあります。
 50億円以上の国費を費やして実施する全国学力・学習状況調査は、今年度3万962校、約115万人の小学校6年生、約113万7,000人の中学校3年生が参加いたしました。今回の文科省通知は教育の現況を知る上で価値あるものですし、教育委員会が独占せず公表をするのは順当な処置であります。むしろ、私は、競争を一律に悪いと決めつけ、切磋琢磨を怠り、公教育への不信を募らせたこれまでの全国学力・学習状況調査の非公開こそ問題があったと感じております。結果は、できる限り、教育委員会や教師、保護者で共有する、それが学校運営への理解と協力を得ることにつながると考えておりますが、教育長の見解を求めます。
 一方、保護者は学力・学習調査の結果を把握したいようであります。実例ですが、学校別成績公表をどう思うかの、皆さん御存じのヤフーみんなの政治によるアンケートの設問に対して、10月21日から31日までの10日間で、3万1,913票中、全国一律で公表すべきが59.6%、1万9,009票も入っていました。およそ特例でありますが、このアンケートについては万機公論に決すべきであります。
 文科省の下村博文大臣は、11月29日の閣議後の会見で、学校の状況や改善方策について保護者や地域に説明責任を果たすことは重要である、教育施策や教育指導の改善につながるような公表を行ってほしいと語っています。大臣には、できればもう一息入れて、やるなら全国一律公表がベストぐらいの御発言をいただきたかったところであります。
 とはいえ、公表については、長い道のりを経て、ようやく文科省がこれまでの方針を転換して、来年度から市町別や学校別の成績を公表できるようにした決定を大変重く受けとめ、評価すべきものであります。
 ところで、7月に実施された文科省のアンケート調査では、公表について、都道府県知事は、賛成が44%、反対が約半分の24%ということで、賛成派知事が圧倒的に多かったわけですが、市町村教育委員会は反対が79%と否定的でありました。都道府県教育委員会は、賛成が40%、反対が43%で、大変拮抗していた調査結果が文科省の調査で明らかになりました。
 改めて知事と教育長にお尋ねいたしますが、結果公表に賛成ですか、それとも反対ですか、現在のお考えを端的にお聞かせください。
 あわせて、本通知の宛先に該当する知事、教育委員会は、この文科省事務次官からの通知を捉え、全国学力・学習状況調査結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かしていくおつもりか、問います。
 大分県教育委員会は、先週の金曜日、6日、来年度の全国学力・学習状況調査の結果について、市町村別の結果を公表する方針を決めました。今後、大分県内市町村教育委員会の同意を得た上で、公表内容や方法を協議するとしています。
 市町教育委員会への助言を行う立場の滋賀県教育委員会としては、市町教育委員会の同意を得ることについては、受け身ではなく、大分県のように公表を市町教育委員会へ促す働きをすべきと考えますが、教育長の御意向をお聞かせください。
 多種多様な要素を考慮して、成績のよかった学校はさらに伸ばす、成績の低かった学校は、学力を伸ばすには何が欠けていたのか、あるいは何が必要であるのかを見出さなければならないはずであります。多くの子供たちは、大人ほどの強い意志があるわけではなく、確固たる信念や人生哲学があるわけでもありません。純粋で、周囲の環境に簡単に影響を受けてしまうものであります。だからこそ、大人である私たちが、調査の結果を真摯に分析して、どうすれば滋賀の子供たちが確かな学力を身につけられるようになるのかを考え抜かなければなりません。これまで幾度も申し上げてきましたように、決して子供たちの責任問題にしてはなりません。次世代へバトンを渡す私たち大人の責任はとても重いです。
 ところで、「住み心地日本一の滋賀」を目指していらっしゃる知事に対して、昨年2月定例会で、学力日本一の滋賀は目指しておられるのかと問うたのに対し、知事は、子供が総合的な力をつけられるよう、私は県の教育の目標にしていきたいと思っておりますとの趣旨の答弁をされました。なぜ、学力日本一を目指しますぐらいの誓いを知事が発言できなかったのか、大きな期待や望みが持てないことに大変がっかりしたことを思い出しております。
 続いて、前教育長へも、学力日本一の滋賀を目指しておられますか、イエスかノーかでお答えくださいと問いました。当然、イエスとお答えくださると思いきや、学力日本一を目指すというよりも云々と、全く予想もしない答弁に驚かされました。教育長ともあろうお方がかくのごとく及び腰では、何とも行く末に心細さを感じたことは言わずもがなであります。案の定、約1年後のことし、全国46位の滋賀になってしまったことは周知のことであります。
 打って変わって、現教育長はさきの9月定例会で御自身のありのままの心境を包み隠さず述べられました。いま一度御紹介いたします。「昨年度の結果もそうですが、今回の全国学力・学習状況調査結果は、私にとりましても大変ショックであり、悲しく、悔しい思いを持っております。しかし、これが現実であり、子供たちや保護者、県民の皆様に対し、申しわけなく思っております。全国学力・学習状況調査の結果が低いということは、残念ながら、滋賀県の教育行政そのもの、また、滋賀の教員の力や教育に取り組む姿勢に課題があるということであります」とのことでありました。公の場で、これまでにない自己反省のもと、挽回しようとする意欲ある姿勢が大変頼もしく、坂の上の一朶の白く輝く雲を見出した思いでありました。
 同定例会で、知事は、以下述べておられます。「小学校、中学校とも、全国平均と比べて大変低い結果であります。基礎となる国語力が全国平均と比べてきわめて低いことがわかりました。ここで早急に具体的な手だてを講じなければ、次代を担う子供たちの未来に大きな影響を及ぼしてしまうことになり、大変強い危機感を持っております。今回の結果を受け、私は第2期滋賀県教育振興基本計画の中で、確かな学力を育成するため、新たに学力向上プロジェクトチームを設置し、学力向上を検討し、実施することとしております。また、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりについて、知事として責任を果たしていきたいと考えております」と答弁されました。
 確認のために伺いますが、来年4月22日、約4カ月後に、次回の全国学力・学習状況調査が実施されることが以前より決まっております。9月定例会から今日まで、これら一つ一つの進捗はどのように進んでいるのか、知事にお尋ねいたします。
○議長(宇賀武) 2番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
 全国学力・学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについての2点の御質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目の結果公表に賛成か反対か、あわせて、結果公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについての御質問にお答えいたします。
 まず、結果公表に賛成か反対かでありますが、全国学力・学習状況調査は、子供の学習状況を分析して、授業改善など、一人一人の教師が子供と向き合う現場で役立てるためのものであります。結果の公表は、保護者、地域住民に対して説明責任を果たすという観点がある一方で、序列化や過度の競争が生じるおそれもあり、教育上の効果や影響等、十分配慮することが重要であると考えております。
 特に、学力向上のためには、現場が、教師、子供、親自身が子供に力をつけようと取り組むことが何よりも重要でございます。そのような中で、市町別や学校別の優劣あるいは点数だけを公表することは決してプラスにならないと考えておりますが、11月29日の文科省の実施要領では、市町村教委の同意を得た上で公表は可能となりました。それだけ、現場の独自の判断が求められるという条件がつけられたわけでございます。そのような中で、現場の判断を私自身は尊重したいと思っておりますが、この後の結果公表の効果ということも、また課題ということも、それぞれの現場で慎重に判断をしていただきたいと思っております。
 特に、11月29日の要領の中で、結果の公表に当たっては、学校や地域の実情に応じて、個別の学校や地域の結果を公表しないなど必要な配慮を行うことという項目もございます。そのような意味で、私自身は、実は、夏までは、結果公表ということで知事会のアンケートも答えさせていただきました。しかし、その後、今回の滋賀県内全ての小、中の結果を見せていただき、まさに地域、学校の実情に応じて判断が必要ということで、慎重という意見に傾いていることも申し上げたいと思います。
 そのような中で、今後、次の御質問でございますけれども、結果公表を教育改善にどう生かすかでございます。
 各学校においては、平均正答率などの数値だけを示すのではなく、保護者、地域住民の理解と協力が得られるよう、これまでの調査結果の分析からわかった課題を踏まえ、学校ごとに取り組むべき改善策を示すなど、学校地域の実情に応じた、プラス、前向きの改善に向けた取り組みに生かせるよう公表すべきと、公表する場合には改善に生かせるようにするべきと考えております。
 次に、学力向上に向けての取り組みの一つ一つはどのように進捗しているのかとの御質問でございます。
 9月の定例会で申し上げたとおり、今回の結果を受け、早急に具体的な手だてを講じるために、学力向上プロジェクトチームを設置いたしました。その中で、調査結果の詳細な分析を行い、課題を明らかにするとともに、県教育委員会が市町教育委員会を訪問し、課題を共有するなど、具体的な学力向上の方向性を確認をしております。
