滋賀県議会、2月定例会議の一般質問です。(要旨)
質問(ありむら国俊)
滋賀県における洪水は、他府県のそれとは決定的に異なります。通常、河川が流下すれば海に注ぎ込みます。とは言え、海の水位が上昇して海岸を浸水することはありません。一方、滋賀県に降った雨は約460本の河川を経て琵琶湖に注ぎ込みます。しかも、琵琶湖から流出する河川は瀬田川(大阪湾へ注ぐ淀川)1本のみです。当然、琵琶湖の水位は上昇します。加えて、瀬田川の南郷に洗堰(あらいぜき)が設置された明治38年以降の豪雨時には、下流府県を守るために瀬田川からの流出を完全にストップする全閉操作(国管理)が行われ、琵琶湖の水位は上昇し続け洪水を引き起こします。私たち滋賀県民は、地勢上このような琵琶湖集水域において生活し、農業をはじめ広く生産活動を行いますが、その基本的構造は今日も明治期と何ら変わりません。ご承知の通り、琵琶湖の干拓地は低地であるがゆえに農業以外の排水も背負わされています。水茎干拓地周辺の北里学区では、日野川を除いて幹川がなく、上流からの雨水や家庭排水は当該干拓地の承水溝に流入しています。この様な状況から平成25年台風18号豪雨の際、承水溝は満杯となり溢れ田畑が冠水しました。また、大中の湖干拓地などでは、排水ポンプをフル稼働させましたが非情にもビニールハウスが冠水し、多くの農業関係者が悲嘆に暮れたことも記憶に新しいところです。こうした古今数々の事例を共通認識し、津田内湖干拓地、小中之湖干拓地なども含めた琵琶湖の洪水と干拓農業が抱える課題を解決するためには、部局縦割りではなく県政全体で包括的な対応が必要であると考えますが見解を問います。
答弁(安田全男-農政水産部長)
農業情勢が厳しい中、干拓地の特殊性や公共、公益性を認識し市町や土地改良区と共に費用負担や支援のあり方を研究します。
答弁(三日月大造-知事)
有村議員のご指摘は大変重たい課題と認識しています。何よりも干拓農家のご苦労を踏まえ、県政全体で解決すべき課題であると考え干拓地における洪水対策、また施設の老朽化対策を中長期的にどう捉え取り組んでいくのか検討します。
一行あけてください!
答弁の通り、県当局の前向きな姿勢を力強く感じました。私としましても、農業に従事される方々が取組みやすい環境を整え活性化へ繋げることができるよう、関係者間の協力体制を強化して参ります。