県議会報告

平成24年9月定例会質問

  1. 県内の都市計画区域の再編と滋賀県の権限執行の考え方について
  2. 教員の人事権移譲について
  3. 卒業式の定番歌について
  4. 学校で学ぶ領土、領海について

平成24年6月議会質問

  1. 時間外勤務手当について
  2. 滋賀県人会ネットワークとの連携について

平成24年2月議会質問

  1. 全国学力テストについて
  2. 情報技術を活用した地域医療連携について
  3. 道州制について

平成24年9月定例会質問

質問内容

  1. 県内の都市計画区域の再編と滋賀県の権限執行の考え方について
  2. 教員の人事権移譲について
  3. 卒業式の定番歌について
  4. 学校で学ぶ領土、領海について

議事録

平成24年 9月定例会(第19号~第25号)-10月01日-05号
3番有村國俊君の発言を許します。
◆3番(有村國俊君) (登壇、拍手)それでは、早速質問に入ります。
 県内の都市計画区域の再編と滋賀県の権限執行の考え方についてです。
 滋賀県の都市計画区域は、都市計画法第5条の規定に基づき当時50あった市町村を一体の都市として総合的に整備し、開発し、および保全する必要がある区域として、昭和45年の大津湖南都市計画区域の指定を初めとして、12の区域で都市計画区域を指定されています。その後、県下では市町村合併が進み、19市町となったことで自治体区域が変わり、当初のままである都市計画区域との間に乖離が生まれている状況が見受けられます。
 合併により複数の市町が1つの自治体になったことによって、自治体区域内で線引き都市計画区域、非線引き都市計画区域、および都市計画区域外の混在が典型として挙げられ、特に一つの自治体区域の中に複数の都市計画区域が存在していることは、都市計画の趣旨から見れば非常に深刻な状態と言えるのではないでしょうか。いずれもその原因は、合併によりまちづくりの基盤が新しくなったにもかかわらず、都市計画区域だけが旧態依然のままであることに尽きると考えております。
 まちづくりの基盤である自治体の区域が変われば、その変化に応じて必要なまちづくりの方向性にも変化が生まれるはずであります。合併による自治体区域の大きな変化に順応していない都市計画区域の設定のままでは、都市計画法が意図するまちづくりの趣旨が実現できるのか、非常に疑問に思うところでございます。
 県においては、合併という大きな変化に順応する都市計画区域の再編が必要であることは明白であると感じるところでありますが、それは単なる再編ではなく、昨今の地方分権を主眼にした考え方が取り入れられたものでなければ意味をなしません。都市計画にかかわる市町の考え方が生かされるものでなければならない、市町の意向を非常に重く受けとめ、尊重し、実現できるものにすべきと考えます。
 したがいまして、そうした都市計画区域の再編とともに、市町の意向を尊重し実現させることが県の役割であり、県としてあるべき権限執行の姿と強く感じております。
 こうしたことを前提に、今後の都市計画区域の再編と都市計画に関して市町の意向を最尊重する県の権限執行のお考え方について、2点知事にお伺いいたします。
 まず1点目に、市町が独自性を発揮して、地域の創意工夫を生かしたまちづくりを進めることが必要と考えますが、都市計画法における権限執行の実態はどうなっているのでしょうか。2点目に、市町の独自性を発揮してもらうことを目的とし、なおかつ今生まれている乖離、課題を解消するために、都市計画区域の再編などにより県下の都市計画区域を今後どのように、そしてどのような工程で改善を目指すのか、お伺いをいたします。
○副議長(山田和廣君) 3番有村國俊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)有村議員の都市計画区域の再編についての2点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の都市計画法における権限執行の実態はどうなっているかでございます。
 都市計画区域は、市町境界にとらわれず、実質的に一体的な区域として定めるもので、均衡ある地域発展を図るための都市計画の前提であることから県が指定するものであります。都市計画区域を定めた上で、さまざまな都市計画を決定していきますが、都市計画法では、第15条において、県が定める都市計画と市町が定める都市計画とに権限が分類されております。その中で、都市政策の根幹である都市計画区域マスタープランや区域区分および県道や県が設置する公園などの計画については県が決定するものです。一方、用途地域やその他の都市施設、市街地開発事業、地区計画など、市町が主体的にまちづくりを行う上で必要となる具体的なまちづくりに係る計画については、市町が決定することとされております。
 地域主権一括法に伴う都市計画法の一部改正の結果、平成23年8月から、それまでは市が都市計画を決定する場合に必要とされていた知事の同意が、協議へと知事の関与が緩和されております。市町の主体性をより一層尊重するという方向に変わっているわけでございます。あわせて、市に対する義務づけ、枠づけの廃止が進み、都市計画策定に際し、基礎自治体が主体性を一層発揮できるようになっております。都市計画と連動する開発許可や建築許可などの許認可事務についても、県から市に権限が移管をされております。
 次に、大きな2つ目の都市計画区域を今後どのように、そして、どうなって工程で改善するのかでございます。
 本県の都市計画区域は、昭和43年の都市計画法の改正により、大津湖南都市計画を初めとする広域都市計画を策定してから既に40年が経過しております。議員御指摘のとおり、市町合併により、同一市域の中に複数の都市計画区域が存在することとなった市も出てきました。県では、そういう中で、合併後の新しい市の区域と都市計画区域の不整合を解消するため、平成19年には、都市計画審議会の答申を受けて、滋賀県都市計画区域再編指針を策定し、都市計画区域の不整合の解消に取り組んでまいりました。
 まず、平成21年3月には、大津湖南都市計画区域および甲賀広域都市計画区域にまたがっていた湖南市、つまり旧の石部町が大津湖南、旧甲西町が甲賀広域でありました。そのように2つの区域にまたがっていた市については、市全域を一まとめにしまして、大津湖南都市計画区域に含めるように再編をいたしました。
 今年度は、1市8町が合併した長浜市、4町が合併した米原市のような大規模な合併をした県東北部圏域を対象として、圏域の人口、産業、土地利用の現状や推移を把握するとともに、通勤や通学の人口流動などから、生活圏の広がりも考慮して、一体的に均衡ある発展を図るべき区域を見詰めつつ、都市計画区域の再編を検討中でございます。
 今後、他の圏域においても、こうした取り組みを順次進めてまいります。都市計画区域の再編に際しては、具体的な都市計画の策定主体となる関係市町の意向を十分に踏まえて協議調整してまいります。
◆3番(有村國俊君) (登壇)再質問いたします。
 市町がおのおのの独自性を発揮して、自主的な都市計画に取り組めるように、地方分権で権限移譲や義務づけ、枠づけの廃止が進んできたというようなことでありますけども、今後の均衡あるとおっしゃいました、均衡ある県内の都市計画を進める上で県の役割はどうあるべきか、知事の所見をお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 都市計画の根幹となる都市計画区域マスタープランや区域区分については、広域行政の立場から県の権限でありますが、関係市町の意見を十分尊重し、各市町が円滑にみずからの地域にふさわしい都市計画が策定できるよう、県が国や関係機関との調整を図り、策定していくべきものと考えております。具体的な都市計画は、住民に最も身近な市町が中心となって進めていくべきものでありますが、複数の市町に関係するような課題に対しては、県が広域的な観点に立ち、関係市町間の調整を行い、スムーズに都市計画決定ができるよう図ることが県としての重要な役割と認識をしております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)それじゃ、県としての立ち位置を決めていただいて、地域の実情性に応じた、それを酌み取ったものを、きちんと県としての指導力を発揮すべく、よろしくお願いします。
 次に、教員の人事権移譲についてです。
 現在の教育の、特にガバナンスの問題で、公立小中学校については責任の所在というものがばらばらになっています。人事権は県の教育委員会ですし、設置者は市町です。行政権は教育委員会ですが、財政権は首長部局です。こういう縦横の権限のばらばらというものに問題意識を持っております。それを何とかしていきたいということで、具体的には、県教委が持っている人事権を初めとする関連の権限を、条例を定めることによって、100の議論よりも1つの実例というものを一緒になってつくりながら、それを進化させていくということのほうが極めて有効であろうというふうに思っております。
 自由民主党政権下の平成19年1月に教育再生会議の第1次報告で、各市町教育委員会へ一定の人事に関する権限を移譲することが提言されております。文科省においても、現行制度内で教員の人事権移譲は可能であると見解を示しています。県が持っている公立小中学校教員の人事権を市町教育委員会に移譲することができれば、より主体性を発揮し、創意工夫を生かし、特色ある教育を実現するとともに、より地域に根差した優秀な人材を育成し、確保することが可能となります。教員の人事権を市町へ移譲することについて、知事と教育長、それぞれからお考えをお聞かせください。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 公立小中学校の教職員の人事権については、給与水準の確保や一定の教職員の確保を図り、教育水準の維持向上や教育の機会均等を保障することを目的に、都道府県が権限を有し、教員採用や給与負担を担っております。一方、市町立学校の設置者が市町であることや、教職員の服務監督が市町教育委員会にあることから、各市町が責任を持って教職員の人事を図ることが重要との意見もございます。議員御指摘のとおりでございます。
 人口50万人以上の政令指定都市では、これまで法の特例により、給与負担に関することを除き人事権を有しております。また、今年度から人口65万人の大阪府の3市2町からなる豊能地区、豊中市を中心とする3市2町ですが、こちらでは条例による特例制度等の活用により政令指定都市に準じて人事権の移譲が行われたところでございます。地方分権の一層の推進が求められている中で、地域に根差した教育をという狙いからして、人事権の移譲を含め、本県のよりよい教育制度について議論、検討することは重要でございます。
 同時に、人事権の全体を見ますと、教員の採用、つまり採用試験から年々の人事、適材適所の教員配置、また人件費の捻出など、大変幅広い奥深い課題がございます。滋賀県内を見ましても、33万人を超える大津市から1万人以下の人口の町もございます。そういう中で、県費負担教職員制度の趣旨や目的を損なうことがないよう、人口規模、学校数、教職員数など本県の実情を踏まえた対応が大切であると考えております。
◎教育長(河原恵君) (登壇)教員の人事権を市町に移譲にすることについてお答えいたします。
 教職員の人事につきましては、全県的な立場から本県の教育水準の維持向上を図るために、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第38条に基づき、市町教育委員会の内申を待って、県教育委員会が実施しているところでございます。この人事権を各市町へ移譲することは、議員の御質問にもありましたように、地域の実情に応じた教育の実現に向けて、より一層主体的な取り組みが可能となるというメリットがあると考えております。その一方で、小規模な市町にとりましては、事務負担の問題や人材確保の課題もあると考えております。
 これまでのところ、本県においては、全県を1地域として人事を行うことにより、スムーズに広域人事交流がなされており、十分に効果を発揮していると認識しております。
 教職員の人事権の移譲は、義務教育に関する中央教育審議会の答申にも触れられていることから、国での議論のほか、県内各市町や教育委員会などの意見を踏まえながら、現行の県費負担教職員制度の趣旨や目的が損なわれないよう、議論、検討をしていかなければならないと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)知事と教育長の御答弁、お考えは、若干温度差があるかなというふうに思いました。
 ここで、公立小中学校の教員の身分とその人事についてですが、教員の身分は、あくまで学校の設置者である市町の職員となっています。しかし、実際には採用と異動と懲戒などの処分とか研修といった人事権は県が持っています。さらに、教員の給料、給与は、3分の1を国、3分の2を県が負担しております。つまり、教員は、市町立の学校に勤務しているにもかかわらず、人事や給与などの面で、市町教育委員会の内申などを除いて、市町とほとんどかかわりがないのです。しかも、公立学校の教員は、数年置きに異動するために、勤めている学校のある市町や地域を身近な存在として感じることがどうしても難しいと言われています。このため、市町が自分たちで教員を採用し、地域のために働く我がまちの先生になってもらえるようにすることを目指すのが教員人事権の移譲であります。
 知事からは前向きの御答弁をいただきました。教育長は、メリットがあることも認識をされていらっしゃいましたので、御答弁のとおり、滋賀の教育がより一層充実されるよう、実りのあるお取り組みをよろしくお願いを申し上げます。
 次に、卒業式の定番歌についてです。
 仰げば尊しは、130年前に発表された当時の文部省の唱歌で、卒業生が先生方に感謝し、貴重な学校生活を振り返る内容の歌であります。卒業式で広く歌われ、国民に親しまれています。5年前の平成19年に日本の歌100選の1曲に選ばれたことも記憶に新しいところです。一方、蛍の光は、仰げば尊しとほぼ同時期に尋常小学校の唱歌として小学校唱歌集初編に載せられたものであります。これら定番の歌、仰げば尊しと蛍の光は、耳にするだけで目頭が熱くなる人も多い有名な歌であります。
 3カ月前に学校教育課にお願いしまして、平成23年度卒業式における仰げば尊し、蛍の光の歌について調査していただきました。そこで、1点目に、仰げば尊し、蛍の光は、どの程度学校で歌われているか、ほかにどのような歌が歌われているか、現状と、2点目に、道徳的、伝統的、文化的観点から、もう一度原点に戻って、卒業式においては仰げば尊しと蛍の光を多くの学校で歌ってほしいと願っておりますが、いずれも教育長のお考えをお聞かせください。