 また、全ての小学校の学力向上の担当者や市町の担当者を一堂に集め、文部科学省から、特に国語の教科調査官を招聘をいたしまして、県の課題となっております国語力の捉え方、あるいは授業改善のポイントについて指導を受けたところであります。
 今後、必要な予算については第2期教育振興基本計画の中に記載したとおり、具体的な取り組みの成果が上がるよう教育環境を整え、実効ある裏づけとなるよう、新年度、財政上の配慮、また体制づくりを確保してまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵) (登壇)皆さん、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、有村議員の全国学力・学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについての3点の御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の全国学力・学習状況調査の結果の共有と学校運営への理解と協力についてですが、全国学力・学習状況調査の結果につきましては、文部科学省が11月29日付で通知した平成26年度の実施要領の中に、調査の結果については、教育および教育施策の改善や各児童生徒の学習状況の改善等につながることが重要であるとしております。
 また、調査結果の公表に関しては、教育委員会や学校が保護者や地域住民に対して説明責任を果たすことが重要である一方、調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることなどを踏まえるとともに、序列化や過度な競争が生じないようにするなど、教育上の効果や影響に十分配慮することが重要であるとしております。
 さらに、調査結果の活用に関しましては、各教育委員会、学校等においては、多面的な分析を行い、みずからの教育および教育施策の成果と課題を把握、検証し、保護者や地域住民の理解と協力のもとに、適切に連携を図りながら、教育および教育施策の改善に取り組むこととしております。
 このようなことから、実施要領にある調査結果の取り扱いに関する配慮事項を踏まえた上で、結果を保護者等に公表し、説明することは、学校運営への理解と協力を得ることにつながると考えております。
 次に、2点目の結果の公表に賛成、反対と、結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについての御質問にお答えをいたします。
 まず、結果公表に賛成か反対かについてですが、平成26年度の全国学力・学習状況調査の実施要領については既に文部科学事務次官より通知されていることから、県教育委員会といたしましては、調査結果の公表に関する取り扱いも含め、この実施要領に基づき、実施するものでございます。したがいまして、私といたしましては、調査結果の公表に賛成か反対かを表明する立場にはなく、実施要領と具体的に配慮すべき点等に留意し、適切に取り扱っていくべきものと考えております。
 次に、結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについてでございますが、実施要領では、調査結果を公表する場合の配慮事項として、平均正答数や平均正答率などの数値のみの公表は行わず、分析結果もあわせて公表すること、分析結果を踏まえた改善方策についても速やかに示すことが示されております。このことから、結果の公表を実施要領に基づき適切に実施すれば、児童生徒や保護者に対し、学習状況の改善に取り組む手だて等を示すことができるものと考えております。
 また、教育指導や教育施策の成果と課題およびその改善への取り組みを説明することにより、保護者等からの理解や協力を得ることが期待できるなど、教育の改善に生かしていくことができるものと考えております。
 次に、3点目の公表への同意を市町教育委員会へ促す働きかけについての御質問にお答えをいたします。
 今回通知された平成26年度の実施要領では、平成25年度からの変更点の一つとして、都道府県教育委員会が市町村教育委員会の同意を得た場合は、市町村の状況について、当該市町村名を明らかにした公表を行うことは可能であることとされたところでございます。また、その際には、調査結果を公表する場合の配慮事項に基づくことが必要であるとされております。
 都道府県教育委員会が市町村の状況を公表することについては、7月に実施された文部科学省の全国調査の中で、地域の実情に応じて市町村が判断すべきという意見や、地域の序列化につながるなどの意見があり、本県でもそれぞれの市町教育委員会によって考え方はさまざまであると認識しております。
 このことから、県教育委員会による市町の状況の公表につきましては、十分に市町教育委員会と意見交換をするとともに、実施要領および各市町の学校の状況を踏まえて判断するべきものと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)確認しておきたいんですけれども、賛成か反対か、公表についてですね、知事のほうの答弁では、7月の文科省のアンケートのときには、学校だけではなくて、市町教育委員会も公表できるようにするのが適当であるとされましたし、また、市町の結果の公表について、県の教育委員会も公表できるようにするのが適当であると答えておられますよね。賛成の立場だったわけです。44%の全国の知事のこの中に入ってたわけです。
 ところが、きょうの答弁では、要するに、公表の賛成の立場から反対の立場になったということで理解してよろしいでしょうか。間違いありませんか。
 そうしましたら、反対の立場のほうに行ってしまった、その理由をもう少し詳しく聞かせていただきたいということと、それから、今回の文科省通知によって、加速度的に公表への動きが全国的に増加していくことは容易に推測できますが、反対の知事ですね、24%ですけど、反対の知事、あるいは反対の自治体首長、あるいは教育委員会など、関係者もいずれ考えを転換することになる可能性が十分にあります。これが趨勢なのだろうと私は感じております。
 県としては、この流れを、様子を見て眺めるのではなくて、公表することによって、滋賀の子供たちのメリットを主体的に意欲的に模索すべきじゃないかなと、文科省の通知によってですね、それを生かして。で、大津市の首長は公表に賛成してますが、大津市の教育委員会は反対しております。報道でそのように出てますけれども。教育長、11月29日の文科省の通知以降、県内の各自治体の教育委員会の意向を把握されてるかどうか、その辺のところを聞かせていただきたいです。お願いします。
 それと、知事、9月定例会で知事は、学力向上のために、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりについて知事として責任を果たしていきたいと発言をいただきました。来年度の学力・学習状況調査は4月22日、26年度始まってすぐなんですけれども、当然、裏づけとなる予算を今定例会の補正対応として入れ込むべきでありました。9月議会でそのように私も申しましたが、どこに入っているのか、知事に伺います。
 以上、お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
 まず、前半の公表に賛成か反対かというところで、立場をはっきりしろということでございます。7月の時点では、文科省が公表を全てできないという状態の中で、公表という選択肢を残すというところで公表賛成と申し上げたわけでございます。
 つまり、全て国が公表するなと言っている状態の中で、公表という選択肢はより現場で判断をするべきと考えたわけでございます。ですから、賛成か、反対か、その二つしか選択肢がございませんでしたので、公表ということには賛成だと。
 そして、その後の、先ほど申し上げました二つの条件がございました。今回、文科省は、11月29日に、現場の教育委員会なり、独自の判断で公表できるというふうな方針を出したわけですから、7月の公表をできるようにしてほしいということは、文科省が応えていただいたわけです。
 その上で、もう1つの条件といたしまして、今回の、今年度の調査結果、つぶさに、各市町、小学校、中学校、学校別のデータを見せていただきました。ここには、いつも申し上げておりますように、社会経済条件など、社会地域条件を配慮しなければならない事項があり、ここについては今回の文科省の要領の中にもございますように、地域の事情なども含めて、公表しない、必要な配慮もあり得るということで、今の状態の中では、現場の独自の判断、選択肢と、特に市町の教育委員会なり、市町の首長の独自の判断が大変大事だと思っており、そのことを申し上げたわけでございます。
 次に、2点目の学力向上のための予算づけでございますけれども、現在、来年度予算に向けて、いかに学力向上のための具体的な施策を埋め込んでいくかというところで議論をしておりますので、当初予算対応をさせていただきたいと思っております。
◎教育長(河原恵) お答えいたします。
 各自治体の意向を聞いているかどうかということでございますが、7月の文部科学省の全国調査以降の各市町教育委員会の考え方につきましてはある程度認識をしているところでございますが、11月29日の文部科学省からの通知をいただいた後につきましては、まだ各自治体とお話をしたこともなく、意向につきましては承知をしておりません。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)そしたら、知事にまず伺いますが、7月の文科省のアンケートのときに賛成をされましたと、それが通知で転換されたので、それで役目は果たしたのかなと、それで賛成からちょっとスルーしてしまったと。果たして、そんなことで理論的に通じるものかと、私はちょっと首をかしげたいなと思っております。
