「未来への選択」 滋賀報知新聞 ありむら国俊

2015年1月1日

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

経済財政諮問会議の専門調査会「選択する未来」委員会が昨年末に纏めた

「未来への選択」がとても印象深かったので一部ご紹介します。

本委員会は、幅広く国民各層の要望、意見等の把握に努めた。その結果、未来に対する希望を抱くことができる様々な情報が得られた。

日本の未来像について、6割超の人々が「暗い」、「どちらかといえば暗い」と回答し、「明るい」、「どちらかといえば明るい」は3割にとどまった。ただ、20歳代の若い世代では、「明るい」、「どちらかといえば明るい」が4割超となるなど、若い世代では将来に対して悲観しない意見がやや多い傾向がみられる。人口が急速に減少することに対して、望ましくなく何らかの対応を講ずるべきと考える人は全体の8割を占め、若い世代でも壮年、高齢の世代でも同様の回答傾向であった。それに続けて、「高齢者に対する政策を抑制して、若い世代に対する政策を拡充する」、「若い世代に対する政策を抑制して、高齢者に対する政策を拡充する」を選ぶ質問をしたところ、若い世代ほど前者ではなくて後者を選ぶという結果であった。すなわち、世代間の対立は認められず、支え合いを大切にする傾向が看取される。

また、シンポジウムの参加者に対して、中間整理等の内容を理解していただいた上で、世論調査と同じ質問をしたところ、いくつかの差違が確認された。

日本の未来像について、世論調査では6割超の人々が「暗い」「どちらかといえば暗い」との回答であったが、シンポジウム参加者では同回答は5割を下回り、「わからない」が世論調査に比して大幅に増加した。すなわち、課題に対する理解の深まりによって、未来像はすでに決まっているのではなく、これからの選択によって決めることができ、これからの選択が重要だとの認識に至るものと考えられる。

人口急減・超高齢化が招来し、日本の経済社会全体が負の連鎖に陥り、地域社会が衰退していくことは避けなければならない。何とか変えていく必要がある、そのための選択を積み重ねていくべきであると多く人々が望むようになっていくことによって、少しずつしか変わってこなかったこれまでの日本の経済社会が、大きく改革・変革へと踏み出していくことを信じたい。

大事なことは、改革・変革に向けた取組にいますぐとりかかることである。デフレ脱却が視野に入ってきた今のタイミングが歯車の好転を図り得る好機である。困難な課題はたくさんあるが、希望が実現できるようにする、いままでやっていなかったことをやってみる、そういう発想で取り組むならば、決して克服できない課題ということではない。

2020年までに残された時間は多くない。2020年のその先の、いまから50年後の未来が、さらにその次の世代の未来へと明るく開かれたものであるよう、いまから始めなければならない。

私は、これまでから、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も!」、「できることは何でもやる!」を信条に日々努力してきました。だからこそ、この「未来への選択」を糧として全力で滋賀の未来を切り拓いていきたいと決意しております。今年も引き続きご指導賜りますようお願い申し上げます。