◎教育長(河原恵君) 卒業式の定番歌についての御質問にお答えいたします。
 まず、卒業式で、仰げば尊し、蛍の光はどの程度歌われているのか、ほかにどのような歌が歌われているのかについてですが、現在、仰げば尊しや蛍の光が歌われる学校は、私たちが学んだ昭和の時代に比べると少なくなってきております。平成23年度の卒業式では、仰げば尊しが歌われていた市町立、県立学校は、小学校228校中4校、中学校100校中2校、高校53校中5校でした。また、蛍の光については、小学校4校、中学校10校、高校15校、特別支援学校14校中1校となっております。
 一方、小中学校で最も多く歌われている曲は「旅立ちの日に」という曲で、そのほか小学校では「さよなら友よ」、「大空がむかえる朝」という曲が、中学校では「そのままの君で」も「流れゆく雲を見つめて」という曲が多く歌われております。
 次に、卒業式において、仰げば尊しと蛍の光を多くの学校で歌うことについてでございますが、仰げば尊し、蛍の光は、多くの人々に長い間親しまれてきた歌であり、いずれも現在、本県の小学校で使われている音楽の教科書に掲載されております。一方、卒業式で取り扱う楽曲については、学習指導要領に基づき、卒業式にふさわしいものであるとともに、児童生徒の実態や発達段階に適したものを選曲しております。
 また、卒業式は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、新しい生活への動機づけを行うとともに、信頼、尊敬、親愛、協力などの温かい人間関係を育成し、集団への帰属意識を深める上でよい機会となるものであります。特に、仰げば尊し、蛍の光のように、教育の原点である教師と児童生徒との関係を尊敬と親愛を通して知らせる歌を式歌として歌うことは、意義あるものと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)数字の先ほどの受けとめ方は多様だと思うんですけれども、現在では県内ほとんどの公立校で仰げば尊しと蛍の光は歌っていないということが判明いたしました。今の教育長のおっしゃったのを、ちょっと数字で事前に計算しているんですけど、小学校は1.8%ですね。仰げば尊し、1.8%。ごめんなさい、小学校、中学校のトータルですね。1.8%。蛍の光は、小学校、中学校トータルで4.3%しか歌っていない。で、県立の中学校は、仰げば尊し、蛍の光ゼロですか。それから、県立高校ですね。これは、仰げば尊しが9.4%、蛍の光が、ちょっと多いんですが28%。3分の1が蛍の光と。県立特別支援学校は、仰げば尊しゼロで、蛍の光は7%ということです。まことに残念な結果であります。
 仰げば尊しの歌詞、我が師の恩というのがあるんですけれども、この我が師の恩というのは、先生と生徒は対等であるとか、この歌は教師をあがめるようであるとか、また、身を立て名を上げは、立身出世でよくないなど、大きな偏見の意見が一部にあると聞いていますが、これは到底私は納得できるものではありません。道徳を否定する考えであります。
 歌全体としては、時の早さ、特に思い出深く充実した日々は過ぎるのが早いこと、恩師のありがたさ、とうとさを歌っています。悲しい別れ、寂しい別れではなくて、希望に胸を膨らませて卒業していく輝かしい別れといいますか、お世話になったいろいろな人への恩返しとして、きっと立派な人間になってみせますという決意の強さを感じております。
 仰げば尊しと蛍の光、蛍の光は本来4番まであるんですけれども、戦後、何かの理由で3番、4番を削除されてしまいました。伝統的に卒業式で歌い継ぐことが大切なことと捉えることができると思います。少数ではありますけれども、先ほど教育長がおっしゃっていただいたように、現在も伝統的に歌っておられる県内校の取り組みは大変すばらしいなというふうに思っております。
 教育長、どうですか。そのことについて、もう1回お考えをお聞かせください。
◎教育長(河原恵君) ただいま議員のほうから御指摘ありましたように、蛍の光や仰げば尊しは、音楽の授業の中でも取り組んでおります。そして、今御指摘のとおり、恩師を尊敬し、感謝する気持ちと、一途に努力し励んできたことに満足と充実を感じる歌であり、日本人の感性が息づいている音楽と言えます。このような伝統的に歌われている楽曲を取り入れていくことは、世代を超えて歌い継ぐよさにつながり、学習指導要領にもありますように、式歌選曲の折に考慮することは意義あるものと思っております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)それじゃ、来年3月、今年度の卒業式から、今、教育長のおっしゃった学習指導要領にもそういったことが明記されているということでもあるし、教育長自身もそれは大変意義のあることだとおっしゃっていらっしゃいますし、そういったことを勘案しますと、来年の卒業式から、県内の公立小中学校ならびに県立中学校ならびに県立高校ならびに県立特別支援学校全てにおいて、仰げば尊しと蛍の光を歌うように教育長として推奨されると、または指導をしていただくということでよろしいですね。お伺いします。
◎教育長(河原恵君) 先ほども申し上げましたように、卒業式で取り扱う楽曲は、学習指導要領に基づき、児童生徒の実態や発達段階に適したものを選択するということになっており、発達段階等もございます。しかし、先ほどお答えをいたしましたように、仰げば尊し、蛍の光の趣旨ということの重要性もございますし、その趣旨を各市町に伝えまして、本県の小学校で使用する教科書にも掲載されている仰げば尊し、蛍の光を子供たちが歌い続けていくように促してまいりたいと思います。(発言する者多し)
◆3番(有村國俊君) (登壇)議長、ちょっと今、議場からヒントをいただきました。そしたら、促していくということであれば、来年の3月の、この先ほど申し上げました学校で仰げば尊しと蛍の光はどれぐらい達成されるおつもりか、その目標値、それはもう自分の教育長としての心構えというか、教育長としての考え、これは介入じゃなくて教育長として先ほどから聞いているので、ぜひ答えていただきます。
◎教育長(河原恵君) 先ほども申し上げましたように、卒業式で取り扱う楽曲につきましては、卒業式、特別活動の中で儀式的行事としての意義が一方でございますし、もう一方は、それぞれの児童生徒の実態や発達段階に適したものを各学校で選曲をしているという状況もございます。
 国旗や国歌につきましては……(「聞いてはらへん」)はい。今申し上げましたように、式歌につきましては各学校の主体性もございますが、先ほど申し上げましたように、このよさをしっかりと伝え、各市町に伝えまして、子供たちが受け継いでいくようなことにつきまして促していくということで、どの程度ふえるかということは、今、予測はできないという状況でございます。
◆3番(有村國俊君) (登壇)本当に教育長、思いをしっかりと言っていただきましてありがとうございました。ぜひ応援しております。よろしくお願いします。
 それでは、次、最後の質問に移ります。学校で学ぶ領土、領海についてです。
 昨年の6月議会で、前教育長は以下述べられました。「領土、領域に関する問題につきまして、学習指導要領あるいは政府見解では、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の北方領土、それから竹島、尖閣諸島が我が国固有の領土であること、これが記述されております。そういう面におきまして、こうしたことについて適切に指導してまいりたい」ということでありました。
 あわせて、日本の領土と領海、これをしっかり理解してもらうために、日本の白地図を学校内に張り出す提案を採用していただきまして、早急に各市町教育委員会へ大型の日本地図を掲げるように指導してくださいました。県立3中学では、職員室の前の掲示板など、生徒が目につきやすい場所に日本地図を掲示してくださいました。
 そこで教育長にお伺いします。これは昨年の取り組みでしたが、本日も、きょうもこの地図は各学校で張り出しておられますか。見取りはできておられますか。あわせて、児童生徒の領土、領海に対する学習成果は上がりましたか。お伺いいたします。
◎教育長(河原恵君) 学校で学ぶ領土、領海についての御質問にお答えいたします。
 まず、地図の学校現場での張り出し等についてですが、地図につきましては、現在、全ての県立学校と9市町の全ての小中学校で常時掲示されております。残りの10市町では常時掲示できていない学校も見られますが、その学校にあっても授業の中で全てが掲示し、固有の領土の位置や領域の範囲を確認できるよう、地図の有効な活用を図っているところでございます。
 また、今年度におきましては、年度当初の校長や市町教育指導担当者の会議において指導をしており、学校訪問時に確認をするなど、これからもその状況の把握に努めてまいります。
 次に、児童生徒の領土、領海に対する学習成果についてでありますが、1つの成果として、今年度滋賀県で開催された近畿ブロック少年少女北方領土研修には、定員を上回る応募があるなど、児童生徒の意識の高まりが見られ、主体的に領土問題を学ぶことができました。学校においても、写真など具体的な資料を活用し、日本の領域をめぐる問題にも触れながら、自分自身の課題として領土問題を考えさせ、領土問題に対する理解を深める授業を行っております。
 今後も学校での指導とともに、県などが取り組む事業に子供たちが参加し、全ての子供たちが領土問題についてさらに理解を深められるように努めてまいります。
◆3番(有村國俊君) (登壇)昨年6月の後、3カ月後に9月に知事に質問しているんですが、知事は以下述べられております。「竹島や尖閣諸島についてですが、いずれも歴史的経緯からして日本の領土であると考えております。一方、社会問題として対立があることは承知しております。そのことはしっかりと現場で指導していただきたいと考えております。現場というのは、これは学校のことなんですけれども」とおっしゃいました。
 さきの我々会派の代表質問で、宇野議員から、今回の平和堂襲撃に対する対応と同様に、中国要人への尖閣ほか種々の問題打開に向けた意向は持っていたのかの問いに対して、知事は以下述べられました。「尖閣諸島をめぐる問題は、申すまでもなく国家間の外交案件であります。トッププロモーションの中で私から申し上げるべきではないと思っておりました。この問題は国の専権事項として、国において適切に対応していただけるよう期待をしております」とのことであります。
 率直な感想なんですが、これはどうしたものかなというふうに思いました。知事は、尖閣諸島をめぐる問題は国家間の外交案件、あるいは国の専権事項と言われたんですけれども、これまで知事が種々と指摘してこられた原子力発電の問題なども国の専権事項があったはずであります。責任と覚悟を持って、批判を恐れずに滋賀県知事としての外交姿勢がまさに問われているのじゃないのかなというふうに思います。
 知事が湖南省へ送った書簡の返事が、先週……。
○副議長(山田和廣君) 有村議員に一言申し上げますが……。
◆3番(有村國俊君) これはちょっと関連しているんですけど。
○副議長(山田和廣君) 分割質問においては、2回目以降の質問、継続していなければなりません、再質問になりますので。その点注意して続行してください。
◆3番(有村國俊君) (登壇)わかりました。はい、注意して。もとに戻りますので。
 もう一度戻ります。湖南省へ知事が送った書簡の返事が先週県庁に届きましたが、その内容を一部紹介いたします。
 「尊敬する嘉田由紀子知事。事件につきまして遺憾の意を表します。湖南省における日系企業および個人の財産と身の安全の保護に努めております。魚釣島とそれに属する島々は、古来より中国の領土であります。最近、我が国各地において大規模な群衆による自発的な抗議デモが多く突発的に発生しているのは、全て日本政府による魚釣島の問題における一連の間違ったやり方と決定が引き起こしたものであります。両国において正常な関係が重大な問題に直面している状況においては、地方間の交流が影響を受けるのは必然であり、私たち両省県の経済と社会発展および人々の生活に損失を与えるでしょう」との旨を、指摘を、湖南省は湖南省なりに主張してまいりました。
 直営部分だけで被害額は約5億円に上って、仮に11月末まで再開できなかった場合、営業上の損失が最大で13億円にも上るとする株式会社平和堂初め、多くの被害を受けたのは我々日本側であるにもかかわらず、何とも悔しい思いであります。
 あわせて、我々会派の代表質問で、目片議員が指摘しましたが、当事者意識なる姿勢が私たちには何よりも大切なことであります。今となってはもう手おくれなんですけれども、滋賀県から湖南省へ送った書簡には、1行であっても毅然として日本の政府の見解を、すなわち尖閣諸島は古来より日本の領土であると明記すべきでありました。外交とはまさに双方にとっても大変厳しい、厳しい厳しいしのぎ合いであるという現実を我々は認識しなければなりません。
 そこで、最後に教育長にお伺いをいたします。
 中国と韓国では、幼いころから領土、領海について学校で教育を受け、みずからの主張を行います。滋賀の児童生徒が、日本政府の見解を知り、日本の領土、領海をきちんと学び、成長すること、もうこれは先送りできません。まさに今がタイムリーですので、早急に学習環境を整えるべきであります。教育長、どうされますか、お伺いします。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 領土問題につきましては、学習指導要領に定められており、小学校、中学校、高等学校とも年間指導計画にしっかりと位置づけて学習しております。まず、小学校では、国土の広がりを学習する中で、国土の範囲とともに領土問題に触れることとしております。中学校においては、領土、領海、経済水域などの意味を理解させるとともに、日本固有の領土が不法に占拠されている問題を解決しようとしていることについて指導しております。また、高等学校においては、地理、歴史、現代社会において、日本固有の領土であることを歴史的な経緯や領土などに関する国際法の意義などを踏まえて指導しております。子供たちの発達段階や経験によって理解度の違いがありますので、全ての子供たちに領土問題を理解させるためには、繰り返し指導をするとともに、時宜を得て新聞記事やニュースも活用しながら指導することが大切であると考えております。
 こういった指導につきましては、現在、既に実施されていますが、今後も機会を捉えて実施するよう指導してまいります。領土と国民と主権があってこそ国家であり、領土について子供たちが学習を積み重ねることは大変重要なことであります。引き続き学習指導要領に基づき、領土問題の学習を着実に進めてまいる所存でございます。
◆3番(有村國俊君) (登壇)終わります。(拍手)
 