 そもそも、アンケートは滋賀の子供たちの学力のことを結果公表することによって、どうやって滋賀の底上げを図れるのかという視点で知事はアンケートに答えておられると思うし、賛成派の知事が44%いて、そこから24%のほうに今入ったと。まあ、24がちょっとふえちゃった、お互い、減ったりふえたりしてますけども。ちょっと非常に、その辺のところが知事としての方向性、滋賀県の行政のトップとしての方向性に私は疑問を感じます。
 というのは、やっぱり、人間ですから、心境の変化はあるし、朝礼暮改もあります。現にありますね。だけれども、この件については、文科省が通知をすることによって目的は達成できたということで、賛成の立場から少し引いてしまうというのは、それは私はどうしても理解できない。
 そのあたりをもう一度聞きたいのと、それから、来年度予算に学力の向上の裏づけとなる補正予算対応をするべきだと私は言ったんで、知事は当初予算ということをおっしゃってますが、4月22日にもう現にドン、スタートするんですね、その調査が。そこに対して、ことし46位だった現状が、また上がればいいなと思ってるんですけども、そのためにどうするかということを知事は9月議会定例会で答えてらっしゃるのに、具体的な施策を指示をしてたのか、補正予算対応は出てませんけれども、その辺のあたりをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、教育長は市町の教育委員会の動向を把握すべきでしょう。11月29日以降、どんな方向性を持っているのか。例えば、さっき申し上げたように、大津市は、首長は公表の可能性を検討してるし賛成だし、教育委員会は反対だし、それを各19市町の意向というのを把握しなきゃいかんと思います。リーダーシップを持つ、県、広域行政のトップとしてはそれをやっとかなきゃいけない。その指示をすぐ出していただきたいと思いますが、いかがかお伺いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
 まず、前半のほうですが、いわば知事を、賛成か反対か、白黒ラベルを張るという調査ではないと私は思っております。ですから、夏の時点では、文科省が公表をできないという中で、公表できるようにするという選択肢をふやすべしと。何よりも現場の、特に小、中の場合には市町教育委員会、また市の首長の責任者の判断が重要です。そういう判断の選択肢をふやすべきということで、公表できるように11月29日に要領がなったわけですから、その公表できるようにということの状況は改善されたと思っております。
 そういう中で、改めて全市町の全小中のデータを見せていただいたときに、文科省の11月29日の要領にもございますけれども、地域の実情なりの判断、公表しないという配慮も必要だということも改めて見せていただき、そして私自身もデータを見ながら、ここは、慎重になるべきところは慎重になるべきだろうと。ただし、最終判断は市町の教育委員会と首長がするべきで、知事が一方的に右か左かと指示するべきことではないと考えております。
 と申しますのは、常々申し上げておりますように、学力向上なり、教育力をつけるということは、現場の先生、そして家族、また一人一人の子供たちが本気でやる気を出して立ち向かわないといけませんので、そういう教育条件をつくることが知事としての責務だと思っているわけでございます。
 2点目の御質問ですが、学力向上というのは、今申し上げましたように、経済条件あるいは社会条件含めて、家族条件含めて、大変中長期的にじっくりと立ち向かうべき問題であると、取り組むべき課題であると考えておりますので、当初予算でじっくり考えるようにということで、教育委員会には指示、お願いをしているところでございます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 市町教育委員会に対する県教育委員会としてどのように進めるかという再質問でございましたが、今回の公表も含めまして、市町教育委員会の同意を得るということが必要ということになっておりますし、また、市町教育委員会等は、今回のこの学力・学習状況調査の結果を踏まえ、学力向上に対し、一体となって一緒になって取り組んでいくことが重要であることから、今後も市町教育委員会としっかりと意見交換をすることで、今回の公表の問題も含め、今後も市町教育委員会と意見交換をしっかりとしていきたいというぐあいに考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)知事にまずお伺いします。知事の今の個人的なお考えでしょうから、それに対してどうのこうのというのは言っちゃいけないのかどうかわかりませんけれども、私は公表に賛成の立場の知事の県、それで、嘉田知事のように公表に慎重というか、反対のほうに転じたわけですけども、その知事のいる県、どちらがいいのか。果たして、嘉田知事のおっしゃるそんな考えで本当に滋賀の子供たちの学力は向上し、滋賀の教育改善につながるというふうに思っていらっしゃるのか、そのことをまずお伺いしたいのと、それともう1点、予算措置について、平成26年度予算でじっくりととおっしゃいました。じっくりと。ところが、もう4月22日に調査が始まる、その日に始まるので、だから、補正対応で何らかの指示をやっぱり出すべきだというふうに、私、初問でも申し上げましたけども、それはしてないということがわかりました。
 では、じっくりというのは何をじっくり26年の4月1日からスタートするんですか。まずそれをお伺いしたい。
 それから、教育長、教育委員会の立場としては、市町の意向を確認してほしいというふうに思っております。早急に取りかかっていただきたいというふうに思うので、その回答をいただきたいと思います。お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
 今回のじっくり予算のじっくりの意味でございますけれども、全国の学習状況調査と比べて、滋賀県の弱みが2点あると教育委員会のほうも判断をしております。
 1つは、家庭での勉強の時間が少ない。
 それから、もう1つは、地域、まあ、放課後など含めてですね、放課後などでの取り組みが弱いというようなこと、これ、昨日、議論があったところでございます。
 そのあたりも含めて、どのようにしたら学力が条件づくりができるのか。そして、何よりも、子供本人、また、教師一人一人がどのようにしたら学力向上に取り組めるのかということを確実に埋め込む必要がございます。そのような意味で、じっくりと予算を準備をするようにしていただきたいということを教育委員会にお願いをしているわけでございます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 結果の公表につきましては、調査の結果の分析等、今後の改善の方向をしっかり示すということがあり、そのことによって子供たちの力を伸ばすということが大きな目的であろうと思います。そういう意味で、市町との意見交換を行い、このことも含め、学力向上のことにつきまして、市町等の意向もしっかりと確認していきたいと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)予算措置については、これはもう知事である方の権限です。教育委員会から上がってきた要望についてもやっぱり査定をして、決定するのは知事の責任ある権限であります。その知事が当事者意識を、よく知事がおっしゃる当事者意識、自覚すると、当事者意識を自覚すれば、そんな、申しわけないですが、ぬるいと私は思います。子供たちは学校現場、何しに行ってるか御存じでしょうか。学校現場で学力をつけるために学校に行ってるんです。しつけじゃありません。学力を上げるために学校に行ってる。その学校のいろんな施策を矢継ぎ早に投入して学力アップを狙う、そのために滋賀県の予算を投入する。それは知事の確固たる責任であります。その知事がじっくりと26年度の、先ほどるるおっしゃったこと、あるいはじっくりと改善に結びつけるための施策となり得るのかといえば、私はまだまだぬるいと思います。
 ということは、当事者として、9月定例会以降、しっかりとした検討を、指示を出してこられなかったんじゃないのかなと私は思うんですけれども、その辺のところ、もう1点、聞かせていただきたいと思います。
 それと、教育長、公表に対しては、公表の立場に立つメリット、デメリットの出し方と、公表ではないほうに立つメリット、デメリットの出し方がおのずと変わると思います。だから、授業内容が身についているか、基本的な学力をテストで見つけるのが狙いですので、先ほどおっしゃるように、心配は杞憂であります。だから、初問で申し上げたとおり、弊害は出ていないので、その辺のところを、もう公表している先進地の情報をとって、しっかり県教育委員会として情報をとった上で、各市町の教育委員会にサジェスチョンをしてあげるということが大事。
 それから、各市町の意向を聞くとおっしゃいましたけども、大分県教育委員会は先週金曜日、各市町の意向を聞かずして、県教育委員会として決めたわけです。これはすごいイニシアチブを持ってると思います。その辺のところをどのように考えていらっしゃるか、教育長にもう一回伺いたい、お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えいたします。
 教育は県政の柱でございます。未来をつくる上で、子供たちの力をつけることこそが、教育、県政の柱でございますので、私自身は当事者意識を持ち、教育委員会と協力をしながら、いかにしたら子供たちの学力、生きる力、そして問題解決能力含めて総合力をつけられるか、日々、当事者として工夫もし、また、情報も集めております。
 そのような中で、先ほど申し上げました家庭における学習、あるいは放課後学習などの課題、それとあわせて、実は教員の現場力についても、滋賀県の場合には、50代が大量退職をし、若い教員がふえているというところで、教員力をいかにつけるか。そのときに、退職教員の力などもどう現場に戻していただけるかなど含めて、具体的に教育委員会と相談、指示も出させていただいております。
