「干拓施設の保全の推進」を明記。

2017年6月16日

 滋賀県議会議員 ありむら国俊

植物プランクトンのウログレナ・アメリカーナが大量発生して、琵琶湖の水面を赤褐色に染め悪臭を放った日から40年が経ちました。この淡水赤潮の発生をきっかけにリンを含まない石けんに切りかえる県民運動が始まり、2年後の昭和55年に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」が制定・施行されました。当時の私は高校1年生でメディアが大々的に報じていた記憶があります。滋賀県の環境行政と琵琶湖保全再生の歩みとして画期的な出来事でした。

本年3月、滋賀県は「琵琶湖保全再生施策に関する計画」を策定しました。この計画は琵琶湖が持つ生態系や生物多様性を守り琵琶湖と共にある人々が豊かな暮らしを営み、良き伝統・文化を育むことによって琵琶湖と人間のより良い共生関係を目指すものです。

計画の重点事項として、水草・外来動植物対策など「琵琶湖を『守る』取組」、林業成長産業化や環境関連産業の振興など「琵琶湖を『活かす』取組」、調査研究や環境人材の育成など「琵琶湖を『支える』取組」による好循環の創出を掲げています。  

この計画を着実に推進することは、我が国および世界の湖沼保全・再生の先駆けとなり得るものです。そのため本県だけでなく日本、さらには世界の湖沼の未来に向けて全力で取り組むべき課題と考えています。

計画の策定にあたり私は県議会に「琵琶湖保全再生対策特別委員会」の立ち上げを申し入れ、実現した本委員会において数々の提案を行いました。

その一つに「干拓施設」があります。干拓地の現状と苦労を懇々と説き県庁関係部局の協力を得て、当初の計画案になかった「干拓施設の保全の推進」という文言を明記することができました。

滋賀県は「環境こだわり農業」が盛んに行なわれています。「環境こだわり農業」は琵琶湖を「守り」・「活かす」上で非常に重要な活動です。これを支える干拓施設の保全は急務であり「琵琶湖保全再生施策に関する計画」において「干拓施設の保全の推進」が一層図れるよう今後も取り組んでまいります。