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平成24年6月定例会質問

質問内容

  1. 時間外勤務手当について
  2. 滋賀県人会ネットワークとの連携について

議事録

平成24年 6月定例会(第12号~第18号)-06月29日-05号
まず、3番有村國俊君の発言を許します。
◆3番(有村國俊君) (登壇、拍手)おはようございます。それでは直ちに質問に入ります。
 私たち自由民主党滋賀県議会議員団は、抜本的な行財政改革を目指し、それを遂行すべく、今年度より行財政調査会を新たに立ち上げました。本日は、数ある職員手当のうち時間外勤務手当について、全て知事に質問いたします。
 時間外勤務手当等取扱要領は、予算の範囲内で実績に応じた時間外勤務手当を支給することとし、その手続等の取り扱いを定め、もって時間外勤務手当制度の本来的な運用を図ろうとするものであります。
 時間外勤務は、公務のため臨時または緊急の必要がある場合等において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この命令に従って行われるものであり、勤務した時間に対しては、時間外勤務手当が支給されることになっております。
 よって、時間外勤務を命令する権限を有する者は、日ごろから職員の業務の推進状況の把握に努め、適切に時間外勤務を命ずるようにする必要があります。すなわち、時間外勤務の命令は、職員の事務効率の向上、事務能力の向上ならびに職員の健康保持を図り、計画的に努めなければならないわけであります。
 職階ごとの時間外勤務手当の平均単価は、主事級は1時間当たり1,670円、主任主事級は2,210円、主査級は2,730円、副主幹級は2,950円、主幹級は3,230円、課長補佐級は3,430円です。勤務日の深夜は掛ける150%、土日は深夜掛ける160%、一月に60時間を超えた分は、さらに掛ける25%の加算がなされます。例えば課長補佐級で当て込むと、勤務日であれば就業時間外の午後5時15分から6時15分の1時間当たりは3,430円の支給、午後10時から午後11時の1時間当たりは4,116円の支給、土日は1時間当たり3,704円、深夜は4,390円の支給となります。
 これは滋賀県職員の手当の概要のうち、時間外勤務手当として条例規則で定められているものでありますが、知事にお尋ねします。平成23年度の知事部局における時間外勤務の実績と分析ならびに問題として注意すべき事柄をお尋ねいたします。
 労働基本権の代償機能を有する人事院に倣い、県は時間外労働の上限の目安として年間360時間(月平均30時間)を目標に指針を定めております。単純計算ですと月30時間、20日勤務として1日1.5時間です。平成23年度にこの目安時間を超えた職員数は全体の何%に当たりますか。あわせて、時間外勤務が最も多かった職員の時間数と支給額ならびに健康管理はどうなっているのかお尋ねします。
 グループリーダー等は、残業の事前命令に当たって時間外勤務の必要性の確認をより一層徹底するため、新たに時間外を行う理由欄を設け、命令に当たっては理由を記載することとしております。職員の給与の支給等に関する規則の第18条には、時間外勤務命令により勤務を命じられ勤務した時間について支給するとうたわれています。ここ大事なところなんですが、この規則どおり、あらかじめ命じた勤務に従い、職員は残業しているかどうかお伺いします。
 あわせて、モニタリング、時間外勤務の縮減目標と実績のモニタリングをすべきであります。すなわち、あらかじめ設定しておいた計画や目標、指示について、その進捗状況を随時チェックしていますか。計画と結果のチェックをすべきであります。これまでの実態を鑑みると、管理が不十分であったのではないでしょうか。お伺いします。
 厳密に言うと、任命権者は時間外勤務命令の終了時間まで待機しなければ、そもそものモニタリングができているとは言えないと思います。民間では、時間外勤務命令を出した場合には、上司もともに残って仕事の進捗を確認する企業があります。また、タイムカードを導入している東京都、大阪府、奈良県、鳥取県、沖縄県がありますが、本県でのタイムカード導入をいかように考えるかお伺いをします。
 時間外勤務の実態は依然として深刻です。過労死の危険ラインとされる月80時間を超えた職員は、平成23年度は累計何人でしたか。今年度4月、5月は何人いましたか。
 最大の要因は業務量が多いことでありますが、当局管理職の認識や姿勢、指導に問題はありませんか。業務量に見合う職員が十分に配置されていない実態があるのではないでしょうか、お伺いします。
 滋賀県庁の職員(当時25歳)が、入庁3年目の平成16年に自殺しました。42日間の連続出勤や月平均120時間の時間外労働が続いた末、欝病を発症し、自殺したにもかかわらず、公務員版の労災である公務災害が認められなかった問題で、昨年2月28日、東京地裁から自殺と業務の因果関係を認める判決を言い渡されてしまいました。本件について知事はどう感じますか。
 あれから8年たちますが、恒常的な時間外勤務や特定の職員に偏った勤務が改善されていません。取り組む姿勢が甘いのではないでしょうか、お伺いします。
 次に、滋賀県人会ネットワークとの連携について質問をいたします。
 母なる琵琶湖の水を共有した緑を大切に、先人の育んだとうとい教え三方よしの精神を大切に、県外、海外にあっても互助の精神を豊かに、自分の住む地域を大切にし、社会生活になじみ融合するという我がふるさとのオリジナル精神を希求する。これは全国滋賀県人会連合会の目的であります。また、連合会では滋賀県人を、先人いわく、母なる湖を縁にし、地縁血縁という目には見えない糸でつながり、異郷にあって互いに寄り添い助け合う、まとまる知恵を持つ人とうたっています。
 現在、国内47都道府県全てに県人会が設立し、さらにはブラジルを初め海外にも15の県人会があり、今申し上げた目的のもとで、延べ7,000人を超える会員が滋賀県人として誇りを持って活躍されておられます。私は、滋賀県を愛する人が故郷への思いを一つにしてお互いに研さんする、これはすごいことだなと感じております。知事もそう思われませんか。
 ところで、さきの代表質問で我が会派の西村議員が質問の中で指摘されていましたが、知事は現行の行財政改革の方針を変革を先導する県政経営とされ、現に知事みずからがどのように先導する経営を行っておられるのか、私も疑問に思った次第であります。
 行財政改革は経営ですから、民間的な発想でどんどん行政を進めようとするものだと思いますが、できるだけ予算を使わずに行うにはどうすればよいか。県でも予算がない中、職員に知恵と汗を出せと知事は言っておられます。やはり予算がなければ人なんです。人脈なんです。
 これも過去の県人会についての質問で、知事は県人会は県に対して御協力をいただいている団体で感謝していると答弁されました。また、県のブランド推進においても、ブランド向上に一翼を担っていただけるものと期待しているとの答弁が残っております。
 恐らくこの知事の答弁だけでは、職員は動いていないと思います。なぜなら、知事は期待していると言っておられますが、すなわち期待とは予期して待ち構えるだけ、待っているだけではないでしょうか。
 「滋賀ブランドを発信せよ!」、県のホームページにこうあります。今、滋賀県のブランド力ランキングは、前回の38位が29位と上がっていることを紹介されており、住んでいると気づかない魅力をアピールしようと呼びかけています。このフレーズに知事、疑問を持たれませんか。住んでいると気づかない滋賀の魅力、逆に言えば、住んでいないと気づくのが滋賀の魅力ということなんですね。この後には、滋賀・琵琶湖キャンペーンを東京で開催したことも紹介されていました。滋賀に住んでおられないふるさと大使の加藤登紀子さんと知事の対談であります。
 しかし、もっと重要な人を忘れていませんかと申し上げたいです。それが、知事が期待をされていると答弁された県人会の皆さんこそが、滋賀県を知っていて、しかも滋賀県の外からいつも思いを寄せ、滋賀県の魅力を語っていただける方々ではないのでしょうか。滋賀の観光振興、おいしがうれしがの滋賀県産農産物の流通も、7,000名の全国の滋賀県人会の会員、この大きな人的ネットワークを待っているのではなく、積極的に真剣に活用することを考えてはいかがでしょうか。
 企業経営者にとって、特に営業は人的ネットワークの構築のいかんで成績が左右されると言われております。県政を経営すると言っておられる知事として、滋賀県人会のネットワークとの連携についてこれまで何をされてこられ、これから具体的にどのようにされようとお考えか、お伺いします。
 去る4月29日に、東京の武蔵野市に湖国寮が再びオープンしました。県議会からは家森前議長、佐野議長がお祝いに駆けつけました。また、教育長も祝辞を述べておられたと聞いております。
 知事はこの湖国寮について、これからの滋賀を担う人材育成という観点から大変重要であるとされています。当日、知事のこうした思いを生の声で関係者にお伝えしていただきたかったと思うのでありますが、残念ながら知事は所用のため、東京事務所長が代読されたと聞いております。
 そこで改めて、湖国寮の新たな門出に際して、滋賀県知事としての思い、県としての位置づけを伺います。
 知事のふるさと埼玉にも滋賀県人会があります。この埼玉滋賀県人会のホームページに、知事のお姉様の投稿を見つけました。簡単に御紹介しますと、「嘉田は埼玉県本庄市の出身で、現在は兄が実家を継いでおり、私はそのすぐ近くに住んでおります。嘉田を地元から応援しようと、地域の方々と『かだ由紀子を北関東から応援する会』という組織を立ち上げて、たまにはふるさと本庄市で講演会なども行っております。埼玉滋賀県人会の皆様にも参加いただいており、ありがたく感謝しております」とあります。埼玉滋賀県人会も滋賀県を、知事を応援されているのです。このことを十分に踏まえられて質問にお答えいただきますようお願いします。
○議長(佐野高典君) 3番有村國俊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)皆さんおはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
