冷房の効いた図書館やカフェで気分転換。滋賀県議会議員 ありむら国俊

2024年7月20日

 近年、人間の体温調節能力が低下していることが懸念されています。高齢化、さらには地球温暖化やヒートアイランド現象が加わり、新たな「災害」とまでいわれる熱中症が急増しています。

2010年や2013年、2018~2020年には1,000人以上が熱中症で死亡し、その80%以上を高齢者が占め、その割合は増えつつあります。

人間の皮膚に存在する温度センサーが暑さを感知すると、その情報は脳の視床下部にある体温調節の中枢に伝えられます。その体温調節の中枢が「暑い」と判断すると、皮膚血管や汗腺に命令を出し、皮膚血流量や発汗量を増やし(自律性体温調節)暑さを和らげようとするそうです。

しかし、老化が進むと皮膚血流量と発汗量の増加が遅れ、体温がより上昇しやすくなります。発汗能力の低下は、下肢→体幹後面→体幹前面→上肢→頭部へと進行することが明らかになっています。

また高齢者は冷房の使用時間が短く、使用する際も設定温度が高いことが熱中症に起因していて、その特徴的な冷房の使い方は、体の冷えを嫌ったり、節電意識を理由として挙げる方がおられます。つまり、この行動性と自律性の体温調節の鈍化によって、体に熱がたまり、熱中症の発生へと繋がってしまうのだそうです。

高齢者がのどの渇きを感じにくいことも問題です。一般的に脱水が進むと、のどの渇きが起こり自然に飲水行動をとります。しかし、高齢者は若年者より体液量および血液量が少なく、脱水が進んでも脳の察知能力が低下するために、のどの渇きが起こりにくくなっています。

のどの渇きが起こらなくても定期的に水分をとり、部屋に「温度計」を置いて、室内温度をこまめにチェックしながら、温度が高い時は冷房を積極的に使用することが重要です。

 そこで、暑い夏を乗り越えるためにも、冷房の効いた図書館やカフェで快適に楽しく過ごされてみてはいかがでしょうか。