あぶり餅と歴史の味わい   滋賀県議会議員 ありむら国俊

2018年3月16日

今年は、明治維新から150年です。

150年前というと遙か昔の時代と思われがちですが、悠久の歴史に比べれば75歳×2人分。そのように思考すると、明治維新もついこの間の出来事のように感じることができます。

ところで、今年のNHK大河ドラマは「西郷どん」。明治維新前後の物語です。私のルーツは薩摩藩=鹿児島県ですが、4代前の有村俊斎(海江田信義)が西郷隆盛、大久保利通の幼なじみの仲間としてドラマに登場しています。

余談ですが、「俊斎」の縁で祖父が「国俊」と命名してくれました。

俊斎役の俳優=高橋光臣さんに似てる!と思いもかけず嬉しいお励ましも頂いておりますので、ご覧頂ければ幸いです。

さて、今回は観光の続編です。

先日、宝ヶ池の「国立京都国際会館」で仕事を済ませた後、同僚の4人と紫野にある「今宮神社」を初めて訪ねました。

石畳の参道、北側に「一文字屋和輔」、南側に「かざりや」が風雅な趣きで建ち並び、ちょうど小腹も空いていたので、あぶり餅の香ばしさに誘われて「一文字屋和輔」の座敷に上がり込みました。

彼方此方に大勢の観光客。品書きは有って無いかの如く「お召し上がり1人前、13本入り、5百円」。紙片1枚がポツンと机に置かれているだけ。

10本でなく13本としているのは、2で割り切れない奇数の縁起が良いとする発想からなのか、日本らしさが息づいていました。

迷うこともなく4人前を注文してから、携帯電話で「一文字屋和輔」の由来書きを調べたところ、創業は長保2年(西暦1000年)。(株)金剛組と同様に日本に7社ある創業1000年を超える店で、飲食店としては日本最古の老舗。平安時代に一条天皇が流行り病を鎮めようと「今宮神社」を建立され、あぶり餅は無病息災を願う縁起物の和菓子としてこの地で提供されてきたとのこと。

「応仁の乱」の際には人々にあぶり餅を振る舞ったいわれには、驚きと同時に歴史の味わいが、観光の素地になると再認識することができました。

どうでしょう?あぶり餅。食べたくなってきた方も多いのではないでしょうか。1000年以上、愛され続けてきた「一文字屋和輔」。この視点に立てば、滋賀の観光についてヒントはいくらでもありそうです。観光とは本当に面白いです。