 まず、有村議員の時間外勤務手当についての8項目の御質問にお答えいたします。
 1点目の平成23年度の知事部局における時間外勤務の実績と分析ならびに問題点についてでございます。
 平成23年度の知事部局における時間外勤務、休日勤務の実績は合計で約60万時間であり、職員1人当たりでは月18.8時間でした。これは平成22年度と比べ1.6%の増加となっております。
 平成23年度は、東日本大震災の支援業務ならびに5月の集中豪雨や9月の台風上陸に伴い、水防待機業務が多く発生し、これらで約2万3,000時間の時間外勤務が増加しており、これらを除くと前年度に比べ約1万4,000時間減少となります。
 次に、問題として注視すべき事柄ですが、まずは職員の健康管理でございます。あわせて、職員自身の人件費に係るコスト意識が重要と考えております。所属の管理監督者を中心に、コスト面、健康管理の面からも、全体として時間外勤務縮減を図ることが必要であると考えております。
 次に、2点目の平成23年度に知事部局で年間360時間を超えて時間外勤務を行った職員についてです。
 こうした職員は585名あり、知事部局の時間外勤務手当対象職員の22%に当たります。かなり多い数字であると、私自身も深刻に受けとめております。
 このうち最も時間外勤務が多かった職員の時間数は、年間1,569時間です。時間外勤務手当の支給額は約470万円でした。これは職員の健康管理の面からも非常に心配な時間数であります。この職員の健康管理につきましては、所属において適切に休憩時間を確保するよう指導するとともに、産業医による面談を行い、また生活指導や健康相談を行うようにしております。
 3点目の事前の命令についてですが、時間外勤務手当等取扱要領では、やむを得ず時間外勤務を必要とする場合は、事前に上司がその内容を精査の上、勤務させることとなっております。この取り扱いを徹底するため、時間外勤務等事前承認簿を作成し、用務の内容や時間外勤務を行わなければならない理由を記入することにしております。
 4点目の時間外勤務の縮減目標と実績のモニタリングについてであります。
 縮減目標につきましては、これまでから毎年度、所属の管理監督員が職員の仕事の内容を把握の上、作成し、縮減に取り組んでまいりました。今年度は、よりきめ細やかな実績管理を行うように、総務部人事課が中心となって取り組みを行っております。
 次に、5点目の質問のうち、まず、時間外勤務時に上司がともに残ってモニタリングするべしとの御意見でございます。
 時間外勤務は、基本的には事前に上司が精査した上で行うものであります。また、事後においても実績確認をしているところでございます。
 次に、タイムカードの導入ですが、その導入により、職員の正確な出退勤時間の記録管理が可能になると考えますが、その整備には相当の費用を要すること、また、このタイムカードの導入により、時間外勤務の縮減に直接つながらないことがあるなど、他府県の事例も見ながら課題もあると認識をしております。まずは時間内に効率よく仕事を進められるよう、朝礼や終礼の実施などによって上司が職員の業務を把握し、職場全体で適正な事務分担や計画的な業務執行を図っていくことが大切であると考えております。
 6点目の時間外勤務が月80時間を超えた職員の人数についてであります。
 平成23年度は延べで12カ月で685名、平成24年度の4月が42名、5月が46名となっております。
 7点目の当局管理職の認識、人員配置についてであります。
 時間外勤務を縮減するためには、管理職員の指導力が大変重要であると考えております。課員の業務の進捗を把握し、柔軟にグループ間の人員配置の調整を行い、業務分担の見直しを行うように周知しております。
 また、人員配置につきましては、本県は全国でも4番目に少ない職員数となっている大変厳しい定数事情にありながらも、時間外勤務の多い職場については重点的な人員配置に努めてきたところであります。
 次に、8点目の公務災害認定と時間外勤務の縮減についてであります。
 平成16年に、議員御指摘のように入庁3年目の職員が自殺をし、公務災害の認定について裁判で争われました。知事として、前途ある若者を失ってしまったことは非常に残念に思っております。親御さんにも、その気持ちはお手紙で直接伝えさせていただきました。
 今後、これまで以上に各所属の健康管理に取り組み、時間外勤務が特定の職員に偏ることがないよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、滋賀県人会のネットワークとの連携についての2点の御質問にお答えいたします。
 まず、県人会のネットワーク連携の内容でございます。
 全国滋賀県人会連合会は、国内外にある71の滋賀県人会の連合体として、滋賀県にゆかりのある方たちが自主的にお集まりいただいたネットワーク組織であります。ふるさと滋賀のきずなで結ばれた方々の活動を支援しておられるだけでなく、これまで県の事業に対してもさまざまな形での御協力をいただいており、深く感謝を申し上げているところでございます。
 これまで連携してきた事業は数多くありますが、例えば企業誘致を目的とする県外でのびわこ立地フォーラム、また、毎年東京で実施しております物産展「大近江展」の開催、さらには、首都圏で活躍している滋賀県ゆかりの方々の親睦と交流を目的とした昨年の淡海の人大交流会の実施などに当たり、会員の皆様へのPRで御協力いただくなど、連携を図っていただいております。私自身も、びわこ立地フォーラム、大近江展またこの淡海の人大交流会に直接参加をさせていただき、県人会の皆様にお礼を申し上げているところでございます。
 今後については、予算がなければ人との議員の御指摘のとおり、県人会の人的なネットワークという強みを発揮していただけるよう、連携をさせていただければと考えております。
 次に、2点目の湖国寮の新たな門出に際しての思いと県の位置づけでございます。
 湖国寮は、昭和29年に既存の民家を買い上げて始まり、半世紀以上の長きにわたり、首都圏で学ぶ若者たちを支えてこられました。多感な年にふるさと滋賀を離れ東京で生活するのは、どんなに心細く大変だったかと思いますが、湖国寮があることで寮生は勉学に励み、あるいは悩み事の相談など、互いに切磋琢磨して成長できたと思います。また、親御さんも安心して子供を送り出せたと思っております。
 現在、ここで学び育った多くの卒寮生の方々が各界で活躍されておられる姿を見て、大変誇りに感じております。議員御指摘のように、私も埼玉から1人京都の大学に出て、大変心細かったという記憶があります。湖国寮の役割というのはそれだけ強かった、大きかったと認識をしております。
 本年4月に新湖国寮として新たに出発されたものですが、あいにく私自身県内の公務のため、落成式には出席できませんでした。私の思いはメッセージに託したところであります。ここに至るまでの湖国協会と滋賀県人会の皆様方の大変な御尽力、御協力に対して、深く感謝を申し上げます。
 新しい湖国寮では、新たにそれまで男子だけだったところに女子を受け入れたり、また、全国の滋賀県人会から推薦された学生なども受け入れると聞いております。新しい出会いが生まれることで、新しい滋賀県人が世に輩出されることを期待をしております。
 これから学生生活を湖国寮で送る若い人たちには、ぜひ滋賀の先人たちが長い歴史の中で豊かな文化や暮らしの知恵を育んでこられた、そうした近江の心を身につけていただき、未来につなげていただきたいと願っております。
 湖国寮は、次代の日本また世界を担う志ある若者の寮舎であるだけでなく、今後、滋賀県人を初め人々の交流と研さんの場として、湖国協会のお力でさらに発展することを強く願っております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)時間外勤務手当について再問をいたします。
 職員が長時間労働を続けることで、健康面に悪影響を及ぼすこと、家庭が犠牲になること、またルーチンワークに追われ、新たな政策を生み出す余裕がなくなることなどが課題として挙げられます。言葉は悪いんですが、時間外勤務に係る先ほどの知事の答弁は、当事者としてさほど意識を感じることができないなというふうに思いました。
 緊縮財政の中ですね、昨年度の時間外勤務手当支給額は、御承知のとおり、知事部局だけで約17億円支給されています。時間外勤務手当とは、そもそも公務のため臨時または緊急性の必要がある場合にのみ命じることができるものであるということを改めて留意して、勤務時間内に業務を終了し、終えることができるよう職員を指導するとともに、恒常的な、または漫然とした時間外勤務が生じることがないよう、所要の処置を講じるように努めることと定めています。
 先ほど知事の答弁で、昨年度最も時間外勤務が多かった職員の時間数は年間1,569時間であり、時間外勤務手当支給額は約470万円であったとお答えになってます。年間1,569時間は、月平均ですと130時間もの時間外勤務です。130時間です。約470万円の支給は、月平均ですと約40万円。本給と別にですね、これは。月40万円の時間外手当。これを大きな問題として捉えておられるのか、知事は当事者意識をどのようにお持ちであるかお伺いします。
 それと、この驚異的な時間と支給額は、先ほどの答弁どおり、管理監督者による業務命令に基づいて職員が遂行したものであります。職員個人の責任ではありません。これは言わずもがな、管理監督者の指導に起因しているものであり、管理監督者を管理する知事の指導に問題はなかったかお答えください。
 滋賀県庁の職員が入庁3年目の平成16年に自殺し、ようやく昨年判決が出て、本件についてどう感じるかをお答えいただきました。
 前途ある若者を失ってしまったことは非常に残念に思っていますとお答えになり、あわせて、時間外勤務が特定の職員に偏ることがないよう努めてまいりたいというような趣旨のお気持ちだと思いますが、亡くなった方の親御さんにお手紙を出されたというのも、これはいつのことなのかお聞きしてみたいなというふうに思ったんですけれども、それは結構です。
