農地中間管理事業にかかる、機構集積協力金の財源確保について

2014年12月7日

滋賀県議会議員 有村國俊

 農地中間管理事業は、農地の有効活用の継続や農業経営の効率化を進め、担い手への農地利用の集積・集約の加速化を目指しています。国は機構集積協力金として総額253億円を措置し、この事業を通じて担い手への農地集積を図る地域や、農地の出し手に対する支援策を打ち出しました。具体的な中身は、担い手への農地集積を図る地域に対し、地域の農地面積に対する貸付割合に応じて10a当たり2万円から3万6千円、農地の出し手には、一定の交付要件を満たせば1戸当たり30万円から70万円が交付されるものです。

 滋賀県では、機構集積協力金を担い手への農地集積を図る重要な手段として積極的に活用する方針のもと、行政機関およびJAが連携して働きかけを行ってきました。しかし乍ら、平成26年度の農地中間管理機構への農地の貸付申し出期限である9月末において、機構集積協力金の交付見込み額が11億3千4百万円となり、国からの予算配分額4億2千9百万円を大幅に超過する状況になっています。

要するに、現状では次年度以降に交付が先送りできない経営転換協力金5億3千百万円と、耕作者集積協力金1千6百万円すら全額賄えない状況にあるばかりでなく、地域集積協力金5億8千7百万円に至っては全く確保されないことを意味しています。万一、地域集積協力金が交付されない状況になれば地域農業が混乱し、農地中間管理事業を通じた農地集積に対する農業者からの信頼は失墜することは言わずもがなです。

これまで時間を厭わずに、政策推進のために努力してこられた集落営農組織の役員さんや市町等関係団体・JAの落胆は、殊の外大きく納得できるはずもありません。加うるに、本県のように農地中間管理機構を通じて担い手への農地利用の集積・集約を積極的に進めている県ほど不公平な扱いを受けます。

この事態は本県の農業にとって正に死活問題であり、農地集積に格別のご努力を頂く農業者や関係者の労に応えなければなりません。現在のところ、国の補正予算による追加配分が不明なため、県として今年度は、個人に交付される協力金を優先配分する考えを市・町へ連絡して頂きました。

次年度以降も担い手へ農地を円滑に集積するためにも、今年度の協力金については早急かつ確実に確保する必要があるので、引続き関係者と共に国への働きかけを強化して参ります。