北陸新幹線は、米原ルートを。 滋賀県議会議員 ありむら国俊

2015年9月8日

北陸新幹線の延伸区間で、敦賀以西のルート決定に向けた駆け引きが激化しています。

 現在、東京に接続する新幹線は、東海道、東北、上越、そしてこの春に金沢まで開業した北陸新幹線を含め既に4本あり、来春には函館まで延びる北海道新幹線とも繋がる予定です。また、リニア中央新幹線が東京から名古屋までの区間を、JR東海によって昨年末に着工しました。東京への一極集中は、益々顕著となっています。

一方、関西に接続する新幹線は、東海道、山陽のみです。経済的、文化的にも関西圏と縁の深い北陸圏が先に東京と繋がり、此方の地盤沈下が進むことを懸念しています。

敦賀以西のルートに関して、福井県知事は、「整備計画どおり小浜市付近を通り新大阪駅に直結すべき」と主張しています。しかし私は、40年以上も前に決定した整備計画に固執するのではなく、我が国の経済情勢や国土軸の変化に合わせたルート設定が当然国益に適うものと考えています。

米原ルートは、北陸圏にとっても関係の深い名古屋圏との利便性が確保される事になります。実はこれが大切な要素で、福井県、石川県、富山県はすべて名古屋高裁・高検の管轄だからです。「新幹線ルートは完全な政治マター」(国交省幹部)と言われるだけに、滋賀県としても国やJR等への働き掛けをより一層進めねばなりません。

 既知の米原ルート・湖西ルート・小浜ルートの3案に対し、JR西日本が、「小浜駅と京都駅を通る」第4のルート案を検討しています。この動き以外にも水面下で様々な駆け引きが有ることから、米原ルートに決着させるのは、山あり谷あり正に至難の業です。

米原ルートを支持する関西広域連合、石川県、市町、経済界等と力を合わせ、その輪を更に拡大する活動は、本県の権益を確保する上で極めて重要な仕事となります。向こう1年間が正念場ですので、私も粘り強く懸命に取組んで参ります。米原ルートへの気運を高めるため、県民皆様のご協力をお願い申し上げます。