滋賀県議会議員 ありむら国俊
滋賀県の最大の特徴は、400万年の歴史を有する琵琶湖が県の中央部に位置し、県域がその集水域とほぼ一致していることです。琵琶湖には2,400種以上の水生生物が生息・生育し、このうち60種以上が琵琶湖・淀川水系にしか見られない固有種です。県域全体では10,000種を超える生物が記録されるなど、本県は正に生物多様性の宝庫といえます。
「生物の多様性に関する条約」の制定に基づいて、平成7年に我が国最初の「生物多様性国家戦略」が決定されました。平成22年には生物多様性条約第10 回条約締約国会議(CBD-COP10)において、平成32年を年次目標とする「愛知目標」が採択されています。
このような中、本県では、平成18年に「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」を制定。平成21年に「滋賀県ビオトープネットワーク長期構想」を策定し、希少種保全、外来種対策、野生獣害対策および生息、生育環境の保全、再生、ネットワーク化を進めました。また、本県の生物多様性地域戦略を策定するため、平成25年に、希少種保全、外来種対策など11のテーマ別ワーキンググループを立ち上げ、平成26年に、県内6か所でタウンミーティングを開催したところです。
そして、今年度から「生物多様性しが戦略」がスタートしました。
今月6日、環境省、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)主催による「第5回生物多様性全国ミーティング」が大津市のピアザ淡海で開催され、翌7日、本県主催の「生物多様性自治体ネットワークフォーラム」が県立琵琶湖博物館で開催されました。滋賀県庁はじめ諸団体関係者のご尽力に依り、本県の生物多様性の主流化に向け更なる機運醸成を図ることができたと思います。
一方、環境省は来年度から様々な自然環境の経済価値の試算を本格化させるため、本県の優位性を存分に発揮したいところです。
琵琶湖の恵みを利用して育まれた私たちの暮らしや文化を、新しい時代に即した形で発展させ「次の世代へ継承する」取り組みを一層進めて参ります。