統合型リゾート(I R)の価値、在り方について思う。滋賀県議会議員 ありむら国俊

2017年1月24日

外国人観光客を誘致するツールとしてカジノを合法化している国は140か国以上あります。

国においては検討の開始から15年、法案の提出から5年を経て、昨年12月、I R整備推進法が成立しました。

I R(Integrated-Resort)は、ホテル、国際会議場、国際展示場、映画館、劇場、ショッピングモール、レストラン、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設などを有する統合型観光施設で、カジノは全施設面積の3%程度に限定されます。

国際観光産業推進議員連盟(I R議連)は、社民党、共産党を除く240名からなる超党派の連盟ですが、百聞は一見に如かず、4年前、私もI Rの価値、在り方について探究したいと思い、3棟の高層ビルを屋上(プール)で繋いだ統合型リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ・シンガポール」へ赴きました。

日本国内のI R施行数は今後の議論ですが、収益の一部は国や地元に還元されるため、早くも自治体による誘致活動が始まっています。

大阪市、和歌山市、横浜市に対して、北海道苫小牧市、釧路市、長崎県佐世保市(ハウステンボス)は地方創生を掲げてPRを図り奮闘しています。東京都は五輪パラリンピック後に臨海副都心へ誘致するために、海外の情報収集を急いでいます。

国は「特定複合観光施設区域整備推進本部」を設置して、マネーロンダリング(資金洗浄)対策、反社会的勢力の排除、日本人の入場規制などの検討を進める事としていますが、既存の公営競技や遊技で発生しているギャンブル依存症についても、早急に依存症比率の低下を実現しなければなりません。

⊖マイナス面の対策を講じ、⊕プラス面を伸ばすことは政治の大きな役割です。滋賀においても思考停止に陥らず、本県の観光産業全般の機能強化と発展を期すという本質の議論を展開し、より良い方向性を導き出したいと思います。