 あれから8年たちますけれども、恒常的に特定の職員に時間外勤務が偏っています。国の認める過労死の危険ラインとされる月80時間の時間外勤務を行った人は、昨年度延べ685人、今年度4月42人、先月は46人、ふえてます。早急に対策とらずして大丈夫ですか。お伺いします。
 当事者意識が肝要であります。知事は平成24年度の時間外勤務の縮減をどのように実践していくのか、具体策と目標があればお示しをいただきたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) 有村議員の3問の再質問にお答えさせていただきます。
 まず、1問目の管理監督者を管理する知事の指導に問題はないのかとの御質問でございます。
 時間外勤務を行う場合は、管理監督者が事前に時間外勤務命令を行い、職員はこの勤務命令に基づき業務を行っております。
 議員御指摘のとおり、時間外勤務を縮減するためには、管理監督者の指導力が重要と考えております。各所属において課員の健康を管理し、同時に課員が人件費というコスト意識を持って効率的に仕事に取り組む環境ができるよう、指導力を発揮するように徹底していきたいと考えております。
 次に、2点目の過労死の危険ラインとされる月80時間を超える時間外勤務者の人数が多いということで、早急に対策をとらなくて大丈夫かとの御質問でございます。
 私自身も、この人数の多さ、また時間の多さ、大変重く受けとめております。その生活状況など、個々の職員について産業医が面談を行い、生活指導等を行っております。
 また、各所属の管理監督者は、職員の時間外勤務の長時間に及ぶ場合は、まず適切に休憩時間を確保するように指導すること、これが1点目です。2点目には、時間外勤務の多い月が連続しないように事務分掌の見直しなどを行います。3点目は、人件費自身がコストであるというコスト意識を持って、効率的に仕事を行うよう指導を行ってまいります。引き続き職員の健康管理には十分に注意を払っていきたいと考えております。
 3点目の具体的な平成24年度の時間外勤務の縮減の具体策と目標でございます。
 24年度当初予算において、知事部局等の時間外勤務手当の予算額は、昨年度当初予算と比べ約1割、1億6,000万円の減額をいたしました。
 時間外勤務を縮減するためにさまざまな取り組みを行っておりまして、具体的にはまず、定時退庁日を設け、そしてその定時退庁日をさらに追加すること、また、その実施率の向上に努めております。これは徐々に効果があらわれております。
 また、勤務時間の弾力的な運用を開始しておりまして、例えば夜間に地元との打ち合わせがある場合、これは地元の時間に合わせなければいけません。その場合には遅出の勤務を可能としたりということで、既に農業農村振興事務所や土木事務所などで実施しております。また、週休日、土日曜日の振りかえでは、水防待機や雪寒待機の業務も振りかえ業務対象に拡大をしております。
 その他人事課が中心となりまして、先ほど来申し上げております人件費そのものがコストであるというコスト面、効率性、同時に健康管理の面からも、全体として時間外勤務の縮減を図る取り組みを進めております。今年度の4月、5月の実績は、昨年度と比べて約2割の削減を達成しております。今後も今までの取り組みを継続し、さらに時間外勤務の縮減に努めてまいりたいと考えております。
 それから、あと1点、知事自身が当事者意識を持っているのかとの御質問もあったわけでございます。申しわけございません、前後いたしました。
 私自身、先ほど来申し上げておりますように、健康面またコスト面それから能率面、全てのところで管理者として当事者意識を持ちながら、それぞれの部次長また課長含めてこの部分、徹底していきたいと思っております。
 また、その中で具体的には、特に財務関係での時間外が多いということなどもございまして、新財務会計システムの構築などにより業務の効率化に取り組むということで、今年度新たに始めることとしております。
 特定の職員に時間外勤務が偏ることのないよう、業務の割り振りまた仕事の進捗を管理し、業務量が平準化されるよう工夫することが必要と考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)今、知事にお伺いしたことは、いつから始めたことなのかなと、今の具体策ですね。いわゆる去年の残業実績、おととしの残業実績っていうのを考えると、去年は確かに震災とかいろんなことがあったんで、当初予算から10%アップしました。約17億円。もともと震災関係で時間外勤務の手当額が上がるっていうのは、被災地の県の人たちのことを鑑みれば、ボランティアでみんな頑張ってる中で、しかし、それは法律上決まってることなんでしようがないんですけれども、それはともかくとして、去年から10%上がった17億円、トータルですね。それは補正予算で我々県議会が認めております。去年、平成23年度の当初は約14.6億円でしたね。それが10%上がった。延べ時間が51万6,000時間、20日勤務として1日16時間ですね。これは1日当たりにすると48分です。これは去年度の当初予算です。
 それに対してことしの予算を見ると、約10%カットということを知事のほうで決断されたからこうなったんでしょう。10%、約13.2億、時間数にして46万7,422時間、20日勤務として15時間です。1日45分。10%下げる、これ、知事部局だけの2,600人対象にして言ってますけども、3分カットです。毎日残業したとして45分。去年の48分を45分にした。だから、例えば私もちょっと時間があったんで計算機でいろいろはじいてみたんですけれども、10%カットぐらい、1日わずか3分、月にしてわずか、どうですか、1時間カット。そんなもんで滋賀県の行財政改革と言えるのかどうか。それこそリーダーとしての知事のその姿勢が問題だと思います。
 この残業というのは、そもそも人事課が旗振ったってなかなか、職員さんはその目的意識というのをしっかりと認識してくださるとは思いますけれども、やっぱり嘉田知事みずからが指示を出して、残業そのものについて見直しをみんなに号令をかけるというような姿勢をしないことにはだめだと思っておりますので、今の初問に対する知事の答え方というのが、いま一つやるぞという気概が見えないというふうに思います。
 ですから、その辺のところも含めて再度お伺いしたいのと、具体的に一体どういうアクションを起こすんだということもお聞きしたいと思います。お願いします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 今回こうして議会で取り上げていただき、このやりとりはほぼ全職員が聞いてくれていると思います。そういう中で私自身が、まず健康面、コスト面そして県民の皆さんに説明のつく勤務状況ということ、公僕として第1に重要なところでございます。本日ここでまず、時間外勤務手当をできるだけ減らすということで宣言をさせていただきますし、この後、具体的に職員談話などでもお話をさせていただき、折に触れて、姿勢を示していきたいと思っております。御指摘どうもありがとうございました。
◆3番(有村國俊君) (登壇)そうですね。知事、これ、先ほども申し上げましたけれども、滋賀県庁で約8年前に自殺をされて、それから恒常的に改革がなされてないと。翌年からすぐたちまちにやるべきだったと思いますけれども、知事就任以後もどうだったのかなっていうことを考えると、今、発言おっしゃったのは、それこそ時間を戻しますと、もっと前にそのことを意識してやってれば、この時間外勤務手当の予算そのものががさっと下がるっていうことができたと思うんですよね。
 これは、例えば時間外勤務手当を5割にみんな縮減頑張ろうよというふうに言ったら、約7億円削減できるんですね。7億円、これ、でかいんですよ。本給と別に時間外勤務手当っていう、時間外勤務というのはやっちゃいけないと、やっちゃいけないんだと。やることは悪くないんです。でも、やっちゃいけないんだと、時間内でみんな効率的にやろうよというような姿勢がなけりゃ、意識改革をしなけりゃ絶対無理です。口先で言ってたって無理なんです。
 だから知事は、きょうは金曜日ですね。金曜日、まだ時間あります。来週月曜日は7月がスタートします。そしたらもう来週の月曜日から、徹底的にその時間縮減をやるんだというような姿勢を示していただきたいと思います。それこそが滋賀県のリーダーとしての力を発揮する、そういったことを目指すべきでしょうというふうに思っております。
 たちまち早速にやってくださるということなので、その成果をまたウオッチさせていただきたいと思いますし、神奈川県の松沢前知事、御存じだと思うんですけれども、彼は時間外勤務ゼロ革命をみずから宣言し、実践しました。時間外勤務縮減の取り組みにはトップの強い意志が必要だということでした。幾ら先ほど申し上げたように人事課が声を張り上げても、なかなか思うような解決はできない。ということで、当時の松沢知事みずから残業ゼロ宣言をしたことが大きいと思います。かなめは取り組む意欲であり、姿勢の問題であります。努力目標的なものから脱却して、全ての仕事の仕方をゼロベースから組み立てる、見直していくべきです。
 例えば水防の待機体制は本当にこのままでいいのかなと。健康面での安全性と仕事面での効率的を向上させるためには具体的にどうするか。この際、時間外勤務縮減担当部署を知事部局に設置すべきと考えます。効率的に時間外勤務を縮減するための核心により踏み込んで、効率的な仕事環境、時間外勤務の縮減、職員に人間らしい生活をしてもらい県庁を活性化させるためには、知事の意識改革が不可欠です。
 よくこの時間外勤務については、民間企業を参考にしたりとか我々こう考えがちなんですけれども、民間企業に我々滋賀県庁が模範を示さないとどうすんだというふうな思いを私は持っております。民間企業に倣えじゃなくて、我々が民間企業に、例えば時間外勤務手当はこうやって減らす努力ができるんだと、それぐらいの模範となるべきだと私は思っております。
 行財政調査会、我々自由民主党の滋賀県議会議員団は行財政調査会を立ち上げましたと先ほど申し上げました。こういった時間外勤務手当も引き続き鋭意検討を行って、掘り下げて課題を見つけて、その改革のために頑張っていきたいなというふうに思っております。
 以上で今回は終わらせていただきます。(拍手)
 
