冬の入浴に、ご注意ください。 滋賀県議会議員 ありむら国俊

2022年1月18日

体を温め、1日の疲れを癒してくれるお風呂。しかし、お風呂で頭が「くらくら」感じたことはありませんか?入浴中に意識を失い、浴槽内で溺れて亡くなるという不慮の事故が増えています。特に65歳以上の方の死亡事故が多く、毎年11月から4月にかけて多く発生しています。

厚生労働省人口動態統計(令和2年)によりますと、浴槽内の死亡者数は4,724人、交通事故の死亡者数は2,199人。おおよそ2倍です。

原因は温度差による血圧の急激な変化です。暖房の効いた部屋から冷えた脱衣所に移動して衣服を脱ぎ、寒い浴室で血管が収縮して血圧が急上昇します。その後、浴槽に入り血管が拡張して血圧が急降下します。この急激な血圧の変化により、脳内に血液が回らない貧血の状態になり一過性の意識障害を起こすことがあります。

入浴中に溺れる事故を防ぐには?

①入浴前に脱衣所や浴室を暖める。②湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安に。③浴槽から急に立ち上がらない。④食後すぐの入浴や飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける。⑤お風呂に行く前に家族にひと声かける。⑥家族は入浴中の方の動向に注意する。

万一、浴槽で家族が倒れていたら?

①浴槽の栓を抜き大声で助けを呼ぶ。②浴槽から救出する。③直ちに救急車を呼ぶ。④両肩をたたきながら声を掛ける。⑤呼吸がない場合は胸骨を圧迫し救急車到着まで続ける。⑥人工呼吸ができるようであれば胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返す。

入浴中の事故は、持病や前兆がない場合でも突然起こる恐れがあります。「自分は元気だから大丈夫」と過信せずに「自分にも起きるかもしれない」という危機意識を持ちながら、家族みんなで命を守る入浴対策を何卒お願い申し上げます。