 体制づくりについては当初予算で、また、予算にかかわらず、先ほど申し上げましたように、文科省からの指導いただくとか、あるいは他地域への、先進地域への視察など、既にもちろん、予算にかかわらず、動いているところは動いております。そのような中での当事者意識はしっかりと持たせていただいてるということを答弁させていただきます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 市町のことにつきましてですけれども、大分県のことを例に、市町の意見を聞かずにということでございましたけれども、市町教育委員会におきましては、市町立の小中学校に対する責任と、また、その実施につきましての権限を持っておられます。さらに、学力向上のための考え方につきましては、それぞれ教育委員会の教育長が中心になって考えてるところでもございます。そういう意味から、やはり、先ほど申し上げましたように、市町との意見交換をしっかりしながら、今後、県全体で学力向上が図れるようしっかりと意見交換をしながら進めていきたいというように考えております。
 また、2つ目の、先進地の情報についてでございますが、先ほど例に挙げていただきました大分でありますとか、その他の先進地の状況につきまして、教育委員会としても情報は一定掌握をしてるところでございますが、今後、11月29日に新たな通知で、文部科学省の考え方につきましても変更があったことから、全国の状況も大きく変わってくることと考えております。そういう意味では、しっかりと全国の、また先進地の情報を掌握をし、それぞれ市町との意見交換の中でも提供できるようにしていきたいというように考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)恐らく、本件については、11月29日以前、9月定例会から11月29日、そしてまた今日まで、余り議論がなされてなかったんだなということがよくわかりました。知事もしかり、教育長もしかりであります。
 その中で、きょうの質問を通して思ったのは、知事は賛成だったのに反対のほうに転じてしまったということがよくわかりましたし、本当にそれでよかったのかどうか、これから滋賀県の趨勢がどのように、全国のほうと比べながらですね、どのように変わっていくのかなといったところを見ていきたいし、そしてまた、知事もちょっと今、先進地を、さっき、調査したいというようなことをおっしゃいましたけど、それは学力向上の秋田県のことをおっしゃったんだと思います。私、さっきから聞いてたのは教育長に聞いてたんですけれども、11月29日以降、公表をしている自治体、県だとか武雄市ですね、そういったところの情報をとったり、そういったことを言ってたわけなんですけども、その辺はもういいです。
 例えば、もう最後ですけど、健康診断ありますね。僕たち、受けに行きます、健康診断。健康診断で、どこが悪かったのか、どこが要は正常なのかというのは、私たち、結果を聞いて初めてわかるわけです、健康診断受けたら。消化器系が悪いのか、心臓が悪いのか、はたまた呼吸器系が悪いのか。学習調査も一緒ですね、悪かったところをどうやって改善するか。健康診断であれば、食事療法とか運動だとか、そうやって変えていくということであります。
 そういうふうに考えると、全国学力・学習状況調査を、結果を踏まえて、先ほど教育長がおっしゃったように、地域の保護者、教師、教育委員会、全て、情報を共有しながら、上げていくための、その公表というのはやっぱりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 今、教育長の答弁で、全国の流れを見ながら検討していくという、精いっぱいの答弁だったのかなというふうに思いますが、きょうを契機として、ぜひまた公表について、どんな公表がいいのか、それを見つけていただきたいということをお願いを申し上げつつ、終わります。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、2番有村國俊議員の質問を終了いたします。
 
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平成25年9月定例会質問

質問内容

  1. 全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果をどう活かすかについて

議事録

 平成25年 9月定例会(第18号~第24号)-10月01日-05号
次に、2番有村國俊議員の発言を許します。
◆2番(有村國俊議員) (登壇、拍手)4月に文部科学省が全国の小学校6年生と中学校3年生を対象にした、全国学力・学習状況調査には、滋賀から特別支援学校を含む小学校228校と中学校91校が参加しました。8月27日に公表された調査結果によりますと、小中学校計8科目のうち7科目の正答率が全国平均を下回り、小学校の3科目で正答率が全国平均から3ポイント以上差が開くなど、滋賀の児童生徒の学力不足ぶりが浮き彫りになりました。
 私見ですが、そもそも学力が低いことを児童生徒の責任にしてはならないという考え方を私は持っております。昨年の2月議会でもこの学力調査について、知事と前教育長にお尋ねしましたが、今回の結果、47都道府県別の順位は、これまで上位を占めてきた秋田や福井などの常連県がことしも好成績をおさめたのに対し、滋賀は小学校の国語Aと国語Bが45位、算数Aと算数Bが44位となり、全科目の合計では46位となってしまいました。全国ワースト2です。
 偶然ですが本県の不登校の児童生徒の数も残念ながら多く、全国ワースト2であります。不登校児童生徒を減らすように、これも早急に手だてを考えなければなりませんが、学力調査の趣旨は学校の授業が児童生徒の学力向上に役立っているかどうか検証することであります。また、教師にとってもみずからの活動を省みて研さんを積む上で学力調査結果の把握は欠かせません。各学校においては、より正確できめ細やかな情報を得てデータの把握に努め、児童生徒の確実な学力向上につなぐ施策を見出さなければなりません。
 過去に結果が振るわなかった下位県では、改善策を検討し、先進地への教員の派遣や人事交流、学力向上を推進する体制を新設するといった対策を講じました。あわせて教師がすぐれた指導技術を共有し、地域ぐるみで補充的な学習を充実させるなどの取り組みもありました。自治体や教育現場にこうした創意と工夫を促したのは学力調査の結果と全国ランキングの情報がこうしてはおれないと大きな契機になったことは言わずもがなであります。
 本県といたしましては、小学校の結果が全国46位という事実を真摯に受けとめ、調査結果を有効に活用し、はね返るばねのごとく必ず挽回すると決意するのはまさに今であります。
 ところで、知事の滋賀マニフェスト2010もったいないプラス3年目の評価によりますと、学力アップと一人一人を大切にする教育を目指し、少人数学級編制などを拡充しますとのマニフェスト施策提言についての評価を24年度はBからAにされました。学力アップとの観点からすれば、Aという評価は大変甘い評価になっていないか、マニフェストの評価そのものに大きな疑問を感じるものであります。
 先日の佐藤議員の代表質問に対する知事の答弁からは、静岡県の川勝知事のような危機感というか、何とかするぞという熱意が少々足りなかったようにも受け取りました。子や孫にツケを残さないと知事は口癖のように発言されますが、教育は直ちに策を打つべきものであります。数年後の話ではありません。待ったなしの状況であります。御自身のお考えで結構ですので、いま一度今回の学力調査結果をどのように受けとめておられるのか、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(宇賀武) 2番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)有村議員の第1問目の御質問にお答えさせていただきます。
 今回の調査では、小学校、中学校とも全国平均と比べて大変低い結果であります。特に小学生の話す、聞く、書く、読むというコミュニケーションの基礎となる国語力が全国平均と比べて極めて低いことがわかりました。国語力は全ての教科の基本となる学力であるとともに、今後、生きていくための人間力の基礎となるものでございます。ここで早急に具体的な手だてを講じなければ、次代を担う子供たちの未来に大きな影響を及ぼしてしまうことになり、大変強い危機感を持っております。
 今回の結果を受け、私は第2期滋賀県教育振興基本計画の中で確かな学力を育成するため、新たに学力向上プロジェクトチームを設置し、学力向上を検討し、実施することとしております。また、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりについて知事として責任を果たしていきたいと考えております。
 県教育委員会に対しても、市町教育委員会や学校と一体となって今回の調査結果をしっかり分析し、子供たちの学力向上に早急に取り組んでいただくよう強くお願いをしております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)財政措置をしっかりやると、その上で向上を目指すということでありますんで、早速、たちまちの補正、今度で言えば12月あるいは当初予算の中で変わったなといったところをきちんとそのやる気、情熱を見せていただきたいということをお願い申し上げておきます。
