「建国記念の日」と「万歳三唱の日」 滋賀県議会議員 ありむら国俊

2020年2月6日

国民の祝日に関する法律で「建国記念の日」の趣旨は「建国をしのび、国を愛する心を養う」と規定しています。

古事記や日本書紀の記述に基づき、2680年前の2月11日に、日本初代の神武天皇が即位され、後に「建国記念の日」となりました。

明治22年2月11日に、大日本帝国憲法(日本で占領政策を実施したGHQによる草案をもとに、昭和21年に公布された現在の日本国憲法ではなく、明治時代に諸外国の憲法を学び歴史や伝統をふまえた日本独自の憲法)が公布され、当日、明治天皇に初めて「万歳三唱」がなされました。

ところで、この「万歳三唱」の由来ですが、それまでの日本は、一同による慶賀・歓呼の表現がなかったそうです。西欧においては、君主や大統領が街道を通る折り、帽子やハンカチを振り、統一された言葉で讃えることから、日本においても慶賀・歓呼する言葉を考案する必要がありました。

当初は、森有礼文部大臣が「奉賀」を提案しましたが「ホウガ・ア、ホウガ・ア、ホウガ・ア」と連呼してみると「ア・ホウガ(阿呆が)」に聞こえるとの理由から却下。

ほかに「万歳」として「マンザイ」案が出されましたが「マ」では「腹に力が入らない」との理由から、後に東京帝国大学総長となる外山正一博士が、謡曲・高砂「千秋楽」の「千秋楽は民を撫で、萬歳楽 (バンザイラク) には命を延ぶ」に合わせ、漢音と呉音の混用を問わずに「万歳 (バンザイ)」としたらどうかと発案。関係者一致して決まったそうです。

そして、前述のとおり、2月11日に、発案者の外山正一博士が音頭を取り、明治天皇の御前で声高らかに「万歳三唱」がなされました。記憶に新しい昨年の即位礼正殿の儀、皇居二重橋前の光景を彷彿とさせます。

本日、神武天皇を祀る橿原神宮(奈良県橿原市)をはじめ、全国の神社で日本国悠久の繁栄を祈願し、紀元祭の奉祝行事が行われます。

現在、混迷する国際社会において、日本のアイデンティティの確立が常に求められています。国民の祝日「建国記念の日」を迎え、日本人としての誇りを感じながらお祝いしたいと思います。