滋賀県議会議員 ありむら国俊
名神高速道路の大津インター出口から琵琶湖方面へしばらく走ると、正面にあたかも戦国時代にタイムスリップしたかのような城郭様式(3層5階)の滋賀県立琵琶湖文化館が見えてきます。
琵琶湖文化館は、62年前に完成し、館内には美術館・博物館・水族館・植物園・洋食レストラン・展望閣・プール等が設けられ、総合レジャー施設として高い評価を得て多くの人で賑わいました。
ところで、なぜ城郭様式で建てられたのか?を調べてみましたら、滋賀県には中近世にかけて1300を超える城郭が築かれ、その数の単位面積当たりは「日本一」と言われており、このような歴史的由縁から初代館長の草野文男さんが城郭様式を提言され実現したそうです。
時は流れて、館内の美術品は近代美術館へ。考古資料は安土城考古博物館へ。水族・植物部門は琵琶湖博物館へ。それぞれの機能を移管した琵琶湖文化館は、仏教美術の収蔵・展示を継続しましたが現在は休館しています。
誰もが一度は目に留めたであろう屋根の「大とんぼ」は有名ですが、今年1月に経年劣化のため撤去、館内で大切に保管されています。
そして只今、満を持して滋賀県では琵琶湖文化館の機能を引き継ぐ「(仮称)新・琵琶湖文化館」を計画し、令和9年の開館を目指しています。
場所は大津市浜大津の県有地、京阪びわ湖浜大津駅から徒歩2分、JR大津駅から徒歩15分の琵琶湖と比叡山を望む好適地です。
滋賀県の国宝・重要文化財の指定件数は全国第4位であり、かねてより「文化力が滋賀のポテンシャルを高める」と申し上げてきました。
「(仮称)新・琵琶湖文化館」は従来の収蔵・展示の機能に加えて、地域文化財のサポートセンターと文化観光のビジターセンターを備えることにより、滋賀の文化財を保存・継承・活用・発信する重要な拠点となる予定です。
私も「(仮称)新・琵琶湖文化館」の開館を「大とんぼ」と一緒に心待ちにしたいと思います。