 滋賀の子供たちの学力調査の結果が芳しくないのはことしに始まったことではありません。平成19年度から平成22年度までの4回の全国学力調査の結果、本県のランキングは平成19年は小学校で38位、中学校で42位、平成20年は小学校で41位、中学校で35位、平成21年は小学校で43位、中学校で27位、平成22年度の抽出方式では小学校で36位、中学校で25位でありました。4カ年度の結果にもかかわらず、昨年2月議会で私の質問に対して前教育長は、「平成22年度の調査結果で言いますと、小中学校ともにほぼ全国並みと考えております。これまで課題となっておりました小学校国語については改善された状況が見られ、中学校の数学については全国平均を上回っております」と答弁されました。
 問題は何かと申し上げますと、従来と異なった正確な参考とならない平成22年度のみの抽出方式の学力調査を取り上げ、あたかもこれまでの本県の学力に問題がないような答弁に終始されたことであります。包み隠さず、現状を正々堂々と実態を披瀝する勇気が備わっていたとすれば、もっと早い段階から学校教育の非常事態と捉え、真摯に改善施策を矢継ぎ早に投入できたものと省みるにつけ、まことに残念なことであります。
 そこで教育長に問いますが、本県の結果が芳しくない状況であることについて、どうしてだとお考えでしょうか、お聞かせください。
◎教育長(河原恵) (登壇)お答えをいたします。
 今回の結果が芳しくない原因はいろいろありますが、まずもって、子供たちの問題を読む力や書く力などの言語力が弱いこと。また、学習の基本となる学びの姿勢や態度が十分に身についていないことなどがあります。
 また、全国学力・学習状況調査の実施によって、極めて貴重なデータを得ていながら調査結果を十分に分析し、子供のつまずきの原因や学習状況の改善すべき点を教職員が理解し、共有してこなかったことは大きな課題であったと認識しております。そのことにより対策がおくれ、教育指導上の改善や子供たちに対するきめ細かで有効な手だてを全ての学校で行うまでには至らなかったものと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)教育長は今回の結果を危機的な状況と捉えて、抜本的な改革に本気で取り組む姿勢を先般、私は見せていただいたというふうに思っております。早速、その学力調査としてこの上位の秋田県や福井県の取り組みに学ぶために職員を早速に派遣されたというふうに聞いております。秋田県や福井県が上位常連県なんですけれども、なぜ、秋田県や福井県は上位常連県であることができるのか、その理由を教育長はどのようにお考えになっているか、聞かせてください。
◎教育長(河原恵) お答えいたします。
 秋田県や福井県への視察から見えてきましたことは、一つには、授業において小学校の低学年から学習に向かう姿勢や先生や友達の話を聞く態度、発表する態度など学びの姿勢や態度が身についており、どの学年も集中して学習に取り組んでいたことです。また、子供たちがグループで話し合ったり、考えをノートにまとめてから発表したりするなど、思考、判断、表現などの言語活動を意図的に取り入れた授業が行われておりました。
 2つ目は、教員が全国学力・学習状況調査の実施後、子供の答案をコピーし、直ちに自校で採点を行い、つまずきの原因を5月の時点で把握し、改善すべき点を全教員で共通理解し取り組むという意識の高さです。
 3つ目は、子供たちに求められている学力を分析し、それを伸ばすための評価問題を県や市が独自に作成し、その評価結果を分析し、課題を共有することなど、常に指導力の向上と改善に努めていたというものです。教員が絶えずみずからの指導のあり方を問い直し、子供たちの課題に応じた指導や授業改善に学校全体で取り組んでいることが秋田、福井の両県の子供たちが高い学力を維持している要因と考えます。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)そうですね、そういうことだと思います。
 先般、中途半端な公表で大津に風評被害が生じてるという大津市長の発言に対して教育長は、テストは子供の学力の差ではなくて、どこを改善すべきかを見るために実施している、そういう部分ではないとおっしゃったと新聞が報じてましたが、まさに教育長のその真意が伝わってまいります、ただいまの答弁。
 そこで教育長、主に改善すべき点は総体に滋賀の学力レベルの底上げを図るということでよろしいですね、確認させてください。
◎教育長(河原恵) お答えいたします。
 議員御指摘のとおりだと考えます。子供たちの発達段階に応じ、小学校、中学校、さらには高等学校のそれぞれの学年においてつけるべき力をつけ、成長を実感させる教育を行うことが重要です。そのためにはまず、教師自身の力を底上げしなければなりません。今、子供たちに求められている学力は何かを理解し、指導力を高めることによって、子供たち一人一人を育て、力をつけることが重要です。そのことによって、滋賀県全体の学力レベルの底上げが図れればと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)それでは、県が把握した詳細の調査結果のデータをもとにして、学力の低かった学校に対して、どのようなてこ入れをしていこうと教育長はお考えなのかお聞かせください。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 今回の全国学力・学習状況調査を分析した結果、学力調査の結果が低かった学校の児童生徒には、学習習慣や生活習慣、言語力や読解力、教科に対する関心、授業を受ける姿勢や態度などに課題があるとわかりました。
 また、教員の指導面では学力向上に向けた組織的な研修、一人一人の個に応じた指導、授業方法や指導方法の改善、自立を促す家庭学習の指導などに改善の必要があるとわかりました。これらの課題を解決するためには、児童生徒一人一人のつまずきや学習状況を全ての教員が把握し、学校全体が一丸となって指導力の向上に取り組まなければなりません。また、学力を大きく向上させた県内の研究指定校の実践や成果を教職員が直接見て実体験するなどの取り組みも重要であると考えます。
 県教育委員会といたしましては、課題のある学校を研究校に指定し、指導主事を派遣するとともに、市町教育委員会と連携し、すぐれた学校や市町教育委員会の取り組みの成果を発信するなどして、子供たちの真の学力向上に向け施策の展開を図っていきたいと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)小中学校にかかわることで今質問をしておりますけれども、滋賀には膳所高という優秀なスーパーサイエンス校に指定されている有名な高校があります。そこではやっぱりグループとしてどんな調査研究をしながら、どうやって学力を高めるかといったところが徹底されてまして、この間ちょっとその説明会にも寄せていただいたんですが、ぜひ、県立ということもあるんで、そういったノウハウを各市町の教育委員会のほうにも、あるいは学校のほうにもお教えして、その教育レベルを上げるといったことに対してまた考えていただければなというふうに思います。
 もともとこれ、私の私見なんですが、やっぱり学校の先生を、子供たちが学校の先生を敬う心、学校の先生を尊敬して敬う心、その心の涵養が今必要なんじゃないかなというふうに思っております。教育長はどうお考えでしょうか、お聞かせください。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 教育にとって最も大切なことは先生を敬う心を育てることであり、学びとは相手を敬う心から始まるものであると考えます。そのためには教師が教育活動を通し、生徒と触れ合う中で先生のようになりたいと子供たちから思われるような人になれるよう、人間的な魅力と心から子供たちを成長させたいと願う情熱を持った教員になりたいと思わなければなりません。そういう先生との出会いが子供たちにやる気を起こさせ、みずから学びたい、成長したい、頑張りたいという子供を育てることになると考えます。
 その結果として、ただ単に知識を伝達するのでなく、説明に終始するのでもない授業、児童生徒の心を揺さぶる授業が生まれ、子供たちの学ぶ意欲が一層高まり、学力の向上につながるのだと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)心を揺さぶる授業、大変立派な考えだと思います。ぜひ、その方向で進めていただきたいということをお願い申し上げます。
 学校には、それぞれエースの教師がいらっしゃると思います。その方が校長先生なのか、教頭先生なのか、中堅先生か、あるいは若手の先生なのかはわかりませんが、必ず児童生徒から尊敬され、慕われている教師がいらっしゃると思います。その教師から学校の全教員がレクチャーを受けて、よりよい指導力をその学校全体が磨いていけば、あわせて学力の底上げも図れるというふうに思います。
 教育の基本は人材の育成です。だから、それをよりよい方向に進めるための手段として先生と児童生徒のよい関係があって、教師を敬う心が必要だと思います。この視点がしっかりしていれば、多少厳しい指導であっても児童生徒はしっかり教師の言うことを聞くようになってまいります。この人材の育成という視点をもって、滋賀の教育に取り組んでいただければ幸いです。
 そこで、子供たちから敬われる立場である教師としてあるべき姿や姿勢について、教育長のお考えをお伺いします。
◎教育長(河原恵) お答えいたします。
 教育は、人が生きるために必要な知識、技能、態度を教え、育てるものであります。それは基礎基本の徹底、思考力、判断力、表現力の育成、さらには主体的に学ぶ意欲の育成でもあります。
 また、全ての子供たちに等しくつけなければならない力と個に応じ、一人一人の個性や特性を見出し、それを伸ばす教育、すなわち不易と流行を押さえた教育を進めなければなりません。そのためには、まず、教師自身が教育のプロとしてすぐれた教育的知見と教育的実践力を身につけなければなりません。また、教育は口先で伝えられるものではなく、体全体で学びの感動を伝えるものでなければなりません。そのためには、教師自身がみずから学びの場を持ち、学びの本質を理論と体験を交互に繰り返すことで感得し、学ぶことの感動を体現しなくてはなりません。そこに教育、公務員として不断に研修に励まなければならない責務があるものと考えます。そういう教師の姿勢が児童生徒に真に信頼され、尊敬される教師になれる唯一の道でないかと思います。