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平成24年2月定例会質問

質問内容

  1. 全国学力テストについて
  2. 情報技術を活用した地域医療連携について
  3. 道州制について

議事録

 
平成24年 2月定例会(第1号~第9号)-02月24日-03号
3番有村國俊君の発言を許します。
◆3番(有村國俊君) (登壇、拍手)それでは、早速質問に入ります。
 全国学力テストについて、調査結果の公表をめぐる議論が話題を呼んでおります。文科省は、調査が学校の序列化、過度の競争につながるのを防ぐために、実施要領で、1、数値の公表に当たっては、数値だけでなく、数値の解釈もあわせて提供すること、2、都道府県教育委員会が個々の市町村名、学校名を明らかにした公表を行わないこと、3、市町村教育委員会が個々の学校名を明らかにした公表は行わないこと等を定めております。それに対して、知事や教育委員会の中には、地域と情報を共有して、連携して教育改善に取り組むために、調査結果の公表は必要とする意見があります。また、情報公開請求があった場合、文科省の実施要領は、調査結果の開示を阻む法的根拠になり得ないとの指摘もあります。
 大阪府では、情報公開請求に対し、府内43市町村のうち自主的に公表を決めていた35市町村に限定して、知事が各市町村名と平均正答率を開示いたしました。また、秋田県では、知事が独自の判断で全25市町村の市町村名と科目別平均正答率をホームページで公開をいたしました。鳥取県では、学校別調査などの開示を想定して、情報公開条例の改正が行われ、平成21年度調査から開示することとされました。
 このように、全国学力調査の結果公表において、文科省の実施要領は違うんじゃないかと私は思っております。そこで、学力テストのそもそもの趣旨にかんがみ、結果は公表すべきと私は考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。
○議長(家森茂樹君) 3番有村國俊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎教育長(末松史彦君) (登壇)有村議員の最初の御質問にお答えいたします。
 調査結果の公表についてでありますが、学力調査の目的は、全国的な子供たちの学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることとともに、学校における教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることをとらえております。このことから、教育施策や教育指導の改善が重要であり、序列化につながる結果の公表は、調査の趣旨になじまないものであると考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)そもそも論なんですけれども、学力が低いのは子供のせいにしてはいけませんと私は常々思っております。平成19年度から平成22年度まで4回の全国学力テストの結果、本県のランキングは47都道府県中何位であるか調べました。平成19年、小学校で38位、中学校で42位、平成20年、小学校で41位、中学校で35位、平成21年は小学校で43位、中学校で27位、平成22年度は、民主党政府による抽出方式ですので、参考になりません。小学校で36位、中学校で25位でした。
 教育長、これらの成績結果を踏まえて、どのような感想をお持ちでしょうか。お聞かせください。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 平成22年度の調査結果で言いますと、小・中学校ともにほぼ全国並みと考えております。これまで課題となっておりました小学校国語については、改善された状況が見られ、中学校の数学については全国平均を上回っております。また、計画的に学習に取り組む子供たちがふえてくるなど、学習意欲についてもよい傾向が見られております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)また後ほど申し上げますけども、平成22年度は抽出方式で、余り参考にならないので、その辺のところはよろしくお願いします。
 一方、知事に御質問したいんですけれども、「住み心地日本一の滋賀」を目指していらっしゃいます。学力日本一の滋賀は目指しておられるのかどうかお伺いします。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)お答えさせていただきます。
 これからの滋賀を担う子供たちに必要な力は、知識や理解など国語、算数、学力テストではかれる力、もちろん重要ですが、それにプラスして、生きていく上での基本的な力、問題解決能力であるとか、生きる力も必要だと思っております。そして、子供たちのその総合的な力は、学校だけではなく、地域社会、家族全体でつけられるものだと思っております。そのような意味で、子供が総合的な力をつけられるよう、私は県の教育の目標にしていきたいと思っております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)当然私もそのように思っておりまして、でも、質問の趣旨としては、学力日本一の滋賀を目指していらっしゃるかどうかということだったと思うので、教育長に再度お伺いします。学力日本一の滋賀を目指していらっしゃるかどうか、イエスかノーかでお答えください。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 私は、子供たちに時代の変化に対応しつつ、みずから課題を見つけ、みずから考え、主体的に判断し、行動し、未来を切り開いていく力を身につけることが必要であるというふうに考えております。もちろん学力調査の結果を活用するなどを通した学力の向上は必要であると捉えておりますが、さらに学力を含めたより広い生きる力が大切であると認識しております。
 そういったことから、学力日本一を目指すというよりも、このような力は、学校教育はもちろんのこと、家庭や地域など社会全体でしっかりと育てていきたいというふうに考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)イエスかノーかで答えていただきたかったので、当然教育長としてはイエスだという一言に尽きるべきだというふうに私は思っております。
 知事のおっしゃるように、「住み心地日本一の滋賀」を目指すのであれば、これは教育も経済も、そうですね、環境もすべてにおいて、あらゆるアイテムが日本一じゃないと、住み心地日本一にはなり得ないというふうに思っているので、ぜひその辺のところを御認識をいただきたいなというふうに思っております。個人的意見も入っているんですけれども、私本気でそう思っています。
 続いて、学力テストの結果について、公開が必要であるという立場には2つの異なる考え方があると言われております。1つは、結果の公表による適度な競争が学力の向上につながるという考え方であり、もう1つの考え方は、地域や住民と連携した教育の推進のためには、地域や家庭に説明責任を果たして、情報を共有することが必要とする考え方です。
 耳塚寛明お茶の水女子大学教授は、市町村が説明責任を果たすことの重要性を次のように指摘をされていらっしゃいます。文科省の実施要領の非公表を前提とした記述は、教育委員会や学校が果たすべき説明責任の重要性までも否定していると解されかねないと。あわせて、地域や保護者と連携して教育政策を推進するためには、市町村教育委員会や学校が地域住民や保護者への説明責任を果たす必要があると指摘されています。この指摘について、教育長の御見解をお聞かせください。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 文部科学省からの結果の取り扱いおよび調査結果等の活用についての通知には、教育委員会や学校は、保護者や地域住民に対して、域内の教育および当該学校の状況について説明責任を有していることが明記されております。
 したがいまして、学校が調査結果を踏まえて子供たちや保護者に学習状況や改善方策を説明し、理解を得ていくことや、市町教育委員会が調査結果を活用し、教育施策の充実に向け計画的で継続的な取り組みを進め、学校教育の充実を図っていくことなどについて、さまざまな機会をとらえて説明していくことが説明責任を果たすことにつながるものと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)そうですね。私は、この全国学力テストの実施は必要であるというふうに思っておりますし、当然公表もすべきというふうに思っております。例えば部活動、スポーツですね。あるいは、音楽だとかそういった文科系の活動もあろうかと思います。その部活動においては、市内や県の大会において順位が決まるのに、学力に関しては順位をできるだけ秘密にするとか、順位をつけることに否定的なのであります。順位をつけなければ競争も生まれないし、過当競争の心配ですとか地域間格差の問題は、あくまでそれは子供たちの問題ではなくて、それは教育の先生としての倫理観や保護者のマターであるというふうに私は思っております。教育の本道を忘れてはならないというふうに思っております。教育長もそのように思われませんでしょうか。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 学力調査の本来の意味するところは、調査結果を学校における子供たちへの教育指導の充実やら学習状況の改善等に役立てることでございます。具体的には、調査結果を分析し、学校の取り組みの強みと弱みをはっきりさせ、強みを伸ばし、弱みを克服するために活用することにより、こういったことは順位を競うことによって果たせることではないというふうに考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)結局、この成績の順位だとかそういったことがわかることによって、その学校に教える教師の方の派遣ですとか、そういったところもきちっとでこぼこをつけることなく、平準的に滋賀県の底上げが図れるというふうに思っているわけですし、そしてまた、そこに住んでいらっしゃる保護者の方も、では、この地域の学校は今どんなレベルなのかなということを知ることによって、そして、そこで課題を見つけることによって、学校も保護者も底上げを図ることができる、結果として、滋賀県のレベルをアップすることができるというふうに思っているので、そういう考えもぜひ持っていただければなというふうに思っております。
 そもそもこのような全国規模のテストがあって、順位を教えないというのは、本当にこれせっかくの機会が台なしな気がいたします。テストで順位をつけるのはおかしいという人がいますけれども、結局、先ほども話がありましたけれども、高校入試、大学あるいは専門学校、あるいは就職試験などで、進学するとき、あるいは就職するときに順位が大変重要になってまいります。それが早いか遅いかで、子供としては自分の学力を客観的に知って、間違いを知って、正解を導く力を得て、学力の向上を図っていかなければならないというふうに思います。だから、自分を鍛え磨くアイテムとして学力テストを大いに本人たちも活用するべきじゃないんでしょうか。教育長、再度お伺いをさせていただきます。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、学力調査の結果をもとに子供たちがみずからの学力について理解し、課題を持ち、力を高めていくことは、確かな学力を身につける上で大切であると考えております。調査を受けた子供たちに対しては、国から結果や学習状況を記載した個表が配付されておりまして、活用を図っているところでもございます。また、県教育委員会といたしましては、学力調査の結果から、自分の強みや弱みをより具体的に理解できる個表作成ソフトのパーソナルコンパスを開発して、子供たちに個々の学習状況の改善につながるよう活用に努めております。このソフトについては、学校から子供たちの学習状況の分析、また、保護者への説明等に活用して、学習や生活の振り返りに役立てることができるという報告も受けておるところであります。
