7月4日の朝、突然、私の携帯に自民党の石破茂幹事長から連絡が入りました。
「集団的自衛権について滋賀ではどんな受け止めですか?」と。予期せぬ出来事で大変驚きましたが、躊躇なく「日本の平和と安定のために、集団的自衛権を切れ目なく法整備する必要があるので、不信感をお持ちの方々には、丁寧に説明しご理解を得る努力を続けています」と即答しました。
海外に住する、あるいは海外に渡航する滋賀県民が在す以上、集団的自衛権の行使は、滋賀県としても万全の備えとして重要な意味を持ちます。
集団的自衛権の行使について、7月1日、安倍首相が記者会見で二つの事例を示して、その必要性を述べているので簡潔に要旨を紹介します。
「海外で紛争が起こり、避難しようとする日本人を米国が輸送している時、これが攻撃されても自衛隊は守ることができない。海外で、地域の発展のためにボランティア活動をしている日本の若者達が突如武装集団に襲われたとしても、同じ地域で活動している自衛隊は彼らを救えない。今の憲法解釈では自衛隊は彼らを見捨てるしかない。これが現実であるが、日本国憲法が国民の命を守る責任を放棄せよと言っているとは、どうしても考えられない」と安倍首相は訴えています。
記者会見に対し、某政党の党首は「国民を脅かして憲法解釈を行おうとしている」と反論しましたが、では、有事にどう対処すべきかは述べませんでした。事例に対し、代替案を提示しないのは無責任なことです。
「憲法解釈は絶対変えてはならない。だから、その時は彼らを見捨てる」とまで言い切るのなら、まだ覚悟した主張ですが、それは決して言いません。苦し紛れに「そんな事例は発生しない」と言う。反対派に共通しているのは、集団的自衛権の必要性の有無については不思議なほど言及しないことです。政治家であれば「観念論」より合理的、論理的な「政策論」によってその是非を語るべきであります。
石破茂幹事長が「日本人のための『集団的自衛権』入門」(新潮新書、本体680円)を出版しました。集団的自衛権の行使について必要性、正当性を分かりやすく解説しています。2時間程度で読める分量ですので、賛成の方も反対の方にもお読み頂きたい一冊です。様々な疑問や懸念が解決することと思います。