勝って兜の緒を締めよ!     滋賀県議会議員 ありむら国俊

2015年12月11日

12月も残すところ、半月となりました。ジャネーの法則は「時間の心理的長さは年齢に反比例する」という説ですが、確かに年齢を重ねると共に時間の流れを速く感じている方は大勢いらっしゃると思います。思い返しますと、昨年の12月は第47回衆議院議員総選挙の真っ直中でした。争点は、経済、エネルギー、地方創生、安全保障、東日本大震災復興、行政改革の政策等と、第2次安倍内閣改造への評価でした。また、今年10月に消費税率10%へ引き上げの予定を、平成29年4月へ先送りを決定し、同時にこの判断の是非についても国民の信を問う選挙戦でした。結果は「これまで、これから」に期待する国民の表れではなかったかと思います。話は変わって、12月は個人的に格別の思いがあります。110年前、ロシア帝国の南下政策に対抗するため、日本の存亡をかけた日露戦争において、世界最強と言われたバルチック艦隊を日本海海戦で撃破し、日本を勝利に導いた連合艦隊の解散式が12月に行われました。東郷平八郎長官の有名な訓示があります。

「常に万全の体制で臨み、一度事ある時は直ちにその危急に対応できる構えが必要である。一生は戦いの連続でその責任は平時であれ戦時であれ、その時々に軽くなり重くなりするものではない。事が有れば戦力を発揮し、事が無ければ戦力の涵養に努め、ひたすらにその本分を尽くす事にある。過去1年半、あの風波と戦い寒暑に耐え、度々強敵と相対して生死の間をさまよった事などは容易ではなかったが、考えるに、これもまた長期の一大演習であって多くの知識を啓発することができた。もし、太平に安心して目前の安楽を追うならば、兵備の外見がいかに立派であろうと、それは砂上の楼閣でしかなく、一度暴風に遭えば、たちまちに崩壊してしまうであろう。十分に心すべきである。このような古今東西の戒めは政治のあり方にも依るが、そもそも平和な時にあっても戦いを忘れず、備えを固くしているかどうかであり、それが自然にこのような勝利の結果を生んだのである。昔の諺に教えている、勝って兜の緒を締めよと」

明治38年12月21日 連合艦隊司令長官 東郷平八郎

110年を経て、時代は大きく変わりましたが「勝って兜の緒を締めよ」を教訓に、年の瀬の12月を契機とし、来年も気を引き締めて歩んで参りたいと存じます。尚、年賀状は公職選挙法により禁止されていますので、こちらからの差出は控えさせて頂きます。平成28年も皆様の益々の御健勝を念じます。