西の湖の浄化対策について     滋賀県議会議員 ありむら国俊

2016年7月20日

西の湖は、面積2.8k㎡、平均水深1.5mの浅い湖です。戦前の干拓によって弁天内湖と伊庭内湖が、戦後の干拓によって大中の湖が干拓され、戦前の干拓前に比べると内湖群の総面積は約1/8になりました。

魚や渡り鳥ヨシキリの繁殖場所でもあり晩秋から冬にかけて水鳥がやって来ることから、平成18年に西の湖一帯が鳥獣保護区に指定されました。 ヨシ原を主体とする湿地には動植物が多く確認され、平成20年に琵琶湖のラムサール条約湿地登録エリアの拡大により西の湖が登録されました。ヨシ群落は近畿地方で最大級の109ヘクタールの規模で、ほぼ東京ディズニーランドとディズニーシ―を合わせた面積で、東京ドーム23個分の広さがあります。毎年9月には、安土町の皆様が中心となり「西の湖ヨシ灯り展」を開催され、私も深いご縁をいただいて出席しています。滋賀県庁へ「知事賞」などのお願いをして、ヨシ材料を使用した優秀造形作品の出展者へ賞状授与もさせていただきました。今年は9/24、25に開催されますので、この機会にお出かけいただければ幸いです。(よしきりの池・安土B&G海洋センター一帯)

ところで、滋賀県では、西の湖の湖底に溜まった底泥から湖水中に溶け出す窒素やリンなどの汚濁負荷の削減を図るため、底泥の堆積が著しい安土町下豊浦地先の湾奥部において、平成12年度から計画的に浚渫を行っています。地元の漁業、真珠養殖業、和船観光業等の関係者から「水草が除去されて美しくなった」、「悪臭がしなくなった」などの声が寄せられています。

西の湖の浄化対策として今年度は、昨年度に約1.6ヘクタールを浚渫し約1年間天日乾燥している浚渫土の処分を実施します。湾奥部の未浚渫区域の約1.6ヘクタールは、平成29年度に浚渫を行い平成30年度に土砂を搬出し処分する予定です。

西の湖は最大の内湖であり重要文化的景観にも選定され、昨年4月には日本遺産の一部に認定されました。

加えて、念願の「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」が昨年9月に公布施行され「内湖の自然環境の保全、

再生に努めること」とされているところが大きなポイントになります。

内湖の重要性を鑑みた場合、西の湖で環境改善の成果を上げることが琵琶湖の保全に繋がると考えています。

このため、湾奥部以外の底泥の堆積状況も調査し浚渫する必要があります。

西の湖の水辺から夕焼けを眺め、織田信長公が活躍した安土で悠久のロマンを感じ楽しむことができる、皆様に愛される西の湖へ、これからも有効な手立てを講じ取り組んで参ります。