◆3番(有村國俊君) (登壇)わかりました。先ほど申し上げましたように、全国学力テストの4回目、すなわち平成22年度は、民主党政権の方針で全員調査を中止されたんですね。全小・中学校の約30%を抽出する方式で行われまして、約1万校の小学6年生、中学3年生の計74万人が対象になって、抽出化によって都道府県別の平均正答率は1から2%程度の幅で数字が示されて、正確な順位があらわせなくなりました。また、抽出調査となったことで、市町村別の学校別のデータの比較ができなくなってしまって、平均正答率の低い自治体に、先ほど申し上げたように、教員を重点的に配置したり、学校ごとに対策を講じたりというようなきめ細やかな指導が行えなくなったという指摘がありますが、教育長にお聞きしようと思っていたんですけれども、このことは私から指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
 続いて、実は、この結果公表については、ほとんどの教育委員会、あるいは、そういった組織は、反対であるのに対して、ほとんどの保護者は賛成だそうです。70%という圧倒的な結果が示されていまして、その認識の違いが浮き彫りになっています。70%の保護者が学校ごとの結果を公表すべきだと考える主な理由は、3点ありまして、まず1点目、学力を向上させるのはまず学校の責務だから、あるいは、学校ごとの結果は学校選択のための基本情報の一つとして大事だから、加えて、説明責任を果たすために公表するのは当然だからでございます。明らかにほとんどの教育委員会の見解とは別の保護者の見解が出ています。教育長は、そのことに対して、どう判断されますか。お伺いします。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 先ほどもお答えしましたとおり、この調査の目的は、教育施策やら教育指導の改善であり、調査を活用して学校の強み、弱みを明らかにし、学校の教育活動の充実を図っていることを保護者にしっかりと説明することで、理解を求めていきたいというふうに考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)保護者に説明するためには、そのデータがないことには説明ができません。ですから、その辺のところは、また今後しっかりと煮詰めていただければなというふうに思います。世の中は、世界じゅうとの競争社会になっていると思います。過度な競争という以上に、職場にいる親たちも社会で戦っています。子供のときから競争を理解するといった、そういったものを醸成しなければ、社会に出たときに負けてしまいます。だからこそ競争力を養うことは非常に重要なことだと思います。全国学力テストの実施は、点数主義を生むんだという危惧は、それはあくまでも教師や学校側の心配ですから、問題の本質の的を射ていないと思っています。そういう風潮を助長することは、教育を受けるべき子供の問題ではありません。どんな制度であれ、いろいろと問題が出てくることは当然だと思いますので、滋賀県としても学力テストの本質をきわめて、学力テストのあり方について検証して、文科省に対し、滋賀県案を提案すべきであります。教育長、やっていただけそうでしょうか。
◎教育長(末松史彦君) お答えいたします。
 本県では、学力調査を活用した教育指導の改善として、文部科学省の事業や県独自の事業などに取り組んでまいりました。言語力アップ推進事業の指定校では、国語の授業で文章を読む力や、話したり、書いたりする力が伸びたり、学習への意欲が高まったりするなどの成果が見られております。
 これらの取り組みを成果としてまとめ、文科省へも報告しており、全国からも評価されているところでもございます。今後とも学力調査の目的に資するよう研究してまいりたいというふうに考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)本県の教育政策の立案力、あるいは、学力日本一の滋賀ということを目指して、具体的な学力向上策というものをしっかり教育委員会でぜひかんかんがくがくやっていきながら案を、また方向性を出していただきたいということをお願い申し上げます。
 次の情報技術を活用した地域医療連携についてですが、2010年9月、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部では、新成長戦略に盛り込まれたどこでもMY病院構想や、シームレスなど地域連携医療の実現に向けて、医療情報化に関するタスクフォースを設置されました。中でも、どこでもMY病院の趣旨は、全国どこでも過去の診療情報に基づいた医療を受けられるとともに、個人が健康管理に取り組める環境を実現するため、国民がみずからの医療、健康情報を電子的に管理、活用するための全国レベルの情報提供サービスを創出するものであります。
 このため、第1段階として、個人がみずからに対する調剤情報等を電子的に管理する仕組みを実現するというもので、要は一人一人が疾病経歴、健康情報、調剤情報などを電子化し、それらを簡単に本人が閲覧できるようにすることであります。
 その構想を具現化すべく先進的な取り組みが行われている地域が京都、宇治、城陽市、久御山町の地域です。2008年10月から地域住民に無償で提供している個人向け健康管理サービスが地域共通診察券であり、また、ICカード機能であるポケットカルテを利用することによって、簡単に自分の検査履歴、医療機関から提供される正しい医療情報を自身で管理することができるというものであります。この地域共通診察券やポケットカルテを利用することよって、その地域の住民は、1枚の地域共通診察券で地域内の対応医療機関であればどこでも共通診察券として利用することができ、医療機関によって異なる何枚もの診察券を持ち歩く必要がなくなるものであり、なおかつ、ICT機能により、薬手帳や医療費明細書、さまざまな検査結果などを簡単にかつ安全に管理できることから、健康管理が容易に実現するものであるというものであります。
 本県では、情報技術を活用しての医療地域連携は余り進んでいない印象ですが、地域医療にかかわる関係機関の積極的な取り組みの観点から、当然必要なので、県としてどのような役割を果たしていきたいか、健康福祉部長にお伺いします。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)情報技術を活用した地域医療連携について、県はどのような役割を果たすかについてですが、情報技術を活用した地域医療連携は今後の地域医療を支える重要なツールと考えております。連携方法には、議員の御質問にもあります、患者個人が情報を利用する場合と、例えば急性期病院の患者カルテ情報を回復期病院や診療所で閲覧できるようにし、スムーズな退院調整につなげるなど、医療機関の間での情報技術の活用があると考えています。
 いずれの活用にしましても、まずはインフラとなるインターネット専用回線などの整備が必要となります。インフラ整備に当たりましては、だれもが使いやすいものを、より安く、継続的に使えるようにしていく必要があり、こうした視点から、将来ビジョンやその具体化に向けて進めていくことが県の役割であると考えております。
 また、病院や医師会など関係機関で構成する検討会議を設置しており、統一的なシステムづくりについての必要な調整を行うことも県の役割と考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)どこでもMY病院で検討されている内容から、利用者のメリットとして次の場面が想定できます。そういったことがどこでもMY病院のかぎというふうになると思っています。日常生活での健康管理として、個人で毎日の運動量とか体重を記録しなくても、携帯電話某社のテレビCMのように、携帯電話などが食べ過ぎなどを教えてくれるので健康管理がしやすくなります。医療機関や薬局では、医師や薬剤師に過去の病気だとか治療内容――処方を含むなんですけども――を説明しなくても、自分に合った治療、投薬を受けやすくなって、余分な検査だとか投薬を防止することができると。急に倒れて意識がなくなった場合には、救急処置に必要な情報――既往歴ですとか、服用、服薬、投薬、いろんな薬の歴ですね――を救急隊ですとか医療機関が把握できるため、適切な治療を受けやすくなって、結果的に救命率が改善するというようなことで、今後県はこういった取り組みを行っていかれたほうがいいし、いくべきじゃないかなというふうに思っております。再度、健康福祉部長にお伺いします。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えをいたします。
 今後の県の取り組みについてでございますが、地域医療における情報技術の活用は、患者にとっては質の高い安心した医療を受けられ、また、限られた医療資源の有効活用も図れることから、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 現在、県においては、病院から在宅までの切れ目のない連携を図るため、患者にかかわる多くの医療福祉関係者が情報を共有できるシステムの構築や、また、地域の病院と拠点病院をネットワークでつなぎ、画像送信によるがんの病理診断が可能となる仕組みなどについて検討を進めているところでもございます。
 有村議員の御質問にもあるどこでもMY病院のように、患者個人が医療健康情報を保有することは、みずからの健康づくり、疾病予防の効果に期待ができ、医療費適正の観点からも今後ますます重要になってくると思っております。
 今後、セキュリティー対策を含めた患者家族の理解や、特にシステム導入、維持管理に要する費用について、公費負担、事業者負担、利用者負担をどのように考えるかなどの整理すべき課題もありますが、国の検討経過や他府県で行われているモデル事業の検証結果、また、有村議員から御提案いただきました内容も含めた研究を進め、県としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)情報技術を活用して、地域医療の連携を図るように、そういった取り組みを健康福祉部の施策として、ぜひ期待をしたいなというふうに思います。
 3点目の、次の道州制に移らせていただきます。
 成熟社会を迎えて、量的な拡大よりも質的な充実に対する住民ニーズが高まる中で、個性豊かで活力に満ちた地域を創造して、我が国の一層の発展を図っていくためには、現在の硬直した画一的な中央集権型システムを改めて、自己決定、自己責任の原則のもと、地方が真に自立した地方分権型の行政システムを確立することが求められております。
 現在の社会状況を見ますと、県境を越えて進む生活圏、経済圏の拡大、あるいは経済のグローバル化、あるいは、地域特性を生かした自主的、自立的な行政経営の推進、そして、フルセット主義、フルバージョンですとか、そういった主義からの脱却、行政の効率化に対応することが課題であります。これらの課題に対応するため、私は、道州制を導入すべきというふうに考えております。
 国と地方自治体双方のあり方を同時、一体的に抜本的に見直して、国から地方への事務、権限の移譲を実現して、分権型社会における広域自治体に必要な要件を満たす新たな地方制度として、道州制を必然的に推進しなければならない。
 全国知事会では、道州制議論において、まさに当時者として、さまざまな課題について検討を加えながら、真摯に議論を重ね、最も積極的に提案していかなければならない立場にあります。
 先般の大野議員の代表質問の中で、知事は、道州制そのものがどういう組織であるのか、道州制の中身がどういうものであるか、まだ十分議論が煮詰まっていないと思っておりますと御答弁されています。
