大戸川ダムの必要性。   滋賀県議会議員 ありむら国俊

2019年7月4日

治水の観点から大戸川ダムは必要だと思います。

ダムがあれば下流域の氾濫時間を遅らせ、避難などの対策も可能となります。なければ下流域で早くから浸水が始まります。容量以上の雨が降れば、ダムの効果は当然なくなりますが、時間稼ぎはできます。

大戸川は、信楽山地の高旗山に源を発し甲賀市信楽町から大津市南部を流下して瀬田川に合流する、流域面積190km2の一級河川です。

瀬田川は、京都府に入り、その下流にある天ヶ瀬ダムで宇治川と名前を変え、さらに下流で桂川・木津川と合流して大阪府に入り淀川となり、大阪湾へ注ぎます。

大戸川ダムは、洪水時に天ヶ瀬ダムで不足する容量に対応するために天ヶ瀬ダムに流入する流量を低減させ天ヶ瀬ダムの容量を補い、淀川の安全を確保するために国が事業計画している施設です。

近年、経験したことがない豪雨による災害が各地で頻発しており、毎年7月には堤防の決壊等により多数の方が命を落としています。

滋賀県では、こうした豪雨が発生した場合、大戸川ダムが県内にどのような影響や効果を及ぼすかを明確にするために勉強会を立ち上げ、1年間かけて検証を行いました。

その結果、大戸川流域においては、大戸川からの氾濫を抑制、氾濫を遅らせる効果があり、また、瀬田川洗堰の操作でも、全閉を含む放流制限時間が短縮できることが明らかになりました。

地球の気候変動に伴い、水害が頻発・激甚化する状況に対し、防災・減災対策を着実に進め、計画規模を超える洪水においても生命を失わない、生活再建が困難となる被害を避けなければなりません。

大戸川ダム建設事業は、京都府域、大阪府域に大きな効果を有するダムです。建設にあたっては、京都府や大阪府が認識を新たにし、理解されることが重要です。私もこれまでの経験と人脈を活かして、国や下流府に本事業の推進を強力に働きかけてまいります。