 私自身も教育の世界を歩んできた一人として、常に襟を正し、先生方と一緒になって滋賀の教育のために邁進していきたいと考えております。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)それでは、教育長、今回のこの学力調査の結果をばねにして、来年度以降のこの滋賀の学力の底上げを図る、そういった意味ではね返るばねのごとく挽回すると、その決意目標をお聞かせください。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
 昨年度の結果もそうですが、今回の結果は私にとりましても大変ショックであり、悲しく、悔しい思いを持っております。しかし、これが現実であり、子供たちや保護者、県民の皆様方に対し申しわけなく思っております。
 全国学力・学習状況調査の結果が低いということは、残念ながら滋賀県の教育行政そのもの、また、滋賀の教員の力や教育に取り組む姿勢に課題があるということであります。
 今回の結果を受け、遅きに失した感は否めませんが、一刻も早く課題を分析し、市町教育委員会や各学校に発信することで教育改革および授業改善に取り組んでいきたいと考えます。
 本県の課題といたしましては、いじめ問題や子供たちの運動体力の問題もあります。この全てが関連しており、学力を真に向上させるということは子供たちの心や体を育てることと軌を一にするものであります。子供たちの人間的な力を育てるという大きな目標の中で、学力向上を初め、全ての教育活動に取り組んでまいります。
 市町教育委員会、学校、そして家庭教育を預かる保護者の方々と力を合わせ、また、子供自身の頑張る力を引き出すことで全国一の教育を目指し、毎年確実に向上するよう着実に粘り強く教育を進めてまいります。
◆2番(有村國俊議員) (登壇)教育長、粘り強く学力日本一を目指すとおっしゃいました。目標を設定されました。ぜひ、頑張ってください。終わります。(拍手)
 
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平成25年6月定例会質問

質問内容

  1. 沖島の振興について
  2. 農事用電力料金の値上げと土地改良区の運営について
  3. 道州制について

議事録

平成25年 6月定例会(第11号~第17号)-06月14日-03号
3番有村國俊議員の発言を許します。
◆3番(有村國俊議員) (登壇、拍手)早速質問に入らせていただきますので、よろしくお願いします。質問は全て知事にお伺いします。
 沖島の振興について。
 343人が住む日本で唯一の淡水湖上の有人島である沖島は、島の将来をかけた離島指定のプロジェクトに期待が高まっております。4月の法改正に伴い、今後、法律上の離島に認められれば、財政面で国の優遇措置が得られ、沖島の暮らしに明るい未来図が描け、光を見出すことになります。
 昨年6月の定例会で、沖島への離島振興法に基づく議会答弁で、沖島振興に前向きに対処していきたいと知事の御発言がありました。以降、県としての取り組みの進捗状況や結果をお聞かせください。
 今回の離島振興法の改正で最大の目玉は、内水面の島にも法適用が広がったことであります。昨年11月に上京いたしまして、国交省の離島振興課長と課長補佐に、沖島への現地調査の派遣をお願いいたしました。結果、2月12日に国交省の検討部会委員等関係者が沖島の視察に来られ、島民と近江八幡市、滋賀県との懇談が行われました。
 今後、島民の意向、近江八幡市の意向、すなわち地元の意向を踏まえた上で、県としての沖島振興をまとめ上げていくことが望ましい姿であります。すなわち、地元の意向をどこまで具現化することができるのか、県にはその手腕に期待が寄せられています。事業を進めていく上で、それぞれの役割分担をどのように構築していくかが大きなポイントと考えますので、それに対する県としてのスケジュールとビジョンをお示しください。
○議長(宇賀武) 3番有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)有村議員の沖島の振興についての2点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の県としての取り組みの進捗状況やその結果についてであります。
 今回の法改正により、初めて内水面の島が指定される道が開けてきたということで、沖島の離島指定に向けて、県としても前向きに取り組んでまいりました。具体的には、議員御指摘のように、国による本年2月12日の現地視察を踏まえ、3月には国土交通省等に赴き、積極的に情報収集をしてまいりました。また、2点目には、4月には近江八幡市とともに沖島を訪問し、地元自治会から振興策に関する考え方を伺い、意見交換を行ったところであります。
 その後、国の離島振興対策分科会において、内水面の島も離島指定の対象となる新たな指定基準が決定したことを受け、市の意向を確認した上で、4月23日には国に離島指定を要望いたしました。
 県としては、幅広い沖島振興が図られるよう、滋賀県離島振興連絡調整会議を設置をいたしまして、33の関係課で法的手続等の情報収集を図ったところであります。
 このように、国や市と連携を図りながら、沖島の離島指定に向けて着実に準備を進めてきております。
 次に、2点目の、県としてのスケジュールとビジョンについてでございます。
 まず、スケジュールですが、7月以降に予定されております国土審議会の審議を経て、主務大臣が離島指定を行うとの情報を得ております。この指定を受けて、県は近江八幡市が作成する離島振興計画案の内容をできる限り反映させた離島振興計画を定めて、国へ提出することとなります。
 このため、県としては国の動向を注視しつつ、指定後、速やかに計画を提出できるよう、離島振興連絡調整会議などの場で意見調整を図りながら、準備を進めてまいります。
 次に、ビジョンでございますけれども、4月の国への要望に際し、近江八幡市の考え方を踏まえ、県としての目標を琵琶湖の自然と文化を守り、環境を生かした暮らしを創造する安全、安心な沖島と位置づけ、次の5つの沖島振興の考え方を示しました。
 1点目は、自然的特性を生かした生活ができる沖島です。2点目は、琵琶湖の環境を生かして、人々が生き生きと暮らす沖島です。3点目は、心を癒す琵琶湖の豊かな自然や文化を守り伝える沖島です。4点目は、健康で安心な沖島。5点目は、災害等に備えた安全な沖島です。
 実は、沖島では、地元住民の方が既に10年近く前から、自分たちの島の将来ビジョンをつくっておられました。この地元の住民の方たちのビジョンがもととなり、今回、八幡市、そして県でまとめさせていただいたものであります。
 今後、島の皆さんの意向を最も重要な基点と考え、近江八幡市との連携をより密にし、地元沖島の皆様の思いに応えながら、離島指定のメリットを生かせる計画の策定に努めてまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)沖島の振興は、離島指定に島の存亡をかける沖島の挑戦であり、滋賀県の挑戦であります。県としても鋭意、計画策定等、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 次の質問に移らせてもらいます。農事用電力料金の値上げと土地改良区の運営について質問いたします。
 琵琶湖を取り巻く本県の田園地帯では、田植えもほぼ終わりを迎え、新緑と水面が輝き、毎日、私たちにすがすがしい気持ちと心地よいそよ風を与えてくれています。この水面は言うまでもなく、農家の皆さんが営農を通してしっかりと管理をされているおかげでありますし、また、農業用水を安定して田んぼに送り届けるために、農業水利施設を適正に管理運営されている農家と土地改良区の皆さんの日々の御尽力のたまものであります。
 また、美しい農村景観の心の安らぎなど、農業以外のさまざまな機能を多面的機能と呼びますが、営農を通してこうした多面的機能の発揮に貢献いただいていることに対して、改めて感謝の念を強くさせていただいております。
 そして、数カ月後には黄金色の稲穂が一面に広がり、私たちに美味しい近江米を提供してくれる、そんな期待と楽しみを感じているきょうこのごろでございます。
 さて、この稲作になくてはならない農業用水ですが、県が発行している滋賀の農業農村整備・農村振興によりますと、本県農地面積の約4割で、琵琶湖を水源とする逆水ポンプによるかんがい方式を採用しているとあります。この方式は、用水の安定確保に非常に有効ですが、ポンプを動かすための電気を必要とします。このため、ポンプを管理、運転されている土地改良区では、これまでから、電気料金を最小限にするため、路線ごとの確実送水などの地元調整を行いながら、ポンプの運転時間を削減するなど、知恵と工夫による対策に取り組まれています。
 また、水源である琵琶湖の保全を図るため、農業排水を用水として再利用したり、管理している農業水利施設を活用して、子供たちを対象とした生き物調査や農業水利施設の役割について学習する出前講座の開催など、さまざまな地域貢献活動をされています。
 しかしながら、今、土地改良区は運営が大変厳しい状況になっております。それは、土地改良区が利用する農事用電力料金が約30%値上げされたということであります。これまでのような運転方式の工夫だけでは対応できないほどの値上げであります。今回の値上げは短期間で終わると思われませんので、揚水機などの施設を管理する土地改良区の運営を直撃すると考えますが、その影響についてどのように把握しておられるかお伺いします。