 道州制の形については、さまざまな意見があることは承知しております。総じて道州制のメリットとして、国は本来果たすべき役割を重点的に担って、内政に関しては広く地方公共団体が担うことを基本とする新しい政府像の構築が可能となること、あるいは、国よりも住民により近い広域自治体が住民の参画と評価のもとで、総合的、機動的に対応できるようになるということです。事務の重複等を解消するとともに、組織や議員、職員、行政経費を相当削減することが可能となることなどが挙げられます。
 これからの議論で、道州制の話は無視できないと思いますので、改めて知事の道州制に対する考え方をお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 道州制については、まだその制度の詳細、明確ではなく、さまざまな考え方がある中で、今評価するのは難しい段階と考えております。
 少なくとも地勢的にも、歴史、文化的にも今の都道府県には自治の基礎がしっかり根づいております。私としては現時点においては、都道府県を基礎とし、府県を超える広域的な対応としては、広域連合がふさわしいと考えております。もちろん基礎自治体の強化、権限移譲というのは大切な分野でございます。
 滋賀県を預かる知事としては、例えば琵琶湖の総合保全、あるいは地域的一体感の醸成など、県の役割は、市町という基礎自治体の役割が大きくなっても、依然として残るものと考えております。
 道州制については、地方分権、地域主権改革が進んでいない状態の中で、地方への権限移譲、財源の移譲が伴わず、かえって中央集権化が進むのではないのかといった危惧もあります。
 分権改革待ったなしの状況にある中で、現行の都道府県制のもとで、広域連合を活用して、国の事務権限の移譲を受け、広域自治を担うようにすることが現実的であり、実効性があり、県民の利益につながるものと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)知事の道州制に対する慎重な姿勢は理解いたします。これまでもこの議会でそうでありました。
 一方、大阪市の橋下市長などは、国に対して道州制に向けた働きかけを既に行っています。ほかにも動きがあることを踏まえますと、まだ具体的な道州制に向けた動きが見えなくても、本県として戦略的に早い段階から、今から具体的な議論を始めていくことが大事なことではないかなというふうに考えております。
 例えば、1つには、道州制に伴う州都、州議会の設置場所についてです。アメリカ合衆国のニューヨーク州は、御承知のとおり、本土の北東部の位置にある州で、ニューヨーク市の人口は800万人だそうです。商業、文化、ファッション、エンターテインメントなど、多大な影響を世界に与える経済、文化の中心地です。当然、このニューヨーク州の州議会は、ニューヨーク市内にあると勝手に私、思い込んでいたんですけれども、実はニューヨーク市から230キロも離れた北にある人口わずか9万人のオールバニ市という街であることがわかりました。オールバニ市は、高度教育の中心地として名をはせていて、今日では政治とともに福祉医療の街として注目が高い地方市です。
 これは、私の持論なんですけれども、将来、関西州が枠組みが議論のときに、その州都、州議会は何もしなければ必然と関西の大都市圏に持っていかれてしまいます。そうじゃなくて、州都、州議会はこの滋賀に持ってくるんだというような、それぐらいの長期的な国家戦略ならぬ滋賀戦略というものを持ち合わせなければなりません。これはビジョンです。
 ニューヨーク市が大阪であれば、北にある人口9万人のオールバニ市は、滋賀に例えることもできます。滋賀県益の視点に立てば、大局的な見地が必要不可欠です。滋賀は、琵琶湖があって、四季の自然環境にも恵まれて、災害が少なくて、JR線、私鉄、高速道路網、国道、交通インフラが整っていて、歴史に目を向ければ、例えば大津京ですとか、織田信長公が天下統一のために着眼した安土というような歴史的背景も滋賀の強みであります。ハードルは高いです。非常に高いんです。高いんですが、州都、州議会を滋賀に設置することのメリットを引き出さなければならないと私は本気で思っております。
 外交、防衛、司法など国が本来果たすべきそういった役割は、重点化して国のほうでやっていただくとして、内政に関する事務は、基本的に地方がそういった発想を持ちながら、もちろんこれは関西州の中で、あるいは、今の広域連合の中でこの発展していく中でいろいろとかんかんがくがく行われるということは想定されますけれども、そういったことにマインドを注力をして、滋賀県の知事として、ぜひ進んでいっていただきたいし、そういう思いがあればこそ、滋賀県民が幸せになれるというふうに思っております。知事のその御判断でそれがおくれるのか、それとも加速度的に進むのか、非常に大事なポイントだと思うので、ぜひ、知事はトッププロモーションというふうにこの間代表質問のときおっしゃったけど、トッププロモーターとして、道州制に向けた動きを踏まえて、今から県民益のために戦略的に議論していく、そういった姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 本県は、歴史的、文化的、また地理的にも一体感のある中で、近江として発展してまいりました。この滋賀の豊かさ、美しさ、守り続けるためにも、滋賀県の枠組み、今後も大切にしていきたいと思っております。
 そういう中で、大変中部圏、関西圏の交通の要衝にもあるわけでございまして、滋賀県の相対的な価値というのは、いわば潜在的には大変高いものと思っております。
 そして、道州制の導入ですけれども、議員御指摘のように、国と地方を通じるまさに国のあり方をどうするかという議論が必要でございますので、そういう議論を見据えながら、さまざまな戦略を検討すること、重要であろうと思っております。
 そういう中で、現時点では、道州制そのものの議論が進展しているとは思われません。まずは、現行の都道府県制の中で、広域連合の取り組み、特に広域連合の中ではエネルギー検討会議あるいは地域防災計画、環境計画、そして、出先機関改革の委員長としての戦略的な動きを進める中で、滋賀県知事としての役割を果たしていきたいと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)現時点では、議論が進展しているとは思われないということです。そこが大きなかぎかなというふうにも思うわけで、道州制の検討に当たっては、国民の意識を醸成して、理解を得ることが大事だというふうに嘉田知事もずっと何度もこの議会でおっしゃっていると思うんです。道州制の具体的なイメージについて、また、道州制がこの日本のあり方とか、国民生活にどのような結果を、変化をもたらすかについて、国と地方の双方が道州制のメリットや課題、わかりやすく積極的な情報発信を行って、国民的な幅広い議論が行われるように努めなければならないというふうに考えるわけで、知事もこのことについては否定はされないというふうに思います。
 だから、結果的に押さえておきたいところなんですけれども、国民的議論がもっともっと盛り上がるということは、イコール滋賀県民一人一人が関心を持って、世論を動かしていく、どうにかしてくれじゃなくて、おれたちがどうにかするんだというような、滋賀県民一人一人の意識の変化、そういったものを導き出すことによって、それがほかの都道府県でも同じようなことが行われることによって、道州制そのものの大きくぐっと動くかぎを回すというようなことになると思うので、ぜひ、滋賀県として積極的な幅広い県内議論ができるように道州制のシミュレーション、具体的な検討データ、資料を示して、県民の議論に資するそういった御努力を知事にお願いをしたいというふうに思いますので、そのことに対して、知事の行動、アクション、どうされるかをお伺いしたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 道州制については、現在、県のホームページにおいて本県としての道州制導入に対する考え方、あるいは、国等における検討の状況などを掲載し、いつでも見ていただけるようにしております。また、ここ数年、県政の世論調査で、県民の皆さんの意向調査をしております。例えば今年度の調査では、強く賛成、どちらかといえば賛成が17.1%、どちらかといえば反対、強く反対が29.4%となっており、反対の声が多いものの、ただ、どちらとも言えないが25.5%、わからないが24.5%と、県民の意見は分かれております。
 こうしたことを踏まえ、今後とも県民の皆さんの意向の把握に努めるとともに、県のホームページ、広報紙などを通して、国、全国知事会の動き、検討状況などの情報を速やかに提供していきたいと思っております。
 あわせて、関西広域連合として広域自治体のあり方、戦略的に関西としていかに経済、環境、また観光なども含めて、ステップアップしていくのかということについては、日常的にも皆さんにお知らせをし、認識を深めていただきたいと思っております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)知事のお気持ちは尊重しますし、知事のその御意見というのもそうなんだろうなというふうに思います。今おっしゃった滋賀県のホームページの道州制の部分、僕も見させていただきました。あれを滋賀県民の方が見たときに、道州制に対しては、やっぱり、滋賀県としては反対のほうじゃないのかなというふうに受け取られかねない。あくまで、やっぱり、ホームページはニュートラルな立場でしておいていただかないと、滋賀県の方が、皆さんが判断がつかないというふうに私は思いました。ぜひ知事、一度ホームページのほうをまた最近ごらんになっているかどうかわからないんですけれども、その辺のところをのぞいていただきたいなというふうに思います。
 それから、アンケートも平成20年の7月に、アンケート調査、道州制についてされていらっしゃいますね。それも私見ましたけれども、174名の方のアンケートの結果をもとに集計用としてとられています。174名、滋賀県民の中でたった174名。それから、20代、30代、40代、50代、60代、70代までのアンケート回答者、ところが、20代の方というのは、この道州制に対して、やっぱり、理解もあるし、進めてほしいというような、そういった方も多いと思うんです。これは僕の推測です。70代の方は道州制なんてやめてくれよと、滋賀県で十分なんだと、これ以上何があるんだというふうに思っていらっしゃる方もひょっとしたら多いかもわかりません。年代別によって、その意識レベルが違うことによるので、アンケート調査というのは、なかなかこれは難しいですよね。そしてまた、それを誘導するような設問設定になっていれば、なおさらのことだというふうに思います。
 そういう意味で、ニュートラルな立場で、そして、この道州制というものをぜひ知事のこれまでの認識、そしてまた思いというのはあろうかと思うんですけれども、必ず道州制を議論しなきゃいけない時期が近々やってくるはずです。そのときに、おくれをとってはいけないというふうに思うので、ぜひ知事のその考え方に対して、私は変わりませんので、またほぐしていただければありがたいなというふうに思います。
 道州制について、今回初めての質問をさせていただいたんですけれども、ただ、先ほど大事なことをおっしゃったと思うんです。それは何かというと、ぜひ、検討しながら、また県民の皆さんで議論ができるように、その資するデータをしっかりと公表していければなというような趣旨だったと思うので、それは一歩前進だというふうに思っております。ぜひこれからもよろしくお願いを申し上げながら、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(家森茂樹君) 以上で3番有村國俊君の質問を終了いたします。
 
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