 次に、電力料金値上げの影響を現在の運営予算の中で対応しようとすると、予定していた施設の整備補修時期をやむを得ず先送りしたり、必要な施設の点検作業を減らさざるを得なくなります。こうしたことを続けると、短期的には経費が削減できますが、長期的には老朽化が進み、施設の更新時期が早まることから、結果として多くの経費が必要になりかねません。この状況は、本県で取り組まれている施設を長持ちさせ、効率的で計画的な保全更新対策を行うアセットマネジメントに対する影響も懸念されます。
 そこで、施設を守っていただいている土地改良区の運営に対して、今後、県はどのような対応を考えていくのかお伺いします。
 一方、必要な運営経費を確保するために賦課金の値上げで対応しようとすると、農家の皆さんに経済的な負担を与えることになり、農家離れの要因になるのではと心配しております。土地改良区の農業生産のための維持管理費の軽減につなげるために、県として対策を講じるべきではないか、お伺いします。
◎知事(嘉田由紀子) 土地改良区の運営への影響について、3点お答えさせていただきます。
 まず、1点目の電気料金の値上げと土地改良区の運営でございます。
 滋賀県土地改良事業団体連合会の調査によりますと、県内の主な土地改良区の平成24年度──昨年度の電力料金は約5億円でございます。また、本年度の土地改良区が支払う電力料金は、昨年度に比べ、県内平均で約26%の増加が見込まれます。特に、琵琶湖から取水する揚水機を管理されている土地改良区においては、約29%の増加になる見込みと聞いております。特に、ことし、このような天候、空梅雨ですと、河川水も不足をいたします。その場合は逆水需要がよりふえてまいりますので、電力料金の増大、一層懸念されるものでございます。
 次に、2点目の土地改良区の運営に対してどのような対応を考えていくのかでございますけれども、県では、機会あるごとに国に対して、農業者が直面する厳しい状況を訴えてきております。先日の政府への政策提案においても、電気料金の改定は土地改良区の運営経費に大きな影響を与え、農業者の負担が増加することから、その軽減について特段の配慮を要請いたしました。
 また、土地改良区などが農業水利施設を適正に管理されることによって、美しい景観の形成や防火用水としての利用など、議員御指摘のような多面的な機能が発揮されていることから、これらの機能を保全するための直接支払いを提案をいたしました。まずは既存の国庫補助事業を積極的に活用し、このような事態に対応できる事業予算の確保を国に要請してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の維持管理費の軽減につなげるため、対策を講ずるべきではないかとの御質問についてです。
 県内には、農業水利施設を活用した小水力発電や太陽光発電施設の設置が可能な地点があり、先ほど、県としても公表させていただきました。そこから生み出されたエネルギーは、土地改良区が管理する施設の動力源として利用も可能です。残りの電力を売電し、土地改良区が管理する施設全体の点検や修繕に充てることもできます。農業生産のための維持管理費の軽減につながる有効な手段として期待をしており、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、施設を更新する際には、効率的な水管理方式への改善や省エネ型機器の導入などについて、技術的な検討や助言を行ってまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)農業生産のための維持管理費の軽減について、小水力発電だとか例えば太陽光発電で賄えるといったような電力量でないことは承知の上で、知事は答えていらっしゃるというふうに思います。
 そんなことで、国は琵琶湖周辺の滋賀県固有の課題であると捉えておられる中で、国庫補助事業予算確保と同時に、滋賀県として、平成25年度補正予算あるいは平成26年度当初予算の確保に向けて対策を講じるべきではないかと思いますが、知事の思いはいかがでしょうか、お伺いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えいたします。
 まずは、今回の値上げに対応できるよう、既存の国庫補助事業に係る本年度補正予算と来年度当初予算の確保を、国に粘り強く要請してまいります。
 また、県としても国の動向を注視しながら、これに対応する必要な県予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、土地改良区が予定している施設の整備補修などについて、現行の他の補助事業を活用し、結果として土地改良区の運営経費を少しでも低減できないか、研究してまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)今の知事の御答弁で、国のほうにも積極的に働きかけるのと同時に、県としても対策を何か練っていこうかなというのが見えました。ぜひ、補正予算あるいは来年度当初予算、その電気料金とあわせて、基幹的整備工事なり、今後の土地改良区の事業は国のほうも補助はあるものの、維持管理がなかなか厳しい中で、そういった法改正なんかもぜひ滋賀県知事として要望してもらいたいし、県としても独自の案を出していけるように、国の流れそのものに従うんじゃなくて、こちらから積極的にやっていただきたいということをお願い申し上げます。
 ただいま、降水量が極めて少ない状況というふうにおっしゃいましたし、渇水が心配されていますね。当然、渇水となったら電力量がさらに大きくなって、電気料金の値上げが重なって影響が懸念されますし、県としてきちんと指導的役割を、当事者として取り組む姿勢を見せていだたくことを期待を申し上げながら、次の道州制の質問に移らせていただきます。
 道州制は、都道府県を廃止して、10程度の道、州に再編するもので、国の権限や財源を移譲し、東京一極集中の解消と小さな政府を実現する目的があります。
 平成18年の自民党政権のもと、政府の第28次地方制度調査会が3種類の区割り案を示した答申を行い、北海道で道州制を先行実施することを念頭に、道州制特区推進法が成立いたしました。自民党は昨年の9月、道州制の理念や実現までの工程を定める道州制基本法案の骨子案を決定、ことし4月に自民、公明両党のワーキングチームが、道州制推進基本法案としてこれを了承いたしました。
 さて、昨年の2月議会の質問で取り上げましたが、道州制について、滋賀県として積極的な幅広い県内議論ができるように、シミュレーション、具体的な検討データ、資料を示して県民の議論に資する、そういった御努力を知事に提案いたしました。ようやく1年おくれて、やっと滋賀県の広域行政のあり方研究会を本年2月に設置され、先月に、その成果物である滋賀県で広域行政について考える資料を作成されました。
 内容は、県民の皆さんがみずから考えていただけるように、その材料となる資料を取りまとめたとのことでしたが、去る5月28日の広域行政対策特別委員会では、その内容について批判が相次ぎ、公表の延期を決めましたが、その経緯につき、知事はどのように受けとめておられるか、お聞かせ願います。
 次に、滋賀県広域行政のあり方研究会設置要綱には、その趣旨に、「府、県レベルでの広域行政のあり方について検討するとともに、国の動きに対して的確に対応するため」と明記され、所掌事務では、「県民等が広域行政について議論を行うための客観的なデータを用いた資料の作成」とあります。しかし、滋賀県で広域行政について考える資料は、そもそも設置要綱に準拠した内容であったのかどうか、私も疑問であります。
 また、「設置要綱の組織は、広域行政に関係する課の職員および各部局から推薦のあった者により構成する」とありますが、道州制導入に慎重な知事のスタンスを承知している職員が、果たして本当に中立的な立場で資料を作成することができ得るものか、疑問であります。資料と要綱との整合性に不備があると思われますが、そのあたりの認識と中立的な立場での資料作成ができていたのかどうかについてお伺いします。
 さて、6月6日の開会日、知事提案説明で、「県としてどのような自治の仕組みが望ましいのか。そして、住民の暮らしや地域づくりがどのように変わっていくのかなど、広く議論ができる状況をつくり出すために、さまざまな情報提供を行い」云々とおっしゃいました。ということは、県民により深く掘り下げた資料の提供を今後行うという理解でよろしいでしょうか。
 また、今回の検討に含まれている府県合併、すなわち滋賀県と京都府の合併ですが、京都府の山田知事は、大津市に合併後の本庁を置いてもいいという趣旨の発言を京都府議会で表明されました。そのことについて記者からコメントを求められた嘉田知事は、以下、このように答えておられます。
 「それは昔からずっと言っておられます。京滋合併は、府か県かはともかく、所在地は大津やと。山田さんはEUを思っていまして、ブリュッセルは大津やと。EUのセンターがブリュッセルでしょ。ブリュッセルは大津やという持論ですね。持論は持論でいいと思うのですが、いよいよボールを投げてこられたので、こっちはそのボールを受けますよと。ボールは受けて議論を盛り上げましょうということですね。議論が盛り上がる前に、府・県民が何も知らないうちに国で法律だけが通っちゃいましたと、これだけは避けたいです。本当にその辺はぜひ皆さん、議論に参画していただけたらと思います」。以上でありますが、これは滋賀県のホームページに記載されているものそのまま引用しております。
 注視すべきところは、「こっちはそのボールは受けますよ。ボールを受けて議論を盛り上げていきましょうということですね」と知事は発言をされていますが、どういった行動を起こして京滋合併の議論を盛り上げていこうとされるのか、具体的にお示しください。
◎知事(嘉田由紀子) 道州制についての4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の広域行政対策特別委員会の経緯でございます。
 道州制を初め、国の形を大きく変えることは、住民にとって大変大事な問題でありまして、まずは国民的議論が大切であると考えております。そのため、今回、県民等との意見交換用の資料を取りまとめたものでございます。先の特別委員会では、本資料をたたき台にして議論を始めるべきといった意見の一方で、道州制のメリット、デメリットをもっと公平に書くべきなどの御意見をいただきました。できるだけ多様な意見を取り入れて、慎重に進めてまいりたいと考えております。
 2点目に、資料と要綱との整合性の認識と、中立的な立場での資料作成ができたかとの認識でございます。
 設置要綱にあるとおり、今回の資料は、まさに県民等が広域行政について議論を行うための客観的なデータを用いた資料の作成をいたしたものでございます。このため、研究会として、できるだけ中立的立場で事実や統計的数値などを整理することに心を砕いたものでございます。
 例えば、人口や経済的規模等のデータ比較や県政世論調査のデータ等を掲載しております。また、制度論に終始することなく、より県民にわかりやすくするため、滋賀が現在担っている役割を初め、現場の実務から積み上げた資料とすることに努めました。
 日々、県行政に携わる者が整理したものでありますが、今後も皆さんからの貴重な意見を踏まえながら、よりよいものにしていければと考えております。
 次、3点目に、より深く掘り下げた資料の提供を行う必要性があるのではないのかとの御意見でございます。
 今回の取りまとめは、あくまでもたたき台でありまして、完成版とは思っておりません。まずは、現場で県民のために仕事をしている中堅職員が地道に情報やデータを整理し、意見交換用のたたき台として作成した資料でございます。
 今後、国の動きや県民の声を踏まえ、新たな視点や見解を加えるなど必要な情報や最新の資料を補い、より充実したものとなるよう、研究会などで掘り下げていきたいと考えております。
 4点目に、どう行動を起こして京滋合併の議論を盛り上げていくのかについてでございます。
 京滋合併についても、広域行政の一つのあり方だと認識をしております。既に本県では、平成15年度から16年度にかけて行った分権時代の滋賀県のあり方研究会において、滋賀県と京都府との統合も比較対象の一つとして研究をしております。
 県政世論調査でも、本県の将来のあり方として、近隣府県との合併の選択肢も含めて質問をしておりますが、もっと幅広く聞く必要があるとも考えております。まずは地方分権を推進していくことを基本にし、身近なわかりやすい事例などを素材にしながら、地方自治のあり方、国、府県、市町村の役割分担など基本的な考え方から、県民の意見を丁寧に把握してまいりたいと考えております。
 具体的には、県民フォーラムや各種団体等の意見交換、広報媒体での情報提供や意見募集など、さまざまな機会を設け、県民の幸せや県勢の発展につながる広域行政のあり方について議論を盛り上げていきたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)3点ばかり再質問します。少し長くなるんですが、よろしくお願いします。
 中央集権体制を見直して、国と地方の役割分担を踏まえた上で、道州および基礎自治体を中心とする地方分権体制を構築することは、従来の国家機能の一部を担って、国際競争力を持つ地域経営として構築するべきと考えております。
 その上で、基礎自治体は住民に身近な公共団体として、従来の県の権限をおおむねあわせ持ち、住民に直接関わる事務について、みずから考え、実践できる地域完結性を有する主体として構築することが求められてくると予想しております。
 道州制に対する知事のスタンスは慎重姿勢です。知事は、言わずもがな、滋賀県のトップとしてお考えになり発言され、滋賀の総合的な発展を目指す立場におられます。議会前の政策懇談会あるいはその翌日の広域行政対策特別委員会の経緯からも、資料は県民が意見交換するには正確な情報提供物とはならないものとして判断され、修正を試み、後日に再提出することとされました。
 資料は第一印象がとても大切であります。第一印象を後で覆すことは自他ともに大変至難の技であり、エネルギーを要します。後日提出される修正版を県民が目を通したとき、滋賀の将来を偏りなく思案できるもの、県民の意見を丁寧に把握していくことができるものにきちんと仕上げていただきたいです。
 それと、昨年の2月議会で申し上げましたが、将来の道州制移行に伴って、滋賀の優位性を考慮した上で、関西州となった際、関西州都、州議会はぜひとも滋賀に設置、誘致をしたい旨を申し上げ、滋賀として手を挙げることができる戦略の体制を築きつつ、滋賀のレベルアップを図るべきと考えてまいりました。
 先般、京都府の山田知事とお会いする機会がありまして、じかにお考えや意見を伺いましたが、京滋合併は思いつきなんかではなくて、かなり以前から研究と研さんを重ねてこられた印象を受けました。
 京都府が示した新しい地方行政の未来研究会、全19回開催の最終取りまとめで分析した関西の諸データから見れば、以下のような県、府域を超える社会実態が存在しております。
 京都市と大津市は10分程度で移動できる範囲にあること。少し長いデータを読みますが、周辺府県間、広域における他府県からの移入額では、京都府は、1位、大阪府約1兆2,745億円、2位、兵庫県約4,584億円、3位、滋賀県約3,796億円の順に多く、滋賀県は、1位、大阪府約1兆4,518億円、2位、京都府5,135億円、3位、兵庫県約3,440億円の順となっています。
 一方、支出額においては、京都府は、1位、大阪府約1兆4,544億円、2位、兵庫県5,891億円、3位、滋賀県約5,135億円の順に多く、滋賀県は、1位、大阪府約8,845億円、2位、京都府3,796億円、3位、兵庫県約3,446億円の順となっており、滋賀県にとって、京都府との交易のつながりが大きいことを示しております。
 他府県へ通勤通学する15歳以上の者では、滋賀県以外は全て大阪府が一番多いが、滋賀県だけは京都府が一番多くなっている。通学者の約69%、通勤者の65%と、滋賀県にとって京都府との生活圏のつながりが大きいことを示しております。
 転入転出でも、滋賀県以外は全て大阪府が一番多いが、滋賀県だけは京都府が一番多くなっております。転出4,662人、転入6,285人。また、京都府からの転出では滋賀県が2番目に多くなっており、両府県の居住圏の一体性を示しているとのことであります。これらのデータをどのように知事は分析されますか、お尋ねします。
 京都府のデータ等を勘案するに、地域アイデンティティーの確保に十分配慮しつつも、手遅れになっては元も子もないので、滋賀県としては、関西の道州制について考えられる、滋賀としての効率性、経済効果、産業振興、観光振興、農林水産、社会福祉、教育、インフラなどの観点から、京滋関係の強化もさることながら、直ちに具体的な検討を開始しなければならないことが浮き彫りになった感がいたします。
 道州制をめぐる議論が激しくなっている今、県民の希望ある将来を構築するために、みずからが政策を打ち出し、明治以降、国の形を変えるという大変な局面に対処し、関西地域の中にあって滋賀県民がアドバンテージをとるための動き、戦略、情報収集等を特務的にスピードを上げてお取り組みいただけますか。あらゆる事前調査、すなわちFSを実施して、県政策として広域行政のあり方を確立していただけますか。お伺いをさせてください。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
 3点の御質問とあったんですけど、1点でしょうか。まず、そこのところ、どれが質問かという……。(「最後の3点目と最後の1行目が、2点」)はい。では、そのような想定で回答させていただきます。
 ポイントとしては、スピードを上げた取り組み、可能性調査、フィージビリティスタディですね、FS――フィージビリティスタディなどをやりながら、いわば戦略的に先取りをして動けと、京都は山田知事は思いつきで言ったのではないということで、データをるるお示ししていただきました。私自身、山田知事とは7年間のおつき合いをさせていただきながら、最初から、特に京都府としては市の政令市を抱えているというところで、さまざまな課題を持っておられ、この京滋合併については、山田さんの地方自治を担う立場としての長年の持論であると理解をしております。
 そういう中で、昨年も議員から2月に御指摘をいただきまして、私としても、まずは庁内の幹部職員による議論を春から夏にかけて行い、そしてその後、本年2月には中堅職員による研究組織を設けて取り組んでまいりました。議員御指摘のように、国の動向を十分に踏まえながら、将来を見据えて、出おくれることのないように、県としての責任を持って取り組んでいきたいと思っております。
 そういう中で京滋合併についてですが、確かに滋賀と京都、関係が深いことは十分承知をしております。歴史的にも、また古来から政治的、文化的なつながり、大変古うございます。また生活圏のつながり、議員御指摘のような経済のつながり、あるいは通勤通学で県境を越える人たちも多いということでございます。
 一方、滋賀県としては、中部圏、北陸圏との結節点に位置する立地の優位性もございます。琵琶湖を初めとする豊かな自然環境、あるいは今の時代だからこそ、安らかな穏やかなこの自然の風土というものも滋賀の大切な個性、価値だと思っております。
 こうした利点を生かしながら、滋賀の県益と、それから県民益の確保、何よりも県民の皆さんの幸せを確保するためにはどうしたらいいかということで、幅広く研究を掘り下げていくことが重要であると考えております。決して後手に回ることのないよう、知事として使命感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊議員) (登壇)終わります。